トルネード!

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トルネード!』は、HJ文庫より2009年4月に刊行された伊吹秀明による日本ライトノベル作品。イラストは四季童子が担当している。

概要[編集]

カポエラの使い手であるミニスカート姿の美少女が[1]、街や学園の猛者達を撃ち破る姿を描いた[1]格闘アクションノベル[2]

カポエラは逆立ちして相手を蹴る技があり、スカートの場合パンツが見えてしまうのだが、本作のヒロインは制服で逆立ちを行う[2]

執筆の経緯[編集]

「逆立ち」や「派手な曲芸的な動き」を繰り出す格闘技カポエラを、スカート姿の女子がやると素晴らしいことになると着目していた伊吹秀明だったが、当時は異なるジャンルの作品を手掛けていた為、このアイディアは心に留めているのみだった[3]

2008年の夏[3]、伊吹はホビージャパンの坂上と別件で談話中に上述のアイディアを出した[4]。坂上はプロレス・格闘技・武術について造詣が深く、伊吹が考案した「カポエラを使う女子」というワードだけで「本質」を理解し、後に正式に企画書が提出される事となった[4]。企画書にはコンセプトの説明として、「合法的なパンチラが可能」と書かれていた[4]。そして、イラストは四季童子が描く事に決定した[4]

本作でのカポエラの扱い[編集]

本作に登場するカポエラ(カポエィラ)の技名は、スタジオタッククリエイティブが出版した『華麗に舞う格闘技 カポエィラ入門 [ヘジォナウ]』を参考としているが、円乗寺七味が使うカポエラは作中で説明されるように独自色が強く、現実にある流派や団体に属するものではないと、伊吹が本作のあとがきで説明している[5]

ストーリー[編集]

第1章 竜巻少女は実在する[編集]

第1章 竜巻少女は実在する
ナンバー 内容
1 オタク狩りの男リョウジを叩きのめした葉桜栄斗は、友人の玉田からストリート・ファイターであるトルネードの情報を伝えられる。また、居候先の令嬢円乗寺七味と出会い、彼女がカエルの携帯ストラップを無くした事を聞く。
2 円乗寺邸に居候中の栄斗は、円乗寺一味に誂われながらも、書生としての仕事を行う。
3 食事中、意味ありげに一味からウインクをされた栄斗は、その瞬間を目撃され、七味に睨まれる。
4 栄斗は、検索エンジンで、トルネードに関する情報を収集し、もう一つの異名が「純白の天使」と知る。
5 トルネード出現の報を聞いた栄斗は、ストリート・ファイトが行われている現場へ急ぐ。
6 栄斗は、中国拳法の使い手鈴花と戦う。鈴花は勝負を中断して、トルネードに挑むが瞬殺される。栄斗もトルネードに挑むが、倒される。意識が遠のく中、トルネードの正体が七味だと気付く。
7 タクシーで円乗寺邸に運ばれ、介抱されていた栄斗は、一味から円乗寺家とその一族の歴史や七味の事を聞かされる。また、一味・七味姉妹の叔父である円乗寺成伴の勧めで、彼の主催するカポエラ教室に行く事になる。
8 栄斗カポエラ教室を見学中、道場破りが現れる。
9 道場破りの正体は鈴花で、彼女は立ち向かってきた一味を返り討ちにした。雪辱を果たそうとする鈴花を、戦闘モードに入った七味は、瞬く間に打ち倒してしまう。そんな無慈悲な強さの七味を見て、栄斗は彼女が自分の計画にうってつけの駒だと確信する。

第2章 学園最強決定戦[編集]

第2章 学園最強決定戦
ナンバー 内容
1 葉桜栄斗の幼馴染の少女、飛騨野みずかは彼との相談の結果、六方館に入会する事を決める。
2 栄斗は、生徒会長である円乗寺一味に『格闘同好会』の申請書を出す。これが発端となり一味は、邦王学園最強決定戦を開催する事を思いつき、即座に日程を決めていく。
3 邦王学園最強決定戦の開催が正式に決定する。
4 栄斗みずかと共に、邦王学園の運動部を見て回る。
5 みずか格闘同好会に入部する事に決める。円乗寺七味は、邦王学園最強決定戦には出ないと栄斗に伝える。
6 邦王学園最強決定戦開催まで十日余りとなった頃、栄斗は出場する有力選手達の情報を仕入れる。一味から、七味が出場するように話してみるとの申し出を受けるが、これを断る。
7 邦王学園最強決定戦開催まで三日前、円成寺邸で栄斗はトレーニングに励む。魔が差した栄斗は、逆立ちでカポエイラの練習に励む七味のお尻をつつくと、彼女から手痛い反撃を食らう。七味は、自分が持つ力を全て解放してしまったら結果として皆が離れてしまうのはないかという恐怖を打ち明ける。栄斗は、七味がファイターとしてどこまで辿り着けるかを最後まで見届けると宣言する。
8 邦王学園最強決定戦開催まで一日前、栄斗七味が失くしたカエルのストラップを見つけるが、それに気を取られていた隙を突かれ、二人組で来ていたリョウジリンチされる。

第3章 ふたつのトルネード[編集]

第3章 ふたつのトルネード
ナンバー 内容
1 邦王学園最強決定戦当日、葉桜栄斗は、不良二人組による襲撃で、左膝を負傷していたが出場する。しかし負傷の程度は重く、立ち上がれない栄斗は、ゴングが鳴る前から棄権扱いになろうとしていた。そこへ颯爽と現れた円乗寺七味は、栄斗に代わって瞬く間に、対戦相手の山田忠彦ノックダウンした。
2 松葉杖をついた栄斗は、円乗寺一味の希望を聞き入れ、ゲスト解説をする事になった。優勝候補の立花弘道と拳法同好会の吉川次郎が試合が行われ、立花が勝利し、一回戦は全て終了する。ラン・ジの選手が棄権した為、みずかが不戦勝となる。
3 二回戦が始まり、七味は、剣道部の岩見沢にコーナーに追い込まれるが、竹刀を両足で挟み込んで受け止める。発狂し理性を失った岩見沢に、お尻を齧り付かれそうになるが、素早く足で竹刀を操ると、面打ちをして勝利する。
4 みずかは二回戦で、ボクサーの田代光と戦う。栄斗七味にいやらしい事をしたいのだと聞き違いし、怒りに駆られたみずかはパンチの連打を田代に浴びせ、勝利をもぎ取る。
5 二回戦が全て終了し、準決勝に進出する四人が決定した。学園内には他校の生徒も多く目につき、栄斗はその中に自分を襲撃したリョウジを見つける。
6 準決勝、七味は空手部の椚里奈と戦う。椚からパンツを見せながら戦う事に激昂されるが、七味は気にした風もなく彼女にキックを何発も叩き込むと、最後は椚の首に足を絡みつかせた投げ技で勝利する。
7 リョウジ達不良集団の動きに不信感を抱いた栄斗は、彼らの狙いがみずかだと分り、控室に急ぐ。控室には、リョウジ達が危険と見て駆けつけた七味もいたが、既に彼らはみずか一人に叩きのめされていた。
8 制服に着替えたみずかは、準決勝で、立花と戦う。みずかを侮った立花は開幕で顔面に膝を叩き込まれてしまい、本気を出して柔道技で投げ飛ばそうとするが、どれも決まらない。寝技を危険視した、みずかは見様見真似のカポエラを始めると、ほんの十秒で立花を沈めた。
9 決勝戦の前、栄斗は覆面で変装した七味を見つけ、覆面を止めさせる。
10 バックステージから帰る途中、栄斗は学園に来ていた円乗寺成伴と彼の弱みを握った鈴花と遭遇する。
11 決勝戦、七味みずかが戦う。みずかのスープレックスで場外に投げ飛ばされ、七味は今大会で初めてピンチに陥る。その後、みずかのスリーパー・ホールドが決まってしまうが、失神したフリをして七味は窮地を脱する。二人の攻防は加速していき、好奇の目を向けていた観客も次第にファイトそのものに熱中し、会場全体がトランスへ突入する。七味のカポエラとみずかのカポエラ、ふたつのトルネードが激突し、栄斗はどちらも応援した。最後は、強烈な一撃がみずかの鳩尾に命中し、七味が優勝した。

エピローグ[編集]

エピローグ
邦王学園最強決定戦開催から四日後、格闘同好会の設立が認められていた。しかし、それから一日経ち、飛騨野みずかが組み手で、入会希望者五十人を全滅させてしまい、円乗寺七味も格闘同好会には入っていない為、会は存続危機に瀕していた。ラン・ジの選手は格闘同好会と試合がしたいという話を聞き、栄斗からの提案もあり、円乗寺一味は水上プールマッチの開催を画策する。

登場人物[編集]

主要キャラクター[編集]

葉桜栄斗(はざくら えいと)
主人公。年齢は一五歳[6]。小柄な母親の血を引いているためか見た目はさほど背も高くなく、草食動物系の顔をしている。
学校ではクラス1Aに在籍、ヒロインの七味とはクラスメイトである。
学園の入学金や授業料などの支払いによる金銭的理由で困っていた父親の命令により、彼の古い知り合いの円乗寺成伴のツテで、男手が足りず困っている円乗寺家に住み込みで働くことになった。円乗寺邸で栄斗が任される仕事内容は書生のようなものから、庭の手入れ、屋敷の修繕、日曜大工的作業、雑用と仕事関係のメッセンジャーと多岐に渡るが、学校生活に支障はないらしい[7]円乗寺邸では、広さ8畳ほどの二階の部屋を宛てがわれた[8]
重症の格闘技オタクで[9]、中学時代はボクシングジムに練習生として通っていたが、朝練がきついことや受験勉強のため九カ月で辞めてしまう[10]。また、飽きっぽい性分もあり、空手や柔道などもやったが、器用貧乏になってしまった[10]
一年ほど前、友達の付き合いでオタク関連のグッズを扱うショップに行った帰りにヤンキーに襲われ、ストリート・ファイトを初めて行う[6]。以降ストリート・ファイトの現場に何度か立つことになった[11]。そしてストリートファイターとして驚異的な強さを持った「トルネード」こと七味の存在を知り、栄斗は『格闘技同好会』の設立を目論むことになる。生徒会長である一味に『格闘技同好会』の発足を提案するのだが、邦王学園は格闘技系の部活が盛んなため、その面々を説得するため『邦王学園最強決定戦』を開催することになった。『邦王学園最強決定戦』の影の仕掛け人が栄斗であると学内に噂が流れてしまい、大会開催までは誰も怖気づいて近づかなくなってしまう。
開催まであと一日となった時、路地の缶コーヒーの自販機の下に七味の失くしたカエルのストラップを見つけたが、「トルネード」の情報を入手した日に返り討ちにした不良に仕返しをされ左膝を負傷してしまう。幸い、骨は折れてなかったが『邦王学園最強決定戦』当日には試合中に倒れてしまい代わりにリザーブ枠で登録されていた七味が栄斗の代役を果たした。その後、栄斗は決勝戦で実況席の一味の隣で大会ゲスト解説をした。
円乗寺七味(えんじょうじ ななみ)
ヒロイン。年齢は、姉の円乗寺一味の二歳下[12]
モデルのように脚が長く[13]、肩の近くまで伸ばした艶のある黒髪[14]、黒曜石のような大きな瞳[14]、落ち着いた佇まいから深窓の令嬢然とした見た目をしている[14]
学校ではクラス1Aに在籍し、真面目で勉強ができておしとやかな絵に描いたような優等生という評判である[15]
趣味はカエルグッズ集め[15]。携帯のストラップもカエルで鞄にはカエルのアクセサリーを付けている。また、料理も趣味であり、最近では世界各国のお弁当作りに凝っていてオカズを近くの友だちと交換などしている。
真面目な性格で{、姉の円乗寺一味からは誂い甲斐があると思われている[16][16]
その正体は、栄斗が探していた『トルネード純白の天使)』と呼ばれる謎のストリートファイターだった。
戦闘モードに入ると、体内で鳴り響く血の調べ、音楽を身に纏ったトランス状態となり、体からは濃厚な殺気が放たれる[17]
凄まじい脚力で、四、五人の男達を吹き飛ばす[18]
通常時は、恥じらいがあり、栄斗がパンツに言及した際には、踵落としをお見舞いしている[19]
円乗寺一族の歴史は数百年前から始まり、政財界にうごめくドロドロの権力闘争の中、一味と七味姉妹は親族間をたらい回しにされた[20]。その成長過程で七味は小さなときから周囲の期待に応えようとしすぎていた為、叔父の円乗寺成伴にカポエラを教えられ、真面目に黙々と練習した結果、現在の状態になった[20]
七味は、天賦の才を持ちカポエラと相性も良かったが、叔父のカポエラ教室では相手をしてくれる人がおらず、猛獣扱いをされていた。そして七味はいつしか街に自分を解放できる場所を求めストリート・ファイトに身を投じることになったのである。また、七味自身には「身につけた技を全部使ってみたい、体自身が求めるように動いてみたい、自分の持ちえる力を全て解放してみたい」という欲求はあったものの、その結果、きっといつか境界を超えてしまい大事な人達がみんな離れていってしまうことを内心恐れていた。
当初は見世物の格闘技イベントということで、『邦王学園最強決定戦』には出る気がなかった。しかし、姉の一味により大会にはリザーブ枠として登録されていたため、負傷していた栄斗の代わりに出場。ただし、ギリギリまで出場を渋っていたため、格好は学校の制服のままだった。
飛騨野みずか(ひだの みずか)
栄斗の幼馴染。幼稚園から小ニまで一緒で、6歳の時には栄斗にベッドの上でパイルドライバーをかけられるなどよく遊んでいたが、栄斗が引っ越しのために転校して以来交流がなかった。しかし今年の春に邦王学園で偶然再会。
身長は157cmくらいでとくに太くも細くもない。リスのような目をしており、髪はセミロングで顔はやや丸っこく栄斗と遊んでいた昔の面影が残っている。
栄斗に気があるため、強くなろうと六立館の通信教育に申し込む。そして二週間で初段になった。
円乗寺一味(えんじょうじ かずみ)
円乗寺七味の姉。年齢は、今年の夏で十八歳になる[8]
栗色の髪をたなびかせ[8]、Hカップはありそうな爆乳[21]、太腿はむっちりしているが膝から先はすらりと長い芸術的な脚をした[12]美人[16]。妖しく輝く瞳には、有無を言わさぬ力がある[22]
学校では生徒会長を努めており[23]、その際は髪を丁寧にまとめメガネをかけている。ラテン系のお祭り好きで栄斗の『格闘技同好会』発足に興味を示し、『邦王学園最強決定戦』を企画した張本人である。
今でもカポエラを続けている七味とは違い、中学生になった途端にカポエラがバカバカしくなって途中で辞めてしまった[24]。しかし、辞めたのは格闘技としてのカポエラだけであり、休みの日には月に一回か二回ほど叔父の成伴が主催しているカポエラ教室でレクチャーをしている。
道場破りに現れた鈴花との対戦ではブランクがあったことや、実戦による体力と神経の消耗がすさまじかったこと、逆立ちをした時に自分の胸で視界が閉ざされ蹴りが当たらない大きな弱点を抱えていたため負けてしまう。
『邦王学園最強決定戦』には参加せず、決勝戦では生徒会長として実況に参加した。
円乗寺成伴(えんじょうじ なるとも)
円乗寺一味円乗寺七味達姉妹の叔父[25]。年齢は、推定で四十代後半で、口髭とパイプを咥えた姿が絵になるルックスをしている[7]
実業家で[26]、南米でビジネスをしていたが、円乗寺邸の持ち主がいなくなった事で、親族会議の結果、呼び戻され[7]、現在では、円乗寺邸の主となっている[27]
若い頃に香辛料のビジネスを当てており、唐辛子のネーミングから、一味、七味の名付けを行った[27]
一味と七味にカポエラを教えた張本人で、中学生になってカポエラをやめてしまった一味を惜しんでいる[28]
鈴花(リンファ)
女性ストリート・ファイター。年齢は推定で、十代後半[29]。髪型はウルフカット[29]
ジップアップにデニムスカートという出で立ち[29]。その格好から葉桜栄斗に、「トルネード」だと勘違いされる[30]
スカートの中にはグレイのボクサー・パンツを穿いており[31]、男達をミニスカの奥が気になってスキだらけにさせる為、上述のような格好をしているのだった[31]
中国拳法の南拳を扱う[30]。不格好で実戦的で[10]、体重を乗せた重い蹴りは大の男数人を昏倒させる破壊力を持っている。

邦王学園高等部[編集]

長峰
栄斗の友達。『邦王学園最強決定戦』開催前には、運動部の連中に睨まれるのは嫌だという理由で、栄斗に対して大会が終わるまでまとわりつくなと冷たい反応を示し遠ざかっていた。
山田忠彦(やまだ ただひこ)
栄斗の一回戦の相手だったが、栄斗の体調不良により途中で交代した七味の一回戦の相手となる。相撲部の三年生で相撲部屋から声をかけられていた逸材であり、 栄斗の目測によれば身長は180cm以上、体重も120キロを越えているだろうとされ、髷こそ結っていないが筋肉と皮下脂肪をたっぷり蓄えた本格的な相撲取りの体型をしている。
細い目で相手を見下し、塩をわざとぶつけるなど態度は悪い。
試合では七味が最初に見せた後方宙返りのとき、すでに足が山田の顎の先に当たっていたため脳が揺れ、最後は七味による顎への三連発蹴りを入れられノックアウトし敗退した。
岩見沢(いわみざわ)
七味の二回戦の相手。3年B組。試合では長袖に袴、両手には大きな手袋、黒光りする防具、竹刀を装備。
竹刀は凶器などではなく剣士の魂であると語る。大会では正統派の剣士であることをアピールするため剣道のルールにこだわり、女性の七味を侮り余裕の勝利を狙っていた。コーナーに追い込んだ七味に対して降参するよう言うなど傲慢な態度を取りつつ上段から竹刀を振り下ろしたが、逆立ちになった七味に真剣白刃取りの要領で、竹刀を七味の両足に挟み込まれ受け止められてしまう。剣士の魂である竹刀を女の足に止められた屈辱のため、顔を真っ赤にして奇声をあげながら竹刀を捨て去り目の前の七味の臀部にかぶりつこうとした。しかし、逆に七味に捨てた竹刀を足で拾われそのまま頭に打ち付けられてしまう。剣士の魂のはずの竹刀を自ら手放しそれに打たれた事実から、最後は自分から潔く負けを認めた。
椚里奈(くぬぎ りな)
七味の準決勝の相手。空手部の二年生で校内でも噂になっている美少女空手家。髪は襟下で切りそろえたボブカット(古風なおかっぱ頭)で、白い空手着と黒帯を身に着けている。
第二試合ではレスリングの男子選手をKO勝ち。
準決勝第一試合で七味と対戦。実は中学時代にもテレビに出ていたため、うわさであれこれ言われその時のことを苦い記憶に思っている。それで女子格闘家がイロモノに見られることを嫌っており、飛んだり跳ねたり(不可抗力だがパンツを見せる)七味の技を邪道と言い放つ。
最後はとびあがった七味により首に両足をからみつかせられ、振り子のように身体を反転した反動を使って瞬時に頭を床にたたきつけられ敗北した。
ラン・ジの選手
みずかの一回戦の相手。しかし試合に必要なものを忘れてしまったため、不戦敗扱いで敗退となった女子生徒。
ラン・ジとは相撲取りが土俵を清めるため取り組み前に塩をまくように、戦う前に牛乳を体にかける格闘技らしい。
エピローグでは格闘同好会と改めて試合がしたいという姿勢を示している。
田代光(たしろ ひかる)
みずかの二回戦の相手。ボクシング部の二年生。赤いランニングシャツ、トランクスという出で立ち。体重は見たところ55キロ、アマチュアボクシングの階級でいうとフェザー級だが、そのパンチはみずかのガードを崩すほどで男女間のパワーの差は歴然。
試合では後半からみずかのパンチ連打を受け、強烈な6発目をもろにあごにくらってしまい両膝をつきそのまま這いつくばるかのような格好でダウンし、レフェリーによりすぐに試合を止められた。
立花弘道(たちばな ひろみち)
みずかの準決勝の相手。学園のエリート集団である柔道部の次期エース。去年は一年生ながら、夏の福岡で開催された全国大会の団体戦レギュラーとして三人抜きを連発し、チームの上位進出に貢献した。身長177センチ、体重わずか70kgという、格闘家としては比較的小柄な体格ながら、大男をぶんなげる姿は見映えもよく 新聞に写真載ったらしい。
将来は総合格闘技のプロ志望で、柔道を続けているのはオリンピックで金メダルを取れば箔がついて良いからと考えていたからだった。
全国レベルの技の持ち主で、邦王学園最強決定戦では優勝候補の一人である。
知名度もあるため一回戦最後の試合も声援が吉川に比べて八割ほどと圧倒的に多かった。二回戦・第四試合はフリー参戦のケンカ殺法男を危なげなくしとめた。
準決勝では、みずかの生足ジャンピング・ニーを顔面に叩き込まれ、左右の顔のかたちが変わってしまう。最後はみずかの見様見真似のバナネイラが開始してほんの十秒で撃沈した。
吉川次郎(よしかわ じろう)
日本拳法同好会の二年生。立花と戦った。立花より背が高く、町道場でも練習しているのだろうか精悍な顔をしている。
立花の奇襲ハイキックにより右側頭部を打ち抜かれノックダウンして敗退。

その他の登場人物[編集]

玉田(たまだ)
三月まで、葉桜栄斗と中学のクラスメイトだった男[32]
不良に襲われた所を通りすがりのトルネードに助けてもらい、命拾いする。[33]
タマヤやん日記というブログを開設している[34]
リョウジ
葉桜栄斗をいいカモだと思い、因縁をつけ襲うが、返り討ちにされた[35]。その時に壊された携帯電話や負けた事を根に思って、後日、栄斗が油断してい所を二人がかりで襲撃し、負傷させる[36]
葉桜吾郎(はざくら ごろう)
葉桜栄斗の父親。
若い頃は、ブラジルに武者修行に行っていて、格闘技がきっかけで円乗寺成伴と盟友になった[37]

作中設定・用語[編集]

トルネード
若く眼を瞠るほどの美少女ストリート・ファイター[34]
何人ものストリート・ファイターをアッという間に叩きのめす強さを誇り[38]

玉田を狙った男ふたりを秒殺している[39]。数少ない目撃例は、夕方から9時までの間に集中している[40]

もう一つの名は「純白の天使」[39]。逆立ちの態勢で、死の旋回を行い、対戦相手の目には、パンツと太腿が焼き付く事からそう呼ばれる[41]。その姿を目撃した者は余韻に漬りたい独り占めしたい[13]、ニタリと笑ったまま気を失っている[42]などの反応を示した。
その正体は円乗寺七味[43]
ストリート・ファイト
作中におけるストリート・ファイトは、一番多いのが偶発的な路上のケンカ、カツアゲなどの犯罪がらみ、三番目がヤンキーたちのテリトリー争い、そして野試合が[44]
カポエィラ
ブラジルで誕生し、独自に発達をとげた格闘技。足技を多用するのは、両手が手錠でふさがれていた奴隷の格闘技だったためとも言われている。
成伴が幼かった円乗寺姉妹に教えた。
カポエラ教室
円乗寺姉妹が毎週火曜、毎週土曜(午前二時)からカポエラを教えている教室[26]
防衛省施設と書かれた標札、神社の鳥居、洒落たカフェやブティックが並ぶ不思議な空間に[45]、成伴が所有するビルの1Fにアカデミーア・ブラジルダンス教室として入っている。
参加者は男女15人ほどで大半は十代から二十代である。成伴の道楽でやっているためか、参加者の服装もやりたいこともバラバラと緩い雰囲気である。
邦王学園
葉桜栄斗円乗寺七味が通う私立高校[46]。創立は1921年で旧校舎の内装はいかにも大正ロマン然としている。
創設理念は文武両道。「武」の方は文字どおり野球やサッカーなどの球技より、柔道や剣道が盛んな強豪校で相撲部、空手部、レスリング部、ボクシング部など他の学校であまり見ることのない種目もそれぞれの大会で実績を上げている。武術系の部はプライドが高く、日頃から部員の取り合いや大会の成績で張り合っている、
正式な部と同好会の違いとして所属人数と公式行事の有無がある。同好会の設立には最低5人が必要。人数が多く全国大会に出る部は学校からたっぷりと活動予算が出るが、公式戦がないプロレス同好会などは草プロレスのような費用のかからないものが普段の活動内容である。
制服は女子高等部のものは紺のカスタムブレザー、クリーム色のブラウスシャツ 胸元のリボン、チェックのグレーでプリーツスカート、紺のニーソックス[13]。入学年度によって体育ジャージの色が決まっている、一年生は青、二年生は赤、三年生は緑。
邦王学園最強決定戦
邦王学園の柔道部、ボクシング部 その他みんなを集めて学園最強の座をかけたトーナメント制の大会。第八十八回体育祭のプレイベントとして、五月の第二土曜日に開催された。
開催理由は、栄斗の格闘技同好会発足を受け、生徒会長である一味が各部の猛者連中を説得する方法として思いつきで提案された。
参加資格は邦王学園の高等部に属するものなら誰でもOKであり、性別、体重は問わない。ただし運動系各部は参加者は最大二人までの上限が設けられている。
大会ルールとしてパンチやキックなどの打撃技 投げ技、締め技、関節技はすべて有効。素手による顔面パンチ、肘や膝を使った頭部への攻撃、倒れている相手への打撃は禁止されている。また、学校から許可もおりないので、目や急所を狙った攻撃、噛みつきも禁止となっている。勝敗はわかりやすくノックアウト、ギブアップ、ドクターストップ、判定以外に場外を2回続けたら自動的に負けとなる。
一回戦は8試合、二回戦は4試合、準決勝が2試合、決勝が1試合行われる。休憩は10分間。決勝前は、選手を休ませるためにエキシビジョンが開催。内容はリアリーディング部によるアトラクションである。
試合会場は学校の敷地内に3つある体育館のうちの第一体育館が使用された。中には数百人を収容できる観客席まで設置され、試合の舞台である演舞台は体育館中央に設置された。この演舞台は拳法の試合に使うもので、成伴が学園に寄付したものである。演舞台の高さは約1メートル、転落したときのためにマットが敷いてある。広さは縦、横が数十メートルほどのボクシングのリングよりは広く、ロープはなしで周囲には赤い線で枠が作られている。
統括顧問は谷崎(たにざき)先生。レフェリーは格闘系の部活を統括しているベテランの体育教師。準決勝第二試合はセコンドは柔道部顧問が担当した。
六方館(ろっぽうかん)
全国に支部を持つ空手道場を経営しており、世間的には有名な格闘技団体。
通信教育にも力を入れており、格闘技ブームが始まるとキックや総合格闘技のコースを設けた。「チカン撃退! 護身術」や「一カ月で五キロは痩せるダイエット」といった女性向けコースも用意されている。通信教育を受講した者のもとにはまずトレーニング表が送られてきて二週間ごとにレポート書いて送り返す、自己申告制である。レポートを数回送り六立館から認められると四級の認定を受ける。
サプリメントやフィットネス・マシンの販売も広告に載せているが、そのビジネスに走りすぎている姿勢からか、濃い格闘技オタクからはさほど評価されていない。
円乗寺家
円乗寺一味円乗寺七味が属する一家。
円乗寺一族の本家は鎌倉時代までさかのぼる家柄らしいが、円乗寺家は傍流も傍流で家系図の端っこと言われる[7]
円乗寺邸
円乗寺家は、商店街を抜けた閑静な住宅街に邸宅を構えている。
栄斗曰く「ゾウが飼えそう、ランニングができるほどの広さ」とも言われる広い庭の奥には洋風の屋敷がある[47]。邸宅内は、住み込みで働く栄斗の部屋の他に20部屋を有する[8]
栄斗の自宅は学園から遠く、電車を乗り継いで90分以上かかるため[48]、学校まで歩いて通える距離にある屋敷に住み込みで働くことになった栄斗の通学状況は改善されたと言える。

技の解説[編集]

ガンショ【GANCHO】
七味が挿絵で披露しているが、劇中では未使用。
『カポエラ』の技のひとつ。ハイキックの軌道から膝を折り曲げて、対戦相手にかかとを当てるフェイント技(かなり高度な技術が要求される)。挿絵で七味がとっているモーションは、かかとを相手にヒットさせているところである[49]
ホーダ・ジガンチ
一味が成伴に対して使用。ピュンと体をバネのようにくねらし、一瞬のうちに側転、両脚を大車輪のように回し蹴りを見舞う[24]
ジガンチはポルトガル語で大車輪を指す[25]

書誌情報[編集]

  • 2009年4月1日初版 ISBN 978-4-89425-852-5

脚注[編集]

  1. ^ a b HJ文庫公式Webサイト - ホビージャパン トルネード!
  2. ^ a b HJ文庫 新刊「トルネード!」 - ホビージャパン
  3. ^ a b 小説『トルネード!』, p. 258.
  4. ^ a b c d 小説『トルネード!』, p. 259.
  5. ^ 小説『トルネード!』, p. 261.
  6. ^ a b 小説『トルネード!』, p. 8.
  7. ^ a b c d 小説『トルネード!』, p. 18.
  8. ^ a b c d 小説『トルネード!』, p. 19.
  9. ^ 小説『トルネード!』, p. 47.
  10. ^ a b c 小説『トルネード!』, p. 35.
  11. ^ 小説『トルネード!』, p. 9.
  12. ^ a b 小説『トルネード!』, p. 48.
  13. ^ a b c 小説『トルネード!』, p. 12.
  14. ^ a b c 小説『トルネード!』, p. 13.
  15. ^ a b 小説『トルネード!』, p. 25.
  16. ^ a b c 小説『トルネード!』, p. 23.
  17. ^ 小説『トルネード!』, p. 42.
  18. ^ 小説『トルネード!』, p. 40.
  19. ^ 小説『トルネード!』, p. 46.
  20. ^ a b 小説『トルネード!』, p. 50.
  21. ^ 小説『トルネード!』, p. 21.
  22. ^ 小説『トルネード!』, p. 24.
  23. ^ 小説『トルネード!』, p. 26.
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  29. ^ a b c 小説『トルネード!』, p. 34.
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  32. ^ 小説『トルネード!』, p. 7-8.
  33. ^ 小説『トルネード!』, p. 9-10.
  34. ^ a b 小説『トルネード!』, p. 29.
  35. ^ 小説『トルネード!』, p. 154.
  36. ^ 小説『トルネード!』, p. 152-154.
  37. ^ 小説『トルネード!』, p. 55-56.
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  39. ^ a b 小説『トルネード!』, p. 30.
  40. ^ 小説『トルネード!』, p. 31.
  41. ^ 小説『トルネード!』, p. 43-44.
  42. ^ 小説『トルネード!』, p. 32.
  43. ^ 小説『トルネード!』, p. 44.
  44. ^ 小説『トルネード!』, p. 27.
  45. ^ 小説『トルネード!』, p. 58.
  46. ^ 小説『トルネード!』, p. 16.
  47. ^ 小説『トルネード!』, p. 15.
  48. ^ 小説『トルネード!』, p. 17.
  49. ^ 小説『トルネード!』口絵p.1

参考文献[編集]

  • 小説
    • 伊吹 秀明『トルネード!』ホビージャパン、2009年4月1日、初版。ISBN 978-4-89-425852-5。
  • 文献
    • 『華麗に舞う格闘技 カポエィラ入門 [ヘジォナウ]』スタジオタッククリエイティブ、2008年1月25日、初版。ISBN 978-4-88-393257-3。

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