ピッチフォーク分岐

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ピッチフォーク分岐(ピッチフォークぶんき、英語:pitchfork bifurcation)または熊手型分岐は、力学系における分岐の一つ[1]分岐図が三叉となり、農具のピッチフォークのように見えることから、ピッチフォーク分岐という名、その日本語訳の熊手型分岐という名で呼ばれる[2]。この分岐には、超臨界ピッチフォーク分岐 (supercritical pitchfork bifurcation) と亜臨界ピッチフォーク分岐 (subcritical pitchfork bifurcation) の二種類がある[3]

超臨界ピッチフォーク分岐[編集]

rR を系のパラメータとすると、1次元常微分方程式の超臨界ピッチフォーク分岐における標準形は、

で示される[4]r < 0 では x = 0 で安定な平衡点が一つ存在する[5]r = 0 では、平衡点 x = 0 は安定だが指数関数的減衰から代数的減衰に変化する[4]r > 0 となると、x = 0 は不安定な平衡点となり、 の二つの安定平衡点が発生する[5]。この分岐は、フォワード分岐とも呼ばれる[6]

亜臨界ピッチフォーク分岐[編集]

1次元常微分方程式の亜臨界ピッチフォーク分岐における標準形は、

で示される[7]。この分岐は、逆分岐やバックワード分岐とも呼ばれる[6]

出典[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 小室 2005, p. 97.
  2. ^ 船越 2008, p. 111.
  3. ^ 桑村 2015, pp. 100, 102.
  4. ^ a b Strogatz 2015, p. 63.
  5. ^ a b 桑村 2015, p. 99.
  6. ^ a b 桑村 2015, p. 104.
  7. ^ 桑村 2015, p. 103.

文献リスト[編集]

  • Steven H. Strogatz、田中久陽・中尾裕也・千葉逸人(訳)、2015、『ストロガッツ 非線形ダイナミクスとカオス―数学的基礎から物理・生物・化学・工学への応用まで』、丸善出版 ISBN 978-4-621-08580-6
  • 船越満明、2008、『カオス』初版、 朝倉書店〈シリーズ 非線形科学入門3〉 ISBN 978-4-254-11613-7
  • 桑村雅隆、2015、『パターン形成と分岐理論―自発的パターン発生の力学系入門』初版、 共立出版〈シリーズ・現象を解明する数学〉 ISBN 978-4-320-11004-5
  • 小室元政、2005、『基礎からの力学系―分岐解析からカオス的遍歴へ』新版、 サイエンス社 ISBN 4-7819-1118-8

関連項目[編集]