ジェネリック家電

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ジェネリック家電メーカー製のラジカセ

ジェネリック家電(ジェネリックかでん)とは、大手メーカーの一世代前の技術を利用しながら搭載する機能を少なくして低価格を実現した日本製の家電商品。ただし、「ノーブランド品で廉価かつ比較的高品質な家電」全般を指しても使われ、中国、韓国製品に対しても使用されることがある。ジェネリック(Generic)は英語で「ブランドにとらわれない」「一般的な」という意味。[1][2][3]ジェネリック医薬品になぞらえた新造語[4][5]

概要[編集]

各社によるセパラボディ製品。上が大手電機メーカー製、下がジェネリック家電メーカー製のもの。

大手家電メーカーは商品開発のサイクルは短く、一世代前の部品や技術などを安くジェネリック家電メーカーに売却する。ジェネリック家電メーカーはそれらを使用することで安価な製品を作るため品質に問題がないとされる。ジェネリック家電メーカーは大手メーカー以上に客のニーズを徹底的に調査し、付加機能の可否、コスト削減を行うことで顧客の要求にこたえる[5]

ジェネリック家電メーカーでは定年リストラなどで大手メーカー退職した技術者を即戦力として雇用し、開発に関するノウハウを短期間で取得している。例としてアイリスオーヤマではパナソニックシャープなどの大手メーカー出身の技術者を採用し、開発センターを立ち上げている。

上記の理由により大手メーカーと技術的には遜色なく、また大手メーカーのウィークポイントも知り尽くしているがゆえ、別角度からの製品開発が可能である。例えば、日本の大手家電メーカーの製品は、ガラパゴス携帯という言葉に代表されるように技術力を誇示するあまり通常使わないような機能を多数搭載した結果、ユーザーには使いにくく、海外ではむしろ評価を下げていた。ジェネリック家電の台頭は「機能はシンプルでも、価格は安いほうがいい」という消費者のニーズが置き去りにされてきたことが背景にある。ジェネリック家電メーカーの多くは、品質は大手クラスを維持しつつ機能を絞ることで、低価格と使いやすさを実現し、国内外で評価された。オーブンレンジに例をとれば、無駄な機能を削除することで約10分の1の価格を実現している[6]

由来[編集]

ジェネリック医薬品になぞらえた日本の新造語である。ただし、新薬と同じ主成分の薬であるジェネリック医薬品とは、一般家電よりも機能を少なくし低価格を実現している点で意味が異なる[4][5]

日本国内大手家電8社以外の優秀な準大手・中堅メーカー製品を、品質の低い日本国外の家電製品と玉石混交して「B級家電」と呼んでいたことを流通ジャーナリストの近兼拓史が憂い、粗悪なB級家電と、大手に劣らない高品質低価格の優良家電を明確にわけるために作った新語である。『週刊プレイボーイ』2013年4月1日発売号(集英社)の特集「ジェネリック家電で新生活をレベルアップ」が初出である[7]。毎年度末に、その年度中に発売され、最も優秀だった製品がジェネリック家電製品大賞が選ばれ、週刊プレイボーイなどで公表されている。2015年9月28日に、近兼拓史を代表理事として、非営利の業界団体、一般社団法人ジェネリック家電推進委員会が設立された。


メーカーと製品[編集]

2013年秋に「A-PRICE」を運営するMOAが販売したMAXZEN 32V型液晶テレビは、映像の表示に関しては大手メーカー製品並みながら、機能を絞ることで3万円を切る価格を実現し、月に10億円以上の売上げがあった時期があった[8]。2016年7月現在、楽天市場が運営する液晶テレビカテゴリの月間売上ランキングでも、同社のテレビが長期間にわたり上位入賞し、2016年上半期ランキングでも6位に入賞するなど、コストパフォーマンスの良さで市場に受け、大手ブランドの家電に対し、ジェネリック家電が十分通用する事を証明した。

扇風機などの一部の製品ではすでに大手のメーカーを抑えて、ジェネリック家電メーカーの製品が国内のトップクラスのシェアを占めている[6]。また、カセットCDの音楽をメモリーカードなどにダビングしまとめることができるラジカセなど、大手では販売が終了したが特定層に需要があるニッチ商品の開発も行っている[6]

こうした動きを見て、大手メーカーの一部でも、低価格の製品を売り出す動きが出てきた[6]

その後、競合の激しい大手家電量販店が、利益率を上げるため、大手ブランド品以外の商品の積極的な仕入れを行い始め、タブレット端末、カーナビゲーションシステムなどのデジタル家電分野で中国製ジェネリックが急増する[1]

海外製品との差別化[編集]

あるメーカーでは販路を拡大できた理由の一つとして、メイドインジャパンの信頼性と安全性を前面に打ち出した点にあるとする。独自の安全基準を設け、1万時間以上使用し続けてもトラブルが生じないかなど、耐久試験などを行っている。また、コールセンターを置いて商品の使用方法などの問い合わせにも対応したり、古い商品の部品をストックし修理依頼にも万全に対応できる体制を整えたりした[6]

主要メーカー/ブランド[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b コトバンク ジェネリック家電 - ジェネリック家電 知恵蔵miniの解説”. 2018年9月10日閲覧。
  2. ^ SankeiBiz「ジェネリック家電が低価格のワケ 『安かろう、悪かろう』B級品とは一線画す」
  3. ^ 存在感高まるジェネリック家電って何? 量販店も積極的に販売、透ける消費者の変化 ビジネスジャーナル
  4. ^ a b 日本ジェネリック製薬協会 ジェネリック医薬品を知りたい方へ”. 2018年9月10日閲覧。
  5. ^ a b c President online 価格10分の1の商品も。ジェネリック家電入門”. 2018年9月10日閲覧。
  6. ^ a b c d e NHKおはよう日本
  7. ^ 「安くてもスゴイ!ジェネリック家電の世界」集英社 より
  8. ^ YOMIURI ONLINE「”激安”液晶テレビも 注目のジェネリック家電」2014年04月21日 08時20分
  9. ^ Business Journal 存在感高まるジェネリック家電

参考文献[編集]

関連項目[編集]