サルカケミカン

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サルカケミカン
果実
分類APG III
: 植物界 Plantae
: 被子植物 Angiosperms
: 真正双子葉類 Eudicots
亜綱 : コア真正双子葉類 Core eudicots
下綱 : バラ類 Rosids
上目 : 真正バラ類II Eurosids II
: ムクロジ目 Sapindales
: ミカン科 Rutaceae
: サルカケミカン属 Toddalia
: サルカケミカン T. asiatica
学名
Toddalia asiatica (L.) Lam.

サルカケミカンToddalia asiatica)はミカン科の蔓になる樹木。棘がとても鋭いもので、薬用などに用いられる。

特徴[編集]

常緑性になる樹木[1]には一面に鋭い棘がある。棘は下面が平らで上下に伸びていて、先端は鋭く鉤状に下向きに曲がっており、長さは約2mm。若枝は無毛。は互生でそれぞれ3枚の小葉からなる。全体の長さは3-5cmあり、葉柄は05-1cmmの長さ。小葉は長楕円形で長さ1.5-5cm、幅0.7-1.5cm。小葉は先が尖らず、先端には腺体があってややへこんでいる。縁には細かな鋸歯があり、表裏共に無毛だが裏面には油点が目立つ。また小葉の基部はくさび形で長さ0.5-1mmの小葉柄に流れる。

花期は冬から春で枝先や葉腋から円錐花序を出し、多くの小さな花をつける。雌雄異株であり、雄花序では各節に3-4個、雌花序では各節に1個の花をつける。萼は5裂、花弁は5個で長楕円形、雄蘂は5個[2]。花弁は緑白色で雄花では2mm、雌花では3mm。果実は球形で径6-8mmになり、橙黄色に熟す。

本種の呼称は沖縄では広くサルカチミカンであり、サルカチやサルカチャーも広く知られる[3]。これらは「サルを引っかけるもの」の意と取れる。 和名はこれに由来し、「サルでもその棘に引っかかる」の意である[4]

分布と生育環境[編集]

日本では琉球列島に産し、海岸近くの森林に出現する。特に石灰岩地に多い[4]。国外では台湾、中国大陸、インドシナマレーシアインドネシアからインドに分布する[5]アフリカでも見られるが新しく移入されたものと思われ、雌花はまれにしか見られない傾向がある[6]。ほかにコモロセーシェルマスカリン諸島でも見られる[6]。棘によって他の木などによじ登る蔓植物である[2]

分類[編集]

本属は本種のみを含む。

利用[編集]

沖縄では民間薬として用いられ、果実と根皮は酒で煎じて飲んで風邪に効果があり、咳を止める[7]。また葉や茎、根を煎じたものは健胃、喘息に効果があるとされる。果実は調味料や防腐剤に使われた。根から黄色の染料を取った。他に幹でパイプを作ったとも[8]。 また、果樹園で石垣や木の根本にこの植物の茎を何本か束ねて置き、これはその鋭い棘で子供の悪戯を防ぐために用いられた。

ちなみに果実は脂臭いが生食が可能[2]、とされているが、実際には舌がしびれるほど刺激が強い味がするという[9]

ケニアキクユ人も本種の葉や根を風邪の際の薬としており[10]、近年はニエリ県で葉の煎じ汁を風邪や喘息、胸の痛み、歯痛に対して処方するとの報告がある[11]

出典[編集]

  1. ^ 以下、主として佐竹他(1989), p.280-281
  2. ^ a b c 初島(1975), p.353
  3. ^ 天野(1967), p.67
  4. ^ a b 島袋(1997), p.189
  5. ^ 佐竹他(1989), p.281
  6. ^ a b African Plant Database (version 3.4.0). Conservatoire et Jardin botaniques de la Ville de Genève and South African National Biodiversity Institute, Pretoria, "Retrieved 24 April 2018", from <http://www.ville-ge.ch/musinfo/bd/cjb/africa/>.
  7. ^ 以下、主として島袋(1997), p.189
  8. ^ 天野(1967), p.68
  9. ^ サルカケミカン、沖縄植物図鑑
  10. ^ Benson (1964).
  11. ^ Kamau et al. (2016).

参考文献[編集]

日本語:

  • 天野鉄夫『琉球列島有用樹木誌』、(1982)、琉球列島有湯樹木誌刊行会
  • 佐竹義輔他編著『日本の野生植物 木本 I』、(1989)、平凡社
  • 島袋敬一「サルカケミカン」:『朝日百科 植物の世界 3』、(1997)、朝日新聞社:p.189.
  • 初島住彦 『琉球植物誌』 沖縄生物教育研究会、1975年、追加・訂正版

英語: