スクエア・キロメートル・アレイ

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SKA完成予想図

スクエア・キロメートル・アレイ(Square Kilometer Array, SKA)は、集光面積1平方kmの電波望遠鏡である。2016年に建設を開始し、2020年から科学観測を開始する予定となっている。

概要[編集]

SKAは、数千個のアンテナを並べて宇宙を観測する電波干渉計である。その名前の由来ともなっている巨大な集光面積と、3000km以上に展開するアンテナ群がもたらす高い解像力により、銀河の形成や宇宙磁場地球外生命の探査などが行われる。

SKAが観測する電波は、周波数 70 MHzから10 GHz(波長では4mから3cm)である。

SKAの構造[編集]

SKAでは、比較的高い周波数の電波を受信するための"Dishes"と呼ばれるパラボラアンテナと、低い周波数の電波を受信するための"Aperture arrays"と呼ばれるアンテナ群という異なったアンテナが建設される。

Dishesは、口径15mのアンテナ約3000台からなる。個々の望遠鏡の口径はさほど大きくないが、これにより比較的低予算で広い視野が得られる。アンテナ群の配置は、建設とケーブル敷設などの設置のしやすさ、解像度とコストなどを考慮し、渦状腕配置とされ[1]、アフリカ大陸の数千kmに渡って設置される。

Aperture Arrayは、その中でも低周波な電波を受信する「低周波アレイ」と、それより高周波な電波を受信する「中周波アレイ」とでは受信機の形状が異なる。これらは、アンテナで電波を反射・集光させてから受信するDishesとは異なり、むき出しの受信部で集光することなく直接受信する。こちらは中心部から200km程度の範囲で設置される。

建設地[編集]

SKAの建設地は当初5箇所が候補とされたが、最終決定前はオーストラリアニュージーランド南アフリカが残っていた[2]。いずれも、SKAに必要な条件(人工電波が少ないこと、安定した天候、建設に必要なコスト、広大な範囲に広がるアンテナをうまく接続できること)などを満たしており、2012年に建設地選定委員会の投票によって決定することとされた。最終的に両候補地とも同じように利点があるとされ、候補の2地域に分散して建設されることとなった[3][4]

SKAの誘致に向けて、2グループともに試験的な望遠鏡(ASKAP、MeerKAT)が建設された。建設地の決定に伴ってASKAPは新技術のたたき台に使われるとされ、MeerKATはSKAシステムに取り込まれる予定である[5]

オーストラリア・ニュージーランド[編集]

オーストラリアでは、西オーストラリア州ジェラルトンの北東315kmのところにある、マーチソン電波天文台がSKAの中心地として立候補していた[6]オランダの国土と同じ広さにわずか110人が暮らしており、人工電波はきわめて少ない。また、アンテナの一部をニュージーランドに設置することで、5000kmを超える基線長を確保することができる。

マーチソン電波天文台では、オーストラリアSKAパスファインダー (ASKAP)が建設された。

建設地決定により、オーストラリア・ニュージーランド地域は低周波観測を担当し、低周波用アパーチャアレイアンテナが建設される[7]

南アフリカ[編集]

南アフリカ共和国が中心となり、ナミビアボツワナモザンビークマダガスカルモーリシャスザンビアケニアガーナにもアンテナを展開する計画である[8]。この地域も人口が少なく人工電波源は少ない。また気候も穏やかであるため、観測条件も良い。

南アフリカでは、口径13.5mのアンテナ64台からなるMeerKATの建設が進んでおり、2011年、最初の7台のパラボラアンテナが完成した(KAT-7)。

建設地決定により、アフリカ地域は中周波観測を担当し、MeerKAT64基を含むパラボラアンテナ(最大200基)が設置される。また第2期として追加で建設されることになった場合、パラボラアンテナ以外にも、中周波数アパーチャアレイアンテナが設置される予定である[5]。また低周波用アパーチャアレイアンテナも第2期計画でアフリカ地域に設置される予定であるとSKAのホームページで示されている。

SKAの科学目標[編集]

SKAでは、以下の5つのテーマが主要プロジェクトとして選定されている。[9]

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ SKAのレイアウト” (日本語). SKA Japan. 2019年3月9日閲覧。
  2. ^ The Location - SKA Telescope
  3. ^ 世界最大級の電波望遠鏡、南アでの建設は前途多難か」『』、2012年5月30日。2019年3月9日閲覧。
  4. ^ 大型電波望遠鏡SKA、豪と南アに建設”. www.astroarts.co.jp. 2019年3月9日閲覧。
  5. ^ a b SKAの建設地” (日本語). SKA Japan. 2019年3月9日閲覧。
  6. ^ Australia - New Zealand SKA Telescope
  7. ^ Department of Industry, Innovation and Science (2018年10月19日). “Co-hosting the Square Kilometre Array”. Department of Industry, Innovation and Science. 2019年3月9日閲覧。
  8. ^ Australia - New Zealand SKA Telescope
  9. ^ The Science - SKA Telescope