サウスウェスト・チーフ

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サウスウェスト・チーフ
サングレ・デ・クリスト山脈を背景にトリニダードに向かって西に進む「サウスウェスト・チーフ」
サングレ・デ・クリスト山脈を背景にトリニダードに向かって西に進む「サウスウェスト・チーフ」
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
運行者 アムトラック
始発 シカゴ
終着 ロサンゼルス
運行距離 3,645 km
所要時間 42時間15分
運行頻度 各方向毎日1本
列車番号 3、4
車内設備 座席車、寝台車、食堂車、ラウンジ車(カフェ併設)、荷物車
使用車両 GE P42DC 機関車
スーパーライナー
最高速度 145 km/h
表定速度 89 km/h
運行開始 1971年
軌間 1,435 mm
線路所有者 BNSF鉄道
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サウスウェスト・チーフSouthwest Chief)は、アメリカ合衆国の長距離列車である。かつてはサウスウェスト・リミテッドSouthwest Limited)という列車名であった。アムトラックが運行するこの列車は同国南西部を横断し、シカゴロサンゼルスを結んでいる。3,631km(2,256マイル)の行程を車中2泊3日、40時間以上かけて走行する。途中、イリノイアイオワミズーリカンザスコロラドニューメキシコアリゾナカリフォルニアの8州を通る。

利用者数は1日あたり平均975人、2013年度の年間利用者数は355,815人であった[1]

歴史[編集]

サウスウェスト・チーフの歴史は1936年にさかのぼることができる。その年、アッチソン・トピカ・アンド・サンタフェ鉄道(サンタフェ鉄道)は同社の首位列車としてアメリカ合衆国南西部を横断する特急列車、スーパー・チーフ号(Super Chief)を登場させた。シカゴロサンゼルスを結ぶこの列車は、アメリカ鉄道史上初めてディーゼル機関車を動力とした旅客列車で、同区間を結んでいた蒸気機関車牽引の看板列車チーフ号の高速版であった。このディーゼル機関車は流線形をしており、高速運転が可能であった。また、連結された車両はプルマン寝台車フレッド・ハーヴィ・カンパニーの運営による食堂車、ラウンジ車、展望車で、利用にあたっては1等運賃と寝台料金の他、高額の特別料金が必要であった。翌1937年にはバッドが製造したステンレス鋼製の軽量車両に置き換えられ、シカゴロサンゼルス間3,584.5kmを39時間49分、平均速度90km/hで走った。最高速度は160km/hを超えていた。

当初は週1往復の運行であったが、徐々に車両の増備が行われ、第二次世界大戦中は週2往復、1948年には毎日運行となった。車両の置き換えは定期的に行われ、個室寝台車の比率が徐々に増加していった。

列車の全盛期は1950年代までで、1957年には需要の減少により、同区間を走行する全車座席車の高速列車エル・キャピタン号との併結が行われるようになった。ただし、両列車は独立した列車として運行された。別々に食堂車とラウンジ車を連結し、スーパーチーフ号とエル・キャピタン号の間での乗客の行き来は出来なかった。エル・キャピタン号は全車2階建て車両で構成され、重厚な編成が展開されることとなった。

1971年アムトラックはサンタフェ鉄道よりスーパー・チーフ号の運営を引き継いだ。しかし、車両編成には変化が生じた。スーパーチーフ号の寝台車両とエル・キャピタン号の2階建て座席車という構成には変化はなかったが、サービスの合理化の観点から別々に連結されていた食堂車が統合され、両列車間の行き来が可能になってしまったのである。サービスの質が低下したと思われたため、1974年にサンタフェ鉄道はアムトラックに「スーパー・チーフ」の名を使うことを禁じ、「サウスウェスト・リミテッド」という列車名に改めさせた。その後、寝台車を含め、2階建ての寝台車スーパーライナーへの置き換えが行われ、サービスの質が向上したため、1984年、サンタフェ鉄道は列車名に「チーフ」を冠することを許し、現在の「サウスウェスト・チーフ」という列車名に改められた。

編成[編集]

サウスウェスト・チーフはアムトラックの2階建て客車スーパーライナーで運行されている。通常の編成は以下の通り。

  • 機関車 GE P42DC 2両
  • 荷物車
  • トランジション・スリーパー
  • スリーパー(寝台車)2両
  • ダイナー(食堂車、1階はキッチン)
  • ラウンジ(展望車、1階は便所・洗面所とカフェ)
  • コーチ(座席車、1両は1階が荷物置き場)3両

繁忙期にはコーチが4両になることもある。

この列車に使用される編成は5本で、ロサンゼルスの車両基地(8th Street Yard)に所属している。

ルート[編集]

サウスウェスト・チーフは次のような都市に停車する。

アルバカーキとサンバーナーディーノの間はほぼ旧ルート66に沿って走る。

このほか、

  • ニュートン駅(Newton)はウィチタ都市圏内にあり、同都市圏の鉄道での玄関口になっている。
  • ラミー駅(Lamy)からはサンタフェへの連絡バスが出ている(予約制)。
  • ウィリアムズ・ジャンクション駅(Williams Jct)はグランドキャニオンへ通ずるグランドキャニオン鉄道との乗換駅である。
  • キングマン駅(Kingman)からはラスベガスマッカラン国際空港へ提携バスの便がある。

ルート変更問題[編集]

2010年1月1日、BNSF鉄道からアムトラックに対してラ・フンタ(La Junta)とラミーの間450キロメートルの貨物輸送を停止するので、2016年以降もサウスウェスト・チーフを同じ経路で走らせるのなら、その区間の線路の保守費用はアムトラックが負担しなければならないという通告があった。そして費用負担ができない場合の代替ルートとしてBNSFが幹線として使用しているテキサス州オクラホマ州経由のルートを提案した。アムトラックには現行ルートを維持する資金が無くルート変更に傾きつつあったが、この列車を失うことになる沿線の自治体や州は線路の維持費用を負担することを検討し始めた[2][3][4]。その結果線路の保守費用をカンザス、コロラド、ニューメキシコの3州で負担する見通しがつき、2015年3月アムトラックは現在のルートを維持することを表明した[5]。なお、コロラド州はこの費用負担に伴って、ルートをプエブロ経由にすることを提案している。

出典[編集]

  1. ^ Amtrak sets new ridership record (PDF)”. Amtrak (2013年10月14日). 2014年6月23日閲覧。
  2. ^ Massey, Barry (2013年11月13日). “Amtrak route in jeopardy in NM, other states”. Albuquerque Journal. http://www.abqjournal.com/299923/news/passenger-rail-service-threatened.html 2014年7月7日閲覧。 
  3. ^ Lee, Kurtis (2014年4月6日). “Southwest Chief could be rerouted from rural Colorado in two years”. The Dever Post. http://www.denverpost.com/politics/ci_25504604/southwest-chief-could-be-rerouted-from-rural-colorado 2014年7月7日閲覧。 
  4. ^ Massey, Barry (2014年3月18日). “New Mexico To Study Cost-Sharing For Southwest Chief Amtrak Route”. CBS Denver. http://denver.cbslocal.com/2014/03/18/new-mexico-to-study-cost-sharing-for-southwest-chief-amtrak-route/ 2014年7月8日閲覧。 
  5. ^ Simonich, Milan (2015年3月28日). “Amtrak: Chief will keep rolling through New Mexico”. Santa Fe New Mexican. http://www.santafenewmexican.com/news/legislature/amtrak-chief-will-keep-rolling-through-new-mexico/article_b51ca7dc-cee0-573b-9e9c-dbe50eaa7b9d.html 2015年4月1日閲覧。 

関連項目[編集]