ブラザーズ&シスターズ (アルバム)

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ブラザーズ&シスターズ
オールマン・ブラザーズ・バンドスタジオ・アルバム
リリース
録音 ジョージア州メイコン、カプリコーン・サウンド・スタジオ(1972年10月 - 12月)
ジャンル サザン・ロックカントリーロックブルースロック
時間
レーベル カプリコーン・レコード
プロデュース ジョニー・サンドリン
オールマン・ブラザーズ・バンド
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 1位(アメリカ[2]
  • 10位(オランダ[3]
  • 42位(イギリス[4]
  • 52位(ドイツ[5]
オールマン・ブラザーズ・バンド 年表
イート・ア・ピーチ
(1972年)
ブラザーズ&シスターズ
(1973年)
ウィン、ルーズ・オア・ドロウ
(1975年)
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ブラザーズ&シスターズ』(原題: Brothers and Sisters)は、アメリカ合衆国ロックバンドオールマン・ブラザーズ・バンド1973年に発表した、通算5作目のアルバムチャック・リーヴェルの加入と、オリジナル・メンバーの1人ベリー・オークリーの死を経てリリースされた。

背景[編集]

1971年にデュアン・オールマンがオートバイの事故で死去した後、バンドは後任のギタリストを補充せず、基本的にはディッキー・ベッツが単独でギター・パートを担当した。1973年12月6日付の『ローリング・ストーン』誌の記事によれば、ベッツ自身は「デュアンの代役を入れるのは、最も非創造的で不健全な手段だと思う。誰かを雇ってデュアンのフレーズを教えるなんてことをしたら、俺達バンド全体が安っぽくなってしまう」と語っている[6]。ただし、「むなしい言葉」ではグレッグ・オールマンリズムギターを弾き、更にレス・デューデックやトミー・タルトンといった外部のギタリストが参加した曲も含まれている[7]。また、ベッツは「ランブリン・マン」と「ポニー・ボーイ」でリード・ボーカルを担当した[7][8]

本作よりチャック・リーヴェルが加入し、バンドはツイン・キーボード編成となった。リーヴェルは当初、グレッグのソロ・アルバム『レイド・バック』(リリースは1973年10月[9])のレコーディング・メンバーに起用され、スタジオでオールマン・ブラザーズ・バンドのメンバーとジャムをするようになってから数週間後に加入が決まったという[10]

既に本作のレコーディングが始まっていた1972年11月11日、ベリー・オークリーがオートバイの事故で死去[11]。事故現場は、前年にデュアンが事故死した現場から3ブロック先の場所であった[11]。本作収録曲のうち、「むなしい言葉」と「ランブリン・マン」はオークリーの存命時にレコーディングされており[7]、バンドはラマー・ウィリアムズを後任ベーシストとして迎え、残りの曲をレコーディングした。

インストゥルメンタルの「ジェシカ」は、ディッキー・ベッツが自分の娘の前で作った曲で、娘の名前をタイトルにした[12]。この曲のテーマ・メロディは、ジャンゴ・ラインハルトのように2本の指だけでフィンガリングして作曲されたという[12]

バンドの所属レーベルCapricornは1972年にアトランティック・レコードとの契約を解消しており[13]、本作では『アイドルワイルド・サウス』(1970年)以降の作品をプロデュースしたトム・ダウド(アトランティックの専属プロデューサーだった)を起用できなくなった[8]。そのため、オールマン・ブラザーズ・バンド結成前のデュアンとグレッグが在籍していたアワー・グラスというバンドのメンバー、ジョニー・サンドリンを共同プロデューサーとして招いた[8]

ジャケット[編集]

本作のジャケットは、ブッチ・トラックスの息子ヴェイラー・トラックスの写真が使用されているが、ヴェイラーは当時3歳で、写真が撮影された時については、風邪をひいて薬を飲まされたことぐらいしか覚えていないという[14]。また、裏ジャケットにはベリー・オークリーの娘の写真が使用された[8]

反響・評価[編集]

本作はセールス的に大きな成功を収めた。母国アメリカのBillboard 200ではバンド初の1位獲得を果たし[2]、1973年のうちにRIAAによってゴールドディスクに認定され、1995年にはプラチナディスクに認定されている[15]。本作からのシングルは「ランブリン・マン」がBillboard Hot 100で2位、「ジェシカ」が65位を記録[2]

オランダのアルバム・チャートでは2週連続で10位を記録[3]。また、バンド初の全英アルバムチャート入りも果たしており、3週チャート圏内に入って最高42位を記録した[4]

Bruce Ederはオールミュージックにおいて5点満点中4点を付け「売り上げに反して、『ブラザーズ&シスターズ』は以前発表された4作に引き続く並外れた名盤ではないが、驚異的なステージ・パフォーマンスの雛形として機能しており、更に、主要メンバー2人が死去してもバンドは生き残ったことを証明した」と評している[16]

『ギター・ワールド』誌が2008年に選出した「100 Greatest Guitar Solos」では、本作収録曲「ジェシカ」が47位にランク・インした[12]

デラックス・エディション盤[編集]

リリース40周年の2013年にマーキュリー・レコードから発売されたリマスターCDは、リハーサル、ジャム、アウトテイクを収録したボーナス・ディスクが追加され、2枚組CDとして発売された。更に、1973年9月26日録音の2枚組ライヴCDも追加した4枚組CDのヴァージョンも存在する[7]。ボーナス・ディスクに収録されたリハーサルやアウトテイクのうち「トラブル・ノー・モア」「ワン・ウェイ・アウト」「町はずれへ」のリハーサルと「サウスバウンド」のインストゥルメンタル・アウトテイクはベリー・オークリー存命時の演奏である[7]

収録曲[編集]

特記なき楽曲はディッキー・ベッツ作。

Side 1
  1. むなしい言葉 - "Wasted Words" (Gregg Allman) - 4:20
  2. ランブリン・マン - "Ramblin' Man" - 4:48
  3. カム・アンド・ゴー・ブルース - "Come and Go Blues" (G. Allman) - 4:55
  4. ジェリー・ジェリー - "Jelly Jelly" (Billy Eckstine, Earl Hines) - 5:46
Side 2
  1. サウスバウンド - "Southbound" - 5:10
  2. ジェシカ - "Jessica" - 7:31
  3. ポニー・ボーイ - "Pony Boy" - 5:51

デラックス・エディション盤ボーナス・ディスク[編集]

  1. むなしい言葉(リハーサル) - "Wasted Words (Rehearsal)" (G. Allman) - 5:06
  2. トラブル・ノー・モア(リハーサル) - "Trouble No More (Rehearsal)" (McKinley Morganfield) - 3:58
  3. サウスバウンド(インストゥルメンタル・アウトテイク) - "Southbound (Instrumental Outtake)" - 5:56
  4. ワン・ウェイ・アウト(リハーサル) - "One Way Out (Rehearsal)" (Marshall Sehorn, Elmore James, Sonny Boy Williamson) - 5:38
  5. 町はずれへ(リハーサル) - "I'm Gonna Move to the Outskirts of Town (Rehearsal)" (William Weldon) - 11:14
  6. 誰かが悪かったのさ(リハーサル) - "Done Somebody Wrong (Rehearsal)" (E. James) - 3:50
  7. ダブル・クロス(アウトテイク) - "Double Cross (Outtake)" (G. Allman) - 4:36
  8. アーリー・モーニング・ブルース(アウトテイク) - "Early Morning Blues (Outtake)" (G. Allman) - 9:27
  9. Aマイナー・ジャム(スタジオ・ジャム) - "A Minor Jam (Studio Jam)" (Chuck Leavell, Lamar Williams, Jai Johanny Johanson, Les Dudek) - 16:30

参加ミュージシャン[編集]

アディショナル・ミュージシャン

脚注[編集]

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  1. ^ スコット・フリーマン; 菅野彰子訳 『オールマン・ブラザーズ・バンド』 音楽之友社1997年5月10日、176頁。ISBN 4-276-23498-0。 
  2. ^ a b c The Allman Brothers Band - Awards : AllMusic
  3. ^ a b dutchcharts.nl – The Allman Brothers Band - Brothers And Sisters
  4. ^ a b ALLMAN BROTHERS BAND | full Official Chart History | Official Charts Company - 「Albums」をクリックすれば表示される
  5. ^ charts.de”. GfK Entertainment. 2014年7月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年11月15日閲覧。
  6. ^ Page 4 of The story of the rise of Duane and Gregg Allman. How one brother keeps The Allman Brothers going after a tragic death. | Rolling Stone - article by Cameron Crowe - 2014年11月2日閲覧
  7. ^ a b c d e Allman Brothers Band, The - Brothers And Sisters (CD) at Discogs - 2013年デラックス・エディション盤の情報
  8. ^ a b c d デラックス・エディション盤CD(UICY-15225/6)ライナーノーツ(スコット・シンダー、2013年4月/訳:石山栄二、若月眞人)
  9. ^ Laid Back | Gregg Allman
  10. ^ Rock Royalty - Atlanta Magazine - article by Scott Freeman - 2014年11月2日閲覧
  11. ^ a b 41 Years Ago: Berry Oakley of the Allman Brothers Band Dies - ultimateclassicrock.com - article by Billy Dukes - 2014年11月2日閲覧
  12. ^ a b c 100 Greatest Guitar Solos: No. 47 "Jessica" (Dickey Betts) | Guitar World - 2014年11月2日閲覧
  13. ^ Dick Wooly Associates - Promotion Man - article by Kiki Lee - 2014年11月2日閲覧
  14. ^ Multi talented musician Vaylor Trucks talks about his projects, Allman Brothers, Jazz and Butch Tracks - Blues.Gr - article by Michalis Limnios - 2014年11月2日閲覧
  15. ^ RIAA公式サイト内SEARCHABLE DATABASE - 引用符付きの"ALLMAN BROTHERS"と入力して検索すれば表示される
  16. ^ Brothers and Sisters - The Allman Brothers Band | AllMusic - Review by Bruce Eder
先代:
シカゴ
シカゴ6
Billboard 200 ナンバーワン・アルバム
1973年9月8日 - 10月6日(5週)
次代:
ローリング・ストーンズ
山羊の頭のスープ