ストロベリー・フィールズ・フォーエバー

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ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー
ビートルズシングル
初出アルバム『マジカル・ミステリー・ツアー
A面 ペニー・レイン(両A面)
リリース
録音 アビー・ロード・スタジオ(1966年11月24日 - 12月21日
ジャンル サイケデリック・ロック[1]
アート・ポップ[2]
プログレッシブ・ポップ[3]
サイケデリック・ポップ[4]
アシッド・ロック[5]
時間
レーベル パーロフォン(イギリス)
キャピトル・レコード(アメリカ)
オデオン(日本)
プロデュース ジョージ・マーティン
チャート最高順位
  • 2位(イギリス)
  • 8位(アメリカ)
ビートルズシングル盤 U.K.U.S. 年表
イエロー・サブマリン
両A面
エリナー・リグビー
(1966年)
ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー
両A面
ペニー・レイン
(1967年)
愛こそはすべて
b/w
ベイビー・ユーアー・ア・リッチ・マン
(1967年)
ビートルズシングル盤 日本 年表
イエロー・サブマリン
b/w
エリナー・リグビー
(1966年)
ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー
b/w
ペニー・レイン
(1967年)
愛こそはすべて
b/w
ベイビー・ユーアー・ア・リッチ・マン
(1967年)
マジカル・ミステリー・ツアー 収録曲
A面
  1. マジカル・ミステリー・ツアー
  2. フール・オン・ザ・ヒル
  3. フライング
  4. ブルー・ジェイ・ウェイ
  5. ユア・マザー・シュッド・ノウ
  6. アイ・アム・ザ・ウォルラス
B面
  1. ハロー・グッドバイ
  2. ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー
  3. ペニー・レイン
  4. ベイビー・ユーアー・ア・リッチ・マン
  5. 愛こそはすべて
ミュージックビデオ
「Strawberry Fields Forever」 - YouTube
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ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」(Strawberry Fields Forever)は、1967年2月にビートルズが発表した14枚目のオリジナル・シングル曲である。両A面シングル曲で片面は「ペニー・レイン」である。

ローリング・ストーンの選ぶオールタイム・グレイテスト・ソング500(2010年版)では76位にランクインされている[6]

解説[編集]

リヴァプールにあるストロベリー・フィールドの門柱には、世界中から訪れたファンによって名前や文字が書き込まれている。

レノン=マッカートニーの作品で、実質的にはジョン・レノンの作った楽曲である。リード・ヴォーカルはジョン・レノン。ビートルズサイケデリック期における傑作として評価されている。歌詞は映画『ジョン・レノンの 僕の戦争』の撮影期間に書かれた[7]

リヴァプール郊外にあるジョンが幼少期に暮らしていた家の近くにあった救世軍が運営する戦争孤児院"Strawberry Field"(位置英語版該当ページ、こちらは単数形の「フィールド」である)をモチーフにしており、レノンは子供時代に友人であったピート・ショットンらと共にストロベリー・フィールドにある樹木が生い茂った庭園で遊んでいた[8][9]。歌詞についてポール・マッカートニーは、「『ジャバウォックの詩[注釈 1]の影響を受けているのではないか」と推測している[10]

この曲は、イギリス盤公式オリジナル・アルバムサージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』の収録曲と同時期に録音されており、「ペニー・レイン」と共に、同アルバムに先行する両A面のシングルレコードとして1967年2月にリリースされた。これら2曲は同アルバムには収録されていないが、同年の米国キャピトル・レコード編集によるアルバム『マジカル・ミステリー・ツアー』には収録された。

1990年に英ポップ・ダンスバンド、キャンディフリップにより同曲がカヴァーされ、イギリスでスマッシュ・ヒットした。

なおモチーフとなったストロベリー・フィールド孤児院(救世軍子供の家)は、ビートルズ・ファンの訪問が絶えない場所であったが[11][12]、入居する孤児が減少したことと、孤児のためには孤児院よりも里親制度のほうが好ましいとの運営側の判断から2005年に閉鎖された。しかし、その後もビートルズのファンの訪問は絶えず、正門及び赤い鉄製のゲートは残されていた。2011年にゲートはリバプールにある「Beatles Experience centre」に保管されることとなり[13]、ゲートがレプリカに変更されたものの、2017年7月に救世軍は新しい建物の建築資金のため「Nothing Is Real」というフレーズが書かれたTシャツやマグカップを販売して資金を集め始めた[13]。その後2018年8月に学習障害を持つ若者たちのための研修施設として運営が再開された[14]

レコーディング[編集]

この曲のレコーディングは、アルバム『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』のレコーディング・セッションの初日となる1966年11月24日に開始された。ちなみに、このレコーディングは、6月にアルバム『リボルバー』を完成させて以来初のレコーディング・セッションであり、8月29日に最後の米国ツアー終了後バンドとしては初の仕事ともなっている[15][16]。レコーディングはEMIスタジオ(現アビー・ロード・スタジオ)で、4トラック・レコーダーを使用して行なわれた[17]。製作当初のタイトルは「It's Not Too Bad」[18]

本作のレコーディングは5週間に渡って行なわれ、制作時間は45時間を要した。本作は3つの異なるバージョンが作成されており[19][20]、リリース版ではキーとテンポが異なる2つのバーションを組み合わせて完成させている[21]。ちなみに、本作と「ペニー・レイン」と「ホエン・アイム・シックスティー・フォー」は、『サージェント・ペパーズ』の初期のテーマである「幼年時代」をモチーフとしてる作品である[22][23]

第1テイク[編集]

1966年11月24日のセッションでは、ムーディー・ブルースのキーボーディストであるマイク・ピンダーを通して入手した[24]メロトロンが導入された。メロトロンはポール・マッカートニーによって演奏され[25]、残りの3人はジョン・レノンジョージ・ハリスンエレクトリック・ギター[26]リンゴ・スタードラムスという編成となっている[27]

第1テイクにおけるメロトロンは、リリース版でイントロからメインで使用されているのに対し、こちらでは伴奏で使用されているのみとなっている[26]。第1テイクでは、「Living is easy with eyes closed」というフレーズから始まり、そのままコーラス部分にはいかず第2ヴァースに繋がるという構成になっている。レノンのボーカルは、「Strawberry Fields Forever」というフレーズからダブルトラック処理が施されていて、最後のヴァースの「Always, no sometimes」というフレーズがレノンとマッカートニーとハリスンの3声のハーモニーになっている[28][26]

後にこの第1テイクに対して、ハリスンによるスライドギターをコーラス部分にオーバーダビングし[26]、メロトロンをギターにセッティングして演奏したもの[27]を加えたが、このバージョンは即座に破棄された。現在第1テイクは、3声のコーラスがカットされたものが『ザ・ビートルズ・アンソロジー2』(1996年)に[26][27]、コーラスが加えられたものが『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド 50周年記念スーパー・デラックス・エディション』に収録されている[29][30]

第7テイク[編集]

11月28日に1回目のリメイクが行なわれた。第2バージョンでは、イントロからマッカートニーによるメロトロンがフィーチャーされている[31]。ベーシック・トラックは第1テイクと似ているが、こちらではマラカスが加えられている[32]。この時点では第4テイクがベストとされており、オーバー・ダビングするためのトラックが十分にあったことから、レノンによるボーカルとマッカートニーによるベースが加えられた[31]

11月29日に新たに2テイク録音され、ボーカルとベース[33]、そしてピアノ[34]がオーバー・ダビングされた[31]。このテイクはミックスダウンされて第7テイクとされ、リリース版では冒頭から1分間だけ使用されている[34][35]

第26テイク[編集]

第2バージョンのレコーディング後、レノンはプロデューサーのジョージ・マーティンに対し、「ストリングスを加えた違うラインナップで録音し直したい」と要求[35]され、マーティンは4本のトランペットと3本のチェロのスコアを書いた[17]

12月8日12月9日に第2バージョンのベーシック・トラックが録音された。なお、この第2バージョンでは従来のテイクよりも速いテンポで演奏されている[36]。リズムトラックはパーカッションを多く多用しており、マッカートニーとハリスンによるボンゴのほか、マル・エヴァンズニール・アスピノールテリー・ドランによって多数のパーカッションが加えられている[37]。また、スターは「アイム・オンリー・スリーピング」でハリスンが逆回転ギターソロを加えたように[37]、逆回転ハイハットを加えた[38]

12月9日のセッション開始時に15テイク録音されたうちの2つのパートを組み合わせたものをミックスダウン[39][40]。第24テイクでは、エンディング部分でドラムとパーカッションが激しく演奏されている中で、レノンが「Calm down, Ringo」「Cranberry sauce」としゃべっている。なお、このエンディング部分には逆回転させたピアノとフルートにセッティングされたメロトロンの音、ジョージによるスワルマンダルもオーバー・ダビングされている[40]

12月15日にトランペットとチェロのオーバー・ダビングが行なわれ、ミックスダウンが施されて第26テイクとなった[41]。この第26テイクにジョンによるボーカル[39]とコーダ部分にポールによるシタールの音色を彷彿させるギターソロがオーバーダビングされた[38]

12月21日にジョンによるボーカルが録り直され[39]、ピアノとスネアドラムが追加された[42]

リリース版[編集]

第26テイクと第7テイクのアセテートを再生した後、レノンはマーティンに「元のシンプルなテイクも激しいテイクも気に入ったから[39]、両方を使いたい」と告げた[43][44][45]。それに対し、マーティンは「キーもテンポも違うから無理だ」と言うと[46]、レノンは「君ならできるよ。」と返した[47]

12月22日、マーティンとレコーディング・エンジニアのジェフ・エメリックは第7テイクと第26テイクのキーとテンポが異なる2つのテイクを繋ぎ合わせるという困難な作業を行なった。エメリックは、可変速度コントロールで、第7テイクの速度を上げ、第26テイクの速度を下げることにより、キーと速度の違いを補正した。2つのテイクの繋ぎ目は、2コーラス目の冒頭の歌詞、"Let me take you down, 'cause I'm going to"の、"I'm"と"going"の間[47][注釈 2]である。

なお、終盤のジョンの2回の言葉が"I buried Paul"(ポールを埋めた)と聞こえると話題になり、「ポール死亡説」を裏付ける一因とされたが[48]、ジョンによれば"Cranberry Sauce"(クランベリーソース)と言っているだけとのことだった[49]。実際『ザ・ビートルズ・アンソロジー2』収録のこの曲のアウト・テイクでもはっきりと2回"Cranberry Sauce"と言っているのが聴くことができる。

ステレオ・ヴァージョン[編集]

「ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー」のリアル・ステレオ・ヴァージョンはビートルズの活動中にはオリジナル・フォームではリリースされなかった。ただしアメリカでは1967年11月にリリースされたアルバム『マジカル・ミステリー・ツアー』ステレオ盤に収録された。英国では1973年4月リリースの『ザ・ビートルズ1967年〜1970年』が最初となる。ただしアメリカで発売されていたものとはミキシングが異なっていた。CDでは1987年8月にリリースされたアルバム『マジカル・ミステリー・ツアー』に収録された。

シングル盤[編集]

本作は「ペニー・レイン」との両A面シングルとして、米国では1967年2月13日キャピトル・レコードから[50]、英国では2月17日パーロフォンからリリースされた[51]

当時のイギリスでは、シングル盤はどのアーティストも同じ柄のレコード・スリーヴ(レコード盤を入れる紙製の袋。レーベルの部分に穴が開いており、そこからどのレコードであるかを見分ける事ができる。もちろんデザインは各レコード会社によって異なっている)だったが、このシングルでは、初めてビートルズのメンバーの写真を使ったオリジナル・スリーヴが使われた。裏面には各メンバーの幼年期の写真が使われており[52]、当時のイギリスでは大きな話題となったがヒット・チャートの1位にはならなかった[53]。その時1位になっていたのはエンゲルベルト・フンパーディンクが発表した「リリース・ミー」である[注釈 3]

アメリカではB面扱いで『ビルボード』(Billboard)誌では、1967年4月1日に週間ランキング最高位の第8位を獲得。ビルボード誌1967年年間ランキングは第92位。『キャッシュボックス』誌では最高位10位、年間ランキング100位以内には入らなかった。アメリカでは100万枚以上のセールスを記録し、イギリスでは50万枚以上のセールスを記録している。尚、1990年には、キャンディ・フリップのカヴァー・ヴァージョンがシングル・リリースされ、全英最高位第3位を記録している。

バリエーション[編集]

1996年に発売された『ザ・ビートルズ・アンソロジー2』には、これまで未発表となっていた1966年にレノンの自宅で録音されたデモ音源、テイク1、第7テイクに12月9日に録音されたコーダのドラムとパーカッションを繋ぎ合わせた3つのパターンが収録された[54]

2006年に発売された『ラヴ』には、さまざまなビートルズの楽曲やアウトテイクとマッシュアップした音源が収録された。同作に収録のものは、オノ・ヨーコが所有し提供したデモ音源を冒頭に置いて、第1テイク、第7テイクと第26テイクと繋ぎ合わせてあり、エンディング部分に「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」のブラス、「イン・マイ・ライフ」のピアノソロ、「アイム・オンリー・スリーピング」の逆回転ギターソロ、「ペニー・レイン」のトランペットソロ、「ピッギーズ」のハープシコード、「ハロー・グッドバイ」のコーラスが加えられている[55]

2015年に発売された映像作品集『1+』(『ザ・ビートルズ1』デラックス・エディションに付属)にミュージック・ビデオが収録された。なお、音源はジャイルズ・マーティンによって作成された最新ステレオ・ミックスが使用されたいる。この音源は、2017年に発売された『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド (50周年記念エディション)』の2枚組とスーパー・デラックス・エディションに、厳選されたアウトテイクと共に収録された。

プロモーション・フィルム[編集]

プロモーション・フィルムカラー映像で制作されており、当時としては珍しく演奏シーンの全くないもので、映像内では逆再生やモーションアニメーションなどが使用されている。なお、レノンはこのミュージック・ビデオで初めて丸眼鏡を着用している[56]

撮影は1967年1月30日31日ケント州セブンノークスのノール・パークにて行われた[57]。同じ場所で「ペニー・レイン」の撮影も行われた[58][59]

演奏[編集]

クレジットはイアン・マクドナルドによるもの[60]

ビートルズ

その他ミュージシャン

収録アルバム[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

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  1. ^ ルイス・キャロルの小説作品『鏡の国のアリス』に記述された詩の一つ
  2. ^ CDでは開始からちょうど1分の所である
  3. ^ ジョン・ロバートソンは著書『全曲解説シリーズ(2) ザ・ビートルズ』(邦題)の中で、"Release Me"を「くだらないバラード」と一笑したうえで「こんな結果になったことは、当時イギリスのレコード購買層だった者全員にとって、永遠に恥じるべき事柄」と乱暴な論評をしている。
  4. ^ 2CD版及びスーパー・デラックス・エディションのみに収録

出典[編集]

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  62. ^ Everett, Walter (1999). The Beatles as Musicians: Revolver Through the Anthology. New York, NY: Oxford University Press. p. 80. ISBN 0-19-512941-5. 

関連項目[編集]