ジョイス・キャロル・オーツ
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ジョイス・キャロル・オーツ Joyce Carol Oates | |
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ペンネーム |
ロザモンド・スミス (Rosamond Smith) ローレン・ケリー (Lauren Kelly) |
誕生 |
1938年6月16日(82歳)![]() |
職業 | 作家、編集者 |
国籍 |
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ジャンル | 小説・詩・戯曲・エッセイ |
文学活動 | |
代表作 | 『生ける屍』 |
主な受賞歴 |
オー・ヘンリー賞(1967, 1973) 全米図書賞(1970) フェミナ賞外国小説賞(2005) エルサレム賞(2019) |
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ジョイス・キャロル・オーツ(Joyce Carol Oates, 1938年6月16日 - )は、アメリカ合衆国の作家、プリンストン大学教授 (Roger S. Berlind '52 Professor in the Humanities)。夫のレイモンド・スミスと共に文芸誌「オンタリオ・レビュー」を編集・発行している。
小説・詩・戯曲・エッセイなど数多くの著作があり、ロザモンド・スミス (Rosamond Smith) またはローレン・ケリー (Lauren Kelly) という筆名でも数冊のミステリー小説を執筆している。近年ではノーベル文学賞候補として報道されることも多い。
経歴[編集]
ニューヨーク州ロックポートにアイルランド系の家庭に生まれ、少女時代は母と同じワンルーム・スクールに通いながらニューヨーク郊外で過ごした。14歳のときに祖母からタイプライターをもらったことをきっかけに小説を書きはじめる。学校ではとびぬけた成績を示し、奨学金を得てシラキューズ大学に入学。19 歳のときにマドモアゼル誌主催の学生短編小説コンテストで入賞。1960年に卒業生総代としてシラキューズ大学を卒業、1961年にウィスコンシン大学から文学修士号を得る。
デトロイト大学(en:University of Detroit Mercy)で教員をしながら、1966年に最初の長編小説 With Shuddering Fall を発表。1970年に『かれら』 them で全米図書賞を受賞。1978年にプリンストン大学に移る。
1996年に 『生ける屍』Zombie でブラム・ストーカー賞を受賞。2001年1月にはオプラ・ウィンフリーのトークショーで We Were the Mulvaneys が推薦図書として取り上げられてベストセラーとなり、翌年にはブライス・ダナー主演でドラマ化される。2005年に The Falls でフェミナ賞を受賞。
1993年『ブラックウォーター』 black water 、1995年 What I Lived For、2001年『ブロンド』 blonde で3度ピューリッツァー賞にノミネートされた。2011年、短編 Fossil-Figures で世界幻想文学大賞を受賞。2019年エルサレム賞受賞。
人物[編集]
ほとんど本の無い環境で育った少女時代に『不思議の国のアリス』に出会い、深く影響されたことをしばしば語っている。また、オーツ自身によって、影響を受けた作家としてシルヴィア・プラス、ボブ・ディラン、 ウィリアム・フォークナー、ヘンリー・デイヴィッド・ソロー、ヘンリー・ジェイムズらの名が挙げられている。ボブ・ディランに対しては1966年の短編作品「あなたはどこへ行くのどこから来たの」 Where Are You Going, Where Have You Been? を奉げている。
著作[編集]
小説[編集]
- With Shuddering Fall (1964)
- A Garden of Earthly Delights (1967)
- Expensive People (1968)
- them (1969)
- Wonderland (1971)
- Do With Me What You Will (1973)
- The Assassins (1975)
- Childwold (1976)
- Son of the Morning (1978)
- Cybele (1979)
- Unholy Loves (1979)
- Bellefleur (1980)
- Angel of Light (1981)
- A Bloodsmoor Romance (1982)
- Mysteries of Winterthurn (1984)
- Solstice (1985)
- Marya: A Life (1986)
- You Must Remember This (1987)
- American Appetites (1989)
- Because It Is Bitter, and Because It Is My Heart (1990)
- 1996 film Foxfire (1996 film)
- What I Lived For (1994)
- Zombie (1995)
- We Were the Mulvaneys (1996)
- Man Crazy (1997)
- My Heart Laid Bare (1998)
- Broke Heart Blues (1999)
- Blonde (2000)
- Middle Age: A Romance (2001)
- I'll Take You There (2002)
- The Tattooed Girl (2003)
- The Falls (2004)
- Missing Mom (2005)
- Black Girl / White Girl (2006)
- The Gravedigger's Daughter (2007)
- My Sister, My Love (2008)
- Little Bird of Heaven (2009)
- Mudwoman (2012)
- Daddy Love (2013)
- The Accursed (2013)
- Carthage (2014)
- The Sacrifice (2015)
- Jack of Spades (2015)
- The Man Without a Shadow (2016)
戯曲[編集]
- Miracle Play (1974)
- Three Plays (1980)
- Tone Clusters (1990)
- In Darkest America (1991)
- I Stand Before You Naked (1991)
- Twelve Plays (1991) (including Black)
- The Perfectionist and Other Plays (1995)
- New Plays (1998)
- Dr. Magic: Six One Act Plays (2004)
日本語訳[編集]
- 『オン・ボクシング』北代美和子訳、中央公論社、1988年
- 『ブラックウォーター』中野恵津子訳、講談社、1992年
- 『エデン郡物語―ジョイス・キャロル・オーツ初期短編選集』 中村一夫訳、文化書房博文社、1994年
- 『フォックスファイア』井伊順彦訳、DHC、2002年
- 『アグリーガール』神戸万知訳、理論社、2004年
- 『生ける屍 』井伊順彦訳、扶桑社 、2004年
- 『フリーキー・グリーンアイ』大嶌双恵訳、ソニー・マガジンズ、2005年
- 『とうもろこしの乙女、あるいは七つの悪夢』栩木玲子訳、河出書房新社、2013年
- 『二つ、三ついいわすれたこと』神戸万知訳、岩波書店、2014年