トマム駅
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トマム駅* | |
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![]() 駅舎(2011年9月) | |
トマム Tomamu | |
◄K21 占冠 (21.3 km) (33.8 km) 新得 K23► | |
![]() | |
所在地 | 北海道勇払郡占冠村字中トマム |
駅番号 | ○K22 |
所属事業者 | 北海道旅客鉄道(JR北海道) |
所属路線 | ■石勝線 |
キロ程 | 98.6 km(南千歳起点) |
電報略号 | トム(←セコ[1]) |
駅構造 | 地上駅 |
ホーム | 2面2線 |
乗降人員 -統計年度- |
40人/日 -2014年- |
開業年月日 | 1981年(昭和56年)10月1日[2] |
備考 |
無人駅 *:1987年(昭和62年)2月1日に「石勝高原駅」より改称 |
トマム駅(トマムえき)は、北海道勇払郡占冠村字中トマムにある北海道旅客鉄道(JR北海道)石勝線の駅である。駅番号はK22。事務管コードは▲132149[3]。
特急「おおぞら」「とかち」がすべて停車する。当駅は石勝線の最高地点である標高537.13mに位置し、現存し旅客を扱う停車場としては北海道内で最も標高が高い[4][注釈 1]。
歴史[編集]
- 1981年(昭和56年)10月1日:石勝線開通時に日本国有鉄道の石勝高原駅(せきしょうこうげん)として開業[4][2]。旅客のみ取扱い、無人駅[2]。
- 1987年(昭和62年)
- 1991年(平成3年)12月10日:リゾートホテル内のインフォメーションセンターに「トマムトラベルセンター」を開設。
- 2015年(平成27年)9月30日:「トマムトラベルセンター」を廃止、完全な無人駅となる[報道 1]。
- 2018年(平成30年)2月24日:当駅構内で貨物列車が脱線[報道 2][新聞 1]。
- 2019年(平成31年)3月16日:冬期間のみ臨時停車していた特急「スーパーおおぞら」4号が通年で停車するようになり、全ての定期特急列車が停車するようになる[報道 3]。
- 2021年(令和3年)1月21日:上り特急列車利用時に「QRコード乗車証明書」の利用が可能となる[報道 4][新聞 2]。
駅名の由来[編集]
建設中は上トマム(かみとまむ)の名称で計画されたが[6]、開業当時「総合レクリエーション施設の計画もあり、行楽地として将来が期待され、地元の要望もあり[4]」、創作地名の石勝高原として開業した。しかし1987年(昭和62年)に「地区名及びスキー場名と同一としイメージアップを図りたいことから[4]」、所在地名(苫鵡)に由来する「トマム」に改称された[5]。地名はアイヌ語で「湿地」を意味する「トマム(Tomam)」に由来する[7]。
駅構造[編集]
2面2線の相対式ホームをもつ地上駅[8][報道 2]。一線スルー化はされていない。石勝線の他の各駅と同様、駅舎の位置にかかわらず、上り線から番線を付番しているため、駅舎と反対側の上り本線(札幌方面)が1番線、駅舎側の下り本線(帯広・釧路方面)が2番線となっている[報道 2]。どちらの番線とも両方向への出発が可能であるが[9]、原則として駅構内は左側通行で、安全側線も通常の進入方向となる片側のみ設置されている[10]。また、1番線の安全側線は保線線と兼用する[報道 2]。
ホームの移動は跨線橋を使う。アルファリゾート開業前、跨線橋が完成するまでは札幌側に構内踏切があり、現在でも跡が残っている。
駅自体は無人駅(新夕張駅管理)で、建設時は有人化を見込んで窓口を設けたが後年閉鎖されている。加えて当駅には自動券売機が設置されていないため、乗車時には車掌から乗車券を購入する必要があり、また往復での利用者には往路乗車時に往復切符を購入することを推奨していた[新聞 2][11]。
2021年1月21日より、上り特急列車を利用して南千歳駅、新千歳空港駅、札幌駅で降車する場合に「QRコード乗車駅証明書」のサービスの利用が開始された。トマム駅での乗車時に駅掲示のQRコードを読み取り必要事項を入力し、「QRコード乗車駅証明書」を取得することで、切符を持たない乗客は降車する際に精算機にQRコードをかざして切符を購入することで改札口の出場が可能となった。列車内での車内改札では車掌にQRコードを提示する。この「QRコード乗車駅証明書」はJRグループとしては初の取り組みである[報道 4]。
のりば[編集]
番線 | 路線 | 方向 | 行先 |
---|---|---|---|
1 | ■石勝線 | 上り | 札幌方面 |
2 | 下り | 帯広・釧路方面 |
利用状況[編集]
1日の平均乗降人員は以下の通りである[12]。
乗降人員推移 | |
---|---|
年度 | 1日平均人数 |
2011 | 24 |
2012 | 24 |
2013 | 30 |
2014 | 40 |
駅周辺[編集]
駅周辺には何もなく、公共施設などの市街地機能は約4km離れた上トマム地区にある。
離れた場所にリゾートホテルが建つ。
- 星野リゾート トマム(旧:アルファリゾート・トマム)
- ホロカトマム山林 - ホロカトマムにある生物多様性・自然保護区。
- 占冠ヘリポート
- 北海道道136号夕張新得線
- 占冠村営バス「トマム駅前」停留所
隣の駅[編集]
※普通列車の発着がないため、施設上の隣の駅を記載する。特急列車(「おおぞら」「とかち」)の停車駅は列車記事を参照。
- 北海道旅客鉄道(JR北海道)
- ■石勝線
脚注[編集]
注釈[編集]
出典[編集]
- ^ “道央の新しい動脈 石勝線 プロフィールと撮影ガイド”. 鉄道ジャーナル 16 (1(通巻179)): 22-27. (1982-01-01).
- ^ a b c d 曽根悟(監修)『週刊 歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR』24号 石勝線・千歳線・札沼線、朝日新聞出版分冊百科編集部(編集)、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2009年12月27日、15頁。
- ^ 日本国有鉄道旅客局(1984)『鉄道・航路旅客運賃・料金算出表 昭和59年4月20日現行』。
- ^ a b c d e 太田幸夫 (2004-02-29). 北海道の駅 878ものがたり ~駅名のルーツ探求~ (1 ed.). 札幌市: 富士コンテム. p. 68. ISBN 4-89391-549-5
- ^ a b 『鉄道ジャーナル』第21巻第5号、鉄道ジャーナル社、1987年4月、 103頁。
- ^ 岩田伸雄 (1974年1月). “石勝線建設の工事現況”. 建設の機械化 (日本建設機械化協会) (287): pp.11-17 .
- ^ “アイヌ語地名リスト ツキサ~トヨコ P81-90P”. アイヌ語地名リスト. 北海道 環境生活部 アイヌ政策推進室 (2007年). 2017年11月24日閲覧。
- ^ 渡辺節雄 (1981-12). “国鉄・石勝線の開業について”. 鉄道ピクトリアル (電気車研究会) 31 (12): pp.13-18. doi:10.11501/3294531. ISSN 0040-4047.
- ^ 渡辺節雄 (1981-12). “国鉄・石勝線の開業について”. 鉄道ピクトリアル (電気車研究会) 31 (12): pp.13-18. doi:10.11501/3294531. ISSN 0040-4047.
- ^ 渡辺節雄 (1981-12). “国鉄・石勝線の開業について”. 鉄道ピクトリアル (電気車研究会) 31 (12): pp.13-18. doi:10.11501/3294531. ISSN 0040-4047.
- ^ JR北海道、無人駅のトマム駅でQRコードを利用した乗車駅証明書サービス。3駅で自動精算が可能 Impress Watch(多和田新也)、2021年1月21日、2021年1月23日閲覧
- ^ 国土数値情報 駅別乗降客数データ - 国土交通省、2020年9月24日閲覧
報道発表資料[編集]
- ^ “駅等の窓口業務終了について” (PDF) (プレスリリース), 北海道旅客鉄道, (2015年9月18日), オリジナルの2018年12月27日時点におけるアーカイブ。 2015年9月18日閲覧。
- ^ a b c d “石勝線 トマム駅構内において貨物列車が一時的に脱線し載線した事故について” (プレスリリース), 北海道旅客鉄道, (2018年2月24日), オリジナルの2018年2月25日時点におけるアーカイブ。 2018年2月25日閲覧。
- ^ “2019年3月ダイヤ改正について” (PDF) (プレスリリース), 北海道旅客鉄道, (2018年12月14日), p. 2, オリジナルの2018年12月14日時点におけるアーカイブ。 2018年12月14日閲覧。
- ^ a b “トマム駅で取得する「QRコード乗車駅証明書」による自動精算のサービスを札幌駅、新千歳空港駅、南千歳駅で開始します。” (PDF) (プレスリリース), 北海道旅客鉄道, (2021年1月20日), オリジナルの2021年1月20日時点におけるアーカイブ。 2021年1月21日閲覧。
新聞記事[編集]
- ^ “JR北海道、貨物列車が一時脱線…そのまま目的地へ トマム駅のポイント付近に痕跡”. 産経ニュース (産業経済新聞社). (2018年2月24日) 2018年2月24日閲覧。
- ^ a b “トマム駅でQR取得、下車駅でかざして精算 JR初、21日から運用”. 北海道新聞. (2021年1月20日). オリジナルの2021年1月21日時点におけるアーカイブ。 2021年1月22日閲覧。
関連項目[編集]
- 日本の鉄道駅一覧
- 鉄道駅#名称・歴史 - 日本の鉄道駅の大多数は漢字を主体とした表記となっているが、当駅はその例外となっている。(北海道内の当駅以外の片仮名駅名には、函館本線のニセコ駅がある)
- 野辺山駅 - JR全体およびJR東日本管内で最も標高が高い駅
- 奈良井駅 - JR東海管内で最も標高が高い駅
- 三井野原駅 - JR西日本管内で最も標高が高い駅
- 繁藤駅 - JR四国管内で最も標高が高い駅
- 波野駅 - JR九州管内で最も標高が高い駅
外部リンク[編集]
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