スーパースリー (アニメ)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

スーパースリー(原題:The Impossibles)は、1966年アメリカハンナ=バーベラプロダクションにより制作された全36話のテレビアニメ番組。アメリカのCBSで1966年9月から1967年1月まで放映された。日本では、日本語吹き替え版として、NET(現・テレビ朝日)系列、東京12チャンネル(現・テレビ東京)系列、日本テレビ系列の子供向けテレビ番組『おはよう!こどもショー』内で放映された。2012年現在、カートゥーンネットワークの深夜枠『ブーメラン』で不定期に放映されている。

設定[編集]

スーパースリーは普段は3人組のロック・ミュージシャンであり、変身することによってヒーローになるという二面性を持った正義の味方である。悪者が暴れているなどの情報をもとにしたチーフからの指令で、現場に急行し退治しに行くというストーリー仕立てになっている。指令は楽器のヘッドに埋め込まれている装置(モニターがついている)で受信される。

担当楽器は絵から判断する限り3人ともギターという形態である。高いヒールのブーツと長い髪、ヴィヴィッドな色使いなどはステレオタイプな1960年代のミュージシャンのイメージを踏襲している。演奏時にドラマーやベーシストはおらず、ブラス・セクションが入っている曲であっても彼ら以外には演奏をしている人間は見当たらない。ミュージシャンとしての活動時は「The Impossibles」のロゴが入った簡易的な舞台で演奏をする(楽器のケーブルもこの舞台につながれている)。この舞台は彼らの変身に伴い、車などの移動手段として一緒に変形する。

各メンバーは変身することにより超人的なパワーを持つ。ただし、どの過程を経過すれば変身するのか、なぜ能力を持っているのかなどについては作品の中で特に言及されていない。日本語版では「秘密諜報部員」という立場であるとされており、主題歌でもそのように歌われている。

フランケンロボ[編集]

他にスーパースリーの中間で放映されたロボットアニメ「フランケンロボ」(原題:Frankenstein Jr.)がある。

チビッ子天才博士の「ジュニアくん」が正義の怪物ロボット「フランケンロボ」を開発して悪者たちと戦い地球の平和を守る話である。

登場人物[編集]

コイル(Coil Man 通称 Coily)
声 - 関敬六/英 - ハル・スミス
二つ名はボヨヨンのコイル。腕と脚がバネでできているバネ人間。ジャンプ、体全体を使ったドリル、攻撃を跳ね除ける柔軟性などの特殊性を持つ。コイルのギターのヘッド部分にチーフからの指令を受ける受信機が埋め込まれていた。ギターを構える姿はサウスポー・スタイルである。
フリー(Fluid Man 通称 Fluey)
声 - 石川進/英 - ポール・フリーズ
二つ名はスイスイのフリー。スーパースリーのリーダーという設定。体が液体でできており、自由に変形できる、水道を伝って移動する、 雨雲に変身するなどの特殊性を持つ。英語版ではイギリス英語でしゃべり、日本語版ではオネエ言葉でしゃべる。
マイト(Multi Man 通称 Multi)
声 - 愛川欽也/英 - ドン・メシック
二つ名はバラバラのマイト。自分の分身を無限に発生させることができる。 橋の代わりになるように分身したり、高いところへ梯子のように移動したり、敵を撹乱するなどの特殊性を持つ。モップのようなヘアスタイルで、目は前髪によって完全に隠れている。演奏時のギターは非常に低く構えられている。
チーフ("Big D")
声 - 小杉幸司 /英 - ポール・フリーズ
スーパースリーの上司で情報部のチーフ。本名は不明。コイルのギターに付いているテレビ無線で指令を受けているので現場には登場しない。どこで事件をすばやくキャッチしているかも、情報部の本部がどこにあるかもわからない。たまにチーフの指令無しの別の事件もスーパースリーが解決している。
ジュニアくん(Buzz Conroy)
声 - 太田淑子/英 - ディック・ビールス
チビッ子天才博士でフランケンロボの生みの親。特別なリモコン指輪を使い、フランケンロボを呼ぶことができる。またフランケンロボが戦いでダメージを受け、故障すると、指輪の光線で応急修理が可能。
フランケンロボ(Frankenstein Jr. 通称 Frankie)
声 - 今西正男/英 - テッド・キャツビー
ジュニアくんの作ったロボット。ジュニアくんの言うことを聞いて悪者たちと戦う。ピンチになることもあるがそれを切り抜けて勝つこともある。
ロングシタィン博士(Professor Conroy)
声 - 青野武/英 - ジョン・スティーブンソン
ジュニアくんの父親。同じ博士でジョニアくんのことを理解し、一緒に研究の仕事をしたり、サポートしたり、一緒に悪者たちの事件を追う。悪者に捕まりピンチになることもあるが、その都度ジュニアくんとロボに救い出される。

その他[編集]

ナレーター
声 - 鈴木やすし/英 -
スーパースリーとフランケンロボの案内進行と解説をするナレーター。

主な敵[編集]

スーパースリーの敵たちには、種類は異なるがヒーローたちと同程度の特殊能力があるという点、またそれらが強調されたネーミングになっているという点で、スーパーマンバットマンなどの敵との類似性が見られる。

  • テレビック(Tele-visitron) - リモコンを使ってテレビがあるあらゆるところへ移動できる。また、スーパースリーのメンバーを遠くに飛ばしてしまう。
  • ゴムフーセン(The Bubbler) - 壊れない泡を射出できる銃を持ち、敵を閉じ込めたり、泡に乗って移動したりできる。
  • もぐらのサブ(The Burrower) - 頭にドリルがついている。地中を掘り進む掘削マシンを操り、銀行の金庫に忍び込む。
  • ガリガリー(Fero, the Fiendish Fiddler) - 敵をテレポートさせる効果を持った音色を出すバイオリンを操る。暴君ネロを風刺した姿で描かれている。(FeroはNeroのもじり)
  • 怪人パズラー(The Puzzler) - 体がブロック状のパズルのパーツで形成されており、組み替えることで自由に形を変えることが出来る。
  • ペーパーマン(The Perilous Paper Man) - 体が紙で出来ており、紙飛行機に変身して移動するなど紙製のあらゆるものに変身できる。
  • アドバルーンキング(The Insidious Inflator) - 特別な光線銃から出る光線で、ゴム風船で出来たものに生命を与えることが出来る。

主題歌と名フレーズ[編集]

番組のオープニングとしてだけでなく、スーパースリーがミュージシャンとして振舞うシーンでも何度となく歌われる。英語版ではシーンに合わせて様々な曲が演奏され歌われているが、日本語版では、歌うシーンのすべてに日本語版の主題歌が使われ、声優がそのまま歌っており、キャラクター部分の説明の歌詞部分はそれぞれのソロで、他はユニゾンによる合唱で歌われている。日本語歌詞の作詞者は「高見一」とクレジットされているが、当時朝日ソノラマに勤務していた橋本一郎は、自身のツイッターで作詞を担当したと語っている[1]2017年にはカルピスの「カラダカルピス」のCMソングに使われた。

また、主題歌及び劇中でも何度となく耳にする「ラリホー」は、英語版の「Rally-Ho!」というどちらかというと威勢のいいニュアンスでの掛け声が、主題歌のなかでは「ラリルレロン」とつながれたことにより、コミカルな語感として受け取られ、ドラゴンクエストシリーズ呪文に使われるなどの発展を生み出した。音響監督の高桑慎一郎は、「ラリホー」は自分が作った言葉だと著書『ケンケンと愉快な仲間たち』の中で述べている。またコイルがよく使うフレーズ「ムッシュムラムラ」は吹き替えの関敬六がよく使っていたアドリブであるが、このフレーズもダチョウ倶楽部ギャグとして使うなど後年いろいろなところで耳にする名フレーズとなった。

作品リスト[編集]

スーパースリー[編集]

No. 邦題タイトル 原題タイトル
1 冠ぬすまれおかんむり The Spinner
2 泥棒は郵便で送れ The Perilous Paper Doll
3 ピッチカソの名画 Beamatron
4 風船にのった誘拐魔 The Bubbler
5 空へもぐったもぐら The Burrower
6 タイムマシンで世界征服 Timeatron
7 クロスモッグの蒸発 Smogula
8 動物園のノミ逃走 The Sinister Speck
9 月夜にひびくガリガリー Fero, The Fiendish Fiddler
10 魔法使いと四十人のドロボー Mother Gruesome
11 指名手配のテレビック Televisatron
12 ドロボー絵描き The Diabolical Dauber
13 おれの水鉄砲はすばやい Aquator
14 悪漢ゴムチューブ The Wretched Professor Stretch
15 逃げた車はなぜ速い The Devilish Dragster
16 犬もくわないクモドロボー The Return Of The Spinner
17 パイナップル爆弾 Satanic Surfer
18 プーッとふくれりゃ熱が出る The Puzzler
19 笑ってられないケラケラマン The Scheming Spraysol
20 石頭泥棒カチカチ The Scurrilous Sculptor
21 四流バイオリン弾き The Artful Archer
22 刑務所の風船売り The Insidious Inflator
23 ドロボー灯台 The Dastardly Diamond Dazzler
24 ペーパーマンに火がついた The Return Of The Perilous Paperman
25 猫にされた魔法使い Cronella Critch The Tricky Witch
26 怪盗はつむじ風に乗って The Terrible Twister
27 悪漢ゴムチューブの脱獄 Professor Stretch Bounces Back
28 電線に乗ったどろぼう The Terrifying Tapper
29 ドロボーはつらいよ The Anxious Angler
30 ビリー・ザ・キッドの孫の孫 Billy The Kidder
31 赤ちゃんにされたドロボー The Fiendish Dr. Futuro
32 インスタント・ギャング The Infamous Mr Instant
未放送
- 邦題無し The Rascally Ringmaster
The Crafty Clutcher
The Bizarre Battler
The Not So Nice Mr Ice

フランケンロボ[編集]

No. 邦題タイトル 原題タイトル
1 ショック博士の電気怪物 The Shocking Electrical Monster
2 スパイのスパイダー The Spyder Man
3 バケモノトリオ退治 Menace from the Wax Museum
4 宇宙動物園(1) Alien Brain from Outer Space part 1
5 宇宙動物園(2) Alien Brain from Outer Space part 2
6 宇宙征服者ザーゴン UFO: Unidentified Fiendish Object
7 よみがえったばけもの草 Unearthly Plant Creatures
8 金庫盗賊ガラクータ Colossal Junk Monster
9 ドクタードウデモスルの怪光線 The Incredible Aqua-Monsters
10 新バグダッドの盗賊 Gigantic Ghastly Genie
11 空の海賊ブラックバード The Birdman
12 宇宙の大魔王 Invasion of the Robot Creatures
13 スパイのブラックリスト The Manchurian Menace
14 モンスター博士のわるだくみ The Mad Monster Maker
15 化け物の手下はたよりにならない Pilfering Putty Monster
16 お化け退治 The Spooktaculars
未放送
- 邦題無し Deadly Living Images
The Monstermobile

関連作品[編集]

エキシビジョンバスケットボール・チームの「ハーレム・グローブトロッターズ」をアニメ化した「Harlem Globetrotters (TV series)」をさらにパワーアップした、ハンナ=バーベラプロダクション制作の1979年のヒーローアニメ・「スーパー・グローブトロッターズ」(The Super Globetrotters) には、Liquid Man、Multi Man、Spaghetti Manという、それぞれフリー、マイト、コイルの特徴を持ったキャラクターが登場している。

NET 金曜19:30枠
前番組 番組名 次番組
スーパースリー
(1967.9.8 - 1968.1.5)

脚注[編集]