ディスクジョッキー

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DJ albert

ディスクジョッキーdisc jockey)または単にDJディージェイ)とは、大きく2つの意味が存在する。

 まず、DJという言葉ができた発端として、今なお中心的な意味は、(1)ラジオ番組司会や一部音楽ミキサー等の操作を行いながら情報発信をする人のことである。

そして、もうひとつは、後にできた(2)ディスコクラブ、パーティー、ライブ、野外ライブなどで音楽を流す人である。

この2つについて、以下で詳しく解説する。

(1)司会者・パーソナリティ[編集]

 ラジオ番組などで、情報を発信しながら、合間に流行の曲やリクエスト曲を流す司会者のこと。

または、音楽を掛けながらその間をトークで繋ぐ司会者をいう。

ラジオ番組では音楽よりトークを重視する番組の司会者の場合、パーソナリティと呼ばれる事が多い。

最近の分かりやすい事例としては、FM802の司会者が自身でDJと言っており、DJの中心的な意味といえる。

 内容としては、狭義には自分自身で選曲し、トークは簡単な曲紹介のみというスタイルを取っているものをディスクジョッキーという。海外の著名なディスクジョッキーとしては、ウルフマン・ジャックジョン・ピール、チャーリー・ギレット、ジム・ピューター、ウォルト・ラブ、ドン・トレイシーらがいた。また、日本でのラジオの音楽番組全盛期における代表的なディスクジョッキーとしては、糸居五郎小林克也、八木誠、カマサミ・コング、石田豊、湯川れい子ピーター・バラカンなどがあげられる。大橋巨泉も「巨泉のポップスNO1」などの番組を担当していたことがある。

 またMTVでは番組内の司会進行役をVJと呼んだり、東海ラジオなど7局で番組を担当していた小森まなみはトーク重視のスタイルをトークジョッキーと呼んでいる。また東京都のFM局・J-WAVE(一部のぞく)、福岡県のFM局・CROSS FM新潟県のFM局・FM-PORTが「ナビゲーター(navigator)」、愛知県のFM局・ZIP-FMが「ミュージック・ナビゲーター(music navigator)」、兵庫県のFM局・Kiss FM KOBEが「サウンドクルー(sound crew)」など独自の呼称を使っている局もある。これは各人によって選曲する者もあれば司会と曲紹介だけの者など、番組内の行動も多様であることから単に「ディスクジョッキー」として表せないことを背景にしている。

毒舌を売りにするディスクジョッキーを特にショックジョックShock jock)という[1]

(2)選曲者[編集]

DJ player

 主にダンスホールディスコクラブ、野外ライブなどで、レコード・CDなどのディスクまたはそれに変わる音楽データを元に、楽曲を選曲し切れ目無くかける者のことをいう。一般にDJ(ディージェイ)と略称される。

 内容としては、選曲担当の他にミックススクラッチ、イコライザーの操作などの機器操作を行うことが一般化している。ミックスは現在再生している曲と次に再生する曲をスムーズにつなぐ。

 DJにおける基本的な編成は、中央のミキサーを介して2台の再生機[2]を繋ぎ、片方の再生機で曲を再生している間に、もう片方で次の曲の再生準備、BPMや音量の調整を行い、これを交互に繰り返す。3台以上の再生機を使用するスタイルも存在する。

 この意味のDJができた当初は、原始的なスタイルはレコードDJ(いわゆる初代のディスクDJ)であった。ターンテーブル2台を中央のミキサーで繋ぎ、レコードを再生するスタイルである。その後、CDJ(CDでのディスクDJ)が登場した。以降は、デジタル化が進み、i-Podをターンテーブルに挿すスタイルが登場する。さらにはUSBメモリーをターンテーブルに挿すスタイルが登場。今では、PCやタブレット端末にDJソフトウェアをインストールされたものを操作して、MP3などの音楽データファイルでDJプレイを行えるPCDJが登場している。

 現在ではCDJでもハードディスクやUSBメモリから音楽データを読み込んでプレイが行える機種が登場している。レコードDJスタイルでのプレイを好むDJは依然多く、実際のレコード針を使用してターンテーブル風のコントローラーでPCDJを操作できる機種もある。

 しかし、PCDJ以降はそれ以前とは異質なものであることに留意が必要である。

PCDJ以前のものは、1曲1曲今かけている曲を耳で聞きながら、次にかける曲をヘッドホンで聞き音合わせを行う、いわゆるディスク間の音つなぎ(ジョッキ)の操作が必要である。しかしながら、PCDJ以降はソフトウエアが前後の曲の音を自動でつなぐ(ノンジョッキ)スタイルである。そのため、誰でも簡単に操作ができ、誰でもDJになれるようになった。このことから、選曲者という位置付けとしては、PCDJ以前の人のことを『DJ』、PCDJ以降の人をディスク操作もないことから『PJ』と使い別ける流れになってきている[要出典]。一般的に、DJは技術が高く、PJは音楽をかけているだけの作業が多く技術が低いとされている[要出典]。PJの多くは若い世代に多く[要出典]、PJであるにも関わらず、自身がDJをしていてカッコイイと自慢している人が後を立たない[要出典]

 選曲は現場(ライブ会場)で行うのが基本であるが、すでに選曲やミックスした楽曲をPCなどに入れて再生する場合がある。(この場合に現場で機器を操作する人のことは通常DJと呼ばずに、選曲者や操作者などと呼ばれる)

BeatportDJCITY JAPANを始めとするデジタル音楽ダウンロードサイトの普及により、ディスク時代には考えられなかったプレイを省力的かつスピーディーに、更にはローコストで行う事が可能になった(PCDJ以降)。また移動時の荷物が減り特に海外での公演の際に大量のレコード所持によって販売を疑われ、税関で止められたり没収されると言うトラブルを防ぐことにも一役買っている。

<ジャンルごとのDJスタイル>[編集]

・レゲエ(ディージェイ・セレクター)[編集]

 レゲエにおけるDJの元祖はサー・ロード・コミック、カウント・マチューキ、リトル・スティットらである[3]。元は他のジャンルと同じように選曲しイントロ部でその曲の紹介などを担当していたが、1960年代後半のU・ロイの登場以降はレコーディングに参加しトースティングラップを披露するようになっていった。現在はレゲエにおける「DJ」と言えば、一般的にはサウンド・システムなどでバージョンダブに合わせてトースティングする者を指す。他ジャンルにおけるDJと区別するため、「ディージェイdee jay)」と表記する場合もある。ディスクジョッキーと呼ばれることはない。他のジャンルにおけるDJにあたる者は、レゲエではセレクターselector)と呼ばれる。セレクターには独自のスタイルがあり、曲のフック(盛り上がり)部分で逆回転して止めてしまったり(「Pull up」、「Rewind」、「Come again」と呼ばれる)セレクター自身が発言したりする。

・ヒップホップ[編集]

 1973年ニューヨークブロンクス区でサウンドシステム活動を開始したジャマイカ移民であるクール・ハークがヒップホップDJの普及者として知られる。クール・ハークが発見したブレイクビーツスクラッチなどの技法が開発され、ヒップホップDJの独自性が高まっていった。

スクラッチ[編集]

 音をこするように前後させ同じ部分を反復再生、リズムを刻むなどのパフォーマンスのこと。1977年にグランドウィザード・セオドアが偶然発見し、親戚のグランドマスター・フラッシュが流行させた。一般認知されているが音楽ジャンルによってスクラッチはたまに行われるか、もしくはまったく行われない。稀にジャズハウスミュージックにもスクラッチを得意とするDJがいるが、やはり発祥であるヒップホップDJが主にスクラッチ技術を使用する。

・バトル[編集]

 特殊な奏法(スクラッチ、トリックミックス、ジャグリング、トーンプレイ、ボディトリック)を専門的に行うDJをバトルDJと呼ぶ場合がある。クラブフロア等の選曲主体のDJとは異なり、音を楽器のように扱うことに長けたDJである。

バトルDJの技術が高度化するに従い、それを競う大会が開催されるようになった。国際的なバトルDJ大会でも複数の日本人が優勝している。

・ロックバンド[編集]

 ロックバンドの中にはメンバーにDJを編成しているバンドが存在している。バンドにおけるDJの役割は音源再生の他、スクラッチやジャグリングなどを用いてパーカッションのような役割も担当する。サンプラーやドラムマシンなどの操作を兼任しているDJも多い。 DJを擁するロックバンドの例はインキュバスリンキン・パークスリップノットDragon AshMAN WITH A MISSIONSEKAI NO OWARISuchmosなどが挙げられる。

脚注[編集]

  1. ^ 大人気の毒舌家を没落させた一言 Archived 2010年4月17日, at the Wayback Machine. - 日経トップリーダーonline
  2. ^ PCDJでは正確には1台のPCで2曲以上分の再生機能を有しているのだが、あくまでもレコードDJやCDJのスタイルをデスクトップ上に再現しているものであるため、便宜的に2台とする
  3. ^ Dennis Alcapone『Forever Version』 ライナーノーツ 2007年、Heartbeat

関連項目[編集]