ちちぶ (列車)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
![]() | この記事は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。2018年4月) ( |
ちちぶ むさし | |
---|---|
![]() 001系「ちちぶ」 | |
概要 | |
国 |
![]() |
種類 | 特別急行列車 |
現況 | 運行中 |
運行開始 |
1969年(ちちぶ) 1973年(むさし) |
運営者 | 西武鉄道 |
路線 | |
起点 | 池袋駅、所沢駅 |
終点 | 飯能駅、西武秩父駅 |
使用路線 | 池袋線、西武秩父線 |
技術 | |
車両 | 001系 |
軌間 | 1,067 mm |
電化 | 直流1,500 V |
ちちぶは、西武鉄道が池袋駅・所沢駅 - 西武秩父駅間(池袋線・西武秩父線)で運転する特急列車の名称。2020年現在は小手指車両基地所属[1]の「Laview」001系によって運転されている。
なお、本項では以下の池袋線系統5列車も併せて解説を行う。
- 池袋駅 - 飯能駅間を運転する「むさし」
- 池袋駅 - 狭山線西武球場前駅間を運転する臨時特急「ドーム」
- 武蔵丘車両検修場でのイベント開催時に運転される臨時特急「電車フェスタ」
- 池袋駅 - 西武秩父駅間で運転されていた「こぶし」
- 新宿線西武新宿駅 - 西武秩父駅、池袋駅 - 西武秩父駅間で運転されていた「おくちちぶ」
列車概況[編集]
ちちぶ・むさし | |||||||||||||||||
← 飯能 西武秩父・池袋 →
| |||||||||||||||||
|
|||||||||||||||||
|
全列車とも座席指定制で利用には特急券を別途購入する必要がある。また定期券所持者でも別途特急券を購入すれば利用可能である。
列車号数は「ちちぶ」・「むさし」通しで発車順に下り奇数・上り偶数に符番されている。
- 定期列車は0 - 50番台、臨時列車は定期列車と別個に80番台[2]が充てられる。なお、運転時刻が平日と土休日で大幅に異なる列車は土休日運用分は別途60番台に号数を変えている。
定期列車[編集]
ちちぶ[編集]
池袋駅 - 西武秩父駅間を運転。列車愛称は埼玉県秩父地方の「秩父」から。秩父地方への観光客輸送や埼玉県西部の通勤客輸送を目的としている。
- 例外的に土休日の下り一番列車は所沢駅始発である。
- 休日早朝の列車は60番台の号数が充てられる。
- 埼玉県秩父市羊山公園内に植えられた芝桜の開花時期ならびに秩父夜祭開催時には、平日や土休日関係なく増発される。
むさし[編集]
池袋駅 - 飯能駅間を運転。列車愛称はかつての日本の令制国で現在の東京都や埼玉県などに相当する武蔵国の「武蔵」から。主に埼玉県西部の通勤客輸送をターゲットとした「ホームライナー」的役目を担う。
- 平日は早朝と夕方以降に運行され、最終は池袋駅午前0時発である。
- 土休日は10時台までと14時台以降に運行され、最終は池袋駅23時発である。
- 延長運転や臨時列車は「むさし」が主体となる。
- 「ちちぶ」と同様に土休日の早朝列車には60番台の号数が充てられる。
- かつては所沢駅始発池袋駅行きの設定が存在したほか、土休日の新宿線「おくちちぶ」の送り込み列車にも本愛称が使用された。
臨時列車[編集]
ドーム[編集]
西武ドームでのイベント開催時に池袋駅 - 西武球場前駅間で運転される臨時特急列車で、以前は以下の愛称で運転されていた。
- 渡辺美里ライブ開催時の「MISATO TRAIN」:1990年 - 2005年
- 「国際バラとガーデニングショウ」開催時の「ローズエクスプレス」:2005年 -
- 埼玉西武ライオンズ主催試合開催時の「スタジアムエクスプレス」:2006年 -
2007年3月6日ダイヤ改正[3]で残存していた2列車に「ドーム」を統一愛称とした。ただし、それ以後も以前からの愛称も案内などで使用されている。
ローズエクスプレス
スタジアムエクスプレス
- 2006年度はセ・パ交流戦の期間中に西武ドームでの西武主催試合の開催時に運転。翌2007年度からは交流戦の他、リーグ戦の試合日となる土曜・休日・大型連休・夏休み期間(7月24日 - 8月31日)にも運行。
- 試合開始時刻に合わせて全部で4パターン(平日は1パターン)[5]のダイヤがあり、試合時刻に合った列車のみ1日1往復する[6]。
- 車内放送で文化放送アナウンサーや当時西武の監督だった伊東勤からのメッセージのほか、西武と対戦相手の応援歌などを流していた時期もある。
- 2009年以降は当列車の特急券を購入すると、ライオンズファンクラブ会員にはファンクラブのポイントシステム「Lポイント」が付与される[7]。
- 2014年は4月の平日を除く全ての試合で運転された。
- 2015年は平日のオープン戦を除く全試合で運転。
- 2016年も2015年と同様だが土日のオープン戦開催日は復路のみの運転に変更となった。
電車フェスタ[編集]
池袋駅 - 武蔵丘車両検修場間を運転。毎年1回開催されている武蔵丘車両検修場の一般公開イベントに合わせて1往復運転される臨時特急。
- 2002年に初開催された同イベントが2004年に「西武・電車フェスタ ○○(開催年の西暦)in 武蔵丘車両検修場」と名称変更[8]したのと同時に運転を開始。
- 特急券の予約の際などでは臨時の「むさし」扱い。
- 2005年のみ西武新宿駅 - 武蔵丘車両検修場間でも運転された。
- 2011年は東日本大震災及び福島第一原発での事故による電力事情悪化の影響で運転されず、2012年以降は通勤形車両に切り替えられた。
- 下り列車の車内では立川真司や一時期はSUPER BELL''Zの野月貴弘らによるパフォーマンスが行われた。
むさし90号・小江戸92号[編集]
2019年に新宿線と池袋線を直通する臨時列車が運行された。
団体臨時列車[編集]
小さな旅
『水樹奈々 スマイルギャング』(文化放送制作)リスナー向け団体専用列車
メイドトレイン
- 2010年12月11日と2012年1月14日に池袋駅 - 西武秩父駅間を往復するツアーチケットを発売して運行された団体専用列車。車内にメイド喫茶に見立てた飾り付けがされた。
- 車内ではメイドによる車内販売・ドリンクサービスや車内放送、目的地の秩父ではミニ撮影会やビンゴゲーム大会などが実施された。
- 企画・運営はひたちなか海浜鉄道と鹿島臨海鉄道でも同様な形態の列車を運行した実績のあるBSビジュアル。
ラブライブ!サンシャイン!!×西武鉄道 プレミアムトレインツアー
- 2017年9月29日・30日と[9]、2018年6月9日・10日に[10]、それぞれ西武ドームで開催されたコンサートに合わせ、同作品のラッピング電車を用い、池袋駅 - 西武球場前駅間で運行。
- 車内では「ラブライバー(ラブライブ!シリーズのファンの総称)」向けに、Aqours声優による車内放送、特別グッズの配布などが実施された。
過去の列車[編集]
![]() | この節は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。2018年4月) ( |
こぶし[編集]
1969年 - 1973年に池袋駅 - 西武秩父駅間で運転。
- 休日前夜に池袋駅を発車し、西武秩父駅に到着した後乗客は朝まで車内で仮眠できるというハイキング客向けの夜行特急[11]。
- 本列車は休日早朝の西武秩父駅発「ちちぶ」の送り込みを兼ねていた。
おくちちぶ[編集]
「おくちちぶ[12]」の愛称は以下の2列車に用いられた。
- 1976年 - 1993年・2014年・2015年:秩父観光の多チャンネル化を計る目的で西武新宿駅 - 西武秩父駅間を直通する列車。
- 1993年 - 2003年3月12日:上述の新宿線直通特急廃止後に池袋駅 - 西武秩父駅間を土休日のみ運転する列車。停車駅パターンが「ちちぶ」と異なるために愛称で区別した。入間市駅を通過し、芦ヶ久保駅に停車していた。
- 「おくちちぶ」停車駅一覧
| ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
凡例
|
運行概況[編集]
登場当時は平日2往復・休日4往復で運転開始。その後ダイヤ改正によって増発をくり返し、現在に至る。2001年 - 2010年に7回実施されたダイヤ改正のうち、6回で増発および「むさし」の運転区間延長に伴う「ちちぶ」化が行われた。2018年3月10日改正より以下の形態で運転されている。
平日
- 下り 「ちちぶ」16本・「むさし」11本の計27本運転(池袋駅発車基準)。
- 6時 - 7時台:30分ヘッドで「ちちぶ」「むさし」が交互運転。
- 8時台 - 16時台:1時間ヘッドで毎時30分に「ちちぶ」のみ運転。
- 17時 - 21時台:30分ヘッドで0分発「むさし」・30分発「ちちぶ」が交互運転。
- 22時 - 0時台:30分ヘッドで「むさし」のみ運転。
- 上り 「ちちぶ」16本・「むさし」14本の計30本運転(池袋駅到着基準)。
- 6時台:「むさし」3本。
- 7時台:「ちちぶ」1本・「むさし」1本。
- 8時台:「むさし」1本。
- 9時台:「ちちぶ」2本・「むさし」1本。
- 10時 - 16時台:1時間ヘッドで「ちちぶ」のみ運転。
- 17時 - 22時台:30分ヘッドで「ちちぶ」「むさし」が交互運転。
- 23時台:「むさし」2本。
土休日
- 下り「ちちぶ」17本・「むさし」12本計29本運転(早朝の所沢駅始発1本を除き池袋駅発車基準)。
- 6時台:所沢駅始発の「ちちぶ」1本・池袋駅始発の「ちちぶ」1本。
- 7時台 - 8時台:30分発の「ちちぶ」のみ運転。
- 9時 - 10時台:00分発「むさし」・30分発「ちちぶ」を運転。
- 11時 - 14時台:30分発「ちちぶ」のみ運転。
- 15時 - 21時台:00分発「むさし」・30分発「ちちぶ」を運転。
- 22時 - 23時台:30分ヘッドで「むさし」のみ運転。
- 上り「ちちぶ」17本・「むさし」12本計29本運転(池袋駅到着基準)。
- 6時台 - 7時台:「むさし」3本。
- 8時台 - 9時台:「ちちぶ」4本。
- 10時台:「ちちぶ」1本・「むさし」1本。
- 11時 - 14時台:1時間ヘッドで「ちちぶ」のみ運転。
- 15時 - 22時台:30分ヘッドで「ちちぶ」「むさし」が交互運転。
現行列車の停車駅[編集]
| ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
凡例
備考 |
使用車両[編集]
- 001系「Laview」(2019年 - )
- 10000系「ニューレッドアロー」(1994年 - 2020年)
- 5000系「レッドアロー」(1969年 - 1995年)
沿革[編集]
![]() | この節は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。2018年4月) ( |
- 1969年(昭和44年):西武秩父線開業とともに西武鉄道初の特急形車両5000系電車により特急「ちちぶ」・「こぶし」が運転開始。「ちちぶ」は、当初は所沢駅(平日のみ)・飯能駅のみに停車。
- 1973年(昭和48年):「ちちぶ」が所沢駅に毎日停車になるとともに芦ヶ久保駅にも停車開始。池袋駅 - 所沢駅・飯能駅間の「むさし」運行開始。「こぶし」は廃止。
- 1976年(昭和51年):西武新宿駅 - 西武秩父駅間を直通する「おくちちぶ」と車両回送を兼ねて下り西武新宿駅 → 所沢駅間の「むさし」運転開始。池袋駅 - 飯能駅間の運転間隔を1時間ヘッドとする。
- 1980年(昭和55年):「おくちちぶ」送り込みを兼ねた上り所沢駅 → 西武新宿駅間の「むさし」運転開始。
- 1993年(平成5年):10000系を使用した「小江戸」運転開始に伴い、西武新宿駅発着の「おくちちぶ」・「むさし」を廃止。「ちちぶ」・「むさし」の入間市駅停車開始。「おくちちぶ」は土曜日・休日のみ運転の池袋駅 - 西武秩父駅間列車の愛称に変更。
- 1995年(平成7年):10000系による5000系の置換え完了。
- 1998年(平成10年):西武秩父線内の特急停車駅を芦ヶ久保駅から横瀬駅に変更。芦ヶ久保駅は行楽シーズンのみの臨時停車となる。
- 2003年(平成15年)3月12日:ダイヤ改正で、「おくちちぶ」を廃止。9月20日 - 9月27日に巾着田曼珠沙華開花に合わせた高麗駅の臨時停車を開始。以降、秋の臨時停車が恒常化する。
- 2004年(平成16年):武蔵丘車両検修場の一般公開イベント開催に伴い、臨時特急「電車フェスタ」を運転開始。
- 2007年(平成19年)3月7日:ダイヤ改正で、臨時特急「ドーム」運転開始。
- 2014年(平成26年)7月19日・20日:「秩父川瀬祭」の開催に伴い、列車名としては11年ぶりに、運転としては21年ぶりに西武新宿駅 - 西武秩父駅間に「おくちちぶ」を運転(ただし、停車駅は21年前と一部異なり、新宿線内は田無駅、東村山駅の両駅に停車と池袋線内は芦ヶ久保駅通過、入間市駅、横瀬駅の両駅に停車)。
- 2014年(平成26年)11月8日:西武トレインフェスティバル2014 in 横瀬の開催に伴い、本川越駅 - 西武秩父駅間に「ちちぶ」を片道のみ運転。なお、本川越駅からの池袋線直通特急は初めてである。
- 2015年(平成27年)4月18日・19日:秩父の芝桜の開花に伴い、西武新宿駅 - 西武秩父駅に「おくちちぶ」を運転(前回と違い田無駅は通過)。
- 2015年(平成27年)7月19日・20日:「秩父川瀬祭」の開催に伴い、西武新宿駅 - 西武秩父駅間に「おくちちぶ」を運転(前回と違い田無駅に停車)。
- 2015年(平成27年)11月7日:西武トレインフェスティバル2015 in 横瀬の開催に伴い、西武新宿駅 - 西武秩父駅間に「ちちぶ」を片道のみ運転(前回と違い田無駅は通過)。
- 2016年(平成28年)1月4日~2月28日:あしがくぼの氷柱開催に合わせ一部臨時停車。また、ライトアップ中は速度を落として運行[14]。
- 2017年(平成29年)2月19日:「第4回秩父ウイスキー祭」の開催に伴い本川越駅 → 西武秩父駅間に「ちちぶ」を片道のみ運転。
- 2019年(平成31年)3月16日:ダイヤ改正[15]。001系「Laview」の運行を開始。池袋 - 所沢間の所要時間を最速19分に短縮。
- 2020年(令和2年)
脚注[編集]
- ^ 秩父夜祭などの増発時や検査時には、通常は新宿線系統の運用を担当する南入曽車両基地所属車両を借受することがある。
- ^ 秩父夜祭の際には多数増発のため70番台も充てられる。
- ^ 運転開始はイベント開催の日程都合上ダイヤ改正後の同年3月24日。
- ^ 池袋駅 - 練馬駅間・練馬駅 - 所沢駅間のみの利用は不可。ただし券売機には練馬駅の口座が入っている。
- ^ 平日ナイター、土休日13時開始、14時開始、17時開始、18時開始
- ^ 2014年のオールスターゲーム当日は西武球場前行のみ2本運転予定だったがのちに池袋行も2本運転に変更
- ^ 2011年までのファン感謝のつどい実施日を除く。
- ^ 前2回は「西武・電車フェスタ 検修場まつり」
- ^ “「ラブライブ!サンシャイン!!×西武鉄道 プレミアムトレインツアー」を催行します!” (pdf) (プレスリリース), 西武鉄道, (2017年8月25日) 2017年9月5日閲覧。
- ^ 「ラブライブ!サンシャイン!!×西武鉄道プレミアムトレインツアー2018」を開催します! (PDF) - 西武鉄道ニュースリリース、2018年5月7日掲載。
- ^ 夜通し運転されているわけではないので、厳密には夜行列車とは言えない。
- ^ 元々「おくちちぶ」の愛称は1969年の西武秩父線開業時に設定されたハイキング急行(現在の快速急行の前身)「奥秩父」(漢字表記)が祖となる。後に停車駅設定の違いで「奥武蔵」も設定された。
※飯能駅以西で「奥秩父」が一部駅のみ停車、「奥武蔵」が各駅停車。 - ^ ただし券売機には練馬駅のコマがある。
- ^ 特急レッドアロー号の一部が芦ヶ久保駅に臨時停車します Archived 2016年2月25日, at the Wayback Machine.
- ^ 2019年3月16日(土)ダイヤ改正を実施します。
- ^ “土休日の特急列車の一部運休および「S-TRAIN」「拝島ライナー」の運休について”. 西武鉄道. 2020年4月26日閲覧。