ステイル=マグヌス

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ステイル=マグヌス
とある魔術の禁書目録』のキャラクター
初登場 第1巻
作者 鎌池和馬
谷山紀章
詳細情報
性別
職業 神父魔術師
宗教 イギリス清教
所属サイド 魔術サイド
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ステイル=マグヌス(Stiyl Magnus)は、鎌池和馬作のライトノベルとある魔術の禁書目録』に登場する架空の人物。

担当する声優谷山紀章(アニメ版、ドラマCD版、ゲーム版共通)。

人物[編集]

イギリス清教第零聖堂区「必要悪の教会(ネセサリウス)」所属の魔術師。専門分野はルーン魔術(炎属性特化)で、「魔女狩りの王」、「炎剣」などの術式を使う。魔法名は「Fortis931(我が名が最強である理由をここに証明する)」。一人称は「僕」で、特徴的な口調や語尾はない。SPステイル編では主人公格として活躍する。

容姿[編集]

身長2mという非常な長身痩躯に、肩まで届く長髪は真っ赤に染めている[注 1]。背の割に顔立ちは幼さが残っており、上条や小萌からは年齢相応に見られる。耳には大量のピアス、十指全てに大きな指輪をゴテゴテと嵌め、右目の下にはバーコードの形の刺青が彫られ、常に香水臭いという特徴だらけの容姿。服装は常に漆黒の神父服を着込んでいるが、このような派手な外見ゆえによく「不良神父」と形容される。

性格[編集]

とても10代には見えないほど大人びているが、インデックスのことになると感情をむき出しにし、好きな異性のことを聞かれると思わず動揺する思春期らしい一面もある。見た目とは裏腹に非常に真面目な勤勉家だが、未成年にして喫煙する悪癖もある。プロの魔術師という立場上、任務に私情を挟むことはあまりなく、イギリス清教からの指令には忠実に従い、任務遂行のためには己の身を顧みることもない。ただし、やや協調性に欠けており、良くも悪くも感情に流されやすい上条とは反発することが多い。敵を殺す場合は一切躊躇しないなど冷酷な面もあるが、根本では正義感が強い。このため、劇場版『エンデュミオンの奇蹟』では魔術サイドと科学サイドで戦争の火種となる可能性のあったアリサ抹殺とアリサを利用したレディリー=タングルロードの計画を上条に教えるが、アリサ抹殺に猛反対した上条の決意に負け、レディリーの計画阻止のために土御門を含めた科学サイドに協力。図らずもエンデュミオン崩壊を自身の弟子3名と美琴、一方通行と共に阻止した。

生活[編集]

「必要悪の教会」の魔術師として、各地に派遣され日夜様々な敵性魔術師や犯罪的魔術結社と戦闘を繰り広げている。他の未成年の魔術師と同じく学校などのライフスタイルは送らず、平穏とは無縁の魔術一辺倒な世界に身を置いている。そのため、上条やインデックスや小萌が繰り広げているような平和な情景を見て一抹のむなしさを覚えることもある。「必要悪の教会」が学園都市で活動する場合、大抵彼が派遣され、前線に乗り出すことも多い。

知能[編集]

後述のように若くしてルーンを極めた天才魔術師で、十字教関連の知識や自身の専門分野に関しては深く精通している。しかし、彼は生まれ持った才能の持ち主ではなく、インデックスを護るために修練を重ね続けた賜物である。そのため、土御門が扱う陰陽術のような専門外の東洋魔術に関する知識は乏しい。また、学園都市を頻繁に訪れていることもあり、神裂と違い機械類にそれほど苦労することはない。

喫煙[編集]

未成年ながら重度のヘビースモーカー。「ニコチンタールがない世界は地獄」と断言し、懐には大量のタバコを忍ばせ、禁煙の地下鉄車内でも噛みタバコを噛むほど。インデックスとパートナーだった当時から喫煙しており彼女から常に咎められ、現在では小萌から会うたびに注意されている。なお、ライター代わりに魔術を使って火を点したり、逆にタバコの火を発火源にして攻撃魔術の起点とするなど、独特なタバコの扱い方をしている。

人間関係[編集]

かつてのインデックスのパートナーで、上条と同様に記憶消去を回避するために奔走した過去を持つ(漫画版2巻では、神裂を入れた3人が親密だった頃の様子が回想として描かれている)。後述の炎の魔術はインデックスを守るために習得したもので、「魔女狩りの王」が拠点防衛に特化しているのもそのためであり、彼女の記憶が消される時に交わした約束「たとえ君は全てを忘れてしまうとしても、僕は何一つ忘れずに君のために生きて死ぬ」を行動理念としている。インデックスが上条によって救われ、昔の関係に戻れなくなった現在も彼女への想いは変わっておらず、自身の理念に従い彼女を見守る姿勢にあり、彼女に危害を与える者には強い怒りを露にする。なお、上条から恋愛感情ではないかと指摘されると、狼狽えつつも恋愛ではないと断言し、尊敬する女性はエリザベス1世、好みのタイプは聖女マルタと主張している。

学園都市内の人間で面識がある上条とは共闘することも多い。その際にはよく上条を盾にして彼に反発されるため、共闘とは呼び難いような戦い方をする(オリアナとの戦いは、結果として功を奏した)。また、プロとしての立場から戦いに私情を挟みがちな上条に忠告することもある。インデックスの記憶消去の件を解決してくれてことに対して感謝しているが、同時に嫉妬心も持っている。少なくとも現在は上条をインデックスのパートナーとして認めているが、彼がインデックスの為にならないと判断すれば容赦なく殺すと言い切っている。

インデックスとの共通点が多く、自分を更生させようと真面目に迫ってくる小萌を苦手にしているが、「使徒十字」の件では彼女がインデックスの命の恩人である事を知り、思うところがあって姫神の治療を手伝った。

同僚の神裂とは共にインデックスを見守る間柄。土御門とも共闘したことがある。最大主教のローラとは上司と部下という間柄だが、普段は能天気で腹の底が見えないローラに平気で暴言を浴びせている。また、インデックスの「首輪」の件で不信感を抱いており、遠隔制御霊装の存在を知った時は激昂して食ってかかった。

作中での行動[編集]

初登場は1巻であり、当初は敵として登場。

インデックスを追い掛けて学園都市へと潜入し、その後重傷のインデックスを回収しに赴いて上条と対峙し戦闘するも、弱点を突かれ敗北する。数日後、記憶消去の期限や対「自動書記」戦では上条の無力さを責めたり自分の覚悟を語るが、最終的には上条の説得に押されて彼を援護する。8月8日には上条と二人で三沢塾へと潜入し、パルツィバルの最期を看取った後上条と別行動を取りアウレオルス=ダミーと交戦。アウレオルスと対峙した際は彼の神経を逆撫でした為に倒され瀕死に追い込まれるが、「黄金練成」の弱点を解くヒントを残したことで上条の勝利を後押しし窮地を脱する。

「法の書」事件ではローラ直々に指令を受け、上条とインデックスを呼び出し[注 2]アニェーゼ部隊とも協力して天草式と交戦。後にローマ正教側の真意を知り、オルソラを救うべく上条らや天草式と協力してアニェーゼ部隊と交戦し、強化版「魔女狩りの王」で上条を援護する。大覇星祭では、ローマ正教による「使徒十字(刺突杭剣)」を使った学園都市侵攻を阻止すべく、上条や土御門と共にローマ正教に雇われた魔術師オリアナを捜索・追跡し、最悪の事態を防ぐべく負傷も厭わず奮戦する。オリアナとの直接対決では上条と共闘する形になり全く息が合わなかったが、それがオリアナの予測を大幅に狂わせることになる。

10月初旬にはアニェーゼと共にリドヴィアやビアージオを尋問し「神の右席」の秘密を聞き出す。「ブリテン・ザ・ハロウィン」の一連の事件では、ハイジャック犯と戦う上条を援護し、キャーリサが起こしたクーデターでは別の方面で独自に騎士派と交戦し[1]、終盤には対キャーリサ戦に駆けつけ参戦する[2]。第三次世界大戦中は意識不明のインデックスに付き添い、「自動書記」モードが暴走した際には彼女の心身を案じ、自分との戦力差も顧みず孤軍奮闘する。最終局面では上条と無線で通信し「ベツレヘムの星」の後処理に協力した。「グレムリン」による総攻撃時にはロシアの爆撃機編隊を護衛する任務に就き、ヨルムンガンドと交戦状態に入る。

12月の「クロウリーズ・ハザード」ではロンドン市内に留まり、捕虜として処刑塔に連行された上条へ拷問を行う。コロンゾン戦後の祝勝会では、「心理掌握」に対する自動切断で意識を失っている間にインデックスを神浄に人質に取られ、上条と敵対することになる。ウィンザー城に侵入した上条を神裂と共に迎え撃ち、設置した「魔女狩りの王」で倒そうとした。しかし、ダイアンによって神裂から引き離され、硫化アンモニウム系の合成肥料を投げつけられて異臭に襲われ、痛みに五感を奪われながらも戦闘を続行しようとするが、竜の外殻を纏った上条に殴り飛ばされて意識を失う。

魔術・戦闘スキル[編集]

戦法[編集]

後述のように魔術の腕は天才的で、単身で数多の魔術結社を壊滅させた実力を持つ。ただし扱う術式の性質からスタミナの消耗が激しく、体力は貧弱で打たれ弱い。そのため近接距離での白兵戦は苦手としており、格闘などの直接的な肉弾戦は全く出来ない。戦術においては、ルーンの特性上から一定の場所に留まって戦う拠点防衛拠点攻略を得意とし、一方で場所を移しながら戦う機動戦奇襲、追跡は苦手としている。

魔術[編集]

十字教徒だが、北欧神話のルーン魔術を専門としており、わずか14歳にして現存するルーン標準24文字を完全に解析する上、新たな文字を6つも生み出している天才魔術師。炎属性の魔術に特化しており、それ以外の属性魔術を行使する場面は殆ど見られない。術の行使にはルーン文字を設置するための準備が不可欠である。以前は単にルーン文字をコピーした紙を貼り付けるだけだったが、上条に防水性の弱さを突かれて敗北して以降はラミネート加工したカードを用いるようになる。また、ルーンの張られている枚数や配置によって効果や威力が違ってくる。魔法陣を書くなどの魔術師としての基本事項は網羅しており、サポートがあれば不得手な術式も使える。

術式[編集]

魔女狩りの王(イノケンティウス
教皇クラスの高度な炎魔術で、ステイルの得意術式にして切り札。その名の意味は「必ず殺す」。
摂氏3000度の炎で形作られた巨人を生み出し自在に操る術式。外観は、重油のような黒くドロドロとした人型の芯を軸に、深紅に輝く紅蓮の炎が燃え盛っている。その超高温から、どんな物でも触れるだけで焼き尽くす或いは溶かし落とす事ができ、さらに巨人自体の拳や同種の炎で出来た十字架を武器として振りかざし、爆発させて爆風や衝撃波を起こすことも可能と、圧倒的な攻撃力を誇る。一度発動すると、核であるルーンを全て破壊しない限りは無限に再生を繰り返し、幻想殺し竜王の殺息などの特殊な攻撃にも正面から打ち合える。敵を認識したが最後、ルーンを設置した範囲内で対象を自動追尾し、いかなる防御も障害物も関係なく殲滅する。攻撃は最大の防御の理念を貫いた好戦攻撃術式である[3]
基本的には術者であるステイルの隣に寄り添うように現れて戦うが、予めルーンごと設置してステイルのいない場所でも自動的に発動するように仕掛けることも出来る[4]。ただし、その場合ステイル自身は近くで「魔女狩りの王」を使えなくなる[5]。その高い威力のため、数千枚から数十万枚と通常の炎魔術よりも大量にルーンを設置するなど準備に時間と労力が必要で、魔力消費が激しいことが欠点。
また、「法の書」事件での対アニェーゼ部隊戦では、天草式の助力によってカードの特殊な配置を使った巨大な多重構成魔法陣を作り、通常よりも炎の密度や威圧感が大きく、背から無数の翼が生えるという強化版「魔女狩りの王」を作り出した。さらに、第三次世界大戦中の対「自動書記」戦では、聖ジョージ大聖堂地下に保管されていた様々な霊装を回収・利用し、敢えて同時に3体の「魔女狩りの王」を作り出して三位一体の構造をとらせることで魔力の消耗を低減した。これらの特殊な形態は現在のステイル単独の力では扱うことは出来ない。
炎剣
その名の通り刀身が炎で出来た剣を生み出し、武器として振るう術式。「魔女狩りの王」を温存する時や使いにくい移動しながらの戦闘ではこの術式を使用する。前述のようにステイルは白兵戦が苦手のため、純粋な剣技ではなく、主に炎剣を当てて燃やしたり溶かす、もしくは炎剣を爆発させて爆風を浴びせるなどによって敵を殺傷する。2本の炎剣を生み出して攻撃する場合は「吸血殺しの紅十字」と称される。

また、炎によって気温を変化させる事で蜃気楼を生み出し、自らの幻影を目眩ましにして相手の攻撃を回避する術式を持つ。火と人形により、致死量以上の痛みや苦しみは与えても肉体までは影響を及ぼさず、ショック死させることなく拷問を行う魔術も使うことができる。戦闘のみならず、火傷のような炎関係の傷に限っては治療魔術にも詳しい。

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ なお、地毛は金髪である(1巻 84頁)
  2. ^ インデックスを連れ出した上で狂言誘拐として上条を強引に来させるというものだが、漫画版では三沢塾の事件がカットされているため、記憶喪失後にステイルと面識のなかった上条から本物の誘拐犯と誤解される場面がある。

出典[編集]

  1. ^ 18巻 195頁
  2. ^ 18巻 370-371頁
  3. ^ 7巻 314頁
  4. ^ 2巻 94-95頁
  5. ^ 2巻 110頁

参考文献[編集]

  • 『とある魔術の禁書目録ノ全テ』ISBN 978-4-8402-4042-0
  • 『アニメ『とある魔術の禁書目録』ノ全テ featuring アニメ『とある科学の超電磁砲』』ISBN 978-4-04-870118-1