ダンゴムシ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
検索に移動
オカダンゴムシ
Armadillidium vulgare
オカダンゴムシ
オカダンゴムシ Armadillidium vulgare
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
亜門 : 甲殻亜門 Crustacea
: 軟甲綱 Malacostraca
亜綱 : 真軟甲亜綱 Eumalacostraca
上目 : フクロエビ上目 Peracarida
: ワラジムシ目(等脚目) Isopoda
亜目 : ワラジムシ亜目 Oniscidea
下目 : Ligiamorpha
上科 : Armadilloidea
亜種
  • A. v. rufobrunneus

ダンゴムシ(団子虫、英:wood louse, pl. wood lice)とは、ワラジムシ目(等脚目)の動物のうち、陸生で刺激を受けると体を丸める(団子のような体勢になる)習性を持つものを指す。一般に「ダンゴムシ」と呼ばれるものはオカダンゴムシである[1]

広意の土壌に生息して分解者の役割を担い、土壌形成上、一定の役割を果たしているものと考えられており、食性と生態から自然界の分解者という要素が強い。

分類[編集]

  • オカダンゴムシ科 Armadillidiidae
  • ハマダンゴムシ科 Tylidae
    • ハマダンゴムシ属 Tylos
      • ハマダンゴムシ T. Granulatus
  • コシビロダンゴムシ科 Armadillidae
    • コシビロダンゴムシ属 Sphaerillo
      • コシビロダンゴムシ

日本では海岸線、特に砂浜ではやや大型のハマダンゴムシがあり、森林の土壌ではやや小型のコシビロダンゴムシがある。オカダンゴムシが多分ヨーロッパ原産の帰化動物であるのに対して、これらは土着種である[2]。コシビロダンゴムシについては研究が待たれ、種のおおむねの数さえよくわかっていない[3]。コシビロダンゴムシよりは分類研究が進んでいるワラジムシでも、新が次々に出ている現状[いつ?]から推しても、コシビロダンゴムシにもかなりの種数が存在する可能性がある。全般的に暗所や夜の方が活動が活発である。

人間との関係[編集]

落ち葉を食べて、微生物が分解しやすい状態にするダンゴムシは土壌を豊かにする[4]。しかし、落ち葉以外にも農作物(特に新芽)も食べたり、不快害虫としての側面も持ち、駆除[5]の薬剤も販売されている。

漢方では: 鼠婦(そふ)と呼び、乾燥させた全虫が用いられる。利尿作用・排尿困難・尿量減少に効能があるとされる[6][7]。あるいは甲殻類の仲間でなどがないダンゴムシは、災害時の非常食として利用できる[8]

コンクリートや踏み固められた粘土質の土など固い地面の上に置くと、少し息を吹きかけただけで丸まりよく転がるため、子供のおもちゃ替わりにされてきた[9]。踏みつけると子供の体重でも潰れるが、柔らかいの上で丸まっていれば潰されないだけの硬さを持つ。森の生態系の理解に役立つ教材として小中学校の教科で用いられる[注 1]

アリと同様、ダンゴムシが地上に大量に這い出してきたときは地震が起きるという宏観異常現象が、伝承的あるいは迷信的に言われている[要検証]

脚注[編集]

[編集]

  1. ^ 平成28年度の小中学校教科書に掲載。これまでの教材研究には理科の生態観察[10]、生活科の教材[11]、あるいはダンゴムシとワラジムシの対照[12]に使われる。

出典[編集]

  1. ^ <7552300>寺田美奈子「鎧を着た愛嬌者 オカダンゴムシ」科学博物館後援会(編)『季刊自然科学と博物館』第40巻第4号、科学博物館後援会、1973年12月、pp.185-188。近代デジタルライブラリー、ファイル番号0015.jp2。
  2. ^ 【ゆっくり解説】生物ハンター加藤英明ダンゴムシのなぞ…ナウシカ王蟲は●●。小学生も簡単!加藤流飼育法【どうぶつ・いきもの・爬虫類・夏休み・自由研究・昆虫・World animal,Japanese】
  3. ^ 青木 2015, pp. 1030-1065「コシビロダンゴムシ → アガタコシビロダンゴムシ(pp.1034, 1050, 1064)、イシイコブコシビロダンゴムシ(pp.1030, 1049, 1063)、イシダコシビロダンゴムシ(pp.1033, 1051, 1065)」
  4. ^ 青木恒男「残渣・雑草・ダンゴムシで地表五cmの地力をつける(三重・青木恒男さん) (土質の悩み 有機物のギモン 地力探偵団が行く ; 農家の有機物活用術を見る)」『現代農業』第89巻10 (通号 768)、2010年10月、 118-125頁。
  5. ^ 茂木幸夫 ほか(編)、芝崎勲(監修)「ワラジムシ・ダンゴムシ」『ネズミ・害虫の衛生管理』、フジ・テクノシステム〈環境衛生管理技術大系〉、1999年、p.295。
  6. ^ 蕭培根(主編)、真柳誠(訳編)、大塚恭男ほか(監修)「節足動物ダンゴムシ科 : 鼠婦(ソフ)」『中国本草図録』巻1、p.460、中央公論社、1992年11月。中国語、日本語。全国書誌番号:930204314-12-403092-4
  7. ^ 鼠婦(ソフ) - 漢方と健康な食生活ホームページ。
  8. ^ ディスカバリー・チャンネルMAN vs. WILD廃墟の町でサバイバル(53. Urban Survivor) 主演の男女が夕食として調理し食べる。
  9. ^ 久居宣夫「自然のなかで 自然観察のマニュアル(11)ダンゴムシと落葉」採集と飼育委員会(編)『採集と飼育 = Collecting and breeding』第49巻第10号、日本科学協会、採集と飼育の会、pp.454-455、1987年1月。doi:10.11501/2294139ISSN 0036-3286NDLJP:2294139
  10. ^ 薬王,智「2P-2 生徒が生き生きと取り組む理科授業のあり方 : ダンゴムシの交替性転向反応の教材化」『日本理科教育学会全国大会要項』第41号、日本理科教育学会、1991年8月1日、p.224、NAID 110002986279。国立国会図書館近代デジタルライブラリーにてインターネット公開(PDF形式)。
  11. ^ 堀田尚利、野田敦敬「B1545 生活科におけるダンゴムシの教材化に関する実践的研究」『東海支部大会研究発表要旨集』第55号、日本理科教育学会東海支部大会事務局、2009年11月29日、p.36。
  12. ^ 谷口智昭、畦,浩二「P11 小学校理科教材としてのダンゴムシとワラジムシの比較研究 : 生育環境と葉の選好性に注目して(研究発表(ポスター発表))」『日本理科教育学会近畿支部大会(大阪大会)発表要旨集』、日本理科教育学会近畿支部大会実行委員会、2011年11月26日、p.57。

参考文献[編集]

関連項目[編集]

関連資料[編集]

  • 「ダンゴムシ類、ワラジムシ類」『エビ・カニのなかま』、東京 : 朝倉書店〈知られざる動物の世界〉第6巻、pp.40-44、2011年7月。原タイトル:"World of animals 28 : crustaceans"。 Armadillidium (オカダンゴムシ属)p.42、 A. vulgare (オカダンゴムシ)p.41。