セカンド・ラブ (映画)

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セカンド・ラブ
監督 東陽一
脚本 田中晶子、東陽一
製作 吉田達、前田勝弘
出演者 大原麗子
小林薫
アイ・ジョージ
中村れい子
河原崎建三
音楽 田中未知
撮影 川上皓市
編集 市原啓子
制作会社 幻燈社・東映
配給 東映
公開 1983年4月8日
上映時間 103分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
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『セカンド・ラブ』(せかんど・らぶ)は、1983年公開の日本映画大原麗子主演、東陽一監督。幻燈社・東映制作、東映配給。
併映は『悪女かまきり』(五月みどり主演、梶間俊一監督)。

概要[編集]

都会の中で愛を求めて生きる再婚女性の姿を描く[1]。監督は女性映画の名手・東陽一[2]。主演の大原麗子は、テレビドラマで多くの主演作品を持つが[3]、主演映画は1970年の『三匹の牝蜂』と本作の2本しかなく[4]、本作は大原の映画での代表作とされる[5]。大原は当時「好感度ナンバーワン女優」という代名詞が付くほどの人気女優であった[6][7]。大原は乳房を露出するようなヌードは生涯披露していないが[5]、本作では共演の小林薫に乳房を揉みしだかれるなどの最も大胆な濡れ場を演じている[6][8]

ストーリー[編集]

グリーンコーディネーターの日向一実は32歳。以前に20歳近くも年上の男と結婚しており、二年前に再婚、現在の夫は年下だった。夫の秀夫は建築家でお互い自立できる夫婦。度々かかってくる相手不明の電話を秀夫は一実の前夫だと疑う。一実は妊娠の兆候に気付くが秀夫には打ち明けられなかった。ある日、家に帰ると台所で見知らぬ男が死んでいた[9][10]

キャスト[編集]

スタッフ[編集]

  • 監督 - 東陽一
  • 製作 - 吉田達、前田勝弘
  • 脚本 - 田中晶子・東陽一
  • 撮影 - 川上皓市
  • 音楽 - 田中未知
  • 美術 - 綾部郁郎
  • 録音 - 久保田幸雄
  • 編集 - 市原啓子
  • 助監督 - 栗原剛志
  • 制作 - 幻燈社・東映
  • 配給 - 東映

製作[編集]

製作まで[編集]

当時、各映画会社は年頭に一年間のラインアップを決め、"今年脱がせる女優"をリストアップしていた[11]。この年、東映の岡田茂社長(当時)が"脱がせろ"とプロデューサーに命令していたのが大原麗子だった[11]。大原は1971年に東映から渡辺プロダクションに移籍しており、当時は東映専属の女優ではなかったが[12][13]、プロデューサーはクビをかけて交渉に挑んだ[11]

タイトルの変更[編集]

前年の1982年に『熟女ヌード』のブームがあり[14]、本作の仮タイトルは当初『熟女』だった [15]。当然脱ぐシーンもあり大原は当初出演を拒否していたが[15]、タイトルが『セカンド・ラブ』と横文字に変わると出演を了承した[15]。同タイトルは、1982年に発売された中森明菜シングルセカンド・ラブ』からの流用と推察され、本作の主演と主題歌も東映が中森にオファーを出したと報じられたが[16]、東映及び、中森の所属事務所とも否定している[16]

撮影とトラブル[編集]

本作は大原のヌードを巡り、東映と大原サイドで揉め、マスメディアを賑わせた[3]。1983年2月3日の製作発表での記者会見で監督の東陽一が「夫婦を描くのだから、当然セックス・シーンはある」と明言し、脱がない女優の世評高い大原も「濡れ場、妊娠もあります。私は監督におまかせします」と殊勝な答えをし撮影もスムーズに進むものと思われた[3]。ところが撮影が始まると大原はヌード拒否発言を連発、大原は当時有名なサントリーCMで見せる"かわいい妻"ぶりっ子などで大人気女優でもあり[3][6][17]スポーツ新聞や芸能誌に度々記事が載った。大原は東監督の撮る女性映画というので出演をOKし、胸は見せなくてもいいという申し入れを東も了承していた[3]。ところが大原が「脱がない」と宣言されては話題性が乏しくなり、興行面での不安を感じた東映サイドは「曖昧にボカして欲しい」と大原に頼み、やむなく大原は先の製作発表での記者会見で協力した[3]。ところがそれを知ったファンから「脱ぐな」と書いた手紙が殺到し、結局、本当のことを言おうとなった[3]。東は"脱がせ屋"の異名をあるほどの女優を脱がした実績もあってプロデューサーは、現場に入れば東が大原を脱がすんじゃないかと期待していたが[3]、東もこのような東映の宣伝方法には「あまり気に入らない」と苦言を呈した[3]。東映は1982年の『鬼龍院花子の生涯』の折にも各男性誌を飾った夏目雅子のヌードが、実際の映画にはなく不興をかこったり、『野獣刑事』でいしだあゆみを脱がせ、いしだのヌードのスチール写真を無断でマスメディアに流し、いしだから抗議を受けたりした宣伝上手で知られたため[3]、今回も撮影本番中にスチールを撮りたいと申し出て大原に拒否されていた[3]。  

逸話[編集]

  • 封切当日の1983年4月8日、大原は丸の内東映で恒例の舞台挨拶を終えたあと、岡田茂東映社長と高岩淡常務に突如「話が違うじゃない、違うじゃないのよ!」と声を荒らげ観客や関係者を驚かせた[3]。岡田は苦笑いし、高岩は憮然とした[3]。大原が怒ったのは本作を五月みどり主演の『悪女かまきり』と併映にしたことで[3]、『悪女かまきり』は『白いドレスの女』のような女性向けサスペンスと聞かされ、大原は女性映画二本立てと思っていたためといわれる[3]

脚注[編集]

  1. ^ 「CINE TOPICS」『月刊シナリオ』 日本シナリオ作家協会、1983年4月、102頁。
  2. ^ 『日本映画・テレビ監督全集』 キネマ旬報社1988年、332頁。「新作グラビア」、『キネマ旬報』1987年4月下旬号、 32-33頁。
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 「『私、松坂慶子さんとは違う』 東映の宣伝戦略に徹底抗戦した大原麗子のバスト・コンプレックス」、『週刊文春』、文藝春秋、1983年4月21日号、 154-155頁。
  4. ^ 前田忠明・大原政光(監修) 『大原麗子 炎のように』、127頁。ISBN 978-4-905042-25-9。
  5. ^ a b 女優・大原麗子の情念、救いを差し伸べた最愛の男 | アサ芸プラス
  6. ^ a b c 癒やしのヒロイン大原麗子さん、2度の結婚に破れ… - 芸能:ZAKZAK
  7. ^ 『大原麗子 炎のように』、173頁
  8. ^ セカンド・ラブ|一般社団法人日本映画製作者連盟
  9. ^ 「今号の新作」、『キネマ旬報』1975年5月下旬号、 34頁。
  10. ^ 午後ロード「セカンド・ラブ」バツイチ妻と年下旦那のすれ違い…大原麗子主演!
  11. ^ a b c 「女優を脱がせる法」、『週刊新潮』、新潮社、1983年1月27日号、 13頁。
  12. ^ 『日本映画俳優全集・女優編』 キネマ旬報社、1980年、142-143頁。ISBN。
  13. ^ 『大原麗子 炎のように』、127-128頁
  14. ^ 内藤香苗. “昔はL25世代も含まれていた!?「熟女」っていったい何歳から?”. Web R25:2009年3月12日号. 2015年9月11日閲覧。
  15. ^ a b c 「どうやら今年もつぎつぎと熟女ヌードが見られそう」、『週刊文春』、文藝春秋、1983年1月20日号、 42頁。
  16. ^ a b 「キネ旬レーダー」、『キネマ旬報』1983年4月下旬号、 41頁。
  17. ^ 『大原麗子 炎のように』、173頁