クレマンソー級航空母艦

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クレマンソー級航空母艦
FS Foch high speed turn.jpg
基本情報
種別 航空母艦
命名基準 フランスの軍人
運用者  フランス海軍
 ブラジル海軍
前級 ジョッフル級
ボワ・ベロー
次級 シャルル・ド・ゴール
要目
基準排水量 24,200 t
満載排水量 32,700 t
全長 265.0 m
垂線間長 238.0 m
水線幅 31.72 m
吃水 8.6 m
ボイラー インドル型重油専焼ボイラー×6缶
主機 蒸気タービン×6基
推進器 スクリュープロペラ×2軸
出力 126,000馬力
速力 32ノット
兵装Mle.53 100mm単装砲×4基
クロタル短SAM 8連装発射機×2基
SADRAL 6連装ミサイル発射機×2基
搭載機固定翼機×37機
ヘリコプター×2機
C4ISTAR SENIT-2戦術情報処理装置
※後日装備
レーダー ・DRBV-23B 対空捜索用
DRBV-15 対空対水上捜索用
・デッカ1226 航法用
・DRBI-10 高度測定用
・NRBA-51 精測進入用
ソナー ・SQS-503 捜索用
電子戦
対抗手段
・ARBR-16/17電波探知装置
・ARBX-10周波数解析装置
・DAGAIE デコイ発射機×2基
・SAGAIE デコイ発射機×2基
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クレマンソー級航空母艦(クレマンソーきゅうこうくうぼかん、フランス語: porte-avions de la classe Clemenceau)は、フランス海軍が運用していた航空母艦の艦級。アメリカ国外初の攻撃空母として2隻が建造され、1960年代初頭より就役した[1]。老朽化に伴い、2000年までにフランス海軍からは退役したが、2番艦はブラジルが購入し、「サン・パウロ」として2017年まで運用された。

来歴[編集]

フランス海軍は「ベアルン」の運用経験を経て、1938年には初の新造空母として「ジョッフル」の建造に着手していた。しかしナチス・ドイツのフランス侵攻により、同艦が竣工することはなかった。また「ベアルン」も既に陳腐化・老朽化が進んでおり、1945年には輸送艦に転用された[1]。その後、自由フランス海軍は1945年4月にアヴェンジャー級護衛空母ディクスミュード」、続いて1946年4月にはコロッサス級軽空母アローマンシュ」を取得して、艦隊航空戦力の再整備に着手した[1]

国産空母の計画がなかなか進捗せず、これら2隻はインドシナ戦争におけるフランス軍の貴重な洋上航空基地となった。この戦争はフランス空母の初実戦となり、戦争の終結までに、政府はこれらの艦の価値を認識するに至った。この経験を踏まえ、国産空母の就役までのつなぎとして、1950年代前半にはアメリカ海軍からインディペンデンス級軽空母2隻の移管を受けて、「ボア・ベロー」「ラファイエット」として再就役させた[1]

その後、1953年および1955年に各1隻の建造が認可された。これによって建造されたのが本級である[2]

設計[編集]

計画基準排水量は22,000トン、全長は845フィート (258 m)で、同世代の英米の空母(エセックス級や「ハーミーズ」)と比して排水量に対する全長が長くなっており、飛行甲板面積を確保しやすくなっている[1]飛行甲板が強度甲板とされており、45 mmの装甲が施されている。また機関部などの枢要区画には、更に30~50 mmの装甲が施されている[3]。なお「クレマンソー」の就役後に復原性の不足が判明したことから、同艦は水線部中央にバルジを装着する改修工事を受け、当時建造中だった「フォッシュ」は当初からこれを装着して竣工した[4]

主機関はボイラー6缶および蒸気タービンを用いて2軸の推進器を駆動している。この規模の艦で2軸推進としているのは前例がなく、1軸あたり63,000馬力という出力は、アメリカ海軍の超大型空母(スーパー・キャリアー)を除けば最大級である[3]ボイラーの蒸気性状は、圧力45 kgf/cm² (640 psi)、温度450℃であった[5]

能力[編集]

航空運用機能[編集]

発着艦設備[編集]

飛行甲板は全長257メートルを確保している。皮肉にも、建造の遅延により、戦後の新発明であるアングルド・デッキを無理なく導入することができた。艦首甲板は93メートル×28メートル、艦首尾線に対して8度の開角を付されたアングルド・デッキは165.5メートル×29.5メートルの面積となっている[5]

アングルド・デッキと同様、蒸気カタパルトも当初から導入できた。イギリス製のミッチェル・ブラウンBS5型が採用されて、艦首甲板とアングルド・デッキに1基ずつ装備された。全長52メートル、15~20トンの航空機を110ノットまで加速できる[3][5]

なお飛行甲板には、識別記号として、「クレマンソー」では"U"、「フォッシュ」では"F"と描かれていた[2]

格納・補給[編集]

格納庫は長さ180メートル×幅22~24メートル×高さ7メートルである[5]1990年代の標準的な搭載機は下記の通りであった[4]

なお、艦上戦闘機としては、当初はアキロン(デ・ハビランド シーベノムのフランス海軍版)を搭載していたが、1963年にアメリカ合衆国からクルセイダーを購入したことから、1966年に所定の改装を行って順次に搭載した。また艦上攻撃機も、就役当初はエタンダールIVであったが、1970年代末よりシュペルエタンダールに更新された。同機は、1986年からの近代化改修によって核弾頭搭載のASMP巡航ミサイルの運用能力が付与され、これにあわせて本級もカタパルトや弾薬庫を改修して、核攻撃能力を持つこととなった[3]

クルセイダーは1990年代にF-8EP仕様にアップデートされたのち、1999年10月に運用を終了した[6]。なお1988年には「フォッシュ」でアメリカ海軍のF/A-18戦闘攻撃機の運用試験が行われた[2]ブラジル海軍での搭載機は、AF-1 ファルカン(A-4 スカイホークのブラジル名)と各種ヘリコプターである。

飛行甲板とハンガーを連絡するエレベータは、艦首甲板後端部とアイランド後方に1基ずつ設けられており、前部エレベータは17メートル×13メートル、後部エレベータは16メートル×11メートルの大きさである。耐荷重はいずれも当初は15トン、後に20トンに強化された[3]

なお航空燃料としては、「クレマンソー」ではジェット燃料1,200 m3航空用ガソリン400 m3を、また「フォッシュ」ではジェット燃料1,800 m3、航空用ガソリン109 m3を搭載できる[5]

個艦防御機能[編集]

新造時には、前後両舷のスポンソンMle.53 100mm単装砲を2基ずつの計8基搭載していた。その後、「クレマンソー」は1985年、「フォッシュ」は1987年にそれぞれ改装を受けて、右舷前部および左舷後部の砲を撤去し、それぞれクロタル短SAMの8連装発射機に換装された[3]。この発射機はFCSと一体になっており、またその下の弾庫を含めて、ミサイル18発を搭載する[4][5]

「フォッシュ」がブラジルに売却される際に、100mm単装砲とクロタル発射機は撤去された。ミストラル発射機については撤去されたか残置されたか定かでない。ブラジルでは2010年に「サン・パウロ」のオーバーホールを行い、このときにミストラルの2連装簡易発射機シンバッドが3基搭載された(仮にサドラルが残置されていたとするとこの際に撤去されている)。

同型艦[編集]

# 艦名 建造 起工 就役 退役 その後
R 98 クレマンソー
Clemenceau
ブレスト造兵廠 1955年
11月
1961年
11月22日
1997年
10月1日
2011年解体
R 99 フォッシュ
Foch
アトランティーク造船所 1957年
11月15日
1963年
7月15日
2000年
11月15日
ブラジル海軍に売却
サン・パウロ」として再就役

登場作品[編集]

映画[編集]

クリムゾン・タイド
「フォッシュ」が登場。冒頭にて、地中海で警戒活動を行っており、その艦上からリポーターが、ロシア国内で起きた反乱についてレポートする。
『頭上の脅威』
「クレマンソー」が登場。作中の主な舞台となっており、未確認飛行物体と遭遇する。フランス海軍全面協力の下、撮影には実物とエタンダールIVをはじめとする艦載機が使用されている。

小説[編集]

レッド・ストーム作戦発動
「フォッシュ」が登場。アメリカ海軍と共同で空母機動部隊を編成し、アメリカ海軍の戦闘機部隊が誘い出された隙の空襲に対して個艦奮戦するも、撃沈される。

脚注[編集]

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注釈[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b c d e Polmar 2008, ch.12 Carrier Proliferation.
  2. ^ a b c Sharpe 1989, p. 176.
  3. ^ a b c d e f Gardiner 1996, p. 103.
  4. ^ a b c 海人社 1997, p. 126.
  5. ^ a b c d e f Prezelin 1990, pp. 142-143.
  6. ^ Polmar 2008, ch.21 Lessons and Finances.

参考文献[編集]

  • Gardiner, Robert (1996). Conway's All the World's Fighting Ships 1947-1995. Naval Institute Press. ISBN 978-1557501325. 
  • Polmar, Norman (2008). Aircraft Carriers: A History of Carrier Aviation and Its Influence on World Events. Volume II. Potomac Books Inc.. ISBN 978-1597973434. 
  • Prezelin, Bernard (1990). The Naval Institute Guide to Combat Fleets of the World, 1990-1991. Naval Institute Press. ISBN 978-0870212505. 
  • Sharpe, Richard (1989). Jane's Fighting Ships 1989-90. Janes Information Group. ISBN 978-0710608864. 
  • 『世界の空母ハンドブック』海人社〈世界の艦船別冊〉、1997年。NCID BB09185700