フィン (スター・ウォーズ)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
検索に移動
フィン
スター・ウォーズシリーズのキャラクター
初登場フォースの覚醒』(2015年)
ジョン・ボイエガ
プロファイル
種族 ヒューマノイド
性別
職業 元ストームトルーパー
テンプレートを表示

フィン (Finn) は、『スター・ウォーズ』シリーズに登場するキャラクターである。『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』でメインキャラクターとして初登場した。フィンは幼い頃誘拐されてファースト・オーダーストームトルーパーとして育てられた。しかし、謎の女性レイレジスタンスのエースパイロットのポー・ダメロン英語版、彼のドロイドのBB-8英語版らと出会い、ファースト・オーダーを離反。レジスタンス(新共和国)に加わる。

イギリス人俳優ジョン・ボイエガが演じる。日本語吹き替え杉村憲司が担当。

概要[編集]

初期段階での名前はサムで[1]、脚本家のローレンス・カスダンによるアイデアだった。『フォースの覚醒』の初期の草稿を用意したマイケル・アーントは次のように述べている[2]

And then we were struggling to figure out who the male lead was going to be. I remember we talked about pirates and merchant marines and all this stuff, and finally Larry [Kasdan] got pissed at all of us and he's just like, "You guys, you're not thinking big. What if he's a stormtrooper that ran away?"

それから我々は男性の主役を誰に決定するかで苦労しました。私は海賊や商人の用心棒などの案が出たと記憶しています。最終的には皆が苛立っているのを見て、ラリーがこう言いました。「みんなは大きく考えすぎていない? 彼がストームトルーパーの脱走兵ならどう?」と。

監督のJ・J・エイブラムスは、『フォースの覚醒』でフィンを含め新しいスターウォーズのキャラクターの役者にあえて無名の俳優をあてようと考えた[3]イギリスのSF映画『アタック・ザ・ブロック』(2011年)でデビューしたジョン・ボイエガの演技に感動したエイブラムスはジョンをフィン役のオーディションに招待し[4]、およそ7ヶ月に及ぶオーディションを勝ち抜きジョンはフィン役を射止めた[5][6]。『フォースの覚醒』のプロデューサーの1人であるキャスリーン・ケネディは次のように述べている[7]

John Boyega was somebody we'd known of because of Attack the Block. And we'd been sort of putting him on the top of our list right from the beginning. But, then again, we went on a massive search just to see who was out there, and we kept coming back to realizing that John would be the perfect Finn.

ジョン・ボイエガは、『アタック・ザ・ブロック』で私たちが知った俳優で、彼は数多くの候補者の中で最高でした。ですが、再び誰がその役がふさわしいかを調べるために大規模なオーディションを行い、ジョンがフィンにぴったりであると思いました。

フィンの名前が公的に発表されたのは『フォースの覚醒』の特報が公開された直後の2014年12月[8][9][10]。フィンのストームトルーパーとしてのコードネームFN-2187は、1977年公開のシリーズ第1作目『エピソード4』でレイア姫が拘留された独房 (cell) の番号を示している[11]。なお、「Cell 2187」はアーサー・リプセット英語版の短編映画『21-87』を参照していると言われている[12]

エイブラムスはフィンが姓を持たないことは故意であり、彼のフルネームや背景が将来の映画で明らかになることを示唆していたが[13]、映画の中で「フィン」は彼のストームトルーパー番号「FN」から派生した名前であることが明らかになった[14]。結局三部作の最終章『スカイウォーカーの夜明け』でもフィンの出自やフルネームが明かされることはなかった。

経歴[編集]

フォースの覚醒以前[編集]

「フィン」ことFN-2187は、幼い頃に誘拐されて家族の下から引き離され、キャプテン・ファズマのもとで効率的で忠実、かつ容赦ないストーム・トルーパーになるよう訓練された。FN-2187はファズマから「兵士としては最優秀」と高く評価されていた一方で、戦闘・殺人への躊躇や過度な仲間意識について懸念されており、時々個人的な忠告も受けていた。

フォースの覚醒[編集]

ジャクーへの襲撃に参加した際に仲間の死を目の当たりにし、村人の虐殺に抵抗を感じたFN-2187は発砲命令に従わず、スター・デストロイヤー「ファイナライザー」への帰投後にファズマから叱責される。その際ファースト・オーダーの行いに強い疑念を抱いた彼は離反を決意し、ジャクーで捕らえられたレジスタンスのパイロット、ポー・ダメロンとともにTIEファイターをジャックし、ファイナライザーから脱出する。この時、番号呼びに難色を示したポーは、「FN-2187」の「FN」を捩って彼を「フィン」と名付けた。また、脱出中にポーからレジスタンスの極秘任務と彼のドロイドが機密情報を持っていることを聞かされる。

その後、2人が乗る機体はミサイルに被弾しジャクーに墜落、ポーとフィンは離れ離れになる。砂漠をさまよった末に交易地に着いたフィンは、ポーのドロイドであるBB-8とBBを保護した現地の女性レイと出会い、その場でレジスタンスのメンバーだと嘘をつく。その直後にファースト・オーダーの追っ手が迫っていることを知り、2人とともに逃走。放置されていた古い宇宙船を盗んで追っ手を返り討ちにし、そのまま惑星を脱出した。その後ハン・ソロチューバッカが乗る貨物船に鹵獲され、そこで逃走に使った宇宙船がかのミレニアム・ファルコンであることや、フォースジェダイが実在することを聞かされる。ハンとギャングとの諍いに巻き込まれた後、フィンはハンにレジスタンスの基地へ安全にBB-8を届けたいという目的を伝え、ハンはそのための船を探しに2人とBBを惑星タコダナのマズ・カナタの酒場に連れて行った。

タコダナに着いたフィンだったが、マズに「何かから逃げている」ことを見抜かれ、その事を追及したレイに自分はファースト・オーダーからの脱走兵であり、レジスタンスだというのは嘘であることを告白して彼女のもとを去る。その後、アウター・リムに逃走するための船を見つけ荷造りをしていた所に、ファースト・オーダーの超兵器「スターキラー基地」からの砲撃で共和国の首都が破壊されたという報が舞い込み、同時にファースト・オーダーによるタコダナへの攻撃が始まった。森に逃げたレイを探すため、フィンはハン、チューバッカとともに、マズに渡されたライトセーバーを起動しストームトルーパーと戦う。最終的にレジスタンスの援軍もあってファースト・オーダーは撤退したが、フィンはレイがカイロ・レンに連れ去られる場面を目撃した(ホズニアン事変・タコダナの戦い)。

惑星ディカーのレジスタンス基地でポーと再開したフィンはレジスタンスの指導者レイア・オーガナと面会し、スターキラー基地の情報をレジスタンスに提供する。さらにファースト・オーダーの次の砲撃の目標がディカーと知ったレジスタンスは基地の破壊を決断し、レイを救いたいフィンもその作戦に志願する。ハンやチューバッカとともに先遣隊として基地に侵入したフィンは、ファズマを脅して惑星を覆うシールドを解除させることでレジスタンスの攻撃を導き、さらに自力で脱出していたレイとの合流にも成功した。その後、一行は兵器の熱エネルギーを密封するオシレーターに爆薬を仕掛けていたが、その途中でハンはカイロ・レンを見つけ、父として説得を試みるが、スノークを選んだレンに刺殺されてしまう(レンの本名は「ベン・ソロ」であり、ハンとレイアの息子にあたる)。

オシレーターを爆破した後に脱出したフィンとレイは、森の中で待ち構えていたカイロ・レンと対峙する。フィンは気絶したレイの代わりにライトセーバーでレンと対決し、お互いに傷を負わせるが、最終的にフィンは鍔迫り合いで押され、その直後に背中を切られて意識を失う。その後、レンを打ち負かしたレイとファルコン号を操縦してきたチューバッカによって救出され、意識を失ったままレジスタンスの基地へと運ばれた(スターキラー基地の戦い)。

最後のジェダイ[編集]

レジスタンスはディカー基地からの撤退中にファースト・オーダーの襲撃を受けるが、ポーとレジスタンス爆撃隊の活躍でスター・ドレッドノート「フルミナトリックス」を破壊した。戦闘終了後、フィンは意識を取り戻しレイを探し始める。しかしレイはルークに会いに行った直後で、携帯用ビーコンからの信号を伝ってレイアと合流する手筈であった。レイア率いるレジスタンスのクルーザー「ラダス」はハイパースペースへジャンプして逃亡するも、直後に追いつかれる。これは、ファースト・オーダーの最新技術「アクティブ・トラッキング」によってハイパースペース空間に突入した敵に対しても追跡が可能なためであった(ディカーからの撤退)。

レジスタンス艦隊は速度の差を生かしてターボレーザー砲の射程圏外にとどまっていた。しかしカイロ・レン率いるTIEファイター部隊の攻撃で艦橋を破壊され、アクバー提督らレジスタンスの上層部はレイアを除いて全滅、レイアも意識不明の重体となった。レジスタンスはホルド提督の指揮下で逃げ続けることになるが、そんな中フィンは彼我の戦力差と逃走不可能な状況に絶望。レイアが落としたレイに居場所を伝える携帯用ビーコンを艦隊から遠ざけレイを助けるために脱出ポッドで逃亡しようとしたが、整備員のローズに力ずくで止められる。しかし、追跡の要であるトラッキング装置本体はファースト・オーダーの旗艦「スプレマシー」に積載されていることから2人はファースト・オーダーの追跡を振り払う方法を思いつき、ポーやBB-8らとともに行動を起こす(レジスタンス艦隊への追撃)。

マズに連絡を取ると、胸に赤いプロムの花をつけた「マスター・コードブレイカー」を探すように告げられ、フィンはローズ、BBとともに惑星カントニカへ向かう。しかし接触直前に駐車違反で逮捕されてしまい、入れられた房でDJという泥棒に遭遇。彼とBB-8に脱獄を手伝われ、フィンはローズとともに厩舎から逃がしたファジアーに乗って逃亡する。最終的にDJとBBが盗んだ武器商人の船に乗り移ることで逃亡に成功した。その際DJに「すべて機械仕掛けなんだよ、相棒。自由に生きろ。関わるな。」と言われる。そのままスノークの旗艦に侵入し、アクティブトラッキングのトラッカーを切る手前まで行ったがBB-9Eに通報されキャプテン・ファズマに囚われる。さらに、観念したDJが自由と引き換えにレジスタンスの作戦を密告してしまった。

レジスタンス側ではレイアが復活し、ポーらのクーデタも鎮圧された。ファースト・オーダーはラダスを追尾していてそちらにしか手が回らないことを知っていたホルドは、小型輸送船で反乱軍の旧基地がある塩と岩の惑星クレイトに生存者を逃がしていた。しかし、DJの情報によってファースト・オーダーに作戦が発覚し輸送船が撃墜され始める。それを見たホルドは緻密な計算のもと特攻により「スプレマシー」を破壊し、その結果輸送船団は全滅を免れ、フィンとローズは処刑される寸前で助かった。その後、フィンはキャプテン・ファズマとの一騎打ちに勝利。ハンガーに駐機されていたシャトルを奪って脱出し、レジスタンスと合流した。

スノークを殺害し最高指導者となったカイロ・レンは、レジスタンスの生き残りを殲滅するべくクレイトに地上部隊を降下させる。レジスタンスは援軍が来るまで持ち堪えるために防護壁を降ろすが、ファースト・オーダーはそれをも破壊できる兵器「バッタリング・ラム・キャノン」を用意しており、さらにレジスタンスの迎撃に備えてAT‐M6ウォーカーやTIEファイターをも配備していた。レジスタンスはキャノンを破壊するために旧型のスキー・スピーダーで攻撃を仕掛けるが、ファースト・オーダーの猛攻の前に窮地に追い込まれてしまった。途中で参加したミレニアム・ファルコン号がTIEファイター部隊を全滅させたが、ポーは圧倒的な戦力差を鑑みてキャノンの破壊を断念し、地上部隊に撤退を指示した。しかし、その命令に背いたフィンは1人で特攻を決断するが、衝突の寸前でローズが自らのスピーダーを衝突させて身を呈して救出したことで一命を取り留めた。フィンはローズの元に駆け寄るが、ローズはフィンにキスをして意識を失った。

最終的に防護壁は突破されてしまうが、全滅を覚悟したレジスタンスの前にルーク・スカイウォーカーの幻影が現れ、文字通り命を賭してファースト・オーダーを足止めする。その隙にレイアやポー、フィン、ローズらレジスタンスの生き残りは、洞窟の外からのレイの手助けも得て鉱山からの脱出に成功し、ファルコン号で脱出に成功した(クレイトの戦い)。

脚注[編集]

[脚注の使い方]
  1. ^ Szostak, Phil; Carter, Rick; Klopfer, Eric (December 18, 2015). The Art of 'Star Wars: The Force Awakens'. Abrams Books. p. 54. ASIN 1419717804. ISBN 978-1-4197-1780-2. OCLC 950057764 
  2. ^ McKnight, Brent (2016年1月22日). “Star Wars: The Force Awakens Writer Reveals How Rey And Finn Came To Be”. Cinema Blend. 2016年1月24日閲覧。
  3. ^ Garcia, Patricia (2015年12月15日). “Everything You Need to Know About Star Wars’s New Stars John Boyega and Daisy Ridley”. Vogue. 2016年1月24日閲覧。
  4. ^ Itzkoff, Dave (2015年12月9日). “In New 'Star Wars', Daisy Ridley and John Boyega Brace for Galactic Fame”. New York Times. 2015年12月19日閲覧。
  5. ^ McKnight, Brent (2015年9月23日). “John Boyega's Star Wars Auditions Took An Insane Amount Of Time”. Cinema Blend. 2016年1月26日閲覧。
  6. ^ 細木信宏 (2015年12月31日). “新『スター・ウォーズ』7か月間のオーディションにチューバッカが参加していた!”. シネマトゥデイ. https://www.cinematoday.jp/news/N0079124 2020年2月27日閲覧。 
  7. ^ Mzimba, Lizo (2015年4月20日). “Star Wars executive 'staggered' by teaser reaction”. BBC. 2016年1月10日閲覧。
  8. ^ Breznican, Anthony (2014年12月11日). “'Star Wars: The Force Awakens' character names revealed -- exclusive”. Entertainment Weekly (Meredith Corporation). ISSN 1049-0434. OCLC 21114137. https://ew.com/article/2014/12/11/star-wars-the-force-awakens-character-names/ 2020年2月27日閲覧。 
  9. ^ 入倉功一 (2014年12月12日). “新『スター・ウォーズ』特報に登場したキャラクター名が明らかに!”. シネマトゥデイ. https://www.cinematoday.jp/news/N0069027 2020年2月27日閲覧。 
  10. ^ “「スター・ウォーズ エピソード」特報に登場する新キャラの名前が発表”. 映画.com (カカクコム). (2014年12月16日). https://eiga.com/news/20141216/8/ 2020年2月27日閲覧。 
  11. ^ Freer, Ian (2015年12月17日). “FN-2187: why John Boyega's stormtrooper number holds the key to Star Wars”. The Telegraph. 2015年12月19日閲覧。
  12. ^ Wickman, Forrest (2015年12月16日). “The Subtle Reference in The Force Awakens to the Art Film That Inspired Star Wars”. Slate.com. Graham Holdings Company (The Slate Group LLC.). https://slate.com/culture/2015/12/the-force-awakens-21-87-reference-pays-homage-to-the-arthur-lipsett-film-that-inspired-star-wars.html 2019年7月5日閲覧。 
  13. ^ Prudom, Laura (2015年12月7日). “Star Wars Actor John Boyega on Finn's Past: 'I've Got Some Conspiracy Theories'”. Variety. 2016年1月8日閲覧。
  14. ^ Riesman, Abraham (2017年12月11日). “What You Need to Know Before Seeing Star Wars: The Last Jedi”. Vulture.com (New York Media LLC.). https://www.vulture.com/2017/12/what-you-need-to-know-before-seeing-star-wars-the-last-jedi.html 2019年7月5日閲覧。