スーパーひかりモデル

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スーパーひかりモデルとは、300系新幹線の開発のために、東海旅客鉄道(JR東海)が製作した、車両モックアップである。書籍によっては、本モックアップも300系と呼んでいる。

100系新幹線をベースにし、一両分を半分に切ったものである。

概要[編集]

日本国有鉄道(国鉄)が100系の「ひかり」よりも速くて優れた「スーパーひかり(のちののぞみ)」の開発のため、260km/h[1]での運転が可能な車両を開発し、東海道・山陽新幹線東北上越新幹線北陸新幹線の一部に乗り入れることを計画していた。しかし、この計画は一旦中止になり、その後、JR東海が引き継いだ。1987年昭和62年)6月日本車両豊川工場で本モックアップが製造され、同月11日から7月31日まで東京駅八重洲南口みどりの窓口前コンコースで展示された。このほか、同年10月31日11月1日の両日に開催された浜松工場の創立75周年記念式典や、1988年(昭和63年)9月23 - 25日滋賀県立文化産業交流会館で開催された「しが産業フェスティバル」、さらに1989年平成元年)3月18日から5月21日静岡市の駿府公園(現・駿府城公園)で開催された市制100周年記念事業の地方博覧会SUNPU博'89」のJR東海館でも展示された。その後、本モックアップは解体された。

本モックアップの寸法は、長さ12m・幅3.4m・高さ3.7m[2]と、断面の最大寸法に関しては検討されていたもの(後述)と異なり実際の300系に近い数値となっていた。

スーパーハイデッカーの仕様で、車窓は長く、屋根まで少し伸びた大型のパノラマウィンドウで、富士山浜名湖などの東海道の美しい景色を満喫できるように開発された。空気抵抗の低減のため、車体の上半分は円筒断面[3]とされた。防音スカートやパンタグラフカバーの採用も検討されていた[4]。座席も快適性を追求して設計され、座席背面には液晶テレビが設置された。各イベントにおいて車内の公開も行われた。通常の座席車以外では、ロビーやビジネス用個室などの車内設備も検討されていた。

実現に至らなかった経緯[編集]

本車両の構想段階では、長さ25000mm、幅3000mm、高さ3630mmと、在来線並みの断面積に縮小し、座席も横4列を基本とする仕様であった。この寸法であっても、窓自体が大きいこと、窓柱が細く補強材が必要となることから、強度面を考慮すると1両あたりの質量は推定で55t[5]と、100系の126形と比較しても重い車体となる。軸重に換算すると13.75tとなり、270km/h運転で要求される11.3tに届かなくなる。ハイデッカー構造も、低重心化を行う上では不利となる。前面展望については、バードストライクの問題などから、乗務員からは否定的な意見が出ていたという[6]

一方、当時の航空業界では、45/47体制が崩壊して自由化が進められていた。これに対抗するため、JR東海は東海道新幹線の高速化に重点を置く方針に変更した。結果、高速化の妨げになるスーパーハイデッカーの仕様は断念され、最高速度優先の仕様とした300系9000番台J0編成(のちにJ1編成に改造)の試作車1990年(平成2年)に開発された。

商品化[編集]

  • JR東海から、本モックアップをデザインしたオレンジカードが限定販売されていた。
  • プラレールでも1990年から1996年(平成8年)ごろまで、本モックアップをモデルとした「スーパーひかり号」が発売されていた。
    • 通常ラインの製品のほか、運転台を模したコントローラから遠隔操作できる仕様の製品も存在した。

参考文献[編集]

  • 講談社 講談社デラックスカラー百科シリーズNo.23『JR新幹線』(1988年3月25日発行)
  • ネコ・パブリッシング『プラレールのすべて - 生誕40周年記念・完全保存版!』
  • ネコ・パブリッシング『プラレール大図鑑2004〜2005』
  • エイ出版社『新幹線の時代』
  • イカロス出版株式会社『新幹線エクスプローラ』vol.51(2019年春号)、p.99「スーパーひかり構想」
  • イカロス出版株式会社『新幹線エクスプローラ』vol.55(2020年春号)、p.103 - 105「実現しなかった新幹線 第6回 スーパーひかり」

脚注[編集]

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  1. ^ 本モックアップが製作された時期には、目標速度が270km/hに引き上げられている。
  2. ^ 交友社『鉄道ファン』1987年8月号「東京駅に"スーパーひかりモデル"(実物大)現る」、p.108。
  3. ^ 円筒断面は、後年500系で採用された(ただし、500系は下半分も円筒状)。
  4. ^ プラレール「ぼくがうんてんする スーパーひかり号」製品パッケージの解説文より。
  5. ^ 『新幹線エクスプローラ』vol.55、p.104 - 105。
  6. ^ 『新幹線エクスプローラ』vol.51、p.99。