ドラえもん のび太と緑の巨人伝

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ドラえもん
のび太と緑の巨人伝
Doraemon:
Nobita and the Green Giant Legend
監督 渡辺歩
脚本 大野木寛
原作 藤子・F・不二雄
出演者 レギュラー
水田わさび
大原めぐみ
かかずゆみ
木村昴
関智一
ゲスト
吉越拓矢
堀北真希
大塚周夫
三宅裕司
松元環季
有田哲平
音楽 沢田完
主題歌 絢香手をつなごう
制作会社 シンエイ動画
製作会社 映画ドラえもん制作委員会
配給 東宝
公開 日本の旗 2008年3月8日
中華人民共和国の旗 2009年8月4日
香港の旗 2009年8月6日
台湾の旗 2009年8月7日
マレーシアの旗 2009年9月11日
タイ王国の旗 2009年10月29日
ベトナムの旗 2013年9月27日
ポルトガルの旗 2015年3月1日
上映時間 112分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
興行収入 33.7億円
前作 ドラえもん のび太の新魔界大冒険
〜7人の魔法使い〜
次作 ドラえもん 新・のび太の宇宙開拓史
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ドラえもん のび太と緑の巨人伝』(ドラえもん のびたとみどりのきょじんでん)は、2008年3月8日に公開された日本アニメ映画映画ドラえもんシリーズ通算第28作(アニメ第2作2期シリーズ第3作)。第32回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞受賞作[1]

概要[編集]

第2期の映画作品では原作リメイクでない初のオリジナル作品であり、旧シリーズ『のび太のワンニャン時空伝』(2004年)以来4年振りの完全新作である。原案はてんとう虫コミックス『ドラえもん』33巻収録の短編「さらばキー坊」。地球の植物を自分の星に移住させ、地球人を根絶やしにしようとたくらむ植物型宇宙人の計画を阻止しようとするドラえもん、のび太らの活躍を描く。

サブタイトルが、旧シリーズ『ドラえもん のび太とふしぎ風使い』(2003年)以来5年振りに「のび太-」から始まっている。

予告編と実際に上映された本編の映像とでは異なる部分があり、予告編に登場した空飛ぶ乗り物「スカイリーフ」は映画では登場しない[2]

映画のシナリオを漫画化した作品『映画ストーリー ドラえもん のび太と緑の巨人伝』が岡田康則によって執筆され、『月刊コロコロコミック2008年2月号・3月号に掲載、同年3月に描き下ろし30ページを加えた完全版として単行本化されている。また、本作を元としたゲーム『ドラえもん のび太と緑の巨人伝DS』も発売された。こちらは前作のようなカードゲームではなく、横スクロールアクションゲームである。

映画のエンドロールが終わった後には前作と同じくおまけ映像があり、その中で2009年にも映画が公開されることがドラえもんによって発表されている。一瞬だけドラえもんと共に『ドラえもん のび太の宇宙開拓史』に登場したチャミーが現れ、宇宙空間を漂う映像になる(映画公開から約4ヶ月後、『ドラえもん 新・のび太の宇宙開拓史』の情報が正式に発表された)。

2009年2月6日にテレビ朝日開局50周年記念番組の50時間テレビの一番組として初めてテレビ放送されたが、放送時間の都合上一部の場面がカットされた(ドラミがひみつ道具を取りに来る場面など)。

監督の渡辺は本作を愚作・駄作と評している[3]

制作[編集]

経緯[編集]

渡辺はこれまでの映画ドラえもんにおける「長編のパターン」ではないかたちで何か描けないかと、「今後、手がけてみたい作品」[4]として以前より挙げていた、てんとう虫コミックス『ドラえもん』12巻収録の短編「ゆうれい城へ引っこし」を原案とした企画を進めていた。しかし藤子プロより「さらばキー坊」が提案され、『緑の巨人伝』の制作がスタートすることとなる[3]。「ゆうれい城へ引っこし」は映画化されなかったものの、渡辺が絵コンテを担当しテレビシリーズという形で制作された[5]

脚本[編集]

制作当時『ドラえもん』へ対しストイックになっていた渡辺は「ドラえもんはこうあるべき」という自身の主張と、エコロジーをテーマとした本作のプロットやシナリオと相容れることができなかったという[3]。結果として決定稿がまとまらないまま、渡辺は絵コンテの作業へ突入することとなった。反発したその主たる理由の一つが、本作の原案となる「さらばキー坊」で渡辺が注目した、「のび太とキー坊の関係」であった[6]。キー坊は言葉を話さない植物の擬人化であり、人と緑を繋ぐ存在である。しかしそこでドラえもんの道具を使い、キー坊と同じ木々を変形して遊んだり、森や土の気持ちを理解するという描写をすれば、キー坊の存在する意味が無くなるだけでなく、(言葉を喋れるようになった)ラストで発言する内容にも説得力がなくなるというのが、渡辺の主張であった[3][6]。そのため、映画と漫画版では展開や描写に違いが多く見られ、特に中盤からエピローグ直前までは大部分が異なる。例えば漫画では後半に暴走した植物型宇宙人のシラーたちと戦いを繰り広げている一方で、映画は地球だけではなく彼らの母星である緑の星にも大規模な火災で大きな被害が出てしまい、シラーが己の愚かさを悟る展開になっている。テーマも、途中より「環境問題を火種とした戦争」(後述)の物語へ移る映画と違い、漫画版は一貫して「動物と植物」の共生についてクローズアップがなされている。

題材 映画での描写 漫画版
心の石 場面ごとカット。 意思を持った裏山が、変形した木々や植物で、のび太たちをもてなす[7]
時門 時門がタンマウォッチに置き換えられ、のび太とキー坊が助けた小さな木の芽が偶然引っかかる形で時間が停止する[8] 裏山が時門を閉じて時間を停止させ、ドラえもんたちに助力する。
緑アンテナ[6] ドラえもんが取り出す道具で、具体的な名称や用途は作中で明言されない[6][9]。初登場は漫画版の「双葉型の笛」が裏山から送られる場面に該当。終盤の泥に包まれた大地に、花が咲き乱れる場面でも登場する。 「双葉型の笛」として裏山から送られ、緑の巨人となったキー坊の心を呼び覚ます為に使われる[10]

演出[編集]

「のび太とキー坊の関係」に作品の重きを置いた結果、便利な道具を使って科学(人間)対生物(緑)の勝敗をつけた、地球を守る物語にはどうしてもしたくなかった渡辺は、「エコの前に考えることがある」と、戦争に対する思いや、「みんなは何をもって大切なものを守るのか」という部分に時間を割き、描く方向に進めていくが[3][6][11]、やがて白黒ついた具体的な答えが見つからない、つけられないテーマ(問題)に悩むこととなる。意図的にぼかし、抽象的となった描写から、一つの結論ではなくどんどん広げ外に放ち、「感じてもらう」演出は、そんな追いつめられた状況で決断されたものであった[3]

あらすじ[編集]

ある日のび太は、裏山にあるゴミの不法投棄された場所で小さな苗木を見つけ、家に持ち帰る。しかしママには「庭に植えちゃいけない」と言われてしまう。困ったのび太がドラえもんに相談すると、ドラえもんはひみつ道具の植物自動化液を取り出す。これを植物にかけると、どんな植物も自由に動けるようになるという。さっそく液をかけた次の日の朝、自由に動けるようになった苗木にキー坊とのび太は名前をつけ、弟のように可愛がる。ママたちともうち解け合い、キー坊はやがて野比家の家族となっていく。

しかしふとしたことで植物型宇宙人たちが住む惑星・緑の星に迷い込んでしまったドラえもん達は、地球の植物を全て緑の星に移住させるために地球の人類を根絶やしにするという恐るべき計画を知る。さらにその計画で使われる緑の巨人を復活させる生贄として、キー坊が連れさらわれてしまう。長老ジィの助けで何とか地球に戻るものの、地上はすでに緑兵の攻撃で緑に覆われてしまっていた。

さらに緑の巨人に取り込まれたキー坊は暴走してしまい、地上は戦いで荒れていく。ドラえもんたちはキー坊を、地球を救うべく立ちあがるのだった。

舞台[編集]

植物星
「さらばキー坊」および『ドラえもん のび太と雲の王国』の会話や描写で登場した植物星(本作は「緑の星」と呼称、漫画版では「グリン」)であり、予告編や雑誌に掲載したイメージボードなどで描かれている巨大な大樹を中心とした町並みは水上都市「グリンピア」という。
地球まで行ける宇宙船、ワープゲート等高度な科学力を持ち全宇宙の植物星交易の要衝として栄え様々な植物星人が暮らしている。宇宙における緑の問題を解決する全宇宙植物会議という議会が存在しており、地球での環境破壊が取り上げられた事が物語の発端となった。
豊かな自然と緑にあふれた星だが、自然を守る植物の暮らしやすい世界のように見えて一皮むくとかつて戦争で滅びた文明の汚れた名残があり、それを覆い隠すように繁栄している。

声の出演[編集]

今作では子供が声優として声を担当しているが、これは監督の渡辺の要望によるものである。

ゲストキャラクター[編集]

キー坊
声 - 吉越拓矢
裏山にあった苗木をドラえもんの「植物自動化液」で動けるようにしてもらった木。まだ生まれたばかりの子供であるが故に、好奇心旺盛でのび太達の制止を無視して勝手に何処かへ行ってしまうことが多い。原作「さらばキー坊」よりデザインが大幅に変更され、小さな子供のような外見となった。
2008年10月31日に放送されたドラえもんの2話目と2008年大晦日SPでは、のび太の部屋のカレンダーにキー坊が描かれていた。
リーレ
声 - 堀北真希
緑の星の女王。全宇宙植物会議総長。植物星人で1番人間に近い容姿をしている。小さい頃は御転婆で無断でお城を抜け出すこともあった。
両親を失った寂しさで周囲に心を閉ざした結果、我侭な性格になってしまい、地球に帰れなくなって本気で困っていたのび太達に「地球に返す」といい加減な約束をする等している。緑の星を統治し、宇宙全体の植物星人を取りまとめる大事な役目を持っているが、精神的には寂しさを抱えた少女のままのため、政治もシラーに任せっきりであり、地球に戦争を仕掛ける事の意味についてもまったく理解出来ていないどころか、興味すら示しておらず、遠征法可決のための演説もただ原稿を読み上げるだけでシラーの傀儡状態だった。
終盤、自分らしく自由に生きる事を選んで議会で正装を脱ぎ、頭が花のように咲く。
長老ジィ
声 - 三宅裕司
緑の星を旅して、生命の営みを見守り続けている長老。他の植物型宇宙人は皆植物の形態を取るのに対し、彼のみモチーフが菌類。リーレに追いかけられていたキー坊と遭遇し、のび太やドラえもん達との再会に協力する。鈍そうな外見に反して、意外に動きは素早い。
ジョーロの女の子
声 - 松元環季
物語の前半部分に登場。キー坊と仲良くなる。これは監督の渡辺が街で見かけた、植物に水をやる少女がモデルになっている。

緑の支配者[編集]

緑の巨人(大樹)
黒幕。元々は巨人の黒双葉。
シラーの手によって地球が支配され、辺り一面が緑で覆い尽くされ、残ったジョーロだけを見ていたキー坊が涙を流す。そのジョーロは少女と仲良くなった思い出であり、少女がいなくなった事を知ったキー坊は悲しみと怒りに満ち溢れた。そのエネルギーにより巨人の黒双葉が巨大化し大樹となった。攻撃は雷で緑の星を一瞬で破壊できる能力を持つ。また、緑の力で地域を緑色の海原の状態にし、地球を沈没させようとした。生贄にされたキー坊の体力を吸い、エネルギー原にしていたが、のび太とリーレ姫に阻止された。最後は長老ジィの気力により、緑の巨人が崩れた。
シラー
声 - 大塚周夫
リーレの配下であるが、実質シラーが政治を動かし、緑の星の実権全てを握っている大臣のような存在。リーレを利用して地球の植物を緑の星に移住させる計画を立てているが、実際は地球に戦争を仕掛け人類を滅ぼそうとしていた。人間が植物を傷つけるだけの存在と見下しながら、自身では緑の巨人を復活させるために地球生まれであるという理由から同じ植物のキー坊を犠牲にしようとしたり、戦艦で大樹を平気で傷つけている等強硬手段を辞さない。
終盤、映画では復活させた緑の巨人の暴走により、地球のみならず、緑の星にも多大な被害が出てしまい、最悪の状況に愕然として己の過ちを悟る。漫画版ではドラえもんたちに敗北し、リーレが植物星の動物との共生を目指す穏健姿勢を打ち出していった。
パルナ
声 - 有田哲平くりぃむしちゅー
シラーの配下。一般兵士を統率するリーダー格。横暴な振る舞いが多いが、おっちょこちょいな所がある。見た目は茄子
グリンピア兵士(緑兵)
武器は丸い球が付いた棒で攻撃する。シラーとパルナの命令には忠実な部下である。

スタッフ[編集]

主題歌[編集]

オープニングテーマ「夢をかなえてドラえもん
作詞・作曲 - 黒須克彦 / 編曲 - 大久保薫 / コーラス - ひまわりキッズ
歌 - maoコロムビアミュージックエンタテインメント
今作ではじめて「夢をかなえてドラえもん」がオープニングテーマとして使用された[要出典]
エンディングテーマ「手をつなごう
作曲 - 西野芳彦・絢香 / 編曲 - L.O.E / 作詞・歌 - 絢香ワーナーミュージック・ジャパン
映画ドラえもん第2期シリーズにおいて、ソロ歌手が主題歌を担当するのは本作が初である[要出典]

ドラえもん春休みスペシャル もうひとつの“緑の巨人伝”[編集]

ドラえもん春休みスペシャル
もうひとつの“緑の巨人伝”
ジャンル テレビアニメ
原作 藤子・F・不二雄
監督 善聡一郎
声の出演 水田わさび
大原めぐみ
かかずゆみ
木村昴
関智一
音楽 沢田完
国・地域 日本の旗 日本
言語 日本語
製作
チーフ・
プロデューサー
杉山登(テレビ朝日)
山崎立士(ADK)
増子相二郎(シンエイ動画)
プロデューサー 吉川大祐(テレビ朝日)
小川邦恵(ADK)
齋藤敦、高橋麗奈
(シンエイ動画)
撮影監督 熊谷正弘
編集 岡安プロモーション
製作 テレビ朝日ADK
シンエイ動画
放送
放送局 テレビ朝日系列
映像形式 ハイビジョン制作 / 文字多重放送
音声形式 ステレオ放送
放送国・地域 日本の旗 日本
放送期間 2008年3月28日
放送時間 金曜日19:00 - 19:54
放送枠 ドラえもん (2005年のテレビアニメ)
放送分 54分
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『ドラえもん春休みスペシャル もうひとつの“緑の巨人伝”』は、2008年3月28日に放送されたテレビアニメ『ドラえもん』(第2作2期)の特別番組。「もうひとつの“緑の巨人伝”」「キー坊が恋をした」および「ジキルハイド」の3作品から成る。『ドラえもん のび太と緑の巨人伝』と関係する2作品(「もうひとつの“緑の巨人伝”」「キー坊が恋をした」)について説明する。

登場人物は以下の通り。

ドラぼてん(水田わさび)&のびテン(大原めぐみ
「もうひとつの“緑の巨人伝”」に登場。サボテン型植物星人の2人でドラえもんのび太にそっくりである。吟遊詩人で各地を旅しており、主に「サボサボサボサボサボサボサボサボサボテンブルース〜」という歌詞が特徴の歌を歌う。しかし肝心の歌は下手である。のびテンは自分のトゲをぬいてつくった「トゲソード」、ドラぼてんは頭から無数のトゲを飛ばせる。
旅をしていたときに偶然幼い頃のリーレ(声:渡辺菜生子)と出会い(そのときリーレは城から逃げ出して兵士に追われているのを「悪い人達に追われている」と嘘を言ってごまかした)、共にグリンピアを脱出し、禁断の森で緑の巨人を探すこととなる。その後、物語の終盤で迎えに来たシラーのおかげで禁断の森から脱出し、リーレから勲章を授かる。再びさすらいの旅に出るものの、荷物の中にリーレが隠れていて「私も連れて行け」と言われてしまう。
リーレの父(声 - 宇垣秀成)&リーレの母(声 - まるたまり
「もうひとつの“緑の巨人伝”」に登場。リーレの父と母。映画でも写真でしか登場せず、すでに亡くなっていたらしい。
神成さんの家のバラ
「キー坊が恋をした」に登場。神成さんの家にあるバラ。キー坊が恋をしたのだが、性別は男だった。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 登場からわずか15秒ほどで退場した(目的はひみつ道具を取りに来るため)。

出典[編集]

  1. ^ 日本アカデミー賞公式サイト
  2. ^ 漫画版では飛行移動にスカイリーフを使用している一方、タケコプターが全く登場しないため、歴代の漫画版大長編の中でも珍しい作品となった。
  3. ^ a b c d e f 小黒祐一郎アニメスタイル 002 2012.10』、スタイル、P.103-105。
  4. ^ 藤子・F・不二雄ドリームシアター もっと!ドラえもん 5号』小学館、2006年、P.15。
  5. ^ 2008年12月31日「大みそかドラえもん さらばネズミ年 来年は モ~30周年だよ スペシャル」内にて放送。
  6. ^ a b c d e 『のび太と緑の巨人伝 公式ファンブック 映画ドラえ本』小学館、2008年。P.60-61。
  7. ^ 岡田康則『映画ストーリー ドラえもん のび太と緑の巨人伝』小学館、2008年、P34-39。
  8. ^ 岡田康則『映画ストーリー ドラえもん のび太と緑の巨人伝』小学館、2008年、P165-166。
  9. ^ 前述した、便利な道具で森や土の気持ちを理解するとキー坊の存在する意味が無くなってしまうという主張に対し、渡辺が創作したもので、「何かのきっかけになるくらいのもの」。
  10. ^ 岡田康則『映画ストーリー ドラえもん のび太と緑の巨人伝』小学館、2008年、P35・169-170。
  11. ^ ドラえもん「緑の巨人伝」 渡辺監督が語る”. 朝日新聞 (2008年3月29日). 2020年5月23日閲覧。

関連項目[編集]