ディンガン・トベラ

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ディンガン・トベラ
基本情報
本名 ディンガン・ボンガネ・トベラ
通称 The Rose of Soweto(ソウェトのバラ)
階級 クルーザー級
身長 171cm
国籍  南アフリカ共和国
誕生日 (1966-09-24) 1966年9月24日(51歳)
出身地 ハウテン州ソウェト
スタイル オーソドックス
プロボクシング戦績
総試合数 56
勝ち 40
KO勝ち 24
敗け 14
引き分け 2
無効試合 0
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ディンガン・トベラ(Dingaan Thobela、1966年9月24日 - )は、南アフリカ共和国男子プロボクサー。同国ソウェト出身。元世界ボクシング機構(WBO)世界ライト級王者、元世界ボクシング協会(WBA)世界ライト級王者、元世界ボクシング評議会(WBC)世界スーパーミドル級王者。

ライト級からスーパーミドル級の飛び級で2階級制覇を達成した[注釈 1]。L字ガードから胴がすっぽり覆うブロッキングを始めとする強固なディフェンスと、優れた空間把握能力で強烈なアッパーからフックでパワー不足と体格差のハンデを埋めて互角に渡り歩いた。ダウンを喫してからの回復の速さとタフさも売りにしていた。2000年9月1日にWBC世界スーパーミドル級王者グレン・キャトリーとの対戦で残り時間僅かで逆転KO勝ちを収め劇的な2階級制覇を達成した試合が有名[1]

来歴[編集]

WBO王座獲得[編集]

1986年6月28日、スーパーフェザー級でプロデビューを果たし4回判定勝ちを収め白星でデビューを果たした。

1987年12月15日、エルジャアー・セレと対戦し6回判定勝ちを収めた。

1988年3月7日、トランスバールスーパーフェザー級王座決定戦をゲラルド・イサックスと行い3回TKO勝ちを収め王座獲得に成功した。

1989年10月21日、フランシスコ・アルバレスと対戦し、9回TKO勝ちを収めた。トベラは初の海外試合でプエルトリコに登場した。

1988年10月1日、南アフリカスーパーフェザー級王者モピセケハヤ・ムバデゥリと対戦し3回TKO勝ちを収め王座獲得に成功した。

1990年9月22日、WBO世界ライト級王者マウリシオ・アセベスと対戦(5か月前の4月27日に対戦しアセベスを7回終了時棄権によるTKO勝ちを収めた。)し12回2-1(117-111、115-112、113-114)の判定勝ちを収め王座獲得に成功した。

1991年3月2日、マリオ・マルチネスと対戦し12回3-0(120-109、118-111、119-111)の判定勝ちを収め初防衛に成功した。

1991年9月24日、元IBF世界フェザー級王者アントニオ・リベラと対戦し12回3-0(117-112、115-113、118-112)の判定勝ちを収め2度目の防衛に成功した。

試合後WBO世界ライト級王座を返上。

WBA王座獲得[編集]

1993年2月12日、カリフォルニア州サクラメントアルコ・アリーナWBA世界ライト級王者トニー・ロペスと対戦し12回0-3(113-115、2者が114-116)の判定負けを喫しWBOに続く王座獲得に失敗した。

1993年6月26日、トニー・ロペスとダイレクトリマッチ。12回3-0(2者が116-114、118-112)の判定勝ちを収めリベンジを果たして王座獲得に成功した。

1993年10月30日、オルズベック・ナザロフと対戦。4回にダウンを奪ったが、10回にダウンを奪い返されたのが響き12回0-3(108-118、111-117、114-115)の判定負けを喫し初防衛に失敗し王座から陥落した。

1994年3月19日、オルズベック・ナザロフとリマッチを行い12回0-3(2者が110-118、111-118)の判定負けを喫し5ヶ月ぶりの王座返り咲きに失敗した。

1998年10月28日、WBCインターナショナルウェルター級王座決定戦を後のWBC世界ウェルター級王者カルロス・バルドミールと対戦し12回1-1(116-112、113-115、114-114)の3者3様の引き分けに終わり王座獲得に失敗した。

1999年3月6日、IBO世界ウェルター級王者アドリアン・ウォルター・ダネフと対戦し7回TKO勝ちを収め王座獲得に成功した。

1999年10月31日、WBF世界ミドル級王者コーネリアス・カーと対戦し12回0-2(114-114、113-117、114-117)の判定負けを喫し王座獲得に失敗した。この敗戦で、トベラは終わったという声が多く限界説が漂い始めた。

2000年2月19日、南アフリカスーパーミドル級王者ソーン・ボーテスと対戦し12回2-0(115-114、113-111、114-114)の判定勝ちを収め南アフリカタイトル2階級制覇を達成した。

5階級飛ばしての2階級制覇挑戦[編集]

2000年9月1日、WBC世界スーパーミドル級王者グレン・キャトリーと対戦。限界説がささやかれる中挑戦したトベラは、試合決定からメディアやファンから非難の集中砲火を受けた。意見の中で正確なテクニックで売るマルクス・バイエルをストップした強打のキャトリーにタフで鳴らすトベラもほぼ持つはずなくストップ又はKOされるといった声や、「南アフリカのボクシング史上最悪にして最低なミスマッチ」や、非難もプロモーターにも同時に向けられ「プロモーターのロドニー・バーマン(トベラが所属したゴールデン・グローブス・プロモーションズのCEO)がフランク・ウォーレン傘下のキャトリー招聘の為にトベラの無謀な挑戦に金を積んで成立させた馬鹿げた試合」の声が上がり、初めて世界王座を獲得したライト級からスーパーミドル級への5階級(スーパーライト級、ウェルター級、スーパーウェルター級ミドル級)飛ばしての2階級制覇挑戦事態が無謀との意見が半分を占めた。判定でリードを奪われていた(100-108、103-105、104-104)が、最終12回に残り時間僅かなところで右のロングフックで劇的なダウンを奪って12回2分53秒大逆転KO勝ちを収めボクシング史上初の5階級飛ばしての2階級制覇挑戦という無謀な挑戦を完遂。ジェイコブ・マトラーラムブレロ・ボティーレに次いで3人目となる世界2階級制覇を劇的な形で達成した[2]。なおダウンを奪っていなかったらキャトリーに逃げ切りを許すところだった。

2000年12月15日、モントリオールのモルソン・センターでデーブ・ヒルトン・ジュニアと対戦し12回1-2(111-117、113-115、115-113)の判定負けを喫し初防衛に失敗し王座から陥落した。

2001年11月30日、モルソン・センターでWBC世界スーパーミドル級王者エリック・ルーカスと対戦し8回2分15秒TKO負けを喫し1年2ヶ月ぶりの王座返り咲きに失敗した。

2002年11月29日、IBA世界スーパーミドル級王座決定戦をミッケル・ケスラーと対戦し12回0-3(3者とも108-120)の判定負けを喫し王座獲得に失敗した。

2003年11月22日、元WBO世界ミドル級王者オーティス・グラントと対戦。5年振りに復帰したグラントにブランクを感じさせない強打でペースを握られて6回にダウンを奪われる等一方的に支配され8回0-3(3者共に71-80)の判定負けを喫した。

2004年12月3日、後のIBF世界スーパーミドル級王者ルシアン・ブーテと対戦。ダウンこそ拒否したがブーテのコンビネーションを止められず4回1分22秒TKO負けを喫した試合を最後に引退を発表した。

引退試合[編集]

2006年10月27日、2年振りの復帰戦として6年前に勝っている南アフリカライトヘビー級王者ソーン・ボーテスと対戦。当初はライトヘビー級王座をかけた試合だったが、トベラが計量失格によりノンタイトル戦に変更になった。試合は10回終了時棄権によるTKO負けを喫しリベンジを喫したのを最後に引退を表明した。

2009年、デトン・ポトギエターがドキュメント本「ローズ・オブ・ソウェト・ディンガン・トベラ・ストーリー」が出版された。この本の中にはトベラの真の人生の物語として夢を与え多くの影響を与える方法が書かれていて、実際にあった社会的背景、地位の逆境の乗り越え方を説いている。トベラが実践した新たな自分を見つめ直す方法が紹介され、運命に翻弄された頃のトベラを描いている。300ページ以上の本の他に2012年には電子書籍でも発売されている。

獲得タイトル[編集]

  • トランスバールスーパーフェザー級王座
  • 南アフリカスーパーフェザー級王座
  • WBO世界ライト級王座(防衛2=返上)
  • WBA世界ライト級王座(防衛0)
  • IBO世界ウェルター級王座
  • 南アフリカスーパーミドル級王座
  • WBC世界スーパーミドル級王座(防衛0)

脚注[編集]

注釈
  1. ^ 5階級飛ばしての2階級制覇はトベラが初めてで飛ばした階級数も史上最多。
脚注
  1. ^ Boxing: The bulging fists that rocked boxing Telegraph Media Group 2000年11月25日
  2. ^ Catley loses world crown BBCSports 2000年9月1日

関連項目[編集]

前王者
マウリシオ・アセベス
WBO世界ライト級王者

1990年9月22日 - 1991年(返上)

空位
次タイトル獲得者
ジョバンニ・パリージ
前王者
トニー・ロペス
WBA世界ライト級王者

1993年6月26日 - 1993年10月30日

次王者
オルズベック・ナザロフ
前王者
グレン・キャトリー
WBC世界スーパーミドル級王者

2000年9月1日 - 2000年12月15日

次王者
デーブ・ヒルトン・ジュニア