ビジネススクール

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ビジネススクール: Business School)とは、国際的には経営学および関連した科目を教える学部から大学院レベルの高等教育機関を指す。日本においては修士 (経営学)や経営管理修士 (専門職)などの学位を授与する大学院の修士課程や専門職学位課程を指す場合が多いが、欧米社会におけるビジネススクールとは、学部教育、大学院教育、ノンディグリー教育で構成される。

ただし、日本においては学校教育法で定める学校ではない教育機関でも「ビジネススクール」という名称が使われてきた歴史がある。たとえば、ビジネスパーソン向けの各種の実務セミナーや、学位でも国家資格でもなく、受講者自身の業務成果の獲得を目的としているもの、資格取得やスキルアップ・キャリアアップのためのスクールなどがある。各種講座やセミナーなどとして主宰しているものなどもある。

この様にどこまでがビジネススクールなのか?という問いに対する答えは国ごとの教育機関の基準の違いに依存してしまうので、いわゆるビジネススクールとしての教育と研究の基準を満たしているかを審査する、国際認証と国際ランキングが存在している。

フィナンシャル・タイムズ」、「eduniversal」、「エコノミスト」、 「Quacquarelli Symonds (QS)」、「ビジネスウィーク」、「USニューズ&ワールド・レポート」、「フォーチュン」、「ウォールストリート・ジャーナル」、などの有名なビジネス雑誌がそれぞれ独自に、ビジネススクールのMBAプログラムの世界ランキングを定期的に公表している。

歴史[編集]

世界最古のビジネススクールは1819年に設立されたESCP EUROPEであり、フランスパリ市に置かれたグランゼコールの一つである[1][2][3]。現在では、ベルリン、ロンドン、マドリード、パリ、トロント、ワルシャワにキャンパスがある[4]

米国においては、1881年に設立されたペンシルベニア大学ウォートン・スクールが米国初のビジネススクールである[5]

日本最初期のビジネススクールとしては、明治時代の1875年に森有礼渋沢栄一益田孝らにより設立された商法講習所(現一橋大学)や、1978年に兵庫県福沢諭吉により設立された神戸商業講習所(現兵庫県立神戸商業高等学校[6][7]森下岩楠岩崎弥太郎により1878年に設立された三菱商業学校明治義塾[要出典]、1880年に五代友厚らにより設立された大阪商業講習所(現大阪市立大学)、1882年に設立された横浜商法学校(現横浜市立大学[6]などがある。

付与される学位[編集]

以下の学位が一般的である。

  • 準学士(アソシエイト): Associate of Arts(AA)、 AAB、 ABA、 AS
  • 学士: Bachelor of Artsリベラルアーツ)、 Bachelor of Science、 Bachelor of Business、 Bachelor of Commerce、 Bachelor of Business Administration、 Bachelor of Accountancy、 BABA、 BBS、 BMOS、 Bachelor of Business Science
  • 修士: Master of Business Administration(経営学修士/MBA)、 Masters in Business and Management(MBM)、 Master of Management、 Master of Accountancy(会計学修士)、 Master of Marketing Research、 Master of Information Systems Management、 Master of Science in Management、 Master of Health Administration(保健学修士)、 Master of Science in Finance(ファイナンス科学修士)、 MSc、 Master of Science in Taxation、 Masters in Management Studies、 EMBA 、 Master of Commerce
  • 博士: Ph.D.、 Doctor of Business Administration、 Doctor of Health Administration、 Doctor of Management、 Doctor of Commerce (DCOM)、 PhD in Management or Business Doctorate (Doctor of Philosophy)、 Doctor of Professional Studies (DPS)

ビジネススクール認定機関[編集]

複数の認証を受けている学校の数

ビジネススクールのアクレディテーション機関(評価・認定する機関)としては、米国においては Association to Advance Collegiate Schools of Business(AACSB)であり、欧州ではAssociation of MBAs(AMBA)およびEFMD(European Foundation for Management Development)が発行する欧州品質改善システム(EQUIS)がある。

日本国内で認証を受けた学校は、2019年6月現在では慶應義塾大学(東京)(AACSBEQUIS)、早稲田大学(東京)(EQUIS)、明治大学(EPAS)、立命館アジア太平洋大学(AACSB)、国際大学(AACSB)と名古屋商科大学(東京・愛知・大阪)(AACSBAMBA)。

各国の一覧[編集]

アジア[編集]

中国[編集]

中国ではMBAが過剰なまでに注目されており、現在MBA取得者が200万人も居ると言われている。[8]

日本[編集]

日本国内では、慶應義塾大学が1978年に経営学修士コースとして社会人向けに2年制の修士課程を設けたものが最古である。今日では、社会人を対象とした経営学修士プログラムは、オンサイト型、完全遠隔型などがある。また内容にも種々のものが見られ、数理ファイナンスに特化した早稲田大学ファイナンス専修や、英語のみで授業を行うMScなどが存在する。また通学の便宜を図るため、従来のフルタイム型以外に、土日あるいは平日夜間を利用したパートタイム型のカリキュラムを開講する大学院が多い。受講生も文理問わず社会人の入学が多く、ビジネス街の中心部にサテライト教室を設ける大学院も多い。

  • 日本で取得できる海外のMBA
    • アナハイム大学(アメリカの大学院としてCHEAの認証取得。日本の大学院設置基準外で文科省による修士の学位としては認められない)
    • ウェールズ大学経営大学院 英国(QAA(w:Quality Assurance Agency for Higher Education)認証取得(QAAとNIAD-UE(大学評価・学位授与機構)は2007年2月より提携。日本の大学院設置基準外で文科省による修士の学位としては認められない)日本での運営はHABS(ヒューマンアカデミービジネススクール)。
    • テンプル大学(AACSB)認証取得。2005年2月に文科省より「外国大学の日本校」として指定を受ける)
    • マギル大学 MBA Japanプログラム(2015年4月に文科省より「外国大学の日本校」として指定を受ける)
    • マサチューセッツ大学(AACSB認証取得。日本の大学院設置基準外で文科省による修士の学位としては認められない)
    • ミドルセックス大学経営大学院 英国(EQUIS)認証取得。日本の大学院設置基準外で文科省による修士の学位としては認められない)
    • ポンゼショセ大学国際経営大学院日本キャンパス(ENPC MBA-Tokyo、日本の大学院設置基準外で文科省による修士の学位としては認められない)
    • ボンド大学経営大学院(Bond-BBT MBA-Tokyo、AACSB・EQUIS認証取得。日本の大学院設置基準外で文科省による修士の学位としては認められない)
    • その他殆どすべてのオンライン大学院(各国政府認定のオンライン大学院で国籍を問う学l校は少数派である。日本の大学院設置基準外で文科省による修士の学位ないし専門職学位としては認められない)

(五十音順)

香港[編集]

アフリカ[編集]

オセアニア[編集]

オーストラリア[編集]

  • Australian Graduate School of Management
  • Bond University
  • Curtin University of Technology
  • Queensland University of Technology
  • The University of Queensland
  • The University of Sydney
  • University of Technology, Sydney
  • James Cook University, Brisbane

南米[編集]

アルゼンチン[編集]

北米[編集]

アメリカ合衆国[編集]

アメリカでは現在、500を越す大学・教育機関がMBA課程を設置している。アイビーリーグ8校のうち、ブラウン大学プリンストン大学はMBA課程を持たない。MBAは学校によって特色があり一概にどの学校がトップであるかとは判断しにくいが、複数のマスコミから毎年ランキングが発表されており、そのランキングは就職率や初任給の多寡、また生徒や実業界からの評価により変動している。

アメリカの主なMBAプログラム

カナダ[編集]

ヨーロッパ[編集]

HEC経営大学院(フランス)、ロンドン・ビジネス・スクール(イギリス)、IMD(スイス)、IESE ビジネススクール(スペイン)など、各国に有力なビジネススクールがある。また、近年ではオックスフォード大学ケンブリッジ大学ダラム大学などイングランドの古典総合大学にもビジネススクールが併設され、高い評価を得ている[12]

イギリス[編集]

イタリア[編集]

  • SDA ボッコーニ(SDA Bocconi School of Management):ミラノ

オランダ[編集]

スイス[編集]

スウェーデン[編集]

スペイン[編集]

ドイツ[編集]

フランス[編集]

HEC経営大学院はグランゼコールのひとつ

[20][21]

ベルギー[編集]

  • ブリュッセル大学『ソルベービジネススクール』

ロシア[編集]

脚注[編集]

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  1. ^ “Andreas Kaplan: European Management and European Business Schools: Insights from the History of Business Schools,”. European Management Journal. (2014). doi:10.1016/j.emj.2014.03.006. 
  2. ^ Focus On - Generation Europe Foundation - Career Guidance (page 5)”. 2013年5月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年12月1日閲覧。
  3. ^ Business Schools and business programs - Graduate International”. 2015年12月1日閲覧。
  4. ^ ESCP EUROPE - Torino”. TopUniversities. 2015年11月9日閲覧。
  5. ^ Wharton History”. The Wharton School of the University of Pennsylvania. 2012年6月3日閲覧。
  6. ^ a b 浅田毅衛「明治期における商業教育史の回顧-明治大学商学部創立の歴史的背景」明治大学史紀要
  7. ^ 「HUBの歴史」一橋大学大学院経営管理研究科系管理プログラム
  8. ^ http://www.atmarkit.co.jp/im/cpm/serial/offshorecolumn/02/02.html
  9. ^ [1]アーカイブされたコピー”. 2008年10月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年10月7日閲覧。[2]
  10. ^ 平成25年度以降募集停止。
  11. ^ 慶應義塾大学・京都大学・神戸大学によるMBA連携について (PDF)
  12. ^ European Business School Rankings 2009 Financial Times
  13. ^ http://www.london.edu/ London Business School
  14. ^ http://wwwf.imperial.ac.uk/business-school/
  15. ^ http://www.sbs.ox.ac.uk/ Said Business School, University of Oxford
  16. ^ http://www.jbs.cam.ac.uk/ Judge Business School, University of Cambridge
  17. ^ http://www.mbs.ac.uk/
  18. ^ http://www.dur.ac.uk/dbs/
  19. ^ http://www.wbs.ac.uk/
  20. ^ Ecoles de commerce post-prépas - Palmarès des grandes écoles - Lepoint.fr
  21. ^ 商業系(MBA)のグランゼコール

参考文献[編集]

  • フィリップ・デルヴス・ブロートン『ハーバードビジネススクール : 不幸な人間の製造工場』岩瀬大輔監訳・解説、吉澤康子訳、日経BP社、2009年。ISBN 978-4-8222-4746-1。
  • 『早稲田ビジネススクール・レビュー 第4号』日経BP企画〈日経BPムック〉、2006年。ISBN 4-86130-180-7。
  • 『検証ビジネススクール : 日本でMBAを目指す全ての人に』慶應義塾大学ビジネス・スクール編、慶應義塾大学出版会、2009年。ISBN 978-4-7664-1617-6。
  • 大前研一『ニュービジネス活眼塾 : アタッカーズ・ビジネススクール講義録』プレジデント社、2005年。ISBN 4-8334-1824-X。

関連項目[編集]