サンディエゴ・パドレス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
サンディエゴ・パドレス San Diego Padres | |||||||||
1969年創設 | |||||||||
| |||||||||
所属リーグ | |||||||||
チーム名 | |||||||||
| |||||||||
本拠地 | |||||||||
| |||||||||
永久欠番 | |||||||||
| |||||||||
獲得タイトル(獲得年) | |||||||||
| |||||||||
球団組織 | |||||||||
オーナー | ロン・ファウラー | ||||||||
GM | A.J.プレラー | ||||||||
監督 | ジェイス・ティングラー |
サンディエゴ・パドレス(英語: San Diego Padres、略称:SD)は、メジャーリーグベースボール(以下、MLB)ナショナルリーグ西地区所属のプロ野球チーム。本拠地はカリフォルニア州サンディエゴにあるペトコ・パーク。
概要[編集]
1969年のリーグ拡張時、創設された球団の1つ。
本拠地であるサンディエゴは、アメリカ西海岸最大の海軍および海兵隊基地を構える軍事都市で知られ、毎年4月には現役および退役軍人への感謝と敬意を捧げるイベント「ミリタリー・オープニングデー」が行われ、迷彩模様の軍服のような限定ユニフォームを着用する。2008年からはこのユニフォームは毎週日曜日のホームゲームで着用されている。また、メキシコに隣接しているため、メキシコと関わりの深い大物選手を獲得するなどメキシコ人野球ファン向けのアピールも行っている。
2004年に開場した投手有利のペトコ・パークを活かし、投手陣は安定したチーム防御率を誇っている。その反面、打線は力不足と言わざるを得ず、ペトコ・パークを本拠地として以来、エイドリアン・ゴンザレスが初の30本塁打以上を記録したものの、チーム打率はリーグワースト2位の.251に留まっている。
慢性的に資金力が枯渇しており、若手育成を中心としたチームであった。しかし、2018年にFAのエリック・ホズマーを8年総額1億4400万ドルで獲得したり、2019年にはFAのマニー・マチャドを球団史上最高額の10年3億ドルで契約するなど、近年では大型補強を積極的に進めている。
同地区のロサンゼルス・ドジャースとはライバル関係であり、サンディエゴとロサンゼルスがサンディエゴ・フリーウェイとサンタアンナ・フリーウェイによって近距離で結ばれている事により、両チームが対戦する際には多くのファンが足を運ぶ。
MLBの30球団で唯一、所属投手が完全試合やノーヒットノーランを達成したことがないチームだったが、2021年4月9日の試合でジョー・マスグローブが球団創設史上初めてノーヒットノーランを達成した。
球団の歴史[編集]

1969年、メジャーリーグのチーム拡張に伴いナショナルリーグに加入。しかし1974年まで6年連続の最下位と低迷。同年にはチームがワシントンD.C.への移転の危機にさらされたが、マクドナルドのレイ・クロックにより買収され、サンディエゴにとどまることとなった(1994年以降は、テキサス出身の実業家ジョン・ムーアズがオーナーとなっている)。その後デーブ・ウィンフィールド、ランディ・ジョーンズらの台頭によって、チームも徐々に浮上。1975年に4位、1978年にはチーム初の勝率5割を上回った。
1984年、ディック・ウィリアムズ監督の下、安打製造機のトニー・グウィン、スティーブ・ガービーら好選手を揃え、初の地区優勝と共に、初のリーグ優勝を果たす。ワールドシリーズではデトロイト・タイガースと対戦したが、1勝4敗で敗れた。1996年の2度目の地区優勝を経て、1998年には2度目のリーグ優勝。チーム初のレギュラーシーズン勝率6割だったが、ワールドシリーズではニューヨーク・ヤンキースに4連敗を喫した。
その後は5年連続負け越し、内最下位3度と低迷したが、2004年には念願のメジャー入りを果たした大塚晶則とベテラン技巧派投手デビッド・ウェルズが加入、大塚はリリーフとしてナ・リーグ最多ホールドを獲得するなど好成績を残した。またこの年、新球場ペトコ・パーク(極めて投手有利で有名)が完成し、ロゴマーク及びユニフォームが一新され、新球場・新戦力効果に後押しされたのか3位ながらも87勝75敗と久々に勝ち越した。2005年には勝率5割そこそこながら地区優勝。プレーオフは、翌2006年共々地区シリーズでセントルイス・カージナルスに敗退した。
2007年、12年間チームを率いたブルース・ボウチーがチームを去り、バド・ブラックが監督に就任。6月には宿敵ドジャースをホームに迎えた試合で、チームの顔トレバー・ホフマンが前人未到の通算500セーブを達成しチームのみならず、MLB全体の歴史に新たな1ページを加えた。同年もアリゾナ・ダイヤモンドバックスやコロラド・ロッキーズと最後まで三つ巴の地区優勝争いを続けたが、ワイルドカード争いでロッキーズと同率となった結果行われた10月1日での1ゲームプレーオフで敗れて、3年連続のプレーオフ出場はならなかった。
現在ファーム組織は毎年のトレードで有望株を大量に補充しているのでナショナルリーグ西部地区の中では有数といわれている。2005〜2008年にかけては、少ない生え抜きと成績を独自の査定で安価に獲得し、若手の出番を奪い、優勝戦線に残れば7月のトレードデットラインにかけて大量に出し、一時メジャーリーグ最悪のマイナー組織と言われたこともある。
2014年オフにトレードやFAで大型補強を行った。トレードでデレク・ノリス、ウィル・マイヤーズ、ウィル・ミドルブルックス、ジャスティン・アップトン、マット・ケンプ、ティム・フェデロビッチ、ショーン・ケリー、クレイグ・キンブレル、メルビン・アップトン・ジュニアを、FAでジェームズ・シールズ、ブランドン・モローを獲得した。
2017年1月17日、ウィル・マイヤーズと球団史上最高額の6年総額8300万ドルで契約延長[1]。
2018年2月17日、FAのエリック・ホズマーと球団史上最高額となる8年総額1億4400万ドルで契約合意[2]。
2019年2月19日、FAのマニー・マチャドとFA選手のMLB史上最高額となる10年3億ドルで契約合意[3][注 1]。6月13日~16日に行われた対コロラド・ロッキーズ戦(クアーズ・フィールド)の4連戦で、第1戦は9-6、第3戦は14-8でロッキーズが勝利し、第2戦は12-16、そして第4戦は13-14でパドレスが勝利。ともに2勝2敗の五分で4試合を戦い終えたが、この4試合で両チーム合わせて叩き出した計92点は1929年5月に行われたフィリーズ対ドジャースの88得点を抜き、MLBの歴史の中で4連戦で生まれた史上最多得点となった[4]。また、第1戦は共に13安打ずつの計26安打、第2戦は延長12回までもつれ、パドレスが21安打の計39安打、第3戦は13安打の計32安打、そして第4戦は15安打の計34安打。4試合連続で両軍ともに2桁安打を記録し、計131安打が乱れ飛び、歴史に残る大乱打戦シリーズとなった[5][6]。
2020年はポストシーズン進出に向けて大型トレードを敢行し、6件ものトレードを成立させ、マイク・クレビンジャー等10人を獲得するなど大規模補強を行った[7]。その甲斐もあり、9月20日に2006年以来14年ぶりにプレーオフへ進出した[8]。
選手名鑑[編集]
現役選手・監督・コーチ[編集]
殿堂入り選手[編集]
- ロベルト・アロマー(Roberto Alomar)
- ローリー・フィンガーズ(Rollie Fingers)
- リッチ・ゴセージ(Rich Gossage)
- トレバー・ホフマン(Trevor Hoffman)
- グレッグ・マダックス (Greg Maddux)
- ウィリー・マッコビー(Willie McCovey)
- ゲイロード・ペリー(Gaylord Perry)
- オジー・スミス(Ozzie Smith)
- デーブ・ウィンフィールド(Dave Winfield)
- トニー・グウィン(Tony Gwynn)
永久欠番[編集]
- 欠番扱い レイ・クロック(Ray Kroc)(オーナー)
- 欠番扱い ジェリー・コールマン(Jerry Coleman)(監督・アナウンサー)
- 6 スティーブ・ガービー(Steve Garvey)(一塁手)
- 19 トニー・グウィン(Tony Gwynn)(外野手)
- 31 デーブ・ウィンフィールド(Dave Winfield)(外野手)
- 35 ランディ・ジョーンズ(Randy Jones)(投手)
- 42 ジャッキー・ロビンソン(Jackie Robinson)(全球団共通)
- 51 トレバー・ホフマン(Trevor Hoffman)(投手)
歴代所属日本人選手[編集]
パドレス野球殿堂[編集]
1999年に設立され、15人が殿堂入りを果たしている。
殿堂入り表彰者[編集]
- ランディ・ジョーンズ(1999年)
- ネイト・コルバート(1999年)
- レイ・クロック(1999年)
- デーブ・ウィンフィールド(2000年)
- バジー・バベシ(2001年)
- ジェリー・コールマン(2001年)
- トニー・グウィン(2002年)
- ディック・ウィリアムズ(2009年)
- トレバー・ホフマン(2014年)
- ベニート・サンティアゴ(2015年)
- ギャリー・テンプルトン(2015年)
- テッド・ウィリアムズ(2016年)
- ケン・カミニティ(2016年)
- ジャック・マキーオン(2017年)
- ケビン・タワーズ(2018年)
傘下マイナーチーム[編集]
クラス | チーム | 参加リーグ | 提携 | 本拠地 |
---|---|---|---|---|
AAA | エルパソ・チワワズ El Paso Chihuahuas |
パシフィック・コーストリーグ Pacific Coast League |
2014年 | ![]() ニュー・エルパソ・ボールパーク |
AA | アマリロ・ソッドプードルズ Amarillo Sod Poodles |
テキサスリーグ Texas League |
2007年 | ![]() アマリロ・ボールパーク |
A+ | レイクエルシノア・ストーム Lake Elsinore Storm |
カリフォルニアリーグ California League |
2001年 | ![]() レイクエルシノア・ダイアモンド |
A | フォートウェイン・ティンキャップス Fort Wayne TinCaps |
ミッドウェストリーグ Midwest League |
1999年 | ![]() パークビュー・フィールド |
A- | トリシティ・ダストデビルズ Tri-City Dust Devils |
ノースウェストリーグ Northwest League |
2015年 | ![]() ゲサ・スタジアム |
Rookie | アリゾナリーグ・パドレス Arizona League Padres |
アリゾナリーグ Arizona League |
2004年 | ![]() ピオリア・スポーツ・コンプレックス |
ドミニカン・サマーリーグ・パドレス Dominican Summer League Padres |
ドミニカン・サマーリーグ Dominican Summer League |
1990年 | ![]() パドレス・コンプレックス |
脚注[編集]
注釈[編集]
- ^ 同年2月28日、フィラデルフィア・フィリーズとブライス・ハーパーに13年3.3億ドルの契約で抜かれた。
出典[編集]
- ^ “球団史上最高額 パドレスがマイヤーズと契約延長「優勝を狙うチーム核に」”. スポーツニッポン (2017年1月18日). 2018年4月7日閲覧。
- ^ “パドレス、球団史上最大の8年契約でE・ホズマーを獲得”. en:Sporting News (2018年2月19日). 2018年4月7日閲覧。
- ^ “マチャドがパドレスと合意FA最高10年330億円”. nikkansports.com. 2019年3月1日閲覧。
- ^ “パドレスとロッキーズ、4連戦で驚異の92得点 - MLB : 日刊スポーツ” (日本語). nikkansports.com. 2019年6月18日閲覧。
- ^ “史上最多の4試合計92得点 計131安打が乱れ飛ぶ歴史的大乱打戦シリーズが…” (日本語). Full-count | フルカウント ―野球・MLBの総合コラムサイト―. 2019年6月18日閲覧。
- ^ “ロッキーズ対パドレス、4連戦で両チーム合計92得点のMLB記録 ブラックモンは4戦15安打” (日本語). ベースボールチャンネル(BaseBall Channel). 2019年6月18日閲覧。
- ^ “パドレスの大補強。3日間に6件のトレードを成立させ、10人を獲得。捕手は2人を入れ替え(宇根夏樹) - Yahoo!ニュース” (日本語). Yahoo!ニュース 個人. 2020年9月21日閲覧。
- ^ “パドレス勝利、14年ぶりにプレーオフ進出 - MLB : 日刊スポーツ” (日本語). nikkansports.com. 2020年9月21日閲覧。
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- 公式ウェブサイト
- パドレス野球殿堂サイト
- チームの通算成績と情報 MLB, or ESPN, or Baseball-Reference , or The Baseball Cube
- San Diego Padres - Facebook
- San Diego Padres (padres) - Instagram
- San Diego Padres (@Padres) - Twitter
|
|