ケビン・キアマイアー
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タンパベイ・レイズ #39 | |
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![]() 2018年7月7日 | |
基本情報 | |
国籍 |
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出身地 | インディアナ州フォートウェイン |
生年月日 | 1990年4月22日(30歳) |
身長 体重 |
6' 1" =約185.4 cm 195 lb =約88.5 kg |
選手情報 | |
投球・打席 | 右投左打 |
ポジション | 中堅手 |
プロ入り | 2010年 MLBドラフト31巡目 |
初出場 | 2013年9月30日 |
年俸 | $3,870,370(2020年) |
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度) | |
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派遣歴 | |
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この表について
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ケビン・ジェームス・キアマイアー(Kevin James Kiermaier, 1990年4月22日 - )は、アメリカ合衆国インディアナ州フォートウェイン出身のプロ野球選手(中堅手)。右投左打。MLBのタンパベイ・レイズ所属。
愛称はジ・アウトロー[1]。
経歴[編集]
パデュー大学からアメリカンフットボールでの奨学金のオファーを受けていたが、野球を続けたいと考えた彼はイリノイ州のコミュニティカレッジのパークランド・カレッジに進学、2シーズンNJCAAのオールアメリカンに選ばれた[2]。
2010年、MLBドラフト31巡目(全体941位)でタンパベイ・レイズから指名を受けてプロ入り。同年中に傘下のルーキー級プリンストン・レイズでプロデビュー。
2011年オフにはオーストラリアン・ベースボールリーグのキャンベラ・キャバルリーでプレー[3]。
2013年9月にメジャー昇格し、9月30日のシーズン163試合目となるテキサス・レンジャーズとのワンゲームプレーオフで9回裏から中堅の守備に就いてメジャーデビュー。チームはそのまま抑え切り、プレーオフ進出の瞬間をグラウンドで迎えることができた。
2014年は開幕をAAA級ダーラム・ブルズで迎えたが、途中から控え外野手としてメジャーに定着。5月17日のロサンゼルス・エンゼルス戦ではメジャー初安打、翌18日の同カードでは初本塁打を放った。シーズン通じて外野の3ポジションで起用され、108試合に出場。打率.263、10本塁打、35打点、5盗塁を記録した。
2015年は中堅手のレギュラーに抜擢され、151試合に出場して初めて規定打席に到達した。打率.265、10本塁打、40打点、18盗塁という成績を記録した。守備では5失策を喫して守備率こそ.988だったが、中堅手としてはリーグ最多の15補殺、DRSでは+42を記録した。この守備防御点は2013年にアンドレルトン・シモンズが記録した+ 41を上回り、史上最高値となった。オフにゴールドグラブ賞を受賞した。
2016年は105試合に出場。打率.246、12本塁打、37打点、21盗塁を記録した。
2017年に先だって、総額5350万ドルの6年契約を結んだ[4]。6月9日に、前の試合に一塁にスライディングを試みた際に、右腰に亀裂が入っているのが分かった。少なくとも2か月の離脱が余儀なくされた[5]。8月18日のシアトル・マリナーズ戦で、一番打者として復帰した[6]。2年連続の怪我での離脱があったにもかかわらず、守備に関してはリーグ屈指の選手であることは変わりなかった。中堅手としてはDRS+22と自身最低で、ミネソタ・ツインズのバイロン・バクストンのDRS+24に次ぐ第2位だった[7]。レギュラーシーズンでは、打率.276、15本塁打(自己ベスト)、39打点、出塁率.338、長打率.450・16盗塁を記録したが、7盗塁死は自身最多で、98試合もレギュラーになってからは最小だった[8]。ゴールドグラブ賞を受賞することもなく、レギュラーとしては初めて最終選考にも残らなかった[9]。
2018年は、4月16日のテキサス・レンジャーズ戦で二塁にスライディングした際に右手の親指を怪我をしたため、試合途中に離脱。翌日のMRI検査で親指の靭帯断裂が判明したため、3ヵ月戦線を離脱し[10]、6月19日のヒューストン・アストロズ戦で復帰した[11][12]。レギュラーシーズンでは、88試合に出場し、打率.217、7本塁打、29打点、10盗塁を記録した。また、守備では規定回に達していないにも関わらずUZR+13・DRS+9.8を記録してウィルソン・ディフェンシブ・プレーヤー・オブ・ザ・イヤーに選ばれた。
2019年は129試合に出場して打率.228、14本塁打、55打点、19盗塁だった。守備ではともにリーグトップのUZR+6.9・DRS+13を記録して球団史上最多タイとなる3度目のゴールドグラブ賞を受賞した。
2020年は新型コロナウイルス感染症流行の影響で60試合の短縮シーズンとなる。自身はレイズ生え抜きの最年長選手として挑むシーズンになった。トロント・ブルージェイズとの開幕3戦目では10回裏に山口俊から逆転サヨナラ三塁打を打った[13]。最終成績は49試合の出場で打率.217、3本塁打、22打点、8盗塁だった。守備ではUZR+7.7と補殺6でリーグトップ、DRS+10は同2位を記録した。チームは10年ぶりに地区優勝を飾り、ポストシーズン進出。
ニューヨーク・ヤンキースとのALDS第3戦では、田中将大から決勝点となる本塁打を放った[14]。
ヒューストン・アストロズとのALCSでは華麗な守備を見せるも[15]、第3戦で左手に死球を受け、第4-6戦は先発を外れた。第7戦で先発復帰し、チームもリーグ優勝を決めた。
ワールドシリーズでは2本塁打を記録したが、チームは敗れた。
選手としての特徴[編集]
「守備だけなら歴代最高クラス」とも言えるほど守備力に優れており、ゴールドグラブ賞を3回受賞している[16][17]。中堅手としてDRSは通算・単年ともにMLB歴代最高であり、通算UZRはアンドリュー・ジョーンズに次ぐ2位である[18]。
詳細情報[編集]
年度別打撃成績[編集]
年 度 |
球 団 |
試 合 |
打 席 |
打 数 |
得 点 |
安 打 |
二 塁 打 |
三 塁 打 |
本 塁 打 |
塁 打 |
打 点 |
盗 塁 |
盗 塁 死 |
犠 打 |
犠 飛 |
四 球 |
敬 遠 |
死 球 |
三 振 |
併 殺 打 |
打 率 |
出 塁 率 |
長 打 率 |
O P S |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2013 | TB | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | ---- | ---- | ---- | ---- |
2014 | 108 | 364 | 331 | 35 | 87 | 16 | 8 | 10 | 149 | 35 | 5 | 4 | 5 | 2 | 23 | 2 | 3 | 71 | 3 | .263 | .315 | .450 | .765 | |
2015 | 151 | 535 | 505 | 62 | 133 | 25 | 12 | 10 | 212 | 40 | 18 | 5 | 2 | 2 | 24 | 0 | 2 | 95 | 7 | .263 | .298 | .420 | .718 | |
2016 | 105 | 414 | 366 | 55 | 90 | 20 | 2 | 12 | 150 | 37 | 21 | 3 | 0 | 1 | 40 | 1 | 7 | 74 | 5 | .246 | .331 | .410 | .741 | |
2017 | 98 | 421 | 380 | 56 | 105 | 15 | 3 | 15 | 171 | 39 | 16 | 7 | 4 | 1 | 31 | 2 | 5 | 99 | 3 | .276 | .338 | .450 | .788 | |
2018 | 88 | 367 | 332 | 44 | 72 | 12 | 9 | 7 | 123 | 29 | 10 | 5 | 2 | 2 | 25 | 2 | 6 | 91 | 4 | .217 | .282 | .370 | .653 | |
2019 | 129 | 480 | 447 | 60 | 102 | 20 | 7 | 14 | 178 | 55 | 19 | 5 | 1 | 1 | 26 | 2 | 5 | 104 | 8 | .228 | .278 | .398 | .676 | |
2020 | 49 | 159 | 138 | 16 | 30 | 5 | 3 | 3 | 50 | 22 | 8 | 1 | 0 | 0 | 20 | 1 | 1 | 42 | 2 | .217 | .321 | .362 | .683 | |
MLB:8年 | 729 | 2740 | 2499 | 328 | 619 | 113 | 44 | 71 | 1033 | 257 | 97 | 30 | 14 | 9 | 189 | 10 | 29 | 576 | 32 | .248 | .307 | .413 | .720 |
- 2020年度シーズン終了時
年度別守備成績[編集]
年 度 |
球 団 |
左翼(LF) | 中堅(CF) | 右翼(RF) | |||||||||||||||
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試 合 |
刺 殺 |
補 殺 |
失 策 |
併 殺 |
守 備 率 |
試 合 |
刺 殺 |
補 殺 |
失 策 |
併 殺 |
守 備 率 |
試 合 |
刺 殺 |
補 殺 |
失 策 |
併 殺 |
守 備 率 | ||
2013 | TB | - | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | ---- | - | ||||||||||
2014 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | ---- | 42 | 100 | 2 | 1 | 1 | .990 | 68 | 137 | 3 | 5 | 1 | .966 | |
2015 | - | 148 | 410 | 15 | 5 | 3 | .988 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1.000 | ||||||
2016 | - | 104 | 264 | 7 | 2 | 1 | .993 | - | |||||||||||
2017 | - | 97 | 242 | 5 | 6 | 1 | .976 | - | |||||||||||
2018 | - | 88 | 232 | 5 | 0 | 1 | 1.000 | - | |||||||||||
2019 | - | 125 | 250 | 6 | 4 | 0 | .985 | - | |||||||||||
2020 | - | 46 | 86 | 6 | 0 | 0 | 1.000 | - | |||||||||||
MLB | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | .--- | 651 | 1584 | 46 | 18 | 8 | .989 | 70 | 139 | 3 | 5 | 1 | .966 |
- 2020年度シーズン終了時
- 各年度の太字はリーグ最高
- 各年度の太字年はゴールドグラブ賞受賞
表彰[編集]
- ゴールドグラブ賞:3回(2015年、2016年、2019年)
- プラチナグラブ賞:1回(2015年)
- フィールディング・バイブル・アワード:1回(2015年)
- シーズン最高守備防御点:+42(2015年、全ポジションで歴代最高)
背番号[編集]
- 41(2013年)
- 39(2014年 - )
脚注[編集]
- ^ Rays Players Weekend nicknames explained MLB.com (英語) (2017年8月27日) 2017年9月15日閲覧
- ^ Sarina Fazan (2015年3月22日). “Getting to know Tampa Bay Rays outfielder Kevin Kiermaier with this week's "10 questions"”. ABC. 2015年9月23日閲覧。
- ^ “Kevin Kiermaier Stats, Highlights, Bio”. オーストラリアン・ベースボールリーグ. 2015年11月25日閲覧。
- ^ Adams, Steve (2017年3月15日). “Rays, Kevin Kiermaier Agree To Six-Year Extension”. 2017年3月16日閲覧。
- ^ “Hip injury will sideline Kevin Kiermaier 2 months”. MLB. 2017年6月9日閲覧。
- ^ “Kevin Kiermaier will return to the Rays tonight”. DRaysBay 2017年8月19日閲覧。
- ^ “Major League Leaderboards » 2017 » Center Fielders » Fielding Statistics | FanGraphs Baseball”. 2017年10月13日閲覧。
- ^ “Kevin Kiermaier Stats | Baseball-Reference.com” (英語). Baseball-Reference.com. 2017年10月13日閲覧。
- ^ “Rays Alex Cobb, Evan Longoria named finalists for Gold Gloves”. (2017年10月26日) 2017年11月1日閲覧。
- ^ “Kevin Kiermaier needs thumb surgery, out 3 months”. MLB. 2018年4月16日閲覧。
- ^ Topkin, Marc (2018年6月19日). “Rays’ Kevin Kiermaier returns, with energy to spare”. Tampa Bay Times 2018年8月26日閲覧。
- ^ Staff (2018年6月19日). “Rays' Kevin Kiermaier: Activated Tuesday, starting in center field” (英語). CBS Sports 2018年8月26日閲覧。
- ^ “レイズ・キアマイアー、山口俊から逆転サヨナラ打”. nikkansports.com. 2020年10月24日閲覧。
- ^ “田中将大のカーブを狙い打ち 3点弾のキアマイアー「絶対に投げてくると思った」”. Full-Count. 2020年10月24日閲覧。
- ^ “好守連発に「アンビリーバブル」 3連勝でWS王手のレイズ指揮官はご満悦”. Full-Count. 2020年10月24日閲覧。
- ^ Sanford, Adam. “Kevin Kiermaier ranked 10th best center fielder by MLB Network”. DRaysBay. 2020年10月24日閲覧。
- ^ “マエケン、秋山がゴールドグラブ最終候補入りも…“不可解”すぎる選出に批判殺到”. THE DIGEST. 2020年10月24日閲覧。
- ^ “Major League Leaderboards » 2020 » Center Fielders » Fielding Statistics”. www.fangraphs.com. 2020年10月24日閲覧。
関連項目[編集]
- メジャーリーグベースボールの選手一覧 K
- オーストラリアン・ベースボールリーグの選手一覧
- アメリカ合衆国出身のオーストラリアン・ベースボールリーグ選手一覧
- オーストラリアでプレーした経験があるメジャーリーグベースボール選手一覧
外部リンク[編集]
- 選手の通算成績と情報 MLB、ESPN、Baseball-Reference、Fangraphs、The Baseball Cube、Baseball-Reference (Register)
- Kevin Kiermaier stats MiLB.com (英語)
- Kevin Kiermaier stats ABL.com (英語)
- Kevin Kiermaier (@KKiermaier39) - Twitter
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