スクリーム
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スクリーム | |
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Scream | |
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監督 | ウェス・クレイヴン |
脚本 | ケヴィン・ウィリアムソン |
製作 |
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出演者 | |
音楽 | マルコ・ベルトラミ |
撮影 | マーク・アーウィン |
編集 | パトリック・ルッスィア |
製作会社 | Woods Entertainment[1] |
配給 |
ディメンション・フィルムズ(![]() アスミック・エース( ![]() |
公開 | |
上映時間 | 111分[2] |
製作国 |
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言語 | 英語 |
製作費 | $15,000,000[3][4] |
興行収入 | $173,046,663[3] |
次作 | スクリーム2 |
『スクリーム』(英語: Scream)は、1996年に公開されたアメリカ映画。原題の「Scream」は、「悲鳴」「絶叫」の意味。ブラック・コメディの要素を含むスラッシャー映画である。
解説[編集]
この映画では10代の若者たちが描かれる。登場人物たちが「スプラッター映画で見られるお決まりのパターン」を会話の中で紹介し、それを面白おかしく批判する描写がある。若者たちはそのパターンに、時にはなぞらえられながら、時には裏切られながら一人ずつ殺されていく。この絶妙な設定によって、すでに飽きられていたスプラッター映画を1990年代半ばに復活させることに成功した。
日本では、1997年6月に本作が公開される予定であったが、神戸連続児童殺傷事件の影響で延期となった。その後、1997年8月23日、本作が正式に公開された。
ストーリー[編集]
カリフォルニア州の田舎町、ウッズボローにある民家にて、自宅でホラー映画のビデオを見ようとしていた高校生ケイシーに、不審な電話がかかってくる。ケイシーは、最初はこれをイタズラ電話と考え、軽くあしらっていた。だが、何度となく相手は電話を掛けてくる。ケイシーが相手をしているうちに、声の主は徐々に異常な本性を現す。何度目かの電話にうんざりしたケイシーが「いいかげんにして!」と怒ると、声の主も逆上し、「クイズに答えてもらう。これに正解できなければお前を殺す。庭の明かりを付けてみろ」。そこには恋人のスティーヴ・ボースが椅子に縛りつけられており、彼女の目の前でスティーヴは惨殺された。パニックに陥ったケイシーは必死に逃げ出そうとするが、脅迫者が姿を現し、揉み合いの末に、彼女は身体に何度となくナイフを突き刺された。
間もなく、帰宅したケイシーの両親が発見したのは、内臓をえぐられ、木から吊るされた彼女の死体であった。だが、悲劇はこれが初めてではなかった。1年前、シドニーの母モーリー・プレスコットが、レイプされた挙句惨殺されるという痛ましい事件があった。コットン・ウェアリーという男性がその容疑者として逮捕されている。
テレビ局のリポーター、ゲイル・ウェザーズは、惨殺事件が起こったウッズボローに出向き、シドニーを見付けて話を聞き出そうとするが、怒ったシドニーに張り倒される。ゲイルは、シドニーの母親が殺された事件についても追っていた。
数日後、シドニーに不審な電話がかかってくる。その直後に殺人鬼がシドニーの前に姿を現し、彼女に襲い掛かるが、そこに彼女の恋人、ビリーが姿を現すと退散した。だが、携帯電話を持っていたことでビリーは警察に疑われ、拘留された。シドニーの通う高校は休校になる。その後まもなく、学園に残っていた校長が殺害される。出張に出かけていたシドニーの父親が疑われる。
生徒たちは休校中にパーティーを開いたが、そこでシドニーの友人であったテイタムが惨殺された。ゲイルはカメラマンのケニーを引き連れて、パーティーを開いている建物から少し離れたところに車を止め、車内にビデオカメラを設置し、自身は隠しカメラを用意して建物へ向かう。同じ頃、シドニーとビリーは結ばれるが、その直後に殺人鬼が現れ、シドニーの目の前でビリーがナイフで刺された。シドニーは殺人鬼に追われ、逃げる。シドニーはケニーがいる車を見付けて助けを求めるが、殺人鬼はすかさずケニーの首を掻っ切って殺害。シドニーは建物に逃げ込み、ランディも駆け付けた。スチュアートが現れ、シドニーに対して「こいつの言うことは信じるな!」と叫ぶ。そこに、犯人に刺殺されたはずのビリーがシドニーの前に姿を現した。
彼は、殺人事件の犯人は自分とスチュワートの二人であったことを自ら明かし、シドニーを狙う理由を語った。ビリーの父親とモーリーの不倫が原因で彼の母親は出て行ったため、ビリーは母を失った痛みから復讐を思い立ち、ステュワートと手を組み、一年前にモーリーを殺害し、娘のシドニーも殺すつもりであったという。ビリーたち2人は、シドニーの父親ニール・プレスコットを捕まえており、彼を利用して完全犯罪を目論んだ。ビリーたちはランディとデューイに重傷を負わせ、銃を構えて現れたゲイルを突き飛ばして気絶させる。だが、シドニーの反撃を受けて形勢は逆転した。
戦いの末、ビリーとスチュアートの2人は、シドニーに止めを刺された。その後、父ニール、ランディ、デューイは助け出され、ゲイルによって全米に報道がなされ、事件の幕は下りた。
登場人物[編集]
- シドニー・プレスコット
- 演 - ネーヴ・キャンベル
- 本作の主人公。ビリーの恋人。
- デューイ・ライリー
- 演 - デヴィッド・アークエット
- 保安官代理。
- ゲイル・ウェザーズ
- 演 - コートニー・コックス
- テレビ・リポーター。
- ビリー・ルーミス
- 演 - スキート・ウールリッチ
- シドニーの恋人。
- ステュアート
- 演 - マシュー・リラード
- ケイシーの「元彼」を自称している。
- テイタム・ライリー
- 演 - ローズ・マッゴーワン
- シドニーの友人で、デューイの妹。パーティーを開いていた建物のガレージにて、シャッターとその天井に身体を挟まれて死亡。
- ランディ・ミークス
- 演 - ジェイミー・ケネディ
- シドニーの友人で、ホラー映画が好き。レンタルビデオ店でアルバイトしている。
- コットン・ウェアリー
- 演 - リーヴ・シュレイバー
- モーリー殺人事件の容疑者として逮捕される。
- ケイシー・ベッカー
- 演 - ドリュー・バリモア
- スティーヴの恋人。物語の序盤で惨殺される。
- スティーヴ・ボース
- 演 - ケヴィン・パトリック・ウォールズ
- ケイシーの恋人。物語の序盤で惨殺される。
- ニール・プレスコット
- 演 - ローレンス・ヘクト
- シドニーの父親で、モーリーの夫。
- モーリーン・ロバーツ・プレスコット
- 1年前に何者かに殺害された。物語中では既に故人。
- ケニー
- 演 - W・アール・ブラウン
- カメラマン。ゲイルの部下。
- ケイシーの母
- 演 - カーラ・ヘイトリー
- テイタムの母
- 演 - リー・マッケイン
- バーク保安官
- 演 - ジョセフ・ウィップ
- アーサー・ヒンブリー校長
- 演 - ヘンリー・ウィンクラー
- シドニーが通っている高校の校長。自校の学生が惨殺されたと報道され、その後まもなく校舎内で犯人と同じ服装でふざけ回っていた学生2人を厳しく叱り付ける描写がある。その後、学内にて犯人に刺殺された。
- フレッド
- 演 - ウェス・クレイヴン
- 学園の用務員。
出演[編集]
役名 | 俳優 | 日本語吹替 |
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シドニー・プレスコット | ネーヴ・キャンベル | 根谷美智子 |
デューイ・ライリー | デヴィッド・アークエット | 宮本充 |
ゲイル・ウェザーズ | コートニー・コックス | 佐々木優子 |
ビリー・ルーミス | スキート・ウールリッチ | 三木眞一郎 |
スチュアート | マシュー・リラード | 森川智之 |
ランディ・ミークス | ジェイミー・ケネディ | 神奈延年 |
テイタム・ライリー | ローズ・マッゴーワン | 渕崎ゆり子 |
ケイシー・ベッカー | ドリュー・バリモア | 林原めぐみ |
スティーヴ・ボース | ケヴィン・パトリック・ウォールズ | |
ニール・プレスコット | ローレンス・ヘクト | 仲野裕 |
モーリーン・ロバーツ・プレスコット | リン・マクリー | 声の出演は無し |
コットン・ウェアリー | リーヴ・シュレイバー | 声の出演は無し |
ケニー | W・アール・ブラウン | 辻親八 |
ケイシーの父 | ディヴィッド・ブース | |
ケイシーの母 | カーラ・ヘイトリー | 寺内よりえ |
テイタムの母 | リー・マッケイン | 火野カチコ |
バーク保安官 | ジョセフ・ウィップ | 石波義人 |
アーサー・ヒンブリー校長 | ヘンリー・ウィンクラー | 納谷六朗 |
フレッド | ウェス・クレイヴン | 田原アルノ |
続編[編集]
映画が売れたことで、続編となる『スクリーム2』『スクリーム3』も作られた。結果的にではあるが、3部作の第1作目になった。
2010年、『スクリーム4: ネクスト・ジェネレーション』の製作が発表された。本作は、『3』から10年後の物語という設定であり、世界観やストーリーが引き継がれている。アメリカ本国では2011年4月に、日本では2011年10月に公開された。
2015年6月にはドラマ化され(続編ではない)、2019年7月まで放送された。全シーズン3。
脚注[編集]
- ^ a b “Scream”. American Film Institute. 2016年3月9日閲覧。
- ^ “SCREAM (18)”. British Board of Film Classification (1997年2月27日). 2015年7月26日閲覧。
- ^ a b “Scream (1996)”. Box Office Mojo. 2016年9月13日閲覧。
- ^ “Scream (1996) - Financial Information”. 2019年10月21日閲覧。
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- Scream - Official Site - Miramax(英語)
- スクリーム - Box Office Mojo(英語)
- スクリーム - Metacritic(英語)
- スクリーム - Rotten Tomatoes(英語)
- スクリーム - allcinema
- スクリーム - KINENOTE
- Scream - オールムービー(英語)
- Scream - インターネット・ムービー・データベース(英語)
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