グループN

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三菱・ランサーエボリューショングループN仕様(2008年)

グループNは、自動車レースに使用する競技車両のカテゴリーの1つ。

概要[編集]

ラリークロストヨタ・セリカ GT FourグループN仕様(1994年)

1981年FIAの下部組織だったFISA(国際自動車スポーツ連盟)によって、それまで1から8の数字によって形成されていたレギュレーション(国際スポーツ法典・付則J項)を、AからF・N・Tという8つのアルファベットへ簡略化したものの1つである。部門Ⅰ(量産車部門)に所属し、「プロダクションカー(無改造車)」と定義される。一般の市販車にレース用の改造を施すという点でグループAグループBと同じだが、その改造範囲は狭く、現状FIAで最も市販車に近い規定である。

連続した12か月間に2,500台以上(1993年より.それ以前は5,000台以上)生産された4座席以上の車両で、グループAホモロゲーションを取得した車がホモロゲーションの対象となる。つまりグループNホモロゲーション取得車は、同時にグループAホモロゲーション取得車である。なおPWRCでは参戦車種を増やすための特例として、生産台数が1,000台以上ならホモロゲーション取得が認められていた。生産を中止した日から7年後に公認は無効となる。

排気量1400cc以下は"N1"、1401~1600ccは"N2"、1601~2000ccは"N3"、2000cc以上は"N4"にそれぞれ分類される。またターボ車は排気量に1.7倍を乗じた数を適用する。

排気量・最低車重・使用ホイール径・幅・前後最低地上高・前後最大トレッド、駆動形式、サスペンションの形式やストローク量は車種毎に申請されたホモロゲーションシートの数値を遵守することが求められるため、ベース車となる市販車そのものの性能の高さが要求される。一方で消火機器やロールケージの装備といった一通りの安全対策に加え、座席の取り外し、サスペンションショックアブソーバーブレーキ類(パッドやキャリパー・ローター・ホース)などの素材の変更、エンジンECUのチューニングなどができるため、「市販車」というにはほど遠い部分も多い。また00年代末期のPWRCではインタークーラーの変更やエンジン及びオイルクーラーの取り外しなど改造範囲が拡大され、各コンストラクターによる開発競争が過熱した[1]

90年代中期以降のグループNカップおよびPWRCは1999年から2001年までの三菱28連勝のようにN4のスバル・インプレッサ三菱・ランサーエボリューションの寡占状態となっていたため、他社の参入が難しい状況となっていた。そこでFIAはグループR1~R3スーパー2000を同カテゴリに編入した。しかし今度はスーパー2000にN4が太刀打ちするのが難しくなってしまったため、N4の改造範囲を広げたグループR4を誕生させた。だが結局R4の戦闘力はスーパー2000に並ぶには至らず、2015年を持ってR4はFIA主催シリーズの欧州イベントでの使用が不可とされた。

スーパー2000やグループRの台頭後もグループN車両はWRCおよびWRC2への年間エントリーが認められていたが、実際に使用するチームは皆無であったため、2019年以降は地元チームの賞典外でしか参戦できなくなっている。また各国ASN管轄のラリー・アメリカ全日本ラリー選手権などでは現在も総合優勝を争うが、FIA管轄の地域選手権ではWRC同様R5スーパー2000の下位クラス(ERC-2、APRC-2など)に位置づけられている。

グループNの参戦可能なレース・ラリーカテゴリ[編集]

以下はJAFの公認によりグループNと同等のレギュレーションの車両を用いるカテゴリ。

グループNの主な車種[編集]

スバル・インプレッサグループN仕様(2010年)

以下はFIAのグループNのホモロゲーションを取得していないものの、JAFの公認によりグループNとほぼ同等のレギュレーションでスーパー耐久全日本ラリー選手権等に出ている車種である。

スーパー耐久ST-4クラスのトヨタ・86(2012年)

脚注[編集]

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  1. ^ [WRC PLUS WORLD RALLY MAGAZINE Vol.06] 2009年9月10日 三栄書房刊

関連項目[編集]