ハサウェイ・ノア

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
検索に移動

ハサウェイ・ノア(Hathaway Noa, U.C.0080年以降 - 0105年)は、アニメ作品群『ガンダムシリーズ』のうち、宇宙世紀を舞台とした作品に登場する架空の人物。

機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』では主人公として登場する。

人物[編集]

ブライト・ノアミライ・ノアの長子。妹はチェーミン・ノア

第二次ネオ・ジオン抗争時にパイロットとして戦場へ出た経験を持ち、このとき13歳ながらニュータイプとしての素養や、MS操縦技術の才覚の片鱗を見せている。

劇中での活躍[編集]

グリプス戦役(『機動戦士Ζガンダム』)[編集]

7歳。宇宙世紀0087年、母ミライに連れられ妹チェーミンとともにホンコンへと渡り、そこにアウドムラで到着したアムロ・レイと出会う。しかしその直後、アウドムラを追ってホンコンに到着したベン・ウッダーに拉致され、アウドムラのクルーを脅迫するための人質とされてしまう。また、チェーミンと遊んでいる時に、フォウ・ムラサメと出会っている。

父ブライトが宇宙のアーガマに行っていて不在だったが、父ブライトの戦友でありホンコン滞在中であったアムロとハヤトカミーユの手で妹チェーミンと母ミライと共に救出される。

アムロは当時22歳だったが、アムロのことを「アムロおじさん」と呼んでいる。

妹のチェーミンと共にグライダーのおもちゃで遊ぶ普通の子供であった。

第二次ネオ・ジオン抗争(『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』)[編集]

13歳。宇宙世紀0093年、シャア・アズナブルの地球寒冷化作戦を受けて、ミライとチェーミンと共に宇宙に上がり、父親のブライトと合流しようとしたが、政府高官のアデナウアー・パラヤとその娘クェス・パラヤが政治特権を用いて割り込んだため、シャトルに乗れなくなってしまう。だが直前になってアデナウアーの愛人が同行を拒否したことから、アデナウアーは空いた一席をノア一家に譲ることにした。ミライは息子の成長を期してハサウェイをシャトルに乗せる。

宇宙に上がってブライトと再会した後は、クェスと行動を共にし好意を抱くようになる。しかしアムロ・レイとクェスと3人でロンデニオンをドライブしている際にシャアと遭遇し、シャアの言葉に惹かれたクェスはシャアのもとに走る。ハサウェイはクェスを追うため、ラー・カイラムに密航するが、ブライトに発覚して鉄拳による「修正」を受ける。アムロに引き止められても何としてもクェスを取り戻したいハサウェイは、そのためなら自分もMSで戦う覚悟はあると譲らず、乗艦を許されることになる。

戦闘が激化したため、艦内でほぼ軟禁状態にあったハサウェイだが、周囲への敵意に満ち、戦場での全ての生死を感じて苦しむクェスを強く感じ取る。ブライトの指示で遺書をしたため、ブリッジにいることを許されるが、クェスを感じていてもたってもいられないハサウェイは、ジェガンを強奪して無断出撃をする。α・アジールに取りつき、クェスを説得するも失敗。そこにハサウェイを追ってきたチェーン・アギの乗るリ・ガズィが現れる。チェーンに説得されてもクェスのもとを離れなかったため、α・アジールを目標にしてリ・ガズィが放った1発のグレネードから、クェスはハサウェイをかばう形で[注 1]直撃による戦死に至る。それを見てしまったハサウェイはクェスの死によって錯乱状態となり、逆上して味方であるはずのリ・ガズィを撃墜し、チェーンを殺害してしまう。

皮肉にも、ハサウェイがリ・ガズィを撃ち墜としたことによって、チェーンの思惟を吸収したサイコフレームのサンプルから大きな光が発散され、それをきっかけとしたかのように周辺空域の連邦軍88艦隊が洗脳され、アクシズ落下阻止のために集結し始める[注 2]。取り返しのつかない人の死を体験したハサウェイは、アクシズが巨大な光の虹の中で地球への軌道を変えていくのを、放心状態で泣きながら見送る。

小説『逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン』において
映画と同様にジェガンに搭乗し、戦場に飛び出すところまでは共通しているが、こちらではアムロを殺そうとしているクェスを目撃して放ったビームライフルの一射が偶然コクピットに直撃し、彼女を殺害してしまう。この後、ジェガンの無断搭乗の軍規違反で裁判にかけられるが、α・アジール撃墜の戦果と戦勝ムードが影響して無罪となり、一連の件は軍の公報にまで載せられている。なお、後述の『閃光のハサウェイ』の小説版へとつながる歴史となっている。
OVA『GUNDAM EVOLVE 5 RX-93 ν GUNDAM』において
クェスを止めようとジェガンで出撃し、α・アジールの前に立ち塞がるものの、説得を聞き入れないクェスにバルカン砲で撃たれ、大破したジェガンごと戦域外へ飛ばされてしまう。その様子を見てハサウェイが死んだと思い込んだクェスは錯乱してしまい、同じく説得にやってきたアムロも拒絶する。しかし、無事生存していたハサウェイは思念を通してクェスを優しく諭し、彼の生存に安堵したクェスはアムロとの戦闘をやめる。そして、α・アジールの武装を放棄してハサウェイを迎えに行くところで物語は締めくくられる。この短編は富野由悠季自身が、映画版にのっとる必要はないというコンセプトで書き下ろした脚本であり、チェーンが登場せずクェスも死亡しない。

第二次ネオ・ジオン抗争終結後(劇場アニメ『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』)[編集]

戦中、無断で機体を持ち出したハサウェイであったが、本人曰く「父に迷惑をかけた」ものの戦勝によるどさくさに紛れ、ギラ・ドーガに対する頭部バルカン砲による「1機撃墜」のスコアを残して不問とされている。

この後ハサウェイは、短いながらも軍役を経る[2]

漫画『機動戦士ガンダムUC 虹にのれなかった男』において
戦闘終結後、ロンド・ベル隊によって収容されたがクェスの死とチェーンを殺害したショックにより、ハサウェイはジェガンのコクピット内で立ち直れない状態となり、1か月経った後も何があったかを吐露できずにいたとブライトは回想している。当該漫画内では、収容したハサウェイの搭乗したジェガンは電装系が故障していたためにフライト・レコーダーが機能していなかったこととラー・カイラムのクルーの温情により、戦闘記録は残っていなかった。それゆえ、父親であるブライトや後述の連邦軍上層部の面々は、ハサウェイが戦場で無断搭乗したジェガンで何を行ったかは把握できずにいたのである。ブライトがシャアの反乱後に連邦軍上層部の査問会にかけられた際、MSの無断搭乗による軍規違反を犯したハサウェイと核を無断で持ち出したカムラン・ブルームは共に嫌疑をかけられることとなる。しかし、アクシズ・ショック真実の隠蔽工作にブライトが同意したことにより、両名の訴追は免れている。

マフティー動乱(『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』)[編集]

小説版では『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン』から連なる設定であり、シャアの反乱後に鬱病を患い治療したハサウェイが主人公として登場する。初恋の少女であったクェス・パラヤは、子供のようなあどけない瞳で「シャアの反乱」を見て、その感性を飽和させ戦場で死んでいった。同じく戦場に出撃していたハサウェイ・ノアは、シャアの反乱の終末で多くの人々が敵も味方もなく地球を守るため火に焼かれながら死んでいく魂の声を聞いていた。これらの経験がハサウェイに個人の人と組織の人の問題を学ばせ、シャア・アズナブルの経歴を学ばせるに至った。そして、シャアの唱えた思想がただひたすら「人類を産んだ地球を滅亡させてはならない。保全すべきだ」という一点にあることを知り、彼に共感するようになっていく。

シャアの反乱終結後、クェスを自らの手で殺めた罪に苦しむハサウェイは「植物監査官候補」として地球に降下することとなった。生まれ故郷である地球の環境と、不法居住者で恋人であるケリア・デースとの巡り合わせは、鬱病の治療には良い方向に働いていた。そんな中、植物観察官の実習のためにアマダ・マンサン教授が住むスラウェシ島を訪れた際、教授のもとを訪れていたクワック・サルヴァー(インチキ医者)と自称する人物から、マフティーの組織の存在とマンハンターの活動内容を教えられ、不法地球居住者をマンハンターの手で時には虐殺し、ある時には宇宙に強制的に送り出し、地球を特権階級のみで独占して汚染する連邦が、まだ1億の人間を移住させる気であることを知る。

ハサウェイは、どこかきな臭いことを考えているクワックのことを怪しげに思いながらも、現実が黙視できない状況にあり、またクワックの精悍さはパイロットとしての資質を刺激するには充分であったため、恋人のケリアと共にマフティーに参加。1年が経つ頃にはハサウェイは組織中枢の戦闘員となっており、組織の表向きのリーダーへと上り詰めていく。

宇宙世紀0105年、アデレードの地球連邦閣僚会議は、地球を一部の特権階級が私物化できる法案を可決しようとしていた。それを阻止すべくミノフスキークラフト搭載型モビルスーツ「Ξガンダム」を駆り、アデレードを襲撃する。しかし、その前に立ちふさがったのは、互いに友として認めあったケネス・スレッグ率いるキルケー部隊だった。持ち前の卓越したパイロット能力とΞガンダムの性能を最大限まで引き出し、ペーネロペーと互角以上に渡り合って追い詰めるが、地上へ設置されたビーム・バリアーまで誘導され、Ξガンダムは機能を停止してしまう。コクピット内のビーム・バリアーは発動したものの、全身火傷と打撲を負い、病院に収監されたハサウェイの目が覚めたのは、撃墜されてから4日後のことだった。そして、ブライトに代わって責任を負ったケネスの指揮により、マフティーとして銃殺刑による死刑執行を処された。死刑執行される際には、「地球を守る、健やかな精神」を未来の人類が持つことを信じ、その可能性に希望を託した。

搭乗機[編集]

担当声優[編集]

脚注[編集]

[脚注の使い方]

注釈[編集]

  1. ^ 『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』監督の富野由悠季は、映画公開時に刊行された『月刊ニュータイプ』の記事において、「クェスは、死ぬ間際には、ちゃんとハサウェイを救けようとするんです」と語っている[1]
  2. ^ アニメ版では敵である筈のネオ・ジオン軍も集結する。
  3. ^ 第18話でのクレジット。第27話での表記は花井康子。

出典[編集]

  1. ^ 『月刊ニュータイプ』1988年4月号、角川書店、15頁。
  2. ^ 『ニュータイプ伝説ぴあ』、びあ株式会社、p. 4
  3. ^ 映画『ガンダム 閃光のハサウェイ』ハサウェイ役の声優が判明”. 電撃オンライン. 2020年3月24日閲覧。

関連項目[編集]