パンアメリカン航空759便墜落事故

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パンアメリカン航空 759便
Boeing 727-235, Pan American World Airways - Pan Am AN0987418.jpg
同型機のボーイング727
出来事の概要
日付 1982年7月9日
概要 マイクロバースト
現場 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国ルイジアナ州 ケナー
乗客数 137
乗員数 8
負傷者数
(死者除く)
16
死者数 153
生存者数 0
機種 ボーイング727
運用者 パンアメリカン航空
機体記号 N4737
出発地 アメリカ合衆国の旗 マイアミ国際空港
経由地 アメリカ合衆国の旗 ニューオーリンズ国際空港
目的地 アメリカ合衆国の旗 マッカラン国際空港
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パンアメリカン航空759便墜落事故(Pan Am Air Flight 759)は、1982年7月9日アメリカルイジアナ州ニューオーリンズ近郊で発生したマイクロバーストにかかわるウィンドシアによる墜落事故である。乗員乗客145名全員と地上にいた8名の計153名が死亡した。

事故の概要[編集]

1982年7月9日、フロリダ州マイアミルイジアナ州ニューオーリンズ経由カリフォルニア州サンディエゴ行きのパンアメリカン航空759便は1967年製のボーイング727-235、機体番号N4737によって運行されていた。

しかし、ニューオーリンズを16時7分(アメリカ東部標準時)に離陸して高度95〜150フィート程度まで上昇した直後、機体が急速に下降し、高度が回復することもないまま、16時9分ごろにルイジアナ州ケナー近郊の住宅街にあった樹木に衝突して機体のバランスを崩し、さらに木々に衝突して機体のパーツを脱落させ、墜落した。

この事故で、759便に搭乗していた乗員8名および乗客137名全員と、地上にいて墜落に巻き込まれた8名が死亡し、同じく地上にいた16名が重傷を負った。墜落地点周辺の住宅が破壊され、火災も発生した。そのような中で事故に巻き込まれた乳児が、759便の機体の残骸により火災から守られる形となり生還するという事例もあった。

事故原因[編集]

事故後に行われた国家運輸安全委員会の調査の結果、墜落の原因はマイクロバーストにかかわるウィンドシアによるものと結論付けられた。759便が離陸する際、空港の北東方向に発達した積乱雲があり、激しい雷雨に見舞われていた。そのような状況の中で積乱雲の中を飛行した759便はウィンドシアに遭遇した。急激な向かい風の減少と毎秒7フィートの強烈な下降気流に見舞われたことが墜落の要因とされた。759便の機長は、この積乱雲の内部を飛行する際にマイクロバーストが発生する可能性を認識しており、離陸速度を通常以上に設定し、空調の電源を切ることでエンジンの推力を確保するなどの対策を取って飛行していたが、事故を防ぐことができなかった。

事故を受けた対策[編集]

この事故を契機に航空業界ではダウンバーストの危険性が認知されるようになり、ドップラー気象レーダーの設置などが行われるようになった。しかしこの事故の3年後の1985年8月2日には、ダラス・フォートワース国際空港に進入中のデルタ航空ロッキード L-1011 トライスターがダウンバーストに巻き込まれて墜落する事故(デルタ航空191便墜落事故)も発生している。

その他[編集]

機体が墜落したケナーの街にある教会にこの事故の慰霊碑がある。

関連文献[編集]

  • デイビッド ゲロー 『航空事故―人類は航空事故から何を学んできたか?』 清水保俊訳、イカロス出版、1997年5月。ISBN 4871490998。OCLC 674635502
  • 加藤寛一郎 『墜落 第六巻 風と雨の罠』 講談社、2001年7月。ISBN 406210606X。OCLC 675199697

関連項目[編集]