フール・オン・ザ・ヒル

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フール・オン・ザ・ヒル
ビートルズ楽曲
リリース イギリスの旗 イギリス1967年12月8日(EP)
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国1967年11月27日(LP)
日本の旗 日本1968年3月10日(EP)
録音 アビー・ロード・スタジオ(1967年9月25日-27日、10月20日)
ジャンル バロック・ポップ[1]
サイケデリックフォーク
時間 3分00秒
レーベル パーロフォン(イギリス)
キャピトル・レコード(アメリカ)
オデオン(日本)
作詞者 レノン=マッカートニー
作曲者 レノン=マッカートニー
プロデュース ジョージ・マーティン

マジカル・ミステリー・ツアー 収録曲
A面
  1. マジカル・ミステリー・ツアー
  2. ユア・マザー・シュッド・ノウ
B面
  1. アイ・アム・ザ・ウォルラス
C面
  1. フール・オン・ザ・ヒル
  2. フライング
D面
  1. ブルー・ジェイ・ウェイ
マジカル・ミステリー・ツアー 収録曲
A面
  1. マジカル・ミステリー・ツアー
  2. フール・オン・ザ・ヒル
  3. フライング
  4. ブルー・ジェイ・ウェイ
  5. ユア・マザー・シュッド・ノウ
  6. アイ・アム・ザ・ウォルラス
B面
  1. ハロー・グッドバイ
  2. ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー
  3. ペニー・レイン
  4. ベイビー・ユーアー・ア・リッチ・マン
  5. 愛こそはすべて

フール・オン・ザ・ヒル」(The Fool on the Hill)は、ビートルズが1967年に発表した楽曲。テレビ映画『マジカル・ミステリー・ツアー』の挿入歌でもある。

解説[編集]

「フール・オン・ザ・ヒル」は英語で「丘の上の阿呆」の意味。レノン=マッカートニー名義となっているが、ポール・マッカートニーによって書かれた楽曲で、リード・ボーカルはポール[2][3]

曲は「ウィズ・ア・リトル・ヘルプ・フロム・マイ・フレンズ」のセッション中に書かれた[注 1]。歌詞についてポールは、「マハリシ・マヘーシュ・ヨーギーのような人物のことを歌った曲だと思う。彼を中傷する人たちは愚か者呼ばわりしてた。なぜなら彼の笑い方に真剣さが感じられなかったからさ。」と語っている[2]。演奏面では、フルートリコーダーによって効果的な演出がなされている。ジョン・レノンは、1980年のPLAYBOY誌のインタビューで、「これはポールの曲さ。良い歌詞だ。彼が完璧な曲を作る能力を持っているという証さ」とコメントしている[3]

同年11月27日発売の米国キャピトル盤LP『マジカル・ミステリー・ツアー』に収録された。イギリスではそれより遅れ、12月8日に2枚組EP盤の『マジカル・ミステリー・ツアー』を発売している。

同年12月26日、BBC1でテレビ映画『マジカル・ミステリー・ツアー』が放映された。「フール・オン・ザ・ヒル」の場面はフランスのニースで撮影されていて、撮影にはポール以外のメンバーは不参加となっている。

シルク・ドゥ・ソレイユのミュージカルのサウンドトラック盤として制作された『ラヴ』には、iTunes Store限定配信曲として他のビートルズの楽曲とコラージュされた音源が収録されている。

2010年に公開されたジェイ・ローチ監督による映画作品『奇人たちの晩餐会 USA』でオープニングテーマとして使用された。なお、使用するにあたり150万ドルを支払ったことが主張されている[4]

レコーディング[編集]

1967年9月6日にポールによってデモが録音された[5]。この日のデモ・バージョンと後述の9月25日のセッションで録音された第4テイクは、のちに『ザ・ビートルズ・アンソロジー2』(1996年)に収録された。

9月25日に前述のデモテープを参考にした本格的なレコーディングが始まり、この日にジョンとジョージ・ハリスンによるハーモニカ、ポールによるリコーダーボーカルリンゴ・スターによるドラムスが録音されたが、翌日のセッションでほとんどの楽器が差し替えられることとなった[注 2]

9月27日にポールの追加のボーカル[6]、10月20日に外部ミュージシャンによるフルートがオーバーダビングされた。

曲中に使われたハーモニカムーディー・ブルースの元メンバーであるレイ・トーマスとマイク・ピンダーからもらい受けたもの[7]

パーソネル[編集]

クレジットはイアン・マクドナルドによるもの[8]。フルート奏者についてはマーク・ルイーソンによって明言されている[9]

カヴァー[編集]

セルジオ・メンデス&ブラジル'66の1968年のシングルはビルボード誌最高位第6位を記録した[11]。そのほかボビー・ジェントリー、フォー・トップスペトゥラ・クラークシャーリー・バッシー、レイ・スティーブンス、ミッキー・ドレンツ、ヘレン・レディラムゼイ・ルイス(1971年)、森山良子(1974年)などのカバー・バージョンがある。

ジョン・ウィリアムス山下和仁福田進一村治佳織などによる、クラシック・ギターによるカバーが多数ある。

ポールは、1989年から1990年にかけて行われたウィングスの世界ツアーでセットリストに加えて以降、度々ソロライブで演奏している。

2007年ビータリカは、メタリカの「フューエル」とこの楽曲をマッシュアップさせた「Fuel On The Hill」という楽曲を発表しており、アルバム『Masterful Mystery Tour』に収録されている。

収録アルバム[編集]

備考[編集]

レコーディング作業中に、日本の音楽誌『ミュージック・ライフ』編集長の星加ルミ子が、1965年に続き2度目の訪問取材を行っている。この時、後にジョンの妻となるオノ・ヨーコもレコーディング作業を見学しており、『ミュージック・ライフ』のカメラマンによって撮影された親しげに談笑するジョンとヨーコのスナップが、恐らく世界で初めて撮影されたジョンとヨーコのツーショット写真である[注 3]

シルク・ドゥ・ソレイユの公演「ラヴ」には、"The Fool"が登場する。

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ この時にポールは、ジョン・レノンに演奏して聴かせている。
  2. ^ 具体的にどの楽器が差し替えられたかは明言されていない。
  3. ^ 奇しくも同時期、ロンドンのクラブにてポールとのちの妻リンダ・イーストマンが談笑する初のツーショット写真も撮られている。

出典[編集]

  1. ^ Bogdanov, Vladimir. All music guide to electronica: the definitive guide to electronic music. pp. 54. ISBN 0-87930-628-9. 
  2. ^ a b Miles, Barry (1997). Paul McCartney: Many Years From Now. New York: Henry Holt and Company. p. 365-366. ISBN 0-8050-5249-6. 
  3. ^ a b Sheff, David (2000). All We Are Saying: The Last Major Interview with John Lennon and Yoko Ono. New York: St. Martin's Press. p. 186. ISBN 0-312-25464-4. 
  4. ^ Song for “Schmucks”: Beatles Score $1.5 Mil for “Fool on the Hill”” (2010年7月20日). 2018年10月28日閲覧。
  5. ^ Lewisohn, Mark (1988). The Beatles Recording Sessions. New York: Harmony Books. p. 123. ISBN 0-517-57066-1. 
  6. ^ Lewisohn, Mark (1988). The Beatles Recording Sessions. New York: Harmony Books. p. 127. ISBN 0-517-57066-1. 
  7. ^ Schnee, Stephen (2015年1月15日). “An Exclusive interview with The Moody Blues' Ray Thomas!”. Discussions Magazine. 2016年2月27日閲覧。
  8. ^ MacDonald, Ian (2005). Revolution in the Head: The Beatles' Records and the Sixties (Second Revised ed.). London: Pimlico (Rand). p. 270. ISBN 1-84413-828-3. 
  9. ^ Lewisohn, Mark (1988). The Beatles Recording Sessions. New York: Harmony Books. p. 129. ISBN 0-517-57066-1. 
  10. ^ George Martinへのインタビュー - ポップ・クロニクルズ(1969年)
  11. ^ The Fool on the Hill”. Songfacts.com. 2018年10月30日閲覧。

関連項目[編集]