界面化学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
検索に移動

界面化学(かいめんかがく)は、二つの物質が接する境界に生じる現象を扱う化学の一分野。[1][2]研究領域がコロイド化学[3]と近いため、学会や雑誌などでは両者を合わせて扱われる[4]

概要[編集]

物質の状態により界面化学が扱う現象には以下のような例がある。

  1. 固体/固体界面;接着摩擦固溶など。
  2. 液体/液体界面;乳化拡散など。
  3. 気体/気体界面;界面での拡散が速いため界面現象として扱われることはまれである。
  4. 固体/液体界面;浸透ぬれ、分散、電気二重層吸着腐食など。
  5. 固体/気体界面;吸着など。表面化学(英語: Surface chemistry)として独立した学問分野を形成している。[5][6][7]
  6. 液体/気体界面;表面張力、起泡、消泡など。

ナノメートルから数マイクロメートルの粒子(コロイド)の現象を扱う化学分野は、その界面現象も重要な要素であることから、コロイド界面化学と呼ばれる。[8][9][10]

1932年ノーベル化学賞を受賞したアーヴィング・ラングミュアはこの分野の開拓者の一人であり[11][12]アメリカ化学会が発行している界面化学の雑誌には彼の名がついている。

界面化学が扱う最も重要な物質として、乳化、分散、表面張力などに大きな影響を与える界面活性剤がある[13]。また、化学工業で行われる触媒反応の多くは、「固体触媒-反応物(液体あるいは気体)」の不均一系で行われる界面反応であり、この観点からも界面化学は極めて重要な研究課題となっている。

脚注[編集]

  1. ^ Vold, R. D., & Vold, M. J. (1983). Colloid and interface chemistry (pp. 345-371). Reading, MA: Addison-Wesley.
  2. ^ Butt, H. J., Graf, K., & Kappl, M. (2013). Physics and chemistry of interfaces. John Wiley & Sons.
  3. ^ 北原文雄. (1990). 最新コロイド化学. レオロジー測定, 178-187.
  4. ^ 代表的な学術雑誌に、エルゼビアから出版されているJournal of Colloid and Interface Science[1]がある。日本では日本化学会の部会活動として「コロイドおよび界面化学討論会」が開かれている。
  5. ^ Aveyard, R., Aveyard, R., & Haydon, D. A. (1973). An introduction to the principles of surface chemistry. CUP Archive.
  6. ^ Somorjai, G. A., & Li, Y. (2010). Introduction to surface chemistry and catalysis. John Wiley & Sons.
  7. ^ 岩澤康裕, 中村潤児, & 福井賢一. (2010). ベーシック表面化学. Kagaku-Dojin Publishing Co.
  8. ^ 井上亨. (2009). イオン液体とコロイド界面化学. 福岡大学理学集報, 39(1), 45-54.
  9. ^ 北原文雄. (1994). 界面・コロイド化学の基礎. 講談社 サイエンティフィク.
  10. ^ 日本化学会. (2002). 現代界面コロイド化学の基礎. 講義と測定マニュアル [第2版]. 丸善.
  11. ^ The collected works of Irving Langmuir (1962). Pergamon press.
  12. ^ Taylor, H. (1958) Irving Langmuir, 1881-1957, Biogr. Mems Fell. R. Soc.4167-184, doi:10.1098/rsbm.1958.0015
  13. ^ 界面活性剤溶液』 - コトバンク