ザ・グリード

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
検索に移動
ザ・グリード
Deep Rising
監督 スティーブン・ソマーズ
脚本 スティーブン・ソマーズ
製作 ローレンス・マーク
ジョン・バルデッチ
製作総指揮 バリー・ベルナルディ
出演者 トリート・ウィリアムズ
ファムケ・ヤンセン
アンソニー・ヒールド
ケヴィン・J・オコナー
ウェス・ステューディ
音楽 ジェリー・ゴールドスミス
撮影 ハワード・アサートン
編集 ジョン・ライト
ボブ・ダクセイ
製作会社 ハリウッド・ピクチャーズ
シナージ・ピクチャーズ
配給 アメリカ合衆国の旗 ブエナ・ビスタ・ピクチャーズ
日本の旗 東宝東和
公開 アメリカ合衆国の旗 1998年1月30日
日本の旗 1998年10月17日
上映時間 106分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $45,000,000
興行収入 アメリカ合衆国の旗カナダの旗 $11,203,026[1]
テンプレートを表示

ザ・グリード』(Deep Rising)は、1998年に公開されたアメリカ合衆国の映画。監督と脚本は『ハムナプトラ/失われた砂漠の都』に先駆けてスティーブン・ソマーズが担当した。ジャンルはホラーおよびSF。3000人の乗客を乗せた豪華客船アルゴノーティカ号から乗客が突然失踪し、その元凶である触手を持つ巨大生物が主人公フィネガン(演:トリート・ウィリアムズ)たちを襲う物語が展開される[2]

ストーリー[編集]

3000人を乗せた豪華客船アルゴノーティカ号は南シナ海を航海中、船内のシステム制御室に侵入した“何者か”の手により突如航行不能に陥ってしまう。その直後、船は海中より現れた謎の巨大未確認生物に襲われ、大勢の乗客と乗組員は瞬く間に船内からその痕跡を消した。

同じ頃、密輸業者のジョン・フィネガンら一行の乗った密輸船サイパン号は、依頼主である武装した傭兵グループと、重火器などの積荷を乗せて現場付近の海域を航行していたが、不運にも暴風雨の海上を漂流していたモーターボートと衝突し、船体に大きな損傷を負ってしまう。突然のアクシデントに立ち往生したフィネガンたちは、やがて近隣の海上で偶然にもアルゴノーティカ号を発見するが、その直後にサイパン号は同乗していた傭兵たちに乗っ取られてしまう。彼らはアルゴノーティカ号のシージャックを目論んでいたのだ。やむなくフィネガンたちは傭兵たちに従い、共にアルゴノーティカ号へと乗り込む。

ところが、3000名の乗客がいるはずの船内には全く人影がなく、唯一の生存者は船長と船主、そして金庫に忍び込んだとして捕まった美女の3人のみ。そして、乗客消失の元凶である“何か”がフィネガンたちに襲いかかる。

登場人物[編集]

ジョン・フィネガン
演 - トリート・ウィリアムズ
密輸船サイパン号の船長で密輸業者。ハノーバー率いる傭兵グループに雇われ、彼らを指定の海域へと運ぶが、やがて本当の目的を知らないまま船を乗っ取られ、アルゴノーティカ号のシージャック計画に巻き込まれる。口癖は「お次はなんだ?」。
怪物の襲撃に見舞われる中、冷静さを失わずリーダーシップを発揮して一行を先導する。パントゥーチから託された船のパーツを落としてしまうも、傭兵たちによって船に積まれていた魚雷を利用して怪物をアルゴノーティカ号ごと吹き飛ばす作戦を思い付く。
反動の強いM1L1を使いこなし、ジェットスキーで船内を移動しつつ片手でショットガンで的確に目標を撃ち抜くなど戦闘能力は高い。また、トリリアンの「脱出させてくれたら何でもあげる」という言葉に、「冷たいビールをくれ」と答えるなど粋な一面も持ち合わせる。
トリリアン・セント・ジェームズ
演 - ファムケ・ヤンセン
アルゴノーティカ号に乗客として忍び込んでいた女スリ。金庫へ盗みに入っていたところをキャントンとアサートンに発見され、身柄を拘束されていた。なおキャントンによれば、容疑は主に窃盗、強盗、公文書偽造、殺人未遂(本人曰く「元の彼氏」とのこと)などで、罪暦は逮捕6回、有罪5回。4か国から国際指名手配中である。
戦闘能力は高くないが、ハンドガンでフィネガンを襲う怪物に立ち向かう場面があった他、銃を突きつけるキャントンにも強気の姿勢を見せた。周囲が自分を女として見ていない中、紳士的な扱いをしてくれたフィネガンに恋心を抱き、無人島についた時は脱出成功の褒美をビールからキスに格上げした。
サイモン・キャントン
演 - アンソニー・ヒールド
豪華客船アルゴノーティカ号の船主。全財産を投じて自身の夢であった船を手に入れたが、建造費と維持費が大幅にかさみ、資金繰りに苦しんだことから、保険金目的でアルゴノーティカ号のシージャック計画を画策する。
乗客たちを殺すほど冷酷じゃないと自称していたが、地図を持っていたモリガンがいなくなった途端一行を裏切って嘘の道を教え、自分1人で逃げ出そうとする。さらに、終盤にはトリリアンに信号拳銃を突きつけて脅しジェットスキーの鍵を奪い取ろうとした(その際、ヴィーヴォを間違いとはいえ殺害したにも関わらず、「私は人を殺したことがない」と言っている)。だが、そこにフィネガンが現れ銃撃で追いたてられ逃走する。その後、フィネガンの計画を知らず出発したサイパン号に飛び乗り左脚を失う程の骨折。勝ち誇った笑みを浮かべながら操縦桿を握るも自動操縦を解除できずアルゴノーティカ号に突っ込み、魚雷の爆発に巻き込まれて死亡した。
ジョーイ・パントゥーチ
演 - ケヴィン・J・オコナー
サイパン号の乗組員で整備士。フィネガンの相棒。レイラとは両想いの仲にあり、彼女の死を知った際は作業を行いながらすすり泣いた。傭兵たちの積荷を勝手に物色するなど手癖が悪い。
戦闘能力に関してはあまり無いようで、M1L1の反動を抑えきれないどころか撃ち方すらわかっておらず、グレネードを起動しないまま投げてしまいハノーバーに間抜け呼ばわりされた。
ハノーバーと共に怪物から逃げていたが、ハノーバーに足を撃たれ囮として利用される。命からがら逃げ延びた先で食われかけのハノーバーと遭遇し、彼に自決用として銃を渡した(なお、その銃はハノーバーがパントゥーチに向けて撃った1発を最後に弾切れとなり、ハノーバーはそのまま捕食された)。
終盤で怪物に襲われて死亡したかに思われたが海に飛び込んで生存しており、爆発するアルゴノーティカ号から吹き飛んできたサーフボードを使ってフィネガンとトリリアンが上陸した島にたどり着いた。
ハノーバー
演 - ウェス・ステューディ
傭兵グループのリーダー。キャントンとの裏取引でアルゴノーティカ号のシージャックを実行する。無骨で冷酷な性格。
最初はマムーリとT-レイを殺したのはフィネガンだと疑っていたが、怪物の襲撃に際し足元に落ちていた銃をフィネガンに渡すなど、状況に応じて臨機応変に対応できる。その一方、怪物から逃れるためにパントゥーチを犠牲にしようとする冷酷な一面もある。
パントゥーチが逃げ延びた先で下半身を怪物に飲み込まれ、腕の力だけでかろうじて耐えている状態で発見される。パントゥーチに託された銃で彼を撃とうとするも命中せず、さらに弾切れとなってしまったため捕食される。
レイラ
演 - ウナ・デーモン
サイパン号の女性乗組員で航海士。韓国系の出身でパントゥーチの恋人。傭兵たちにリンチされるパントゥーチを助けようとしないフィネガンに物申すなど強気な性格。
ビリーと共にサイパン号に残っていたが、背後から怪物に捕食され死亡する。
H・W・アサートン
演 - デリック・オコナー
アルゴノーティカ号の船長。作中で唯一犯罪に一切手を染めていない主要人物。キャントンが保険金目当てでシージャックを企んでいたことを知った時は、彼に激怒していた。
逃走する途中で金網の下から怪物に足を噛まれ、必死に耐え抜いていた所にフィネガンとトリリアンが駆けつけるも怪物に捕食される。
モリガン
演 - ジェイソン・フレミング
傭兵。電子機器の操作担当で小心者。メイスンがやられた際には取り乱し、厨房に立て籠ることを提案。出ていこうとするフィネガンとハノーバーに銃を向けてまで止めようとするが、フィネガンによりタコがコルクを開けてビンの中の魚を取り出す例え話を交えて説得される。
その後、換気扇から侵入した怪物に狙われ、決死の覚悟で銃を乱射。その結果、厨房のガスコンロを点火させて怪物を撃退し安堵するも、直後振り向いた先にいた別の触手に捕食される。
メイスン
演 - クリフトン・パウエル
黒人の傭兵。仕切り屋でグループのサブリーダー的存在。気性が荒く、荷物を覗いたパントゥーチの殺害にいち早く賛成していた。今まで怖いもの知らずで生きていたらしく、怪物に襲撃されてからは「生まれて初めてブルってる」と恐怖していることを吐露した。
フィネガン一行の中ではしんがりを務め、作中中盤に襲ってきた怪物を撃退して水中へ飛び込み一行と合流しようとするも、追いかけてきた怪物に襲われてしまい手榴弾で自爆する。
マムーリ
演 - クリフ・カーティス
傭兵。大の女好きで、常に女とヤる事しか頭にない。
T-レイがいなくなったことでフィネガンたちを疑うも、足元にいた怪物に捕まり、散々引きずられた後に捕食された。
T-レイ
演 - トレヴァー・ゴダード
オーストラリア出身の傭兵。怪力の持ち主で短気な性格だが、船酔いには弱い。傭兵グループの中で唯一フルネームが明かされている(ちなみにフルネームは「T-レイ・ジョーンズ」。)。
船内に気配を感じて単独行動するが、怪物の姿に戸惑っている間に引きずり込まれて捕食される。傭兵グループ最初の犠牲者。
ヴィーヴォ
演 - ジャイモン・フンスー
黒人の傭兵。強欲な守銭奴でゲテモノグルメが大好物。発破担当で爆薬の扱いに精通している。
金庫を開けた際、怪物と間違えたキャントンに斧で頭部を斬り割られて死亡する。
ビリー
演 - クリント・カーティス
傭兵。愛煙家でバックアップ兼雑務担当。
レイラと共にサイパン号に残っていたが、直接的な描写はないものの怪物に捕食される。その後、フィネガンたちの前に現れた怪物が銃撃を受けたことで、左側頭部から脳が丸見えになり、右手に穴が空いた消化途中の悲惨な状態で吐き出され、激痛で絶叫しながらフィネガンたちの目の前で死亡する。なお、彼が出てくる前に、腹が膨らみ手形が浮き出た怪物のシーンが描かれている。

オクタルス(通称・グリード)について[編集]

劇中でアルゴノーティカ号を襲った謎の巨大海洋生物。当初は古代の深海に生息する異常進化したワーム類の一種と思われていた(劇中で語られた、キャントンによる仮説。キャントンたちは触手の部分しか目撃しておらず、多数の怪物が船内に侵入したと考えた)が、実際には、鋭い牙の並ぶ大きな口と、青い2つの眼を持つ本体から無数の触手を生やした、巨大なタコのような姿であり、その正体は約8億年前のカンブリア紀から生き延びて来た古代生物が、環境破壊による生態系の崩壊によって突然変異を起こした、獰猛な大型海洋生物である。食性は肉食で、好物は主に人間海洋生物で、触手を縦横無尽に伸ばして獲物を捕える。触手の先端には獲物を捕らえるための鋭いがあり、獲物を生きたまま丸呑みにして栄養源とする(獲物は体液を吸い取られた後、溶けかかった骨と皮だけの状態となって体外へと排出される)。なお、触手自体は視覚を一切持たず、獲物の立てるかすかな音を頼りに狩りを行い、逃げる獲物を巧妙にたぐり寄せる。その姿だけを見ると、最も似通っている生物としては軟体動物のバンパイア・スクイードが挙げられる。また劇中ではフィネガンが魚が入った瓶を開けるタコのたとえ話をするなど全体的なモチーフはタコとされる。

普段は南シナ海の海底に生息しているが、空腹になると餌を求めて海面に浮上し、獲物を捕食する。人間のことは900年以上も前から襲い続けているらしく、住処に破壊された無数の沈没船や散らばっている魚の骨がオープニングで確認できる。

弱点は火であり、劇中では傭兵たちが使った手榴弾により触手は撃破され、また本体はアルゴノーティカ号が爆発した際に生じた熱により全身の皮膚が一瞬にして焼けただれ、さらに本体自身が爆発し粉砕した。そのため爆発物による攻撃が有効と考えられる。銃器類では、触手を攻撃することによって、怯ませたり触手を破壊することは可能であるが本体にダメージを与えられず。銃で本体にダメージを与えるには急所である本体の眼球を銃撃するしかない。

なお、タイトル及びオクタルスの通称となっている「グリード」は日本語に訳すと「食欲・食す・貪欲・強欲」を意味する。

スタッフ[編集]

日本語吹替[編集]

役名 俳優 日本語吹替
ソフト版 テレビ朝日
ジョン・フィネガン トリート・ウィリアムズ 大塚芳忠 菅生隆之
トリリアン・セント・ジェームズ ファムケ・ヤンセン 小宮和枝 日野由利加
ジョーイ・パントゥーチ ケヴィン・J・オコナー 島田敏 檀臣幸
サイモン・キャントン アンソニー・ヒールド 山野史人 池田勝
ハノーバー ウェス・ステューディ 宝亀克寿 麦人
レイラ ウナ・デーモン 芝原チヤコ 石塚理恵
アサートン デリック・オコナー 千田光男 小島敏彦
モリガン ジェイソン・フレミング 田中正彦 小野健一
メイスン クリフトン・パウエル 手塚秀彰 廣田行生
マムーリ クリフ・カーティス 中田和宏 成田剣
T-レイ トレヴァー・ゴダード 立木文彦 中田和宏
ヴィーヴォ ジャイモン・フンスー 天田益男 田中正彦
ビリー クリント・カーティス 落合弘治 森川智之
その他 湯屋敦子
青山穣
中田雅之
村井かずさ
加納明
伊藤栄次
横尾博之
深水由美
藤原美央子
演出 蕨南勝之 松川陸
翻訳 武満眞樹 平田勝茂
調整 高橋慶美 荒井孝
効果 南部満治
担当 吉富孝明
制作 ニュージャパンフィルム
初回放送 2000年3月5日
日曜洋画劇場
21:00-22:54

地上波放送履歴[編集]

回数 テレビ局 番組名 放送日 吹替版
初回 テレビ朝日 日曜洋画劇場 2000年3月5日 テレビ朝日版
2回目 2001年11月11日
3回目 フジテレビ ゴールデンシアター 2003年5月31日
4回目 テレビ東京 木曜洋画劇場 2004年11月25日[3]
5回目 日本テレビ 金曜ロードショー 2006年5月19日[4]
6回目 テレビ朝日 日曜洋画劇場 2008年1月13日
7回目 テレビ東京 水曜シアター9 2009年7月22日[5]
8回目 午後のロードショー 2012年8月20日[6]
9回目 2014年9月17日 [7]
10回目 2017年4月18日[8]

脚注[編集]

[脚注の使い方]
  1. ^ Deep Rising (1998)”. Box Office Mojo. Amazon.com. 2009年11月20日閲覧。
  2. ^ ザ・グリード”. WOWOW. 2021年9月25日閲覧。
  3. ^ 前回放送作品”. テレビ東京. 2004年11月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年9月25日閲覧。
  4. ^ バックナンバー”. 金曜ロードショー. 日本テレビ放送網. 2008年12月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年9月25日閲覧。
  5. ^ 水曜シアター9─nine─:映画”. テレビ東京. 2009年7月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年9月25日閲覧。
  6. ^ 午後のロードショー「ザ・グリード」”. テレビ東京 (2012年). 2021年9月25日閲覧。
  7. ^ 午後ロード「ザ・グリード」そいつの食欲は底知らず―喰って、喰って、喰いまくる” (2014年). 2021年9月25日閲覧。
  8. ^ 午後ロード「ザ・グリード」対決!巨大生物!3連戦“そいつ”の食欲は底知らず!”. テレビ東京 (2017年). 2021年9月25日閲覧。

関連項目[編集]