ダックにおまかせ ダークウィング・ダック
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『ダックにおまかせ ダークウィング・ダック』(原題:Darkwing Duck)は、1991年9月6日から1995年8月16日に掛けてウォルト・ディズニー・カンパニーが製作したアメリカ合衆国のテレビアニメである。
概要[編集]
ディズニーアニメとしては珍しく変身ヒーロー物を取扱った作品。『ダックテイル』に登場したランチパッド・ロボダックが本作でも登場している。 ごく普通の男性がコスチュームを身にまとい、正義のヒーローとして活躍するという、活劇の王道を行く作品。しかしディズニー作品らしくベースはコメディタッチであり、主人公ダークウィングも高潔とは程遠い欠点だらけのキャラとして設定されている。 基本的に一話完結の形式がとられており、個性あふれる悪役とダークウィングとの攻防がディズニーならではの活き活きとしたドタバタで描かれる。 また放送当時、社会現象となっていた『ツイン・ピークス』をパロディ化した話も作成されており、時代をうかがわせていた。『ダックテイルズ』にもテレビ番組として復活した。
放送局[編集]
放送されている局は今のところ無い。
日本での放送[編集]
日本では全65話。初放送は1993年、WOWOWで放送された(7月21日〜10月22日)[1]。後年にはアニマックスで2000年代に再放送された。
登場人物[編集]
ダークウィング・ダックとその仲間達[編集]
- ダークウィング・ダック / ドレイク・マラード
- 声 - ジム・カミングス/日本語版 - 中尾隆聖
- 本作の主人公。普段はただの親父だが、影のヒーロー「ダークウィング・ダック」として数々の秘密兵器や機転・仲間の助け・そして運を武器に戦う。
- ゴサリン・マラード
- 声 - クリスティーン・カヴァナー/渕崎ゆり子
- ダークウィングの娘だが実娘ではなく、第1・2話における事件で殺害された老科学者の孫。
- ランチパッド・マクワック
- 声 - テリー・マクガヴァーン/大塚明夫
- 『ダックテイル』ではスクルージ専属のパイロットとして登場したダークウィングの相棒。第1話で尊敬するダークウィングに出会い、事件解決に協力した事から彼に認められた。飛行機乗りであり、ダークウィングの空の機動力「サンダークワック」は彼が開発した。性格はいたって単純で、かなりの天然。ダークウィングを「ボス」と呼んで慕う。
- ホンカー・マドルフット
- 声 - ケイティ・リー/折笠愛
- マラード家の隣人マドルフッド一家の次男。ゴサリンの父がダークウィングである事を知っている。
- フーパー長官
- 声 - ダニー・マン
- 国際組織「SHUSH」の高官で、ダークウィングの上司にあたる人物。いつもモニター越しに彼に指令を送る。ダークウィングは個人活動家ではなく、SHUSHのエージェントであるという設定に基くキャラクターである。
- ハーブ・マドルフッド
- 声 - ジム・カミングス/桜井敏治
- ドレイク・マラードの隣人。妻のピンキーと2人の息子と暮らしている。善良だがおせっかいで無神経な性格の持ち主であり、ドレイクにはとことん嫌われている。もちろん、本人は嫌われている事には気付いていない。
- ピンキー・マドルフッド
- 声 - スーザン・トルスキー
- 同じくドレイク・マラードの隣でハーブの妻。
主な悪者[編集]
以下に挙げる悪者は、ダークウィングとは一回限りではなく何度も戦った準レギュラー格のキャラクター。この内ネガダック率いる5人組は、各々個人で犯罪・ダークウィングと対決する回もあった。
- ネガダック
- 声 - ジム・カミングス/筈見純
- ダークウィング最強のライバルにして、悪者5人組のリーダー格。初めて登場した時は人格分裂を起こしたダークウィングの悪の心の結晶だったが、のちに一人の悪者キャラとして定着した。容姿はダークウィングとまったく同じであり、装備なども基本的に同じ。ダークウィングのパーソナルカラーが紫なのに対し、赤と黒・黄色でまとめている点が異なっている。
- メガボルト
- 声 - ダン・カステラネタ/鈴木勝美
- 悪者5人組の一人で、電気を自在に操る怪盗。手から電撃を放ったり、電線を走る電気に乗って疾走するなどの技を持っている。その一方、感電するため水には弱い。
- ブッシュルート
- 声 - ティノ・インサナ/嶋俊介
- 悪者5人組の一人。元科学者だったが、実験植物と一体化したことで様々な能力を身につけ、悪の道に走った。植物を自由に操る。
- クアッカージャック
- 声 - マイケル・ベル/肝付兼太
- 悪者5人組の一人。元はオモチャ会社を経営していたが、倒産したために悪の道に走った。「遊びまくってやる!」が口癖の愉快犯であり、おもちゃを改造した数々の兵器を使って遊び半分に犯罪を行う。人形のバナナブレインをいつも持っており、腹話術で一人芝居をするのが好き。ダークウィングとの個人対決回数も多い好敵手である。
- リキッデーター
- 声 - ジャック・エンジェル/納谷六朗
- 悪者5人組の一人。元は大手企業の社長だったが、犯罪に手を染めた事でダークウィングと対決。誤って特殊な溶解液に落ちて溶けてしまった。その際、肉体が液体化。水を操る能力を身につけた。体が液状のためどんな狭い隙間にでも潜り込む事ができ、簡単には拘束できない。弱点は凍らされること。また、セメントをかけられても動けなくなる。
- タスカニーニ
- 声 - ケネス・マース/滝口順平
- 元、売れない俳優だったセイウチ。悪の道に走り、詐欺や窃盗といった犯罪を繰り返す。3匹のペンギンを手下として使う。元が役者であるだけに演技が上手く、ダークウィングを悪人に仕立て上げた事もある知能犯。
- スティールビーク
- 声 - ロブ・ポールセン/村松康雄
- 悪の秘密結社「FOWL」のエージェント。その名の通り、鋼鉄でできたくちばしがトレードマークのニワトリである。個人ではなく結社のエージェントであるため、スケールの大きな犯罪を行うのが特徴の悪人。卵形ヘルメットをかぶった工作員「エッグマン」を統率している。
- アンモニアパイン
- 声 - ミッツィ・マコール/京田尚子
- 「FOWL」の女性エージェント。病的なまでに汚れを嫌う潔癖症。登場回数は少ないが、スティールビーク同様にスケールの大きい犯罪を行う強敵である。
- タウラス・バルバ
- 声 - ティム・カリー
- 悪者3人(ハンマーヘッド、ホーフ、マーチ)のボス。
- ハンマーヘッド・ハンニガン
- 声 - ハル・レイル
- ホーフとマーチと共に悪の計画を実行する指導者。
- ホーフ
- 声 - ディー・ディーゼン
- マーチ
- 声 - ディー・ディーゼン
- クロビス
- 声 - マーシャ・ウォレス
- タウラス型のジェット機を操縦しているパイロット女性。
- タンタラス
- バルバのペットである。
スーパー・ダックス[編集]
- ロボダック/フェントン・クラクシェル
- 声 - ハミルトン・キャンプ/二又一成
- 全身を機械化した、ロボットヒーローでランチパッドの知り合いであり、ダークウィングの友人であるが、登場回数は少なくドレイクとどちらが街のヒーローかで揉めることも。
- モルガーナ・マカウバー
- 声 - キャス・スーシー
- ステグマット
- 声 - ジョーイ・カメン/龍田直樹
- 以前はアヒルだったステゴザウルス姿の男の子。
- フォッシル博士
- 声 - バリー・ゴードン/阪脩
- 翼竜(プテラノドン)姿のアヒルで、ステグマットを恐竜に変えた古生物学者。
- ネプチュニア
- 声 - スーザン・サイロ
- 海を汚す者を嫌う半魚人の女の子、タコのハルとは仲良しのペット。
その他[編集]
- ローダ・デンドロン博士
- 声 - ジェニファー・ダーリン
- ブッシュルートの同僚の植物学者。
- ネーミングはツツジの学名より。
- ワドルマイヤー教授
- ゴサリンの祖父でワドルマイヤー・ラムロッドを発明した科学者だったが、タウルスの子分(ホーフ、マーチ)に殺されている(「ラム・ロッド計画」より)。
主題歌[編集]
- オープニング『ダークウィング・ダックのテーマ』
- 作詞:スティーブ・ネルソン、トーマス・シャープ
- 作曲:フィリップ・ギフィン
- 歌:ジェフぺシェット 台詞:ジム・カミングス、中尾隆聖(日本語版)
- 日本では日本語訳で男性歌手が歌っているが、終盤の「悪者たちが逃げ出すぞ!」のみ女性歌手が歌っている。
- エンディング『ダークウィング・ダックのテーマ(インストゥメンタル)』
- 作曲:フィリップ・ギフィン
スタッフ[編集]
- 監督 - タッド・ストーンズ、アラン・ザスラヴ、橋本三郎
- 作画監督 - 山本繁
日本語版制作スタッフ[編集]
翻訳 | 井場洋子 |
---|---|
演出 | 向山宏志 |
録音 | スタジオ・ユニ |
調整 | 和田修 |
録音制作 | トランスグローバル |
各話リスト[編集]
シーズン | 話数 | 放送期間 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
初回放送 | 最終回放送 | 放送局 | ||||
1 | 65 | 1991年9月6日 | 1992年5月20日 | シンジケート (Disney Afternoon) | ||
2 | 13 | 1991年9月7日 | 1991年11月30日 | ABC | ||
3 | 13 | 1992年9月12日 | 1992年12月12日 |
シーズン1 (1991-92)[編集]
- いずれもシーズン1のエピソードだが、WOWOWの放送ではアメリカで放送したエピソードの順番が異なる。
- このリストはアメリカの放送順、第4話「ダークとブラント」と第7話「ドロボー日和で町は平和」の原題は不明。
話数 | 邦題 | 原題 | 備考 |
---|---|---|---|
1-2 | ラム・ロッド計画 | Darkly Dawns the Duck | [EP 1] |
3 | Beauty and the Beet | ||
4 | Getting Antsy | ||
5 | Night of the Living Spud | ||
6 | Apes of Wrath | ||
7 | Dirty Money | ||
8 | Duck Blind | ||
9 | Comic Book Capers | ||
10 | 砂漠の中に大艦隊?? | Water Way to Go | |
11 | ゴサリン未来へ行く | Paraducks | |
12 | Easy Come, Easy Grows | ||
13 | A Revolution in Home Appliances | ||
14 | Trading Faces | ||
15 | Hush, Hush Sweet Charlatan | ||
16 | Can't Bayou Love | ||
17 | Bearskin Thug | ||
18 | You Sweat Your Life | ||
19 | Days of Blunder | ||
20-21 | Just Us Justice Ducks | ||
22 | Double Darkwings | ||
23 | Aduckyphobia | ||
24 | When Aliens Collide | ||
25 | Jurassic Jumble | ||
26 | Cleanliness is Next to Badliness | ||
27 | Smarter Than a Speeding Bullet | ||
28 | All's Fahrenheit in Love and War | ||
29 | Whiffle While You Work | ||
30 | Ghoul of My Dreams | ||
31 | Adopt-a-Con | ||
32 | Toys Czar Us | ||
33 | The Secret Origins of Darkwing Duck | ||
34 | Up, Up and Awry | ||
35 | Life, the Negaverse and Everything | ||
36 | Dry Hard | ||
37 | Heavy Mental | ||
38 | Disguise the Limit | ||
39 | Planet of the Capes | ||
40 | Darkwing Doubloon | ||
41 | It's a Wonderful Leaf | ||
42 | Twitching Channels | ||
43 | マイ・ビックフット | Dances with Bigfoot | |
44 | Twin Beaks | ||
45 | The Incredible Bulk | ||
46 | チョコダイヤモンド | My Valentine Ghoul | |
47 | Dead Duck | ||
48 | A Duck by Any Other Name | ||
49 | Let's Get Respectable | ||
50 | In Like Blunt | ||
51 | Quack of Ages | ||
52 | Time and Punishment | ||
53 | Stressed to Kill | ||
54 | ダークは新米エージェント | The Darkwing Squad | |
55 | Inside Binkie's Brain | ||
56 | The Haunting of Mr. Banana Brain | ||
57 | Slime Okay, You're Okay | ||
58 | Whirled History | ||
59 | U.F. Foe | ||
60 | A Star is Scorned | ||
61 | The Quiverwing Quack | ||
62 | Jail Bird | ||
63 | Dirtysomething | ||
64 | Kung Fooled | ||
65 | Bad Luck Duck |
シーズン2 (1991)[編集]
日本未放送
話数 | 原題 |
---|---|
66 | That Sinking Feeling |
67 | Film Flam |
68 | Negaduck |
69 | Fungus Amongus |
70 | Slaves to Fashion |
71 | Something Fishy |
72 | Tiff of the Titans |
73 | Calm a Chameleon |
74 | Battle of the Brainteasers |
75 | Bad Tidings |
76 | Going Nowhere Fast |
77 | A Brush with Oblivion |
78 | The Merchant of Menace |
シーズン3 (1992)[編集]
日本未放送
話数 | 原題 |
---|---|
79 | Monsters R Us |
80 | Inherit the Wimp |
81 | The Revenge of the Return of the Brainteasers, Too! |
82 | Star Crossed Circuits |
83 | Steerminator |
84 | The Frequency Fiends |
85 | Paint Misbehavin' |
86 | Hot Spells |
87 | Fraudcast News |
88 | Clash Reunion |
89 | Mutantcy on the Bouncy |
90 | Malice's Restaurant |
91 | Extinct Possibility |
エピソードについて[編集]
- ^ 1991年9月6日アメリカで放送されたものを再編集している。一部の台詞と主題歌パートはカットされていた。
出典[編集]
関連項目[編集]
- ダークウィング・ダックとグーフィーの最高のホリデー