シヨノロマン

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シヨノロマン
欧字表記 Shiyono Roman
品種 サラブレッド
性別
毛色 栗毛
生誕 1985年3月14日
死没 2013年3月2日(28歳没)
リードワンダー
シンシラオキ
母の父 シンザン
生国 日本の旗 日本北海道様似町
生産 平野喜良
馬主 庄野昭彦
調教師 庄野穂積栗東
厩務員 堀切広幸
競走成績
生涯成績 15戦6勝
獲得賞金 2億1569万7000円
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シヨノロマン日本で生産、調教された元競走馬繁殖牝馬。当時デビュー2年目の若手騎手であった武豊が初めて中央競馬の牝馬三冠戦線に挑んだ際のパートナーである。トライアル競走と本番のすべてで好走したが、あと一歩のところでG1の栄冠を手にすることはできなかった。

馬齢は2000年以前に使用された旧表記(数え年)で記述する。

経歴[編集]

特に良血ではなかったが、セリ市に出された際、牝馬離れした雄大な馬体を調教師の庄野穂積が気に入り、彼の甥である庄野昭彦[1]が365万円で購入する[2]

デビューは4歳になった1988年2月6日と遅かったが、約1か月の間にチューリップ賞(当時はオープン特別競走)まで3連勝してクラシック戦線に名乗りをあげる。桜花賞では好スタートから3番手につけ、直線で最内からいったん先頭に立つが、追い込んできた同じ庄野厩舎所属のアラホウトクの2着に敗れる。オークストライアルの4歳牝馬特別でもアラホウトクの2着から本番のオークスに臨み、中団追走から4コーナーで最内を回って先団にとりつくも、直線で伸びきれず5着に終わった。レース後に左前脚の骨折が判明し、休養に入っている。

秋はエリザベス女王杯のトライアルレース最終戦であるローズステークスに間に合い、中団から差し切って重賞初制覇。ライバルのアラホウトクが秋2戦とも見せ場なく敗れ、オークス馬のコスモドリームが骨折で回避したことから、エリザベス女王杯では初の1番人気に推される。レースはキャッチミーの大逃げで前半1000メートルが58.2秒という超ハイペースの中、離れた最内の4番手で追走。4コーナーでキャッチミーが馬群に沈むと前で粘る2頭の外に持ち出し、直線残り200メートルの時点で先頭に立つ。ところが後方待機策をとったミヤマポピーの強襲に遭い、ゴール寸前にハナ差で差し切られて2着に敗れた。レース後に武は「痛い2着、一番悔しい2着」という表現でこの敗戦を振り返っている。その後は阪神牝馬特別で古馬と初対決し、4着で4歳シーズンを終えている。

5歳時は中央と地方のオープン特別を各1勝するも、重賞では高松宮杯で3着に入った以外はすべて大敗して、この年は6戦2勝。ただし、中央オープンのシルクロードステークスでは58kgを背負っての勝利、地方オープンの名古屋市制100周年記念はオープン競走でありながら1着賞金が帝王賞と同額、中央のGII並みと破格の高額賞金が設定された交流競走であり、中央、地方の実力馬[3]がそろった中での東海地区のレコード勝ち(中央のレコードとは0.1差)[4]と、力のあるところは示した。マイルチャンピオンシップの10着を最後に引退し、田中春美牧場で繁殖入りした。

繁殖入り後の産駒の活躍はスイートピーステークス2着でオークスにも出走した初仔のツキノロマンが目立つ程度だった。2010年の出産を最後に種付けは行われず、2013年3月2日付で死亡を理由に繁殖牝馬としての供用が停止されている。

エピソード[編集]

皐月賞天皇賞(秋)を勝った、同い年のヤエノムテキがシヨノロマンに“片思い”をしていたという話が有名。シヨノロマンが近くを通ると、決まってヤエノムテキは立ち止まってじっと見ていたというもので、担当厩務員によってこの話が伝えられている。一方、シヨノロマン自身はこれに対して何の反応も示さなかった。ちなみに競馬シミュレーションゲームの『WinningPost7』にはこのエピソードをもとにしたイベントが存在する。

競走成績[編集]

年月日 競馬場 競走名 頭数 枠番 馬番 人気 着順 騎手 斤量 距離(馬場) タイム タイム
勝ち馬/(2着馬)
1988 2. 6 京都 4歳新馬 15 4 6 4 1着 武豊 ☆52 ダ1400m(良) 1.28.6 -1.4 (ハッピースズラン)
2. 21 京都 こぶし賞 16 2 4 5 1着 石橋守 53 芝1600m(良) 1.36.7 -0.2 ミヤマポピー
3. 13 阪神 チューリップ賞 11 3 3 2 1着 武豊 54 芝1600m(稍) 1.37.5 -0.3 (シーバードパワー)
4. 10 阪神 桜花賞 GI 18 1 1 4 2着 武豊 55 芝1600m(良) 1.35.1 0.3 アラホウトク
5. 1 東京 4歳牝馬特別 GII 16 1 1 2 2着 的場均 54 芝2000m(良) 2.01.6 0.2 アラホウトク
5. 22 東京 オークス GI 22 3 7 2 5着 武豊 55 芝2400m(良) 2.29.1 0.8 コスモドリーム
10. 23 京都 ローズS GII 14 4 5 2 1着 武豊 55 芝2000m(良) 2.01.6 -0.0 (ホロトアイフル)
11. 13 京都 エリザベス女王杯 GI 18 1 1 1 2着 武豊 55 芝2400m(良) 2.27.2 0.0 ミヤマポピー
12. 25 阪神 阪神牝馬特別 GIII 15 6 10 1 4着 松永幹夫 56 芝2000m(良) 2.02.1 0.1 リキアイノーザン
1989 5. 6 京都 シルクロードS 14 7 12 2 1着 武豊 58 芝1600m(良) 1.35.7 -0.0 (ドウカンジョー)
6. 11 阪神 宝塚記念 GI 17 8 16 14 9着 加用正 54 芝2200m(良) 2.15.7 1.7 イナリワン
7. 9 中京 高松宮杯 GII 14 8 13 2 3着 武豊 56 芝2000m(稍) 2.00.0 1.1 メジロアルダン
9. 17 阪神 朝日チャレンジC GIII 12 7 10 1 12着 武豊 57 芝2000m(良) 2.03.4 3.4 ハツシバエース
10. 10 中京[5] 市制100周年記念 12 7 10 1 1着 武豊 54 芝2000m(良) R1:58.3 -0.2 (ジングウブレーブ)
11. 19 京都 マイルCS GI 17 8 16 4 10着 河内洋 55 芝1600m(良) 1.36.4 1.8 オグリキャップ

血統表[編集]

シヨノロマン血統グレイソヴリン系 / アウトブリード (血統表の出典)

リードワンダー
1978 鹿毛
父の父
アローエクスプレス
1967 鹿毛
*スパニツシユイクスプレス Sovereign Path
Sage Femme
ソーダストリーム Airborne
Pangani
父の母
キクノホウラン
1971 鹿毛
*フイダルゴ Arctic Star
Miss France
ロイヤルベエンチヤ *ロイヤルチヤレンヂヤー
*ネヴアーヴエンチユアー

シンシラオキ
1978 栗毛
シンザン
1961 鹿毛
*ヒンドスタン Bois Roussel
Sonibai
ハヤノボリ ハヤタケ
第五バツカナムビユーチー
母の母
フーセン
1973 鹿毛
*ハードリドン Hard Sauce
Toute Belle
ゴーフウ ハタカゼ
コンゴーセキ F-No.3-l

5代母シラオキは二冠馬コダマ、皐月賞馬シンツバメの母。その子孫からは多数の活躍馬を輩出している。さらにさかのぼると小岩井農場の基礎輸入牝馬の1頭であるフロリースカップにたどりつく、歴史ある牝系である。ただし、直近の近親で活躍したのは祖母の従弟に重賞3勝のハシコトブキがいる程度。

脚注[編集]

  1. ^ JRA所属の調教師である庄野靖志の父。
  2. ^ シヨノロマン(昭和63年 ローズS)
  3. ^ 中央からは当時重賞3勝でシヨノロマンに勝ったこともあるリキアイノーザン、重賞2勝のプレジデントシチーなど、シヨノロマンも含めて4頭が参戦。地方からは川崎記念ダービーグランプリを勝ったアエロプラーヌなど8頭が参戦した。
  4. ^ 『優駿』1989年11月号、日本中央競馬会、41頁
  5. ^ 地方競馬主催。当時の東海公営は中京競馬場での開催もあった。