ソロアイドル

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ソロアイドル
基本情報
職種 アイドル
業種 芸能人

ソロアイドルとはアイドルの形態の一種。複数人のメンバーから構成されるアイドルグループに対して、一人で活動するアイドルのことを指す。1980年代に花盛りを迎え、その後徐々に衰退した[1]

用例[編集]

「ソロアイドル」という言葉は遅くとも2012年には使用されている[2][3]

2010年代のグループアイドル全盛期におけるソロ活動をするアイドルを指すのみならず、ピンクレディーキャンディーズといったグループに対して1980年代の「アイドル」を指しても用いられる[4][5]

アイドルグループの定着による「アイドル」に対するレトロニムでもある。

なお、グラビアアイドル和製英語であり、女性モデルの一種である。バラエティーアイドル(バラドル)はバラエティタレントの事であるから、タレントの一種である。よって本項におけるアイドル、ソロアイドルには原則として含まれない。

特徴[編集]

プロモーション上、様々な女性を広く浅くそろえるグループアイドルに対してソロアイドルは歌って踊るのみでなくそのアイドル独特の特徴を持つ必要があるとされる[2]。ファンの好みが多様化する中で、グループアイドルに対抗して一人の個性で多数のファンを獲得することは難しいとされる[6]

歴史[編集]

1970年代後半のグループアイドルの時代と変わって、1980年代初頭はソロアイドル台頭の時代であった[7]。1980年から1990年代に入りアイドルの「アーティスト化」が進むまでの約10年間はソロアイドル戦国時代とも称される[8]。1980年にソロアイドルデビュー第一波、1982年に第二波があり[8]、第2派でデビューした中森明菜堀ちえみ早見優らは特に「花の82年組」と呼ばれる[9]。1980年代後半に入ると秋元康プロデュースのおニャン子クラブのヒットを契機として状況は一変する。おニャン子クラブの流行によりソロアイドルは淘汰され、ソロアイドルの大きな世代交代が発生した[8]。また、おニャン子クラブの解散後は「アイドル冬の時代」と呼ばれ、ソロアイドルにも不遇の時代が続いた[7]

1990年代前半以降には安室奈美恵など小室哲哉プロデュースのアーティスト系アイドルが興隆した。これはアイドル的ルックスを持ちつつ「歌手」として実力を持つ者であった[10]。それまでアイドルの魅力とされた「未熟さ」は「幼稚さ」ととられるようになり、自ら作詞・作曲・歌唱を行ってこそまっとうなアーティストであると位置付けられ、高度な歌唱・ダンス能力を持ったアイドルが出現した[7]。一方、1998年にデビューしたモーニング娘。が台頭する。2000年代に入るとハロー!プロジェクトの人気が拡大し、他のアイドルは「00年代冬の時代」を経験することとなる[8][7]。モーニング娘。がメンバーチェンジによってユニット名とタレントを分離可能とし、異例の長寿を獲得するのに対し、ソロアイドルはタレント個人のアイドルとしての寿命以外を持ちえなかった[11]松浦亜弥藤本美貴以降はソロアイドル人気は下火となる[6]

2000年代後半よりAKB48と派生グループが興隆したが、その一方で遅くとも2012年にはグループアイドルの飽和状態が指摘され、ソロアイドル回帰の動きがみられるようになる[2]。2012年より講談社が開催しているアイドルコンテストである「ミスiD」は従前のアイドルとは一線を画す人間の内面にスポットがあてられたもので、ここでは小林司らによってソロアイドルの質的転換が図られている[12]

代表的な女性ソロアイドル[編集]

1950年代
美空ひばり江利チエミ雪村いづみ伊東ゆかり
1960年代前半
吉永小百合中尾ミエ園まりいしだあゆみ黛ジュン水前寺清子九重佑三子由紀さおり
1960年代後半
山本リンダ奥村チヨ小川知子佐良直美中村晃子辺見マリ
1970年代前半[8]
山口百恵桜田淳子森昌子南沙織天地真理小柳ルミ子岡崎友紀麻丘めぐみ浅田美代子伊藤咲子アグネス・チャン
1970年代後半
岩崎宏美太田裕美榊原郁恵高田みづえ大場久美子石野真子
1980年代前半[8]
松田聖子河合奈保子柏原芳恵中森明菜小泉今日子松本伊代早見優堀ちえみ石川秀美岡田有希子
1980年代後半[8]
中山美穂本田美奈子荻野目洋子斉藤由貴南野陽子浅香唯薬師丸ひろ子菊池桃子西村知美酒井法子
1990年代前半
工藤静香[8]森高千里宮沢りえ西田ひかる観月ありさ[8]内田有紀篠原涼子高橋由美子桜井幸子宍戸留美西野妙子千葉麗子
1990年代後半
安室奈美恵[8][7]広末涼子[8]
2000年代前半
松浦亜弥[8][6]BoA[8]
2000年代後半
2010年代前半
きゃりーぱみゅぱみゅ[6]武藤彩未 [5]伊藤萌々香吉川友遠藤舞

代表的な男性ソロアイドル[編集]

1960年代
坂本九森田健作ミッキー・カーチス平尾昌晃山下敬二郎田辺靖雄加山雄三
石原裕次郎飯田久彦石川進橋幸夫舟木一夫西郷輝彦三田明あおい輝彦
1970年代
堺正章沢田研二郷ひろみ西城秀樹野口五郎にしきのあきらあいざき進也城みちる太川陽介井上順萩原健一にしきのあきら野村将希伊丹幸雄荒川務渋谷哲平川崎麻世
1980年代
田原俊彦近藤真彦野村義男竹本孝之沖田浩之吉川晃司風見慎吾ひかる一平
堤大二郎新田純一嶋大輔本田恭章高橋良明木村一八、矢追 幸宏、渡辺徹
1990年代
織田裕二福山雅治吉田栄作江口洋介高橋克典いしだ壱成反町隆史T.M.Revolution
高橋克典原田龍二武田真治藤木直人
2000年代
藤木直人、ISSA、氷川きよし押尾学玉木宏山内惠介三浦大知山下智久堂本剛小池徹平斎藤工遊助宮野真守ウエンツ瑛士松下優也
2010年代
桐谷健太菅田将暉山田涼介中山優馬

ローカルで活動する主な女性ソロアイドル[編集]

吉川友小池美由寺嶋由芙柊木りおKOTOみきちゅ平野友里、2&、空野青空、リナチックステイト、都築かな、まりえ(35)、上月せれな、仲村コニー、葉月、柳瀬蓉、福永幸海、綾瀬理恵、HiKARu、星乃ちろる、池本真緒、神崎豊、柚希未結、百花繚乱、小桃音まい(元ソロアイドル)、いずこねこ(元ソロアイドル)、里咲りさひぜんりさ

脚注[編集]

  1. ^ 読売新聞2014年9月24日大阪夕刊8面
  2. ^ a b c (勝俣 & 有馬 2012)
  3. ^ FRIDAY2012年5月12日号 2016年8月23日大宅壮一文庫雑誌記事索引で確認
  4. ^ 朝日新聞2013年9月14日朝刊
  5. ^ a b 読売新聞2015年3月11日東京夕刊8面
  6. ^ a b c d (週刊東洋経済編集部 2013)
  7. ^ a b c d e (上原 2013)
  8. ^ a b c d e f g h i j k l m (つのはず & 木村 2012)
  9. ^ 朝日新聞2013年9月14日朝刊
  10. ^ 読売新聞2014年12月19日東京朝刊23面
  11. ^ (箕輪 2013)
  12. ^ (高倉 & 上原 2014)

参考文献[編集]

  • 勝俣哲生、有馬ゆえ「次に来る!サブカル関連ヒット予想」、『日経エンタテインメント!』2012年11月、日経BP社、2012年11月、 150-153頁。
  • 上原太郎「女性アイドル史 盛りと冬を繰り返し会える時代に」、『日経エンタテインメント!』2013年11月、日経BP社、2013年11月、 34-35頁。
  • 「アイドルブームは継続でAKB任期は盤石」、『週刊東洋経済』2014年1月、東洋経済新報社、2013年12月、 171頁。
  • 高倉文紀、上原太郎「グラビア美少女の新潮流」、『日経エンタテインメント!』2014年9月、日経BP社、2014年9月、 44-49頁。
  • つのはず誠、木村尚恵「女性アイドルを作ったトップクリエイター80人」、『日経エンタテインメント!』2012年3月、日経BP社、2012年3月、 78-83頁。
  • 箕輪雅美「モーニング娘。とAKB48のビジネスシステム : その生成プロセスと新奇性・競争優位性」、『京都マネジメント・レビュー』第22巻、京都産業大学、 44-63頁。