ビーイング・フォー・ザ・ベネフィット・オブ・ミスター・カイト

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ビーイング・フォー・ザ・ベネフィット・オブ・ミスター・カイト
ビートルズ楽曲
収録アルバム サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド
リリース 1967年6月1日
録音 アビー・ロード・スタジオ 1967年2月17日、20日、3月28日、29日、31日
ジャンル サーカス音楽[1]
サイケデリック・ロック
experimental rock
時間 2分37秒
レーベル パーロフォン
作詞者 レノン=マッカートニー
プロデュース ジョージ・マーティン

サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド 収録曲
A面
  1. サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド
  2. ウィズ・ア・リトル・ヘルプ・フロム・マイ・フレンズ
  3. ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ
  4. ゲッティング・ベター
  5. フィクシング・ア・ホール
  6. シーズ・リーヴィング・ホーム
  7. ビーイング・フォー・ザ・ベネフィット・オブ・ミスター・カイト
B面
  1. ウィズイン・ユー・ウィズアウト・ユー
  2. ホエン・アイム・シックスティー・フォー
  3. ラヴリー・リタ
  4. グッド・モーニング・グッド・モーニング
  5. サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド (リプライズ)
  6. ア・デイ・イン・ザ・ライフ
  7. サージェント・ペパー・インナー・グルーヴ

ビーイング・フォー・ザ・ベネフィット・オブ・ミスター・カイトBeing For The Benefit Of Mr. Kite!)は、ビートルズの楽曲である。

解説[編集]

インスピレーションを受けたポスター

本作は1967年に発表されたイギリス盤公式オリジナル・アルバムサージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』に収録された曲。レノン=マッカートニー名義の作品で、主にジョン・レノンが手がけ、ポール・マッカートニーが一部手伝っている[2][3]

この曲はビートルズが同年に発表した両A面シングル「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー/ペニー・レイン」のプロモーションビデオ撮影のためイギリスケント州を訪れていた際、偶然入った骨董屋で見つけた1843年のサーカス団のポスターの宣伝文句からヒントを得て作った曲で、歌詞に出てくる言葉は、このポスターをほぼ丸ごと引用している[4][5]。なお、この曲の歌いだしは"For the benefit of Mr. Kite"であり、タイトルにあった"Being"が欠落している。

歌詞に出てくる馬の名前「ヘンリー」がヘロインを連想させるとして、BBCでは放送禁止とされた。なお、ジョン自身はヘロインと馬の名前の関連性を否定している[6] [7]

本作の対訳について、「For the benefit of Mr. Kite / There will be a show tonight on trampoline」のフレーズを「カイト氏のために今宵トランポリンの上でショーが行われます」と訳されることがあるが、実際には「カイト氏」がショーを行うため、「カイト氏の慈善興行として今宵トランポリンの上でショーが行われます」と訳すのが正しい。

2012年、ジョンがインスパイアされた元のポスターのレプリカが当時の技術を使って製作され、1967部限定で発売されている[8]

前述したようにジョン主導で作曲された曲だが、ポール・マッカートニーは「アウト・ゼア」ツアーでこの曲をセットリストに組み込んでいる。

レコーディング[編集]

本作のレコーディングは、1967年2月17日に開始され、2月20日に効果音、3月28日ハーモニカギター3月29日31日にオルガンがオーバー・ダビングされた。

2月20日のセッションで、ジョンはジョージ・マーティンに対し、「カーニバルのような雰囲気を持った感じで、おがくずの匂いがしそうな音にしたい」という抽象的な要求をした。当初ジョージ・マーティンはこれに応えるべく、スティーム・オルガンを使用することを考えたが、パンチ穴をあけて自動演奏するモデルしかなかったことから断念。そこでジョージ・マーティンは、ジェフ・エメリックパイプオルガンを録音したテープを数センチごとに切り、空中に放り投げてランダムに繋ぎ合わせることを指示した[9]

第1テイク録音前に、ジョンは「For the benefit of Mr. Kite」のフレーズをおどけて歌っていた。そのあと、ジェフが「For the Benefit of Mr. Kite! This is take 1.」とアナウンスしたのに対し、ジョンが「Being For The Benefit Of Mr. Kite!」と訂正した。

ちなみにジョンは当初、「つまらない曲だ」と語っていたが[10]1980年の生前最後のインタビューでは「すばらしい曲だ」と語っていたという[4]

プレイヤー[編集]

収録アルバム[編集]

脚注[編集]

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  1. ^ Ronald P. Grelsamer (1 September 2010). Into the Sky with Diamonds: The Beatles and the Race to the Moon in the Psychedelic '60S. AuthorHouse. p. 252. ISBN 978-1-4520-7053-7. https://books.google.com/books?id=ZU1mAQAAQBAJ&pg=PA252. 
  2. ^ Miles, Barry (1997). Paul McCartney: Many Years From Now. New York: Henry Holt and Company. p. 318. ISBN 0-8050-5249-6. 
  3. ^ Vozick-Levinson, Simon (2013年7月25日). “Q&A: Paul McCartney Looks Back on His Latest Magical Mystery Tour”. Rolling Stone. https://www.rollingstone.com/music/news/q-a-paul-mccartney-looks-back-on-his-latest-magical-mystery-tour-20130725 2019年2月22日閲覧。 
  4. ^ a b Sheff, David (2000). All We Are Saying: The Last Major Interview with John Lennon and Yoko Ono. New York: St. Martin's Press. p. 183. ISBN 0-312-25464-4. 
  5. ^ ジョージ・マーティン『メイキング・オブ・サージェント・ペパー』 水木まり訳、キネマ旬報社、1996年、134-140ページ
  6. ^ “Lennon–McCartney Songalog: Who Wrote What” (PDF). Hit Parader Winter 1977 [reprint of April 1972] (101): 38–41. https://archive.org/details/JohnLennonInterview1972HitParaderMagazine 2018年11月15日閲覧。. 
  7. ^ Sheff, David (2000). All We Are Saying: The Last Major Interview with John Lennon and Yoko Ono. New York: St. Martin's Press. ISBN 0-312-25464-4. 
  8. ^ “John Lennon's poster”. (2012年10月9日). オリジナルの2012年11月22日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20121122071124/http://kottke.org/12/10/john-lennons-poster 2019年2月22日閲覧。 
  9. ^ Lewisohn, Mark (1988). The Beatles Recording Sessions. New York: Harmony Books. p. 99. ISBN 0-517-57066-1. 
  10. ^ The Beatles (2000). The Beatles Anthology. San Francisco: Chronicle Books. p. 243. ISBN 0-8118-2684-8. 
  11. ^ Gilliland, John (1969). "Sergeant Pepper at the Summit: The very best of a very good year" (audio). Pop Chronicles. University of North Texas Libraries.