バーンスー駅

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バーンスー駅(バーンスーえき、タイ語: สถานีรถไฟชุมทางบางซื่อ )は、タイの首都・バンコク都バーンスー区にある、タイ国有鉄道北本線バンコク・メトロ(地下鉄)の駅である。

タイ国有鉄道[編集]

バーンスー駅
BangSueJunction Thailand, from Station1.jpg
ชุมทางบางซื่อ
Bang Sue Junction
所在地 タイ王国の旗 タイ王国
バンコク都バーンスー区
駅番号 1007
所属事業者 タイ国有鉄道
等級 一等駅
電報略号 บซ.
駅構造 地上駅
開業年月日 1897年3月26日
乗入路線 2 路線
所属路線 北本線
東北本線
キロ程 7.47km(クルンテープ駅起点)
プラディパット (1.10km)
(3.54km) ニコムロッファイ11km
所属路線 南本線
キロ程 0km(バーンスー駅起点)
(2.90km) ソートーロー10.375km
乗換 バンコク・メトロ
バーンスー駅
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駅構造[編集]

地上駅であり、旅客ホームは地上に設けられている。

構内が広く、北本線関係部分が南方に、南本線関係部分が北方に互い違いに配置されており、出入り口はその中間点に位置する。北本線関係部分をバーンスー・ジャンクション1、南本線関係部分をバーンスー・ジャンクション2という名称で案内されることが多く[1]、管理・運用上もそれぞれに駅長が配置され、発券システムも原則としてそれぞれの路線にのみ対応したものとなっているため、事実上は別駅として扱われている。

主要路線[編集]

当駅で、タイ国鉄北本線から南線が分岐する。

南本線は、当初、チャオプラヤー川西岸のトンブリー駅を起点としていたが、東西で分断されていた国有鉄道路線の接続計画に基づき、1927年にチャオプラヤー川を渡るラーマ6世橋が建設され、当駅へ乗り入れた。同時に北本線クルンテープ駅から当駅までの区間の複線化も行われている[2]。その後の複線化については、北本線は1942年バーンパーチー駅まで[3]、南本線については1994年から2004年にかけて実施された改良工事でナコーンパトム駅まで[4]、それぞれ実施されている。

2000年代以降、バンコク都心部の踏切による交通渋滞の緩和のため、通勤通学時間帯を中心に普通列車の一部が当駅折返しとなり、クルンテープ駅まで乗入れる普通列車は削減されている。

操車場・貨物駅[編集]

タイ国有鉄道各線の貨物輸送の中継拠点として、旅客取扱い区域(プラットホーム)の北東方に隣接して大規模な操車場が設けられている。また、機関区も設置されている[5]。当機関区内は写真撮影が禁止されている。

第二次世界大戦中、バーンスー操車場は連合国軍による主要爆撃目標の一つとなり、構内の約8割が爆撃で破壊される被害を受けた[6][7]。戦後は復旧工事が行われて運用を再開し、その後も輸送量増大や新線建設計画を見越した構内の改良が行われている。

1960年には、クルンテープ駅の貨物取扱機能が当駅へ移転され、以来バンコクにおける貨物ターミナルの機能も果たしている[8]

当機関区区域は北バスターミナル(モーチット・マイ・バスターミナル)に隣接し、一時期は高速バス利用者の便宜を図って、バンスー駅とは別駅扱いで貨物駅構内にプラットホームを設置し、パホンヨーティン駅という旅客駅が開設されたこともあったが、バスターミナルからの徒歩移動の不便さや停車列車の少なさから利用者の不評を買い、定着しないまま旅客扱いは廃止された。現在も当時のプラットホームは残され、駅扱貨物の集積場所として利用されている。

貨物列車は、北本線・東北本線・南本線各方面のほか、チットラッダー王室駅 - マッカサン駅間短絡線を経由してバンコク港(メーナーム駅)・東線方面との間でも運行されている。

東線方面については、都心部北側をう回して東線クローンタン駅との間にバイパス線を建設する計画があるが、実現していない[9]

その他[編集]

付近では、1915年サイアム・セメント社バーンスー工場が操業を開始し、北本線沿線のバーンモーから原料の泥灰土の輸送が行われていた[10]。その後、セメント生産は東北本線沿線のケンコーイ等の原料産地に立地する工場が主力となり、バーンスー工場でのセメント生産・原料輸送は1985年に終了している[11]

将来的に、バンコクにおけるターミナルとしての機能をフアランポーン駅より当駅に移転させる予定となっており、現在その工事が行われている[12]。なお、この新ターミナルは2021年1月から供用開始予定で、地下階には1700台分の駐車スペースが設置され、1階は12面のホームと乗客のためのラウンジ、そして商業エリアで構成される[13]

隣の駅[編集]

北本線

クルンテープ駅 - (チットラッダー王室駅) - サムセン駅 - バーンスー駅 - バーンケン駅

南本線

バーンスー駅 - バーンソン駅 - バーンバムル駅 - タリンチャン駅

バンコク都市鉄道レッドライン建設計画[編集]

Bang Sue Grand under construction

バンコクの都市鉄道整備計画のうちレッドラインにおいては、バーンスー駅を起点に、北方へ向かうダークレッドライン(濃赤線)[14]と、西方へ向かうライトレッドライン(淡赤線)の2路線が計画されている。

このプロジェクトでは、タイ国鉄在来線の乗入れを可能とするものとし、当初の計画では以下のような内容となっていた[15]

  • 軌間は1,000mmとし、架線集電方式により電化する。
  • バーンスー - ランシット間に高架鉄道を建設し、6駅を設置する。この建設にあたっては、建設中断のまま残存しているホープウェル計画英語版[16]の北本線高架橋を改修して活用又は撤去。
  • バーンスー駅には、3階に都市鉄道のホーム(開業時の4面と、将来の8面分を含む)・2階に長距離列車のホーム(12面)を配置するターミナル施設、車両基地及び運転指令所等を建設。
  • 財源には、日本の円借款を使用。
ダークレッドライン

第1期区間としてバーンスー - ランシット間の建設が2014年に始まり、2016年三菱重工業日立製作所住友商事が軌道、架線、変電、信号、通信、車両他、土建を除くシステム建設一式を合計約1,120億円(約323.99億タイバーツ)で受注した。三菱重工は信号・通信・軌道・電力などのシステムの設計・調達を、日立製作所は車両の設計・製造を、住友商事は商務の取りまとめ及びシステム現地据付を担当する[17]。当初は2020年開通予定であったが、2018年12月時点では2021年開通予定となっている[18]

  • 駅は、バーンスー駅 - チャトチャック駅 - ワット・サミアンナーリー駅 - バーンケン駅 - トゥンソンホン駅 - ラクシー駅 - カンケーハ駅 - ドンムアン駅 - ラックホック(ランシット大学)駅 - ランシット駅の10駅。
ライトレッドライン

第1期区間のバーンスー - 南本線タリンチャン間が建設中[19]

バンコク・メトロ[編集]

バーンスー駅
1番線プラットホーム
1番線プラットホーム
บางซื่อ
Bang Sue
所在地 タイ王国の旗 タイ王国
バンコク都
チャトゥチャック区
駅番号  BL11 
所属事業者 バンコク・メトロ
所属路線 ブルーライン
駅構造 地下駅
ホーム 2面2線
開業年月日 2004年7月3日
乗換 タイ国有鉄道 バーンスー駅
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概要[編集]

2004年7月3日バンコク・メトロブルーライン(チャルーム・ラチャモンコン線)の開通により営業開始。

国鉄バーンスー駅とは地下の連絡通路を介して繋がっている(2番出口)が、連絡通路はやや距離があるため注意が必要。

当駅から先、タープラ駅まで延伸工事中が行われている。2017年8月11日に一駅先のタオプーン駅まで先行開業し、パープルラインと接続を開始。タオプーン駅より先は2020年3月開業予定とされている。

歴史[編集]

  • 2004年7月3日 【開業】ブルー・ライン線(フワランポーン駅 - バーンスー駅) (20.8km)
  • 2017年8月11日 【延伸】バーンスー駅 - タオプーン駅 (1.2km)

駅構造[編集]

相対式ホーム2面2線の地下駅である。

駅開業時は始発駅であり、永らく1番線のみ1面1線で営業を続けてきたがタオプーン駅までの延伸に伴い2番線が設置された。1、2番線共にフルスクリーンタイプ可動式ホーム柵を採用している。

駅階層[編集]

地面 出入口
地下1階 改札階 自動券売機自動改札口ATM
地下2階 相対式ホーム(ホームドアはフルスクリーンタイプ
2番線・下りブルーライン タオプーンゆき
1番線・上りブルーライン カムペーンペットスクムウィットフワランポーン方面
相対式ホーム(ホームドアはフルスクリーンタイプ)

脚注[編集]

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  1. ^ タイ語版「バーンスー・ジャンクション駅」(th:สถานีรถไฟชุมทางบางซื่อ)も参照。
  2. ^ 『王国の鉄路 タイ鉄道の歴史』p.77-p.80
  3. ^ 『王国の鉄路 タイ鉄道の歴史』p.201
  4. ^ 『王国の鉄路 タイ鉄道の歴史』p.294-p.295 なお、この改良工事では、北本線・東北本線のバーンパーチー駅以北への複線区間の延伸も併せて行われている。
  5. ^ 『鉄道ピクトリアル』1999年6月号(No.670)p.78 電気車研究会
  6. ^ 『王国の鉄路 タイ鉄道の歴史』p.165-p.166
  7. ^ バンコク空襲も参照。
  8. ^ 『王国の鉄路 タイ鉄道の歴史』p.226
  9. ^ 『王国の鉄路 タイ鉄道の歴史』p.147,p.256-p.257
  10. ^ 『王国の鉄路 タイ鉄道の歴史』p.134
  11. ^ 『王国の鉄路 タイ鉄道の歴史』p.244,p.275
  12. ^ “100周年を迎えるホアランポーン駅 タイ国鉄も転換期か”. GLOBAL NEWS ASIA. (2016年6月24日). http://www.globalnewsasia.com/article.php?id=3514&&country=2&&p=2 2016年6月28日閲覧。 
  13. ^ “タイ国鉄バンコク・バンスー中央駅は2021年1月オープン”. タイランドニュース (タイランドハイパーリンクス). (2018年11月23日). https://www.thaich.net/news/20181123bs.htm 2018年12月13日閲覧。 
  14. ^ 『王国の鉄路 タイ鉄道の歴史』p.324
  15. ^ タイ国有鉄道公式サイト掲載「CONSTRUCTION OF MASS TRANSIT SYSTEM PROJECT IN BANGKOK (RED LINE) (I)」による。
  16. ^ 『鉄道ジャーナル』2005年5月号(No.463)p.117 及び『王国の鉄路 タイ鉄道の歴史』p.317-p.319 : 香港の建設会社・ホープウェル社が提案したBOT方式による高速道路建設・タイ国鉄都心部高架化計画。1997年に免許取り消し・建設中断。
  17. ^ “バンコクレッドライン建設プロジェクト受注、三菱重工業・日立製作所・住友商事が共同で”. タイランドニュース (タイランドハイパーリンクス). (2016年3月30日). https://www.thaich.net/news/20160330z.htm 2018年12月13日閲覧。 
  18. ^ “SRTレッドラインの開通は2021年に延期”. タイランドニュース (タイランドハイパーリンクス). (2018年12月11日). https://www.thaich.net/news/20181211rd.htm 2018年12月13日閲覧。 
  19. ^ 『王国の鉄路 タイ鉄道の歴史』p.346

参考文献[編集]

  • 柿崎一郎 『王国の鉄路 タイ鉄道の歴史』 (京都大学学術出版会、2010年)ISBN 978-4-87698-848-8
  • 渡邉乙弘 『タイ国鉄4000キロの旅』 (文芸社、2013年)ISBN 978-4-286-13041-5

関連項目[編集]