トヨタ・センチュリー

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トヨタ・センチュリー
Toyota Century 3rd generation 2017 Tokyo Motor Show front 1.jpg
UWG60型 3代目モデル(東京モーターショー2017 出品車)
販売期間 1967年 -
製造国 日本の旗 日本
ボディタイプ 4ドアセダン
駆動方式 後輪駆動
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センチュリーCENTURY)は、トヨタ自動車1967年昭和42年)から製造・販売している最高級乗用車ショーファー・ドリブン・カー)である。

概要[編集]

センチュリー世紀)」の名称は、初代モデルが発表された1967年(昭和42年)が、トヨタグループの創設者である豊田佐吉の生誕から100年であることに由来している[1]

主に日本国内の官公庁企業などでの公用車・社用車(役員車)の利用を想定し、後部座席の広さや乗降のしやすさなど、快適性に重きを置いた作りにすることで、乗客をもてなす設計がとられている[2][3]。基本として日本国内専用車種であるが、アジアヨーロッパに対して少数の輸出実績があり、香港では、董建華初代特別行政区行政長官が、1997年の就任時にトヨタ自動車から特別に贈られたセンチュリー(ナンバープレートに香港特別行政区区章が飾られた)を公用車として常用していた[4][注釈 1]。1998年には、主に日本政府在外公館(在仏・在中国日本大使館など)向けとして、右側通行に対応する左ハンドル仕様が100台ほど生産・販売された[5]

センチュリーは徹底的に無駄を排除するトヨタ生産方式とは大きく異なる生産体制が採られている[6]。生産はトヨタ自動車傘下のトヨタ自動車東日本(2012年6月までは関東自動車工業)の「センチュリー工房」で行われている[6]。2代目モデルにおける溶接個所はカローラの3倍に上り、熟練工員が溶接作業に当たり、さらに別の工員が溶接痕をやすりで仕上げている。また組み立て工程も専属の作業員4人がグループを組んで担当している。塗装は通常の車両よりも長い時間をかけ、専門の検査員が「鮮映性」という独自基準でチェックしている[6]。内装も各職人が担当する本木目パネルや本革シートが採用し取り付けにも細心の注意が払われるなど、手作業が工程の多くを占めている[6]。またサイドミラーも2代目まではドアミラーを標準採用せず「フェンダーミラー」を使用していた[6]。なお、センチュリーについてこのような生産体制を採る背景には、センチュリーがトヨタにとって特別な車種であり、高い品質が求められることに加え、各種技術の継承という側面もある[1][7]。トヨタでは品質を保証するため、製造した全車両の組み上げ工程のデータを記載した「ヒストリーブック」を保管している[6]

なおショーファー・ドリブンの性質上、運転席は質感より実用性を重視しており、3代目で「マークX以上クラウン以下」という評価もある[8]

現行モデル(3代目)、および2代目モデルの内外装には、トヨタのCIマーク(三つの楕円)やロゴタイプは使用されていない(初代モデルでは「TOYOTA」の文字ロゴがトランクリッドに入っていた)。代わりに、1ヶ月かけて制作される「鳳凰」およびセンチュリーのイニシャルを象ったオーナメントがフロントグリルホイールセンターキャップステアリング・ホイールキーエンジンフード、Cピラー等に使用され、リアのトランクリッドには「CENTURY」と表示されている。

かつては1,000万円を切る廉価で販売されていたが、物価の上昇で2016年3月には8%消費税込で1,253万8,286円から、3代目モデルからはハイブリッド化や自動ブレーキシステムなどの安全装備の搭載により、消費税込みで1,960万円となっている[9]。セダンとしては高額な部類であるが、購入層は法人やドライバーを雇用できる高所得者であるため問題とされない[9]。販売は高級車を中心としたトヨタ店(東京のみ東京トヨペットと併売)で扱われる。反社会的な人物や転売を目的としなければ購入者に制限は無いが、5%程度の手付金が必要である[10]

発売開始から半世紀余り経過した今日において、フルモデルチェンジが2回とモデルサイクルが非常に長い。2018年のフルモデルチェンジでハイブリッドモデルが登場するまでは、同じ高級車でハイブリッドモデルのあったレクサス・LSや、財政の悪化により支出を抑制する観点から、より安価な高級ミニバンであるアルファードがセンチュリーの代替として導入が進んでいる[11][12]

初代 VG2#/3#/4#型 (1967年 - 1997年)[編集]

トヨタ・センチュリー(初代)
VG2#/VG3#/VG4#型
前期型(VG20型)
1967 Toyota Century 01.jpg
後期型(VG40型)
Toyota century(VG40).jpg
VG40 Toyota century2.jpg
販売期間 1967年11月 - 1997年3月
乗車定員 5名
ボディタイプ 4ドアセダン
エンジン 5V-EU型
V型8気筒OHV 3,994cc
駆動方式 FR
変速機 4#前期:3速コラムAT
4#後期:4速AT/4速コラムAT
サスペンション 前:トレーリングアーム式
後:トレーリングアーム式
全長 5,120 mm
5,270 mm(Lタイプ)
5,770 mm(リムジン)
全幅 1,890 mm
全高 1,450 mm
ホイールベース 2,860 mm
3,010 mm(Lタイプ)
3,510 mm(リムジン)
先代 トヨタ・クラウンエイト
-自動車のスペック表-

世界の豪華車に匹敵するプレステージサルーンを目標にして開発(トヨタ博物館による解説)され、1967年(昭和42年)9月25日に発表、11月に発売された。以後細部の改良を受けながらも、1997年(平成9年)まで30年間に渡ってフルモデルチェンジなしで生産される希有な記録を作った。

設計主査を務めたのは、初代・2代目のトヨペット・クラウン、センチュリーに先立って発売されていたクラウン・エイトの設計主査であった中村健也で、彼が主査を務めて開発された最後のモデルとなった。先行投入されていた日産・プレジデントなど、既存の国産大型車のようなアメリカ製高級車の模倣ではなく、「伝統的な日本の美」を感じさせる、保守的ながら重厚さを持った独特のデザインテイストは、結果的に長期間陳腐化することがなく、その後のモデルチェンジごとに、センチュリーのアイデンティティーとして継承されている。

エンジンは、3V型OHV・3,000 ccエンジンから始まり、その後排出ガス対策等で3,400 cc(4V-U型、4V-EU型)、4,000 cc(5V-EU型)まで排気量拡大がなされた。

クラウンの構造拡大型に留まったクラウン・エイトとは異なり、センチュリーは全面的な新設計により開発された。その初期モデルは、当時のトヨタ車としては異例の複雑なメカニズムを採用しており、エア・サスペンションを組み込んだトレーリングアーム式サスペンションや、ギアボックスをスカットル上部に置き、リンケージの大半をエンジン上部に配置した操舵系(ナックルアームはストラットタワー頂部に配置)に代表される。これらは、当時の日本車はもとより欧米車でも事例は少なく、複雑なメカニズムが走行性能の向上に繋がったかは不明確であり整備性を悪化させる原因にもなっている[10]。1990年代には販売時に運転の状況や、定期的なメンテナンスが受けられるかを審査することもあり、これが「購入者が審査される」という都市伝説の元になったという指摘がある[10]。トヨタでは机上のスペックよりも現実の実用性能を重視するという考え方のもと、1982年(昭和57年)の大規模なマイナーチェンジの際に、フロントサスペンションをダブルトレーリングアームからダブルウィッシュボーンへ改め、操舵系も一般的な方式に改められた。

初投入時のモデルであるVG20型には、オートマチックトランスミッションの装備が常識化していたアメリカ製高級車に対抗するため、当初からATが標準装備であったが、富裕層のオーナードライバー向けに、マニュアルトランスミッションの4速フロアシフト車(センチュリーAタイプ)も設定されていた。このMT車はVG21型へのマイナーチェンジ時に廃止されている。また、防弾装備が施されたセンチュリーは、当時の内閣総理大臣であった佐藤栄作の公用車として納入され、以後内閣総理大臣専用車として使用されている。

  • 1973年(昭和48年)4月 - マイナーチェンジで型式をVG21型へ変更。昭和48年自動車排出ガス規制適合と同時に総排気量が3,400 ccの4V型へ変更。外観も一部変更され、テールランプのデザイン変更と同時にターンシグナルレンズをアンバー化。他には、フロントディスクブレーキ化、電磁式ドアロックの廃止、ワイパーの変更、MT車(センチュリーAタイプ)の廃止など。
  • 1975年(昭和51年)6月 - 昭和50年自動車排出ガス規制適合。MT車廃止。
  • 1977年(昭和52年)1月 - 昭和52年自動車排出ガス規制適合で型式をC-VG30型へ変更(自動車型式認定制度上ではモデルチェンジ扱い)。
  • 1978年(昭和53年)11月 - 昭和53年自動車排出ガス規制適合で型式をE-VG35型へ変更。ホイールキャップのデザイン変更。
  • 1982年(昭和57年) - 大規模マイナーチェンジで型式をVG40型へ変更(自動車型式認定制度上ではモデルチェンジ扱い)。エンジンが4,000 ccの5V-EU型となり、発売以来大幅な変更がなかった内外装を変更。外装ではヘッドランプ、フロントグリル、テールランプ、バンパーなど、装備ではオートエアコンの採用、ラジオの電子チューナー化、各種スイッチの日本語表記化などを実施。
  • 1985年(昭和60年)8月 - EタイプにTEMSを採用。
  • 1987年(昭和62年) - 一部改良。デジタルメーターの採用と内外装の変更。ATを油圧制御の3速から電子制御式の4速に変更。フロアシフトAT車復活。
  • 1990年(平成2年)9月 - 一部改良。ホイールベースを150 mm延長したロングボディのLタイプを追加(型式はVG45型)。
  • 1992年(平成4年)12月 - 一部改良。フロントグリル、ホイールのデザイン変更。後席VIPシート、サイドドアビーム、LEDハイマウントストップランプ、運転席エアバッグを全車標準装備。
  • 1994年(平成6年)12月 - 一部改良。エアコンカットシステムの採用。車載電話用アンテナをバックウインドウ内蔵タイプに変更。


2代目 GZG5#型 (1997年 - 2017年)[編集]

トヨタ・センチュリー(2代目)
GZG5#型
フロント
1997 Toyota Century 01.jpg
リア
1997 Toyota Century 02.jpg
車内
1997 Toyota Century 03.jpg
製造国 日本の旗 日本
販売期間 1997年4月 - 2017年2月
設計統括 清水勉
乗車定員 5名
ボディタイプ 4ドア セダン
エンジン 1GZ-FE型 4,996 cc V型12気筒DOHC VVT-i
エンジン位置 フロント
駆動方式 FR
最高出力 206 kW (280 PS)/5,200 rpm
190 kW (258 PS)/5,200 rpm(CNG仕様
最大トルク 481 N·m(49.0 kgf·m)/4,000 rpm (1997年 - 2005年)
460 N·m (46.9 kgf·m)/4,000 rpm (2005年 -)
405 N·m(41.3 kgf·m)/4,000 rpm(CNG仕様)
変速機 4速AT/4速コラムAT(-05年1月)
6速AT/6速コラムAT(05年1月- )
サスペンション 前:ダブルウィッシュボーン
後:ダブルウィッシュボーン
全長 5,270 mm
全幅 1,890 mm
全高 1,475 mm
ホイールベース 3,025 mm
車両重量 1,990 kg - 2,070 kg
-自動車のスペック表-

1997年(平成9年)、異例の長期生産が続いた初代から30年ぶりにフルモデルチェンジが行われ、2代目のGZG50型に移行した。当時最新の技術で製造された自動車でありながら、1967年(昭和42年)以来続いた初代モデルのデザインテイストをほとんど踏襲し、遠目には初代モデルの後期型(VG40型)と区別が付きにくい外観となった。下位モデルであるセルシオとの棲み分けのために先代モデルから価格帯を大幅に引き上げている。

日本製市販乗用車としては史上初にして唯一のV型12気筒エンジンを搭載、4カムOHC(片バンクあたりDOHC機構)の5,000 cc・280 PSで、基本構造はトヨタで長い実績のある既存の直列6気筒エンジン(JZ型)をベースにしている。エンジンの形式名は1GZ-FE型であり、片バンクの6気筒にトラブルが生じても、残りの6気筒が機能して走行できるようになっている。ブレーキをはじめ、その他の走行機器の多くにバックアップのための2重系統化が施されている。

内装の本木目パネルや本革シートは職人が手作業で制作したものが使われるなど、高級な素材と高度な技術が使われている。また、ボディーカラー名には「神威」(かむい、エターナルブラック)、「摩周」(ましゅう、シリーンブルーマイカ)、「瑞雲」(ずいうん、デミュアーブルーマイカメタリックモリブデン)、「鸞鳳」(らんぽう、グロリアスグレーメタリックモリブデン)、「精華」(せいか、レイディエントシルバーメタリック)、標準装備のウールファブリックシートには「瑞響」(ずいきょう)と、漢字を用いた和名が使用されている[注釈 2]。助手席は随行員用であるため、バックレストを貫通させるオットマンや前に倒れるヘッドレスト、下部の収納スペースなどの機能があり、座席の位置は後部からも動かすことが出来る[13]。Bピラーには靴べら入れがある[13]

車の性格上、オーナードライバーが自ら運転するケースは多くないものの、ショーファードリブン時とオーナードリブン時とで走行性能を切り替える機能もある。フロアシフト仕様が一般的であるがコラムシフト仕様も選択可能であり、また初代モデルは末期まで全車フェンダーミラーが装備でドアミラーを選択することはできなかったが、この代からフロアシフト車に限りドアミラーがオプション装備となっている。先代にあったフロントベンチシートやリムジンは廃止された。

カーステレオは短波放送の受信が可能で、音場の設定も優先を前後席で切り替える機能を搭載している[13]

  • 1997年(平成9年)4月 - フルモデルチェンジ。
  • 2000年(平成12年)4月 - 一部改良。
  • 2001年(平成13年)5月 - 一部改良。
  • 2003年(平成15年)1月 - 官公庁での使用を見込んで圧縮天然ガス(CNG)仕様車を追加[14]。エンジンは1GZ-FNE型で、出力258 ps/5,200 rpm、トルク41.3 kgm/4,000 rpmとガソリンエンジンに比べて数値がやや下がっている。しかし、四国のように都市ガスの天然ガス化が遅れている地域が少なくない上、ベースモデルよりも約300万円高いため導入拡大にまでは至らず、2005年(平成17年)の一部改良時に廃止された。また、識別のためスカットルに「CNG」のバッジが着く。
  • 2005年(平成17年)1月 - 一部改良。ATが6速化され(フロアシフトはシーケンシャルシフトマチックとなる)、平成17年排出ガス75%低減でSU-LEVの認定と平成22年燃費基準を達成。デュアルエレクトロマルチビジョンを標準装備。後席VHSデッキに代わりDVDプレーヤーを装備。
  • 2006年(平成18年)1月 - 一部改良。尾灯(テール/ブレーキランプ)にLEDを採用。
  • 2007年(平成19年)10月 - 第40回東京モーターショーにセンチュリーの製造元である関東自動車工業が専用フロントグリル、内装にウールを使用するなど、より高級化を図った「プレミアムセンチュリー」を出品[15][16]
  • 2008年(平成20年)1月 - 一部改良。ディスチャージ付(ロービームのみ)マルチリフレクターヘッドランプを装備。それに伴いフォグランプがバンパーに移動(法規対応)し、コーナリングランプが廃止。また、地上デジタルテレビチューナーも装備。
  • 2010年(平成22年)8月 - 一部改良。新たにバックガイドモニター(音声ガイダンス機能付)とETCを標準装備。また、鳳凰のエンブレムの背景色を黒に変更し、より際立たせた。リアセンターアームレストの一部に本木目を採用し、左後席にフットレストを新設定。また、フロントウィンドシールドガラスはUVカット機能に加え、高遮音機能、赤外線カット機能を追加した合わせガラスとなり、車内の温度上昇を抑えることでエアコンの負荷を軽減するなど静粛性・快適性を向上。
  • 2013年(平成25年)5月 - 一部改良。地上デジタルテレビチューナーを4チューナーに増強して受信性能を向上したほか、リモコン受光部を前席にも設定したことで操作性を向上。また、ドアウィンドウガラス(クォーターウィンドウガラスを除く)にスーパーUVカットガラスを採用したほか、フェンダーミラーの鏡面屈折を変更したことで視認性を向上。
  • 2017年(平成29年)1月 - 2代目の生産を完了。
  • 2017年(平成29年)2月4日 - 2代目の販売を終了。公式サイトでの掲載も一旦終了した。

3代目 UWG60型 (2018年 - )[編集]

トヨタ・センチュリー(3代目)
UWG60型
2018 Toyota Century.jpg
Toyota Century SIDE.jpg
Toyota Century BACK SIDE.jpg
販売期間 2018年6月22日 -
乗車定員 5名
ボディタイプ 4ドアセダン
エンジン 2UR-FSE型:
 4,968cc V型8気筒 直噴
 DOHC
駆動方式 後輪駆動
モーター 1KM型:交流同期電動機
最高出力 2UR-FSE型:
 280kW (381PS)/6,200rpm
1KM型:
 165kW (224PS)
システム最高出力
 317kW (431PS)
最大トルク 2UR-FSE型:
 510N·m (52.0kgf·m)/
 4,000rpm
1KM型:
 300N·m (30.6kgf·m)
変速機 電気式無段変速機
サスペンション 前:マルチリンク
後:マルチリンク
全長 5,335mm
全幅 1,930mm
全高 1,505mm
ホイールベース 3,090mm
車両重量 2,370kg
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ベンチレーテッドディスク
-自動車のスペック表-

2017年10月27日から開催された「東京モーターショー2017」で初公開され、2018年6月22日に発表、同日に発売された。2代目の販売終了から約1年4か月ぶりに再投入されるとともに、21年2か月ぶりのフルモデルチェンジとなった。

伝統と品格を守りつつ、「匠の技」を生かしたエクステリアデザインは、あえて傾斜を立てた重厚なクォーターピラーにより後席の存在感を強調するなど「几帳面」と呼称されるキャラクターラインを採用した[6]。同時に一目でセンチュリーと分かるデザインでもあり、初代モデルからのアイデンティティーを継承している。この代から全車ドアミラーに統一された。「几帳面」の表現はプレス加工だけで出せないため、最終的には手作業で調整している[6]

ボディサイズは先代と比較して全長は+65mm、全幅は+40mm、全高は+30mmそれぞれ拡大。また、ホイールベースは65mm延長されている。ボディカラーの名称は、先代に引き続き「和名」が用いられている。イメージカラーの「神威 エターナルブラック」、先代から継続設定される「精華 レイディエントシルバーメタリック」、「摩周 シリーンブルーマイカ」、新設定の「飛鳥 ブラッキッシュレッドマイカ」の全4色が設定される。(なお、「神威 エターナルブラック」は名称こそ先代と共通だが、新規開発色である。トヨタの現行車種に多数設定されているボディカラー)。漆黒感を高める黒染料入りのカラークリアなど7層もの塗装に、研ぎと磨きを加えて奥深い艶と輝きを追求している[6]。本塗装工程を含め、センチュリーの象徴であるフロントセンターの「鳳凰」エンブレムの作成等、随所に手作業の「匠の技」を取り入れており、塗装時間は1台あたり40時間をかけている[6]。トヨタの塗装基準である「肌ランク」は通常のコンパクトカーが3.0程度なのに対し、センチュリーは4.5~5とされる[6]

プラットフォームは、トヨタ最新のTNGAではなく、4代目「レクサスLS」(ロングボディ車)用を新型センチュリー用に最適化させたものを採用。ホイールベースの数値や4輪マルチリンクのサスペンション形式も共通となるが、AVS機能付電子制御エアサスペンションの採用等により、センチュリー伝統の乗り心地の良さを継承している。

パワートレインには、2段変速リダクション機構付THS-IIを採用したハイブリッドシステムにダウンサイジングがなされた。エンジン・モーター共に4代目レクサスLSに搭載されていた仕様をセンチュリー専用にリファインしており、エンジンにはV型8気筒 5.0Lの「2UR-FSE」型、モーターには「1KM型」交流同期電動機を搭載。システム最高出力は431PS(317kW)を発生し、先代モデルが搭載したV型12気筒5.0L「1GZ-FE」型のパワースペック:280PS(206kW)を大幅に上回るパフォーマンスを獲得している。また、JC08モード燃料消費率も、先代の7.6km/Lから13.6km/Lに大きく改善され、「平成32年度燃費基準+20%」を達成している。

安全面に関しても最新の予防安全技術が採用された。センチュリーでは初採用となる「Toyota Safety Sense」は、プリクラッシュセーフティ(歩行者[昼]検知機能付衝突回避支援タイプ/ミリ波レーダー+単眼カメラ方式)、レーンディパーチャーアラート(ステアリング制御機能付)、レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付)、アダプティブハイビームシステム(アレイ式)の4点で構成されており、これらに加えて、ブラインドスポットモニター(BSM)や、リヤクロストラフィックアラート(RCTA)とクリアランスソナー&バックソナーを組み合わせた「パーキングサポートアラート(PKSA)」も採用されている。

パワートレインとプラットフォームに新開発の技術を用いなかった理由は、「『センチュリーは何があっても絶対に壊れてはいけない』という信念を最優先させ、実績と信頼性のあるユニットを採用したため」である[17]。乗り心地を重視したためサスペンションは柔らかめの設定になっており、ドライバーには挙動をコントロールする技量と後部座席の人間に配慮する意識が必要との意見もある[8][9]

内装は先代と同様に後部座席を優先した設計であるが、マッサージ機能の強化やオットマンを使用しても助手席が使えるようにするなど細かな部分が改良されている[9]

手付金として100万円が必要であるが、購入の意思がなくてもハードカバーのカタログをもらうことが出来る[10]

社長の豊田章男は新車発表の際「センチュリーのGRMN仕様を作りたい」と話し、実際に2018年9月にこれを公道でお披露目した。一般的にセンチュリーは高所得者がドライバーを雇って運転するものというイメージが強いが、豊田はこれを自分でドライブしている。ただし、これは現時点ではあくまで社長専用車であり、市販の予定については語られていないほか、スペックについても明らかにされていない[18]。なお、第95回箱根駅伝では大会本部車として白が投入[19]、2019年の東京オートサロンでは黒が出品された[20]

年表[編集]

2017年10月5日
第45回東京モーターショー2017に、「新型センチュリー」を出展することを発表[21]
2018年中盤に発売予定であることを公表した。
2018年6月22日
フルモデルチェンジ[22]
2018年9月20日
自工会の定期記者会見にてGRMN仕様を披露。


センチュリーロイヤル[編集]

2代目センチュリーをベースとするセンチュリーロイヤルは、宮内庁へ納入するために開発された御料車専用車種である。

脚注[編集]

注釈[編集]

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出典[編集]

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  1. ^ a b 山本 知弘 (2018年6月23日). “トヨタ、新型センチュリーを発売 内外に光る「匠の技」”. 朝日新聞社. 2018年7月2日閲覧。
  2. ^ トヨタ、新型センチュリー発売”. 共同通信社 (2018年6月22日). 2018年7月2日閲覧。
  3. ^ 御堀直嗣 (2012年7月13日). “トヨタ自動車 製品企画本部 センチュリー 開発主査 清水 勉 インタビュー”. オートックワン. p. 2. 2018年7月2日閲覧。
  4. ^ “圖說曆任特首及香港高官的座駕(組圖)”. 大公網. (2013年8月23日) 
  5. ^ 御堀直嗣 (2012年7月13日). “トヨタ自動車 製品企画本部 センチュリー 開発主査 清水 勉 インタビュー”. オートックワン. p. 5. 2018年7月2日閲覧。
  6. ^ a b c d e f g h i j k 1960万円は果たして“妥当”? トヨタの最高級車「センチュリー」の製造工場に潜入 - オートックワン
  7. ^ 御堀直嗣 (2012年7月13日). “トヨタ自動車 製品企画本部 センチュリー 開発主査 清水 勉 インタビュー”. オートックワン. p. 4. 2018年7月2日閲覧。
  8. ^ a b トヨタ 新型センチュリー試乗|我が国を代表するショーファーカーの走りの実力はいかに!? - オートックワン
  9. ^ a b c d トヨタ センチュリー新旧比較|日本を代表する最高級セダンの進化を探る - オートックワン
  10. ^ a b c d トヨタ センチュリー|「普通の人は購入できない」は本当なのか? - オートックワン
  11. ^ 1400万円のHV知事公用車、高い?安い?”. 朝日新聞社 (2010年10月14日). 2018年7月2日閲覧。
  12. ^ 公用車 ワンボックス主流、秘書官らと1台に”. 日本経済新聞社 (2013年7月7日). 2018年7月2日閲覧。
  13. ^ a b c トヨタ 先代センチュリーを自動車ジャーナリストが購入!内外装を徹底解説 - オートックワン
  14. ^ 【エコカーワールド2002】『センチュリーCNG』を見た役人の感想に怒る!! - Response.(2002年6月3日(月)12時00版/2017年1月28日閲覧)
  15. ^ 関東自動車工業:プレミアムセンチュリー - 東京モーターショーアーカイブス(更新日不明/2017年1月28日閲覧)
  16. ^ Kanto Auto Works: Premium Century - Archive.Tokyo-Motorshow.com(更新日不明/2017年1月28日閲覧)
  17. ^ トヨタ センチュリーは“ジャパンメイド”の歴史だ。50年受け継がれる“伝統”と“技”をどこよりも早く徹底解説【東京モーターショー2017】オートックワン 2017年10月26日(2018年6月25日 閲覧)
  18. ^ 豊田章男社長の愛車は「トヨタ・センチュリーGRMN」!特注のチューニングモデルで東京モーターフェス2018に登場か? cliccar 2018年9月20日
  19. ^ 【箱根駅伝】2019年大会本部車はセンチュリーGRMN登場!!! ランナー支えた平成の伴走車” (日本語). 自動車情報誌「ベストカー」 (2018年12月29日). 2019年1月2日閲覧。
  20. ^ 世界に1台だけ!! “黒い”センチュリー GRMNが突如出没!! 【東京オートサロン】” (日本語). 自動車情報誌「ベストカー」 (2019年1月12日). 2019年1月13日閲覧。
  21. ^ “TOYOTA、新型センチュリーを初公開” (プレスリリース), トヨタ自動車株式会社, (2017年10月5日), https://newsroom.toyota.co.jp/jp/toyota/21827114.html 
  22. ^ “TOYOTA、センチュリーを21年ぶりにフルモデルチェンジ” (プレスリリース), トヨタ自動車株式会社, (2018年6月22日), https://newsroom.toyota.co.jp/jp/toyota/22884194.html 

関連項目[編集]

日本国内の他メーカーが、センチュリーと同格の最高級車の位置付けで発売した車種