ゲイツ (ガンダムシリーズ)

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ゲイツは、テレビアニメ機動戦士ガンダムSEED』シリーズに登場する、モビルスーツ(MS)に分類される架空の兵器の一機種。

メカニックデザイン大河原邦男

本項では、続編及びメディアミックス作品に登場する派生機についても解説する。

機体解説[編集]

諸元
ゲイツ
GuAIZ[1]
型式番号 ZGMF-600[1]
全高 20.24m[1]
重量 80.20t[1]
武装 MMI-GAU2ピクウス 76mm近接防御機関砲×2
MA-M21G ビームライフル
MA-MV03 2連装ビームクロー
エクステンショナル・アレスターEEQ7R×2
搭乗者 ラウ・ル・クルーゼ
アイザック・マウ
叢雲劾
ザフト軍兵士

ジンの後継主力機として開発された機体。MSの開発競争激化でジンが旧式化しつつあり、次期主力MSが必要になったのが開発動機だとされている[2]。従来、ザフトのMS開発は複数の設計局が各々割り当てられた機種ごとに担当していたが、本機はMMI(マイウス・ミリタリー・インダストリー)社をリーダーカンパニーとし、主だった他の設計局をまとめた統合設計局により開発された[1]

元々ゲイツの基本設計は比較的早期に完了しており、カオシュン基地陥落と同時にプロパガンダの意味を込めてラゴゥゾノとともに発表された[3][4]。しかし、クルーゼ隊が地球連合軍から鹵獲したGAT-Xシリーズによって連合の本格的なMS配備を想定する必要性に迫られ、奪取した技術の導入が決定[1][注 1]。それらの調整に時間を要し実戦投入は遅延した[1]。結局本格的に配備されたのは、大戦も末期のボアズ攻防戦前後のことであった[6]

総合性能においてもジンやシグー、そして当時の地球連合軍主力MSストライクダガーを凌駕する[6]。元々はさらに高性能な機体として設計されていたが、量産化を踏まえスペックが引き下げられた[4]。そのため、基本設計の優秀さからドレッドノート以降のNJC(ニュートロンジャマーキャンセラー)搭載型核駆動MSの開発母体ともなり[1]、実際にドレッドノートのアグレッサー機にもなった[7]

武装[編集]

MMI-GAU2ピクウス 76mm近接防御機関砲
頭部に2門内蔵される近接防御機関砲。ザフトの汎用量産機としては初の固定火器。ゲイツの頭部形状はザフト機とGAT-Xの影響を併せ持つものとなった[6]
MA-M21G ビームライフル
マティウス・アーセナリー社製の制式ビームライフルで、MA-M20の量産発展型。ザフトの量産機としては、初めて機体側からの電力供給方式を採用している[1][注 2]
ザフト製ビームライフルとしては試験的なものとして位置付けられる[8]。また、『SEED』第45話ではクルーゼの搭乗するシグーが重突撃機銃と持ち替えて本銃を使用していた。
こうしたザフト機の各種ビーム兵器はシグーディープアームズによる実証を礎としている[6]
MA-MV03 2連装ビームクロー
対ビームシールド先端に内蔵された接近戦用武装。その名の通り爪状に湾曲した2本のビーム刃を出力し、装備を持ち替えることなく迅速に格闘戦へと移行できる[1]。その設計思想はドレッドノートやプロヴィデンスの複合兵装防盾システムへと受け継がれた[9]
GAT-Xシリーズが鹵獲される以前の案では標準的な盾として設計されていた[4][注 3]
エクステンショナル・アレスターEEQ7R
両腰部に設置されるビーム砲内蔵型ロケットアンカー。ブリッツのグレイプニールから着想を得た装備で、アンカーを敵機へ射出・捕捉後、ゼロ距離射撃による確実な撃破を目的とした装備[10]。先端にはビーム砲を持ち、粒子を滞留させる事でサーベルも展開できる[8]。ケーブルの長さは数十メートルに及び、敵機に巻き付ける事も可能[1]。地球連合軍の量産機がPS(フェイズシフト)装甲を採用していることを想定して追加装備された[11]

専用機・パーソナルカスタム機[編集]

ラウ・ル・クルーゼ機
ゲイツの制式配備に先駆けて導入された先行型の機体[12]
シルバーグレーに塗装されているが、この配色機については「指揮官機」とする資料[13][1]と、「クルーゼ専用機」とする資料[14][15]で二分しており統一されていない。
GGENERATION PORTABLE』では微妙に陰影の濃さを変えて前述2機種のシルバーグレー機を共演させているため、計3機種(一般機・指揮官機・クルーゼ機)で存在している。

備考[編集]

  • 機体のデザインは2003年に開催した「機動戦士ガンダムSEEDメカコンテスト」で最優秀作品に選ばれた原案MS「アラウクネ」を基に、メカニックデザイナーの大河原邦男がクリンナップしたもの。公募段階ではザフトがブリッツガンダムの技術をフィードバックし、ジンを発展させた機体だった[16]
  • プラモデルでは「モビルジン」などとは異なり「モビルスーツゲイツ」になっているが、これは『∀ガンダム』の模型展開時から取られるようになった「モビル○○」の文法だと商標登録の問題で「ビル・ゲイツ」とバッティングするおそれがあるため、予め商品名にバンダイグループの所有商標「モビルスーツ」を含ませて不測の事態を回避しようとした措置である[17]

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火器運用試験型ゲイツ改[編集]

諸元
火器運用試験型ゲイツ改
GuAIZ Type Fire Arms Experimental
型式番号 YFX-600R
全高 20.24m
装甲材質 フェイズシフト装甲
武装 MMI-GAU2ピクウス 76mm近接防御機関砲×2
MA-M20ルプス ビームライフル
MA-M01ラケルタ ビームサーベル×2
MMI-M15クスィフィアス レール砲×2
リフター(ファトゥム-00原型タイプ)
GAU5フォルクリス 機関砲×4
MA-4Bフォルティス ビーム砲×2
搭乗者 ザフト兵

ジャスティスフリーダム用の各種火器の評価試験を目的に製造された実験機。C.E.71年2月中〜下旬頃に完成した[3]

背部にはジャスティスに実装されたファトゥム-00の原型になったリフターを装備しており、各種武装もジャスティスやフリーダムとほぼ同種のものを装備している。また、装甲にはザフト製MSとしては初めてPS装甲を採用している[18]

本機はNJCの実用化以前に開発された機体であり、動力は既存のバッテリーパックを搭載している。搭載武装の火力は設計陣を充分に満足させるものであったが、PS装甲を併用した際の活動時間は最長でも5分に満たない。活動時間延伸の苦肉の策としてリフター内部に補助パワーパックが増設されたが、それでも活動時間は10分程度であり開発目的上実戦投入は想定されていなかった[18]

劇中の活躍
「スペシャルエディション完結編 鳴動の宇宙」では『SEED MSV』の解説に倣ったヤキン・ドゥーエ上に留まってのバッテリーケーブル直結機がアスランカガリらが要塞内部に侵入しようとする際に新規カットで登場し迎撃を行った。HDリマスター版FINAL PHASEにもこのカットが流用される形で登場している。
高山瑞穂の漫画版『SEED DESTINY』におけるヤキン・ドゥーエ宙域戦プロローグでは上述の固定砲台運用機とは全く別の機体が単機出撃し、モーガン・シュバリエ駆るガンバレルダガーからジェネシスを守るため交戦した。

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ゲイツR[編集]

諸元
ゲイツR
GuAIZ R
型式番号 ZGMF-601R[注 4]
全高 20.24m
重量 77.30t
武装 MMI-GAU2ピクウス 76mm近接防御機関砲×2
MA-M21G ビームライフル
MA-MV05 複合兵装防盾システム
MMI-M20SポルクスIV レールガン×2
搭乗者 ショーン
デイル
ザフト軍兵士

ゲイツの戦後改修型。ザクシリーズの本格量産までの繋ぎとしてユニウス条約締結後に開発された[19]。生産性を考慮した改修がなされており、戦闘力は大幅に向上[19]。レールガンを装備するなど、中距離での戦闘力を重視している[20]

より高性能なザクウォーリアをはじめとするニューミレニアムシリーズの量産・配備までの間に主力機として運用された[19]。一部の機体はザフト脱走兵などで構成される反地球連合や反プラント穏健派勢力へ横流しされ、各地のテロやゲリラ活動に使用された[21]

なお、「スペシャルエディション完結編 自由の代償」で追加されたエピローグには、ボディに金色のラインのような装飾が施された専用機らしき残骸が確認できる。

武装(ゲイツR)[編集]

MA-MV05 複合兵装防盾システム
600型に採用されたMA-MV03のビーム刃発生器を1基のみとした装備。レイアウトはドレッドノートに採用されたシールドに類似する[20]
MMI-M20SポルクスIV レールガン
取り回しに難のあったエクステンショナル・アレスターに代わり装備された[21]、両腰のレールガン。フリーダムの「クスィフィアス」の系列モデル[22]。ポルクスとはラテン語でギリシア神話の英雄「ポルックス」の意。

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脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 一方で、当初の計画段階からゲイツのビーム兵器の通常運用が可能だったとする資料もみられる[5]
  2. ^ 内蔵電源型ではジンのバルルス改が初
  3. ^ なおこれと似た事例として、後期生産型で口吻部にビームサーベルが追加されたバクゥが挙げられる
  4. ^ 型式番号のRは、「Reinforce=強化する」を意味する[19]

出典[編集]

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l 『機動戦士ガンダムSEED MSエンサイクロペディア』一迅社、2008年7月1日初版発行、34-35頁。(ISBN 978-4-7580-1108-2)
  2. ^ 『パーフェクト・アーカイブス 機動戦士ガンダムSEED』竹書房、2006年3月。(ISBN 978-4812426593)
  3. ^ a b 『電撃データコレクション 機動戦士ガンダムSEED外伝2』メディアワークス、2008年4月15日初版発行、75-76頁。(ISBN 978-4-8402-4202-8)
  4. ^ a b c 『1/100 MG フリーダムガンダム』バンダイ、2004年7月発売、組立説明書。
  5. ^ 『モビルスーツ・イン・アクション ゲイツ』バンダイ、2005年7月、付属データカード。
  6. ^ a b c d 『機動戦士ガンダムSEED メカニック&ワールド』双葉社、2012年11月28日初版発行、114-115頁。(ISBN 978-4-575-46469-6)
  7. ^ 千葉智宏『機動戦士ガンダムSEED ASTRAY B』メディアワークス、2005年8月、74-79頁。(ISBN 978-4840231992)
  8. ^ a b 『テレビマガジン特別編集エクストラ機動戦士ガンダムSEED&SEED DESTINY MOBILE SUIT FILE』 講談社、2005年5月、26-27頁。ISBN 4-06-179152-4。
  9. ^ 『1/144 HGドレッドノートガンダム』バンダイ、2004年10月、組立説明書。
  10. ^ 『週刊ガンダムファクトファイル 139号』ディアゴスティーニ、2007年6月。
  11. ^ 『機動戦士ガンダムSEED オフィシャルファイル メカ編vol.4』講談社、2003年11月27日初版発行、13頁。(ISBN 4-06-334808-3)
  12. ^ 『機動戦士ガンダムSEED メカニック&ワールド』双葉社、2012年11月28日初版発行、15頁。(ISBN 978-4-575-46469-6)
  13. ^ 『公式ガイドブック3 機動戦士ガンダムSEED 明日への翼』角川書店、2003年10月、48-49頁、ISBN 978-4048536882。
  14. ^ 『1/144 モビルスーツゲイツ』バンダイ、2003年10月、下箱内解説。
  15. ^ 『データコレクション18 機動戦士ガンダムSEED 下巻』メディアワークス、2004年11月15日初版発行、58-59頁。(ISBN 9784840228671)
  16. ^ 『電撃ホビーマガジン』2003年6月号、メディアワークス、86-87頁。
  17. ^ 下村敬治(サンライズ) 『機動戦士ガンダムSEED RGB ILUSTRATIONS』角川書店、2004年7月。(ISBN 4-04-853763-6)。
  18. ^ a b 『機動戦士ガンダムSEEDモデルVol.3 SEED MSV編』ホビージャパン、2004年5月31日初版発行、87頁。(ISBN 4-89425-336-4)
  19. ^ a b c d 『機動戦士ガンダムSEED DESTINY MSエンサイクロペディア』一迅社、2008年11月15日初版発行、82頁。(ISBN 978-4-7580-1126-6)
  20. ^ a b 『モビルスーツインアクション ゲイツR』バンダイ、2005年2月、付属データカード。
  21. ^ a b 『電撃ホビーマガジン』2005年3月号、メディアワークス、96頁。
  22. ^ 『公式ガイドブック 機動戦士ガンダムSEED DESTINY 運命の架け橋』角川書店、2005年3月、105頁、ISBN 4-04-853835-7。

関連項目[編集]