ゲバルト棒
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ゲバルト棒(ゲバルトぼう)とは、主として左翼活動家が用いる角材やそれに類似する棒状の武器。ゲバ棒と略されることも多い。
概要[編集]
ドイツ語のゲバルト(Gewalt, 暴力・権力の意)が語源とされ、1967年3月の善隣学生会館事件当時、民青ゲバルト部隊が持っていた棍棒、竹竿が権力との闘争において最初に使用されたゲバ棒であると言われている。同年の第一次羽田闘争で、ゲバルト棒という武装闘争の装い行動様式は確立した。また、角材を武器として意図的に用いたのは1961年のマル学同で、全学連第17回大学における「つるや連合」(社青同、革共同関西派、社学同諸派;都内飯田橋の旅館つるやで結成されたことからこの名がある)との内ゲバが最初で、当時は角材の使用を指示したマル学同の清水丈夫のペンネーム(岡田新)から「岡田式暴力的衝突を含めた党派闘争」と呼ばれた[1]。
基本的に、ゲバ棒は左翼団体の実力行使時に武器として使用される。その際、特に決められた素材・色柄・形状である必要はないとされる。暴力行為を伴いかねない過激な左翼集会に参加中の人が装備している棒状の物体は、すべてゲバ棒である。
ゲバ棒はごく一般的な建材として使われる角材をほぼ無加工で用いるのが通常であり、安いゲバ棒(すなわち安い素材)だと一撃で破損するほど脆い。また、ゲバ棒は支援団体などから個人に対して支給されることも多く、金回りの良い団体だと、鉄パイプやバットなど、殺傷能力の高いものが渡されるケースもあるという。
特に、日本の学生運動などでは「安全ヘルメット(ゲバヘル)」「粉じんマスク」と並んで左翼デモを象徴する存在である。