グリーブス級駆逐艦

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グリーブス級駆逐艦
USS Niblack DD-424 01.jpg
基本情報
艦種 駆逐艦 (DD)
命名基準 海軍功労者 一番艦はアルバート・グリーブス提督に因む
運用者  アメリカ海軍
 中華民国海軍
 イタリア海軍
 海上自衛隊
 ギリシャ海軍
 トルコ海軍
建造期間 1938年 - 1943年
就役期間 1940年 - 1956年
同型艦 66隻
準同型艦 ベンソン級
次級 フレッチャー級
要目
排水量 基準1,630トン
全長 106.15m (348 ft 3 in)
最大幅 11.00m (36 ft 1 in)
吃水 4.01m (13 ft 2 in)
ボイラー バブコック&ウィルコックス製水管缶×4基
主機 ウェスティングハウス
若しくはジェネラル・エレクトリック
蒸気タービン×2基
推進器 スクリュープロペラ×2軸
出力 50,000馬力
速力 37.4ノット
航続距離 6,500海里 (12kt巡航時)
乗員 276名(士官16名を含む)
兵装 竣工時
38口径5インチ単装砲×5基
 (後期建造艦では4基)
12.7mm 機銃×10基
・533mm 5連装魚雷発射管×2基
 (後期建造艦では1基)
爆雷投下軌条2基
爆雷×22個
1942年
・38口径5インチ単装砲×4基
エリコンSS 20mm機銃×6基
・533mm 5連装魚雷発射管×2基
爆雷投下軌条2基
爆雷×22個
1944年
・38口径5インチ単装砲×4基
40mm連装機関砲×2基
エリコンSS 20mm機銃×4基
・533mm 5連装魚雷発射管×2基
爆雷投下軌条2基
爆雷×22個
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グリーブス級駆逐艦(グリーブスきゅう くちくかん、英語: Gleaves-class destroyers)はアメリカ海軍駆逐艦の艦級。大西洋地中海で哨戒や支援任務に従事し、太平洋戦争開戦後には太平洋戦線で日本軍とも戦った。一番艦は、アルバート・グリーブス提督に因んで命名されている。

概要[編集]

名称について[編集]

ベンソン級駆逐艦のうち、バブコック&ウィルコックス社設計によるグリーブスとニブラックを本級に編入せず、一番艦をリヴァモアとしてリヴァモア級駆逐艦(Livermore class Destroyers)と呼ばれたり[1]、グリーブスとニブラックおよび1939年度計画艦と1940年度計画によるブリストル以下の建造艦を分離して、後者をブリストル級駆逐艦(Bristol class Destroyers)と呼ぶこともある[2][3]。また、この両者にベンソン級を合わせてベンソン/リヴァモア級(Benson/Livermore class)あるいはベンソン/グリーブス級(Benson/Gleaves class)などと呼ばれたりする。なお、アメリカ海軍では先に竣工した艦を艦級名とする慣習があり、基本的に建造を開始した時期や建造した造船所にとらわれない[3]

設計[編集]

ベンソン級のバブコック&ウィルコックス社設計艦を引き続いて建造したものである。要目はベンソン級と大差ないが、ベンソン級のベスレヘム造船建造艦がベスレヘム社独自の機関を搭載したのに対し、本級では汎用型の機関が使用された[2]。1938年から1940年にかけてグリーブスとニブラックの2隻が建造され、1939年度計画艦リヴァモア、エバール、プランケット、ケアニーの4隻(DD-429 - 432)が1940年に竣工。1941年にグウィンからラドローとウィルクスからイングラハム(DD-433 - 438, DD-441 - 444)の10隻が建造された。この頃、すでに次級のフレッチャー級駆逐艦が起工されようとしていたが、世界情勢の緊迫により駆逐艦兵力を即座に増強する必要があったため、フレッチャー級と同時に48隻の建造が進められる事となった[4]。1943年までに全64隻が就役した。

船型としては船首楼型を採用、また機関配置は缶・機・缶・機のシフト配置とされている[5]

建造時の武装はベンソン級に引き続いて38口径5インチ単装両用砲5基、12.7mm 機銃10基、21インチ5連装魚雷発射管2基10門が標準。1940年度計画のブリストル級は建造時から5インチ砲と魚雷発射管を1基ずつ削減して就役。就役済みの艦も、アメリカが参戦すると5インチ砲を撤去して40mm機関砲、20mm機銃を設置するなど対空火器の増設が行われた。このため、ベンソン級同様にトップヘビー気味という問題点が残された。

戦歴[編集]

本級も就役と同時に中立パトロールに投入され、1941年10月17日にケアニーがUボートの雷撃により損傷した。アメリカが本格参戦すると大西洋方面と太平洋方面に散って各方面で枢軸国陣営と対決し、戦闘と事故で10隻を喪失、さらに戦後演習中の事故によりホブソンを喪失した、また大戦中、エリソンを筆頭に軽敷設艦や高速掃海艇に改装された艦もある。戦争終結後は、いくつかの艦が他国に供与され、エリソンとマコームは海上自衛隊に供与の上、あさかぜ型護衛艦「あさかぜ」(エリソン)、「はたかぜ」(マコーム)として就役した。

同型艦[編集]

リヴァモア
エバール
グウィン
  • グリーブス英語版 (USS Gleaves, DD-423)
  • ニブラック英語版 (USS Niblack, DD-424)
  • リヴァモア英語版 (USS Livermore, DD-429)
  • エバール英語版 (USS Eberle, DD-430)
  • プランケット英語版 (USS Plunkett, DD-431)
  • ケアニー英語版 (USS Kearny, DD-432)
  • グウィン (USS Gwin, DD-433)
  • メレディス (USS Meredith, DD-434)
  • グレイソン英語版 (USS Grayson, DD-435)
  • モンセン英語版 (USS Monssen, DD-436)
  • ウールゼイ英語版 (USS Woolsay, DD-437)
  • ラドロー英語版 (USS Ludlow, DD-438)
  • エディソン英語版 (USS Edison, DD-439)
  • エリクソン英語版 (USS Ericsson, DD-440)
  • ウィルクス英語版 (USS Wilkes, DD-441)
  • ニコルソン英語版 (USS Nicholson, DD-442)
  • スワンソン英語版 (USS Swanson, DD-443)
  • イングラハム (USS Ingraham, DD-444)
  • ブリストル (USS Bristol, DD-453)
  • エリソン (USS Ellyson, DD-454)
  • ハンブルトン英語版 (USS Hambleton, DD-455)
  • ロッドマン英語版 (USS Rodman, DD-456)
  • エモンズ (USS Emmons, DD-457)
  • マコーム英語版 (USS Macomb, DD-458)
  • フォレスト英語版 (USS Forrest, DD-461)
  • フィッチ英語版 (USS Fitch, DD-462)
  • コリー英語版 (USS Corry, DD-463)
  • ホブソン英語版 (USS Hobson, DD-464)
  • アーロン・ワード (USS Aaron Ward, DD-483)
  • ブキャナン英語版 (USS Buchanan, DD-484)
  • ダンカン (USS Duncan, DD-485)
  • ランズダウン英語版 (USS Lansdowne, DD-486)
  • ラードナー英語版 (USS Lardner, DD-487)
  • マッカーラ英語版 (USS McCalla, DD-488)
  • マーヴィン英語版 (USS Mervine, DD-489)
  • クイック英語版 (USS Quick, DD-490)
  • カーミック英語版 (USS Carmick, DD-493)
  • ドイル英語版 (USS Doyle, DD-494)
  • エンディコット英語版 (USS Endicott, DD-495)
  • マコック英語版 (USS McCook, DD-496)
  • フランクフォード英語版 (USS Frankford, DD-497)
  • デービソン英語版 (USS Davison, DD-618)
  • エドワーズ英語版 (USS Edwards, DD-619)
  • グレノン英語版 (USS Glennon, DD-620)
  • ジェファーズ英語版 (USS Jeffers, DD-621)
  • マドックス (USS Maddox, DD-622)
  • ネルソン英語版 (USS Nelson, DD-623)
  • ボールドウィン英語版 (USS Baldwin, DD-624)
  • ハーディング英語版 (USS Harding, DD-625)
  • サタリー英語版 (USS Satterlee, DD-626)
  • トンプソン英語版 (USS Thompson, DD-627)
  • ウェルズ英語版 (USS Welles, DD-628)
  • コーウィ英語版 (USS Cowie, DD-632)
  • ナイト英語版 (USS Knight, DD-633)
  • ドラン英語版 (USS Doran, DD-634)
  • アール英語版 (USS Earle, DD-635)
  • バトラー英語版 (USS Butler, DD-636)
  • ゲラルディ英語版 (USS Gherardi, DD-637)
  • ハーンドン英語版 (USS Herndon, DD-638)
  • シュブリック英語版 (USS Shubrick, DD-639)
  • ビーティ英語版 (USS Beatty, DD-640)
  • ティルマン英語版 (USS Tillman, DD-641)
  • スティーブンソン英語版 (USS Stevenson, DD-645)
  • ストックトン (USS Stockton, DD-646)
  • ソーン英語版 (USS Thorn, DD-647)
  • ターナー英語版 (USS Turner, DD-648)

脚注[編集]

  1. ^ 「第2次大戦のアメリカ軍艦」、「アメリカ駆逐艦史」
  2. ^ a b ホイットレー, 277ページ
  3. ^ a b M・J・ホイットレー『第二次大戦駆逐艦総覧』でのベンソン級とブリストル級の分け方は、設計や建造所の違いではなく、建造計画に基づいて割り振られたハルナンバー順による
  4. ^ 「アメリカ駆逐艦史」78ページ
  5. ^ 「海上自衛隊全艦艇史」『世界の艦船』第630号、海人社、2004年8月、 1-261頁、 NAID 40006330308

参考文献[編集]

  • 「世界の艦船増刊第15集 第2次大戦のアメリカ軍艦」海人社、1984年
  • 「世界の艦船増刊第43集 アメリカ駆逐艦史」海人社、1995年
  • M・J・ホイットレー/岩重多四郎(訳)『第二次大戦駆逐艦総覧』大日本絵画、2000年、ISBN 4-499-22710-0