パーフェクトブルー

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パーフェクトブルー
PERFECT BLUE
監督 今敏
脚本 村井さだゆき
原作 竹内義和
『パーフェクト・ブルー 完全変態』(1991年)[注 1]
製作総指揮 鷲谷健
出演者 岩男潤子
松本梨香
辻親八
大倉正章
音楽 幾見雅博
撮影 白井久男
制作会社 マッドハウス
配給 レックスエンタテインメント
公開 カナダの旗 1997年7月 (ファンタジア)
日本の旗 1998年2月28日
上映時間 81分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
製作費 9000万円(音響制作費を除く)[1]
興行収入 アメリカ合衆国の旗 $541,756[2]
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パーフェクトブルー』(PERFECT BLUE)は、1997年日本アニメ映画。国内でのレイティングはR-15指定、その他ほとんどの国では18禁。


あらすじ[編集]

アイドルグループの「CHAM」に所属する霧越未麻(きりごえ みま)は突如グループ脱退を宣言し、女優への転身を計る。

未麻は事務所の方針に流されつつも、かつてのアイドルからの脱却を目指すと自分を納得させる。初出演のドラマはセリフが一言だけの端役から始まり、続いてレイプシーンを演じることとなる。さらにはヘアヌード写真集のオファーが来るなど、アイドル時代からは考えられなかったような仕事をこなしてゆく未麻。「CHAM」以来のファンたちは未麻の厳しい現状を嘆くが、彼女の女優生活は次第に軌道に乗り始める。

しかし、人気とは裏腹に未麻は現状への不満を募らせ、アイドル時代の自分の幻影さえ見るようになる。レイプシーンやヘアヌードは本当の自分の姿なのか。自分が望んだことなのか。そんな疑問を抱く中、インターネット上に未麻になりすました何者かが「未麻の部屋」と題するウェブサイトを開設する。その内容は虚実を織り交ぜつつも、まるで未麻本人が書いたかのように詳細を極めていた。未麻はストーカーに監視されていたのだった。「アイドルとしての未麻」が更新を続けるウェブサイトを見て、未麻は精神的に追い詰められる。また、未麻の事務所に手紙爆弾が送りつけられたり、関係者が次々と殺される事件が発生する。

二重人格を題材としたドラマ『ダブルバインド』の収録を終えた未麻は、打ち上げ会場でストーカーに出くわし、本物の未麻からメールを送られたと告げられる。ストーカーは目の前にいる未麻を偽物だとしてレイプして殺そうとするも、未麻の反撃を受けて気絶する。未麻が気絶から覚めると、目の前にはだれもおらず、後から来たマネージャーのルミによって車で送ってもらう。自室に戻ってきたと思った未麻だったが、窓から見える景色が異なることに気づく。振り向くと、アイドル時代の未麻の衣装を身にまとったルミが目の前に立っていた。

実は事件の背後にいたのはルミだった。未麻にアイドルだった頃の自分を重ね合わせていたルミは、未麻がアイドルの道からそれることが許せず、アイドルとしての未麻のイメージを汚す者たちに制裁を加えるため、未麻になりすまして内田を利用していた。未麻への偏執的な思い込みをこじらせた末、ルミはついには自分自身が未麻に成り代わらんとし、未麻を殺すべくアイスピックと傘を手に迫りくる。ルミの魔の手から必死で逃げる未麻。そして彼女を追うルミ。2人は逃走と追跡の末に街へと飛び出していく。しかし、もつれあった拍子にルミのウィッグが外れ、彼女はそれを拾おうとして割れたガラス窓の破片で腹部を突き刺してしまう。苦しみに耐えかねて車道に飛び出したルミにトラックが迫りくるが、トラックのライトをスポットライトだと思い込みルミは微動だにしようとしない。未麻はとっさに駆け出してルミをかばい、共に重傷を負って病院へと救急搬送される。

その後、無事退院した未麻は女優業を続けて成功を収めつつ、未だに自分を未麻と思い込んだまま入院しているルミを世話していた。

ルミへの見舞いの帰りに乗り込んだ車内、バックミラー越しの笑顔で「私は本物だよ」と未麻が囁くシーンで物語は幕を閉じる。

登場人物[編集]

主要人物[編集]

霧越未麻(きりごえ みま)
- 岩男潤子
本作の主人公。愛称はみまりん、みま姉など。山口県出身。ペットとして熱帯魚を飼っている。
元々は「CHAM」というアイドルグループの一員として2年間活動していたが、事務所の意向で女優へ路線転向する。しかし現状への不満やストーカーへの恐怖などから、精神的に追い詰められていく。
インターネットには疎く、ルミの指導を受けて自身のホームページを作成した。また、劇中に声のみだが母親(声 - 原亜弥)が登場しており親子仲は良い。
日高ルミ(ひだか るみ)
声 - 松本梨香
未麻のマネージャーで、元アイドル。昔は痩せていたが、今は見る影もなく肥満体となっている。未麻を陰ひなたに支え、女優への転身に反対している。
実は数々の事件の真犯人。芽が出ることのないままマネージャー業へと転身した過去から未麻にアイドル時代の自分自身を重ね合わせており、自身の描く未麻のイメージを壊した関係者たちに対して、アイスピックを用いて制裁を加えていた。その精神状態は病的な領域に達しており、自分自身が未麻だと思い込むまでになっている。謎のサイト「未麻の部屋」も彼女が未麻になりすまして運営していたものであり、サイトに入り浸っていた内田を利用して犯行を重ねていた。
終盤では狂気を発露させ、未麻に成り代わるべく彼女のアイドル時代の衣装を身にまとって未麻を襲撃するが、外れたウィッグに気を取られたために大怪我を負い、痛みに耐えかねて道路に飛び出して事故に遭った末に病院送りとなった。その後は廃人同然と化し、未麻の世話を受けつつ、自身を未麻と思い込んだまま病院暮らしをしている。
田所(たどころ)
声 - 辻親八
未麻の所属事務所社長。未麻を積極的に女優として売り出していく。少々強引な営業でルミと何度か口論するが、根は悪人ではない。
女優への転身という方針を打ち出したことがきっかけで、ファンレターに仕掛けられた爆薬で手に怪我を負わせられる。その後も怪我を負いながら未麻の売り込みとサポートを続けていた。
しかし、ドラマに続いてビデオ映画の主演においても未麻にサービスカットがあることを知ったルミの怒りを買い、殺害された。
内田守(うちだ まもる)
声 - 大倉正章
コンサート会場の警備アルバイトを務めている男性。未麻に異常なほど執着している。劇中では最後まで名前が明かされなかった。
数々の事件の犯人と未麻に疑われ、未麻に問い詰められた際にも自身が犯人であるかのようにほのめかしていた。しかし、実際はルミに利用されていただけだった。
劇中終盤に未麻を襲撃し、レイプしようとしたが、彼女の反撃に合い気絶する。その後は用無しとしてルミによって始末された。

その他の人物[編集]

手嶋(てじま)
声 - 秋元羊介
サイコスリラードラマ『ダブル・バインド』を制作している放送局・KTBのプロデューサー
渋谷貴雄(しぶや たかお)
声 - 塩屋翼
人気脚本家。未麻が出演するテレビドラマ『ダブル・バインド』の脚本を手がける。
未麻に汚れ役を与えたため、エレベーター内でルミにメッタ刺しされ殺害された。
桜木健一(さくらぎ けんいち)
声 - 堀秀行
『ダブル・バインド』の主演俳優。刑事の山城(やましろ)役を務める。
落合恵理(おちあい えり)
声 - 篠原恵美
『ダブル・バインド』の主演俳優。主人公・麻宮曈子(あさみや とうこ)役を務める。
大量のファンレターが局に届くほどの人気女優で、共演したことをきっかけに未麻にとっての目標像にもなっていく。
村野(むらの)
声 - 江原正士
脱がせ専門」と噂されている斜視のカメラマン。
未麻のヘアヌード撮影を担当したために、ピザ屋に扮装したルミによってメッタ刺しにされ殺害された。
監督、AD
声 - 梁田清之(監督)、津久井教生(AD)
『ダブル・バインド』のスタッフ陣。
矢田(やだ)
声 - 古澤徹
未麻の所属事務所の男性スタッフで、ポニーテールが特徴。未麻の抜けた新生「CHAM」のマネージャーも務めていた。
雪子(ゆきこ)、レイ
声 - 古川恵実子(雪子)、新山志保(レイ)
未麻と共にアイドルグループ「CHAM」を組んでおり、未麻卒業後も二人で「CHAM」を続けていた。
オリコンチャート入りやラジオで冠番組を持つ等、三人で活動していた時期よりも格段に人気が出始める。
土居正(どい ただし)
声 - 陶山章央
冒頭、未麻の「CHAM」卒業ライブを妨害した不良チームのリーダー。内田の乗ったトラックに轢かれ、重傷を負う。
内田とは逆にスタッフロールでは役名は出てこないが、劇中の新聞記事に「土居 正」という名前が出てくる。
電脳戦士パワートロン
声 - 遠近孝一(レッドトロン)、保志総一朗(グリーン)、谷山紀章(ブルー)
冒頭、ヒーローショーを行っていた戦隊ヒーロー。物語はネットワークを題材にしている。
タク
声 - 三木眞一郎
「CHAM」のファンの一人。
サラリーマン
声 - 細井治
子供
声 - 田野恵本井英美
レポーター
声 - 南かおり北野誠
司会者
声 - ショッカーO野

制作[編集]

当時アニメーションとしては新しいジャンルであったサイコホラーに挑んだ、今敏の初監督作品[3]

当初はOVA(オリジナルビデオアニメ)企画としてスタートしたが、1995年の阪神淡路大震災によってプロダクションスタジオが被害を受け、完成間近に急遽、より予算をかけずに済む劇場映画としてリリースされることになった[3]。配給会社のレックスエンタテインメントは会社として国際的なビジネス展開を目指していたため、積極的に海外販売することになり、日本公開よりも先に海外映画祭に出品された[3]。また今がすでに世界的に高い評価を受けていた大友克洋の映画作品に脚本・美術設定・レイアウトとして参加して信頼を受けていたことで大友の名が海外展開のスペシャルスーパーバイザーとしてクレジットされたこともあり、本作は世界中の映画祭で上映されることとなった[3]。その結果、様々な賞を受賞するなど高い評価を受け、世界21ヶ国での販売ライセンスを獲得した[3]。 その成功で、本作は今のデビュー作にして出世作となった[4]

竹内義和『パーフェクト・ブルー 完全変態』を原案[注 2]としているが、内容は大幅に異なる。その後、2002年に原作に忠実な実写映画『PERFECT BLUE 夢なら醒めて……』(サトウトシキ監督)が制作された[注 3][5]

本作の劇中劇として作られた「ダブルバインド」はニッポン放送でラジオドラマ化され、ドラマCDとして発売された。

テーマ・モチーフ[編集]

未麻はマッキントッシュ・パフォーマを通じてインターネットにアクセスしている[6]

今自身は原作を読んだことがなく、原作に忠実なラフプロットを読んだだけである[注 4]。今と脚本の村井さだゆきは、原作小説をそのまま映像化しても面白くないと考え、原作者である竹内の許可を得たうえで、大幅な改変を行うことにした。竹内からも「アイドル」「ホラー」「熱烈なアイドルのファン」を出せば監督の好きなように変えていいと言われたという[8][9]。今は漫画用にためていたアイデアを付与することにし、「周囲の人間にとって今の私より『私らしい存在』がインターネット上に生み出されている」というアイデアを見つけ出し、「『今の私』と『過去の私』」という対立構図ができることに気づき、「アイドルが、イメージチェンジを許せないファンに襲われる」というラフプロットの内容を、「アイドルが、急激な環境変化やストーカーに狙われる中で、内面から崩壊していく」という見方に変えることにした[9]

今は制作にあたり、『セブン』をはじめとするサイコホラーを意識しており、これらの作品が「犯人がいかに狂った人間か」に重きを置いていたことから、その裏をかいて「ストーカーに狙われる中で、いかに主人公の内面が崩壊するか」に重きを置いた[8]。ただし、劇中劇『ダブルバインド』は、ハリウッドの流行にすぐに便乗する日本のテレビドラマ業界への批判を込め、率直にサイコホラーのパロディのような内容にした[8]。また、今はもともと「境界があいまいになる」というモチーフに興味を抱いており、本作へ「夢と現実の交錯」というテーマを新たに加えた。また、そのモチーフの表現として「犯罪に走る極端なオタク」を登場させた[8]。監督による解釈では、最後に主人公がミラー越しにセリフを言うのは、すべてが嘘だったからではなく、人生とは苦難を乗り越えれば完全に成長できるという単純なものではなく、何度も同じことを繰り返して成長するものであり、正面から捉えてしまって確定してしまうことを避けるという意図があるという。ただ、どんな解釈があってもいいとも語っている[10]

アニメハックの五所光太郎は、『千年女優』などに参加したアニメーター平尾隆之とのインタビューの中で、主人公・未麻のファンサイト等の制作にマッキントッシュが使われていたことを指摘している[11]。平尾は、今が早い段階からデジタルに期待を寄せていて、それに精通していた人を好んでいたと話しており、「おそらく今さんは、マッキントッシュやフォトショップをアニメづくりに持ち込むことで、自分のイメージに近い絵づくりができそうだと思われていたんだと思います。」と推測している[11]。 製作当時は「世紀末」という言葉が横行した時代であり、ストーカーインターネットをいち早く取り入れ、「本当の自分」について現代的な視点で捉えた作品でもある。

美術・演出[編集]

本作では予算上の都合からCGを導入できなかった一方、ホワイトアウトが意図的に多用された[8]。ホワイトアウトの多用した目的は、主人公・未麻の心理的な混乱に加え、「未麻とアイドルとしての未麻(今らはヴァーチャル・未麻と呼んでいた)」「アイドルとそのファン」「タレントと裏方のスタッフ」という対比を表現するためである[8]

本作ではショッキングな演出も含まれており、今は過去のインタビューの中で「執拗にすると暴力描写自体が目的になりかねず、あれ以下に抑えると、それらのシーンが表現すべき『感情』が弱まる気がした」と暴力表現の調整の難しさについて述べている[9]

未麻の部屋は彼女の精神状態を示すためのアイテムの一つとして用いられ、五味彬の『YELLOWS PRIVACY '94』やインテリアの写真集などを基に構築された。また、登場人物の設定上必要な場所への取材も行われ、その中には村井が当時参加していた『木曜の怪談・怪奇倶楽部』の収録現場や水野あおいのステージなども含まれている[12]。アイドルグループのダンスは実際にプロダンサーが踊ったものをビデオ撮影しロトスコープしたものが使用された。

演技・キャスティング[編集]

今は作画の時点で未麻の演技のイメージが定まっていた一方、声質についてのイメージがなかったことから、未麻役の選出には苦労したと自身のブログの中で振り返っている[13]。オーディションの参加者の中には、エンディングテーマを歌う予定の川満美砂がおり、今は未麻のイメージに合っているとは感じていたものの、素人に頼むのは不安だったことから、候補から外された[13]。最終候補として矢島晶子岩男潤子が残ったが、矢島はルミ役でもいける可能性があったことから、未麻役には岩男が選ばれた[13]。電話で親と方言で話すシーンは岩男は出身地である大分弁で話す。

他の登場人物の選出は三間雅文が中心となって行い、ルミ役にはオーディションで松本梨香が選ばれた[13]。作品完成後、松本は今に「ルミ役は絶対私しかいないと思ってくれていた」と話している[13]

男性の登場人物の選出は声優のプロモーションテープによる判断で行われたが、独特のキャラクター性を持つ田所の役や、終盤までセリフがない上に「体格の割に声が甲高い」という設定の内田役の選出には時間を要した[13]。最終的にはプロデューサーの判断により、田所役には辻親八が、内田役には大倉正章がそれぞれ起用された[13]

また、制作状況の悪化により、フィルムがすべてそろわない状態で収録せざるを得ず、細かな演出上の指示を出すことができなかった[9]

スタッフ[編集]

主題歌[編集]

エンディングテーマ
『season』(歌:M-VOICE/作詞:小竹正人/作曲・編曲:PIPELINE PROJECT)
挿入歌
『愛の天使』(歌:MISA・古川恵実子・清水美恵/作詞:今井希子/作曲・編曲:幾見雅博)
『一人でも平気』(歌:古川恵実子・清水美恵/作詞:六ッ見純代/作曲:三井誠/編曲:幾見雅博)
『想い出に抱かれて今は』(歌:MISA/作詞・作曲:This Time/編曲:幾見雅博)

出版物[編集]

書籍[編集]

  • 『パーフェクト・ブルー 完全変態』[注 1]竹内義和 メタモル出版 1991年3月 ISBN 4895950220
  • 『アナザー・サイド・オブ・パーフェクトブルー「ロンドは終わらない」』 ぶんか社 1998年5月 

映像[編集]

DVD
  • 『PERFECT BLUE』パイオニアLDC 1998年12月22日 ASIN B00005FXE7
  • 『PERFECT BLUE』ジェネオン エンタテインメント 2003年12月21日 ASIN B0000V4O38
  • 『パーフェクトブルー』【通常版】ジェネオン エンタテインメント 2008年2月29日 ASIN B0011FNDTI
  • 『パーフェクトブルー』【初回限定版】ジェネオン エンタテインメント 2008年2月29日 ASIN B0011FNDT8
Blu-ray
  • 『パーフェクトブルー』【通常版】ジェネオン エンタテインメント 2008年2月29日 ASIN B0011FNDV6
  • 『パーフェクトブルー』【初回限定版】ジェネオン エンタテインメント 2008年2月29日 ASIN B0011FNDUM

評価[編集]

本作は、各国の映画祭において好評を得、カナダのファンタジア国際映画祭およびポルト国際映画祭では賞を得たほか、劇場公開されたアメリカ合衆国の批評家からも好評を得た[14]

Rotten Tomatoesでの評価は75%で、「過剰なまでに型にはまりすぎているが、視覚演出と核となるミステリーの部分は常に心を惹きつける」("Perfect Blue is overstylized, but its core mystery is always compelling, as are the visual theatrics.")という総評が寄せられた[15]

その一方で、批評家の間では賛否両論が寄せられたほか、アニメにありがちな、無意味な暴力および性的描写ともむすびつけられることもあった。

今はこの批評に対し、アニメーターとして誇りであるとし、本作がよりアニメとして面白いものになったと述べている[4]

雑誌タイムは、名作アニメトップ5のうちの一つに本作を含め[16]、今がファンであると公言しているテリー・ギリアム[17]も名作アニメ50選の一つに本作を挙げた[18]。イギリスのトータル・フィルムの名作アニメ映画ランキングでは25位にランクインした[19]ほか、 Entertainment Weeklyの1991年から2011年の映画を対象にした"50 Best Movies You've Never Seen"にも加えられた[20]

Anime News Networkのティム・ヘンダーソンは本作を「強迫観念的なまでに初期のインターネット文化に集中したエフェクト」を持つ、「ダークで洗練されたサイコスリラー」と評し、タレントのファン層がたった10年でいかに進化したのかを思い知らされたと述べている[21]

影響[編集]

映画監督のダーレン・アロノフスキーには『パーフェクトブルー』の実写化権を購入したという噂があり、今自身がアロノフスキーとの対談で尋ねたところ、買おうとしたものの条件が合わなかったので購入には至らなかったとアロノフスキー自身は否定している[22]。その際、アロノフスキーの映画『レクイエム・フォー・ドリーム』には「パーフェクトブルー」に影響されたシーンやまるごと真似たとおぼしきカットがかなりあることについて今が尋ねると、それはオマージュだとアロノフスキー本人が認めた[22][注 5]。また『パーフェクトブルー』を実写化したいとも語っている[22][24]。映画『ブラック・スワン』も本作との類似性が指摘されているが、こちらは否定している[25]

受賞歴[編集]

  • FANT-ASIA'97 PUBLIC PRIZE THE BEST (グランプリ)受賞
  • ファンタスボルト'98 ベストアニメーション受賞

関連項目[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ a b その後、1995年に『夢なら醒めて… : 美少女アイドルホラー』、1998年に『パーフェクトブルー1998』、2002年に『PERFECT BLUE―夢なら醒めて』として改題・改訂されたものが出版された。
  2. ^ a b 映画公開にあわせ、「パーフェクトブルー1998」のタイトルで再版された。
  3. ^ 同年、映画と同じタイトルで小説も再販された。
  4. ^ 読もうと思っても当時は原作が発売されていなかった(絶版状態)からだとも語っている[7]
  5. ^ 例えばジェニファー・コネリー演じる映画の登場人物のマリオンが浴槽に顔を沈めて水中で叫ぶ場面は、本作でアイドルユニットを卒業した主人公が、望まぬ仕事が続き、浴槽の湯船のなかで叫ぶシーンと符合しており、どちらも「本意ではないことを続けているが、いまさら後戻りは出来ない」という精神的に追い詰められた気持ちを水中に向けて放っている[23]

出典[編集]

  1. ^ パーフェクトブルー戦記1 発端”. 2018年9月30日閲覧。
  2. ^ Perfect Blue (1999)”. Box Office Mojo. 2016年7月4日閲覧。
  3. ^ a b c d e サイコホラーアニメ『PERFECT BLUE』を世界のアニメファンが観られたのは、“海外セールス素人”のおかげ!?”. BANGER!!!. ジュピターエンタテインメント株式会社 (2019年2月6日). 2021年7月24日閲覧。
  4. ^ a b Brown, Steven (September 2008). Cinema Anime - "Excuse Me, Who Are You?": Performance, the Gaze, and the Female in the Works of Kon Satoshi by Susan Napier. Palgrave Macmillan. pp. 23–43. ISBN 978-0-230-60621-0 
  5. ^ 夢なら醒めて…”. Japanese Cinema Database. 2010年8月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年10月18日閲覧。
  6. ^ 川原瑞丸 (2021年9月4日). “虚構と現実が入り乱れる今敏作品【川原瑞丸のCINEMONOLOGUE Vol.61】|CINEMORE(シネモア)”. CINEMORE. 太陽企画. 2021年9月11日閲覧。
  7. ^ パーフェクトブルー講座 第一夜。
  8. ^ a b c d e f 1998年3月 フランスから「パーフェクトブルー」に関するインタビュー”. 2018年9月30日閲覧。
  9. ^ a b c d 1998年2月 アメリカから「パーフェクトブルー」に関するインタビュー”. 2018年9月30日閲覧。
  10. ^ パーフェクトブルー講座 第三夜。
  11. ^ a b 平尾隆之 (2020年8月24日). 今敏監督をしのんで 平尾隆之監督が今監督に教わったこと. インタビュアー:五所光太郎. アニメハック.. https://anime.eiga.com/news/111747/ 2021年9月11日閲覧。 
  12. ^ パーフェクトブルー戦記4 神は細部に宿るか”. 2018年9月30日閲覧。
  13. ^ a b c d e f g パーフェクトブルー戦記12 あなた、誰なの?”. 2018年9月30日閲覧。
  14. ^ Perfect Blue”. Animerica (2000年4月7日). 2004年6月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年7月24日閲覧。
  15. ^ [1]
  16. ^ 5 Top Anime Movies on DVD” (英語). TIME (2005年7月31日). 2021年7月24日閲覧。
  17. ^ Interview 03”. KON'S TONE. 今敏. 2007年10月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年7月24日閲覧。
  18. ^ Time Out's 50 Greatest Animated Films – Part 3 with Time Out Film - Time Out London”. Timeout.com. 2009年10月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年1月4日閲覧。
  19. ^ Kinnear, Simon. “50 Greatest Animated Movies”. TotalFilm.com. 2013年1月4日閲覧。
  20. ^ 50 Best Movies You've Never Seen”. Entertainment Weekly's (2012年7月16日). 2012年7月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年8月2日閲覧。
  21. ^ Tim Henderson, Perfect Blue Review, August 12, 2010. Retrieved December 28, 2016.
  22. ^ a b c VSダーレン”. KON'S TONE. 今敏 (2001年1月23日). 2021年7月24日閲覧。
  23. ^ のざわよしのり (2020年10月4日). “没後10年、世界中のクリエイターに影響を与えた今敏監督の功績 未発表作はどう決着する?”. リアルサウンド. https://realsound.jp/movie/2020/10/post-629589.html 2021年7月24日閲覧。 
  24. ^ 小原篤 (2020年10月4日). “デンデンデラデラ”. アニマゲ丼 (朝日新聞). http://www.asahi.com/showbiz/column/animagedon/TKY201106120088.html 2021年7月24日閲覧。 
  25. ^ Monday Movie Trivia: Aronofsky bought Perfect Blue rights” (英語). Flixist (2011年10月31日). 2013年1月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年7月24日閲覧。