タイムスリップ・コンビナート

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タイムスリップ・コンビナート』は、笙野頼子の短編小説である[1]

概要[編集]

1994年6月号の『文學界』に掲載され、第111回芥川賞室井光広の『おどるでく』とともに受賞した[2][3][4]

同年に文藝春秋より出版された単行本には、「下落合の向こう」(『海燕』1994年1月号)および「シビレル夢ノ水」(『文學界』1994年9月号)が収録され、文春文庫にもこの編成が踏襲された。

この作品によって、笙野は史上初めて、芥川賞、三島賞(「二百回忌」で受賞)、野間文芸新人賞(「なにもしてない」で受賞)のいわゆる純文学新人三賞すべての受賞者となった。この3作品をあわせた文庫本『笙野頼子三冠小説集』(河出文庫)も発売された。

あらすじ[編集]

歪んで崩れていく時空の中で、マグロの夢に導かれるように、語り手は中央線沿線にある住まいから京浜東北線に乗り換え、鶴見駅から(駅ビルの愛称カミンから仮眠を連想しながら)鶴見線に乗り海芝浦駅[5]に向かう。海芝浦から浅野駅にもどり、下車してその近くにある沖縄会館を訪れる。「私」は現代の、そして「私」の実相を見る[6][7][8]

評価[編集]

同作品に対して芥川賞の選評では、河野多恵子は「名作」などと評価しているのに対して、以前の作品(三島賞受賞作)の『二百回忌』の印象の方が強かったとする意見が日野啓三田久保英夫などから出た[9]

脚注[編集]

  1. ^ タイムスリップコンビナート(タイムスリップコンビナート)の意味 - goo国語辞書” (日本語). goo辞書. 2021年1月31日閲覧。
  2. ^ デジタル大辞泉. “タイムスリップコンビナートとは” (日本語). コトバンク. 2021年1月31日閲覧。
  3. ^ 頼子, 1956-, 笙野 (1994). タイムスリップ・コンビナート. 東京: 文芸春秋. https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002358864-00 
  4. ^ 公益財団法人日本文学振興会” (日本語). 日本文学振興会. 2021年1月31日閲覧。
  5. ^ この作品発表時には海芝公園は存在していない。
  6. ^ タイムスリップ・コンビナート(文春文庫)” (日本語). 電子書籍 | BOOK☆WALKER. 2021年1月31日閲覧。
  7. ^ 笙野頼子「タイムスリップ・コンビナート」と「五五年体制」”. 島村輝. 2021年1月31日閲覧。
  8. ^ タイムスリップ・コンビナート [ひかりTVブック]』(日本語)。
  9. ^ 芥川賞-選評の概要-第111回|芥川賞のすべて・のようなもの”. prizesworld.com. 2021年1月31日閲覧。