タビストック人間関係研究所
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タビストック人間関係研究所(タビストックにんげんかんけいけんきゅうじょ、Tavistock Institute of Human Relations)は、研究、コンサルティング及びプロフェッショナル・デベロップメント[1]を行う非営利組織の財団である。1947年9月にロンドンで、タビストック・クリニックのエリオット・ジェイクスらによって正式に設立された[2]。英国における精神分析理論の拠点の一つとしても知られている[3]。精神病理学、臨床心理学の分野で著名なタビストック・クリニックは研究所の母体である。
エリオット・ジェイクスは経営学の分野ではグレーシャー計画で知られる[4][5]。
前身[編集]
人間を「操作する」行動主義科学の先駆的研究を行う。
前身はタビストック研究所であり、1次大戦時にドイツの残虐性をイギリス国民に流布させる謀略を行う。ドイツ軍がベルギー「婦人の腹をかき切って殺した」とか「子供を持ち上げて銃剣で刺した」という残虐行為をでっち上げた。残虐行為をねつ造して流したので、世界中の世論が対ドイツ憎悪で沸騰した。その諜報活動の中心人物が、一般的には世界的なジャーナリストと思われている、ウォルター・リップマンである。[6]
設立メンバー[編集]
- エリオット・ジェイクス(Elliott Jaques)- 日本語では「エリオット・ジャックス」としている場合もある。
- ヘンリー・ディックス(Henry Dicks)
- レオナード・ブラウン(Leonard Browne)
- ロナルド・ハーグリーヴス(Ronald Hargreaves)
- ジョン・ローリングス・リース(John Rawlings Rees)- 後の「世界精神保健連盟」(World Federation for Mental Health, WFMH)設立者
- メアリー・ラフ(Mary Luff)
- ウィルフレッド・ビオン(Wilfred Bion)
- トミー・ウィルソン(Tommy Wilson) - チェアマン
後の参加メンバー[編集]
- ジョン D. サザーランド(John D. Sutherland)
- ジョン・ボウルヴィ(John Bowlby)
- エリック・トリスト(Eric Trist)
- フレッド・エメリー(Fred Emery)
- クルト・レヴィン(Kurt Lewin) - タビストックの仕事に重要な影響を与えた、アメリカのフランクフルト学派のメンバー
- イザベル・メンジーズ・リス(Isabel Menzies Lyth)
陰謀論者ジョン・コールマンによる主張[編集]
ジョン・コールマンらの下記陰謀論関連書によると、次のようなものである。
タビストック人間関係研究所は、1922年(実質設立年)にイギリスに設立された研究機関。タビストック研究所とも呼ぶ。CFR(外交問題評議会)ないしロックフェラーの系列の機関であり、CIAとも協力関係にある。
配下にロンドンのサセックス大学や合衆国のスタンフォード研究所(SRI)、MIT、ハドソン研究所、ジョージタウン大学戦略国際問題研究所、ランド研究所など多くの研究所、財団を持ち[7]、アメリカ全体での資産規模は実質的には600 - 700億ドルに達する。
表向きは、人間管理、心理学等の研究所であるが、実質的にはロックフェラーと彼に追従するイギリス支配階級のための国際諜報機関である。
最終目的は、世界権力による覇権維持のための国際的な大衆プロパガンダおよび完全な人間の心理コントロールの追求であり、その手段・技術の研究を行い、成果を実践することであり、現在に至るまで数多くの各種の大衆洗脳工作の実施に関与していると言われる。一説では、人間の行動制御も可能な技術を保持しており、それらはすでに諜報活動にて実地に応用されているとも言われ、目的のためには反社会的な手段の活用も辞さないとされる。 MKウルトラ[8]、脳内音声兵器など。
20世紀後半のアメリカ社会文化の急激な変質と、世界各国の地域的文化と政治観念の変質破壊ないしアメリカ化は、同研究所の研究を利用して意図的に促進されたと言う。麻薬や同性愛をファッションとして流行させる作戦にもCIAなどとともに関与しているとされ、世界各国の大衆を音楽、薬物、婚外セックスによって政治的に麻痺させ体制迎合的に洗脳するという作戦目標は順調に達成されている。
またビートルズに始まる1960年代から1980年代までのイギリス製、アメリカ製ポップ・ソングの国際的流行は、同研究所の作戦のひとつであったとも言う。1990年代以降のアメリカ黒人音楽・ファッションの急激な一般大衆への浸透についても関与を疑われると言う。
関連書籍(出所)[編集]
- John Coleman The Tavistock Institute of Human Relations: Shaping the Moral, Spiritual, Cultural, and Political (Omni Publications 1999)
- ジョン・コールマン(太田龍 監訳)『タヴィストック洗脳研究所』 成甲書房 2006年(上の邦訳)
- Daniel Estulin The True Story of the Bilderberg Group (Trine Day 2007)
- ダニエル・エスチューリン『ビルダーバーグ倶楽部 世界を支配する陰のグローバル政府』 バジリコ 2006年(上の邦訳)
タビストック人間関係研究所の登場するフィクション作品[編集]
ゲーム[編集]
- 『ROBOTICS;NOTES』
- 5pb.とニトロプラスのコラボレーション企画「科学アドベンチャーシリーズ」第3作・拡張科学アドベンチャー。アニメ版『ROBOTICS;NOTES』の中でも、君島レポートによってNASAやタヴィストック研究所の陰謀の一部が主人公達に明かされている。
- また、過去シリーズの『CHAOS;HEAD』、『STEINS;GATE』でも300人委員会やエシュロンなど陰謀論関連のガジェットが登場している。
脚注[編集]
- ^ 社員、教員などの専門職業人の能力向上をはかるために個別のプログラムを作成しておこなわれる研修、教育。
- ^ ロックフェラー財団が資金援助している。
- ^ 1956年から1964年にかけてロナルド・D・レインはクリニックまたは研究所に在籍していた。
- ^ エリオット・ジャックス 『公正な給料―仕事・給料・能力の均衡理論』 ダイヤモンド社 1974年
- ^ 幸田浩文 『イギリス経営学説史の探究―グレーシャー計画とブラウン=ジャックス理論』 中央経済社 1996年
- ^ p.112 『世界を操るグローバリズムの洗脳を解く』馬渕睦夫 2015年12月
- ^ p.305 『知られざる世界権力の仕組み―寄生体シンジケートが富と権力を握る』ユースタス・マリンズ 甲成書房 2017年
- ^ MKウルトラは、1951年9月に開始された一連の研究、人体実験を指す暗号名と言われている。マインドコントロールと関係が深い。
- Harvey M. Weinstein Psychiatry and the CIA: Victims of Mind Control (American Psychiatric Publishing Inc Revised edition 1990)
- ハービー・M・ ワインスタイン(苫米地英人 訳)『CIA洗脳実験室 父は人体実験の犠牲になった』 デジタルハリウッド出版局 2000年(上の邦訳)
- リチャード・キャメリアン(兼近修身 訳)『洗脳の科学』 第三書館 1994年
- John D. Marks The Search for the Manchurian Candidate: The CIA and Mind Control (W W Norton & Co Inc Reissue 1991)