クラスターロケット

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ソユーズのロケットエンジン

クラスターロケットとは、多数のロケットエンジンを束ねて構成されるロケット。

特徴[編集]

利点[編集]

大型のロケットエンジンを新たに開発する場合、燃焼室の振動などの問題を解決するための莫大な費用と時間が必要となるが、クラスター方式は手持ちの信頼性の高いエンジンを流用して推力を増やせる堅実な方法であり、ソ連アメリカに先んじ、スプートニクボストークの打ち上げを成功させる原動力となった。

単一のエンジンを使用したロケットと比べ、一つのエンジンに異常が起きた場合の影響が小さい点でも有利とされる。また補助ブースターを用いて推力を補う方式と比較すると、(単一の制御モジュールにより全搭載エンジンを制御する事で)制御系統とロケット全体構造の単純化、如いてはロケット重量軽量化と設計の構造化をより進める事が可能となる。[1]

欠点[編集]

エンジンの数が増えるにつれて推進軸線制御の難度も高まり、一段目に30基ものエンジンを持つN1ロケットでは、この問題を遂に解決できず、ソ連の有人月旅行計画自体も中止に追い込まれている。

この他、新型ロケット・エンジンの開発機運が中々起きない気風が現場や所轄組織に根付き易くなり、数世代に渡り開発者の育成にも悪影響を及ぼす事も懸念される。

採用例[編集]

旧ソ連R-7(現在も直系の子孫であるソユーズロケットが使われている)が代表的なもので、一段目は五基のエンジン(ノズルは20個)を持つ。他のクラスターロケットには同じく旧ソ連製のプロトン(一段目に6基)やエネルギア(ソ連版スペースシャトル「ブラン」の打ち上げ用 4基プラス補助ブースター4基)アメリカのサターンIおよびIB(1段目に8基)や、スペースX社のファルコン9(1段目に9基)、ファルコンヘビー(1段目とブースターに計27基)などがある。日本のロケットへの採用例としては、H-IIBロケットの一段目がLE-7Aエンジン二基を搭載しておりクラスターロケットと呼べる。

クラスターロケットに関する作品[編集]

関連項目[編集]

参考文献[編集]

  1. ^ クラスターロケット”. JAXA 宇宙情報センター. 2010年5月3日閲覧。