プラチナエンド

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プラチナエンド
ジャンル 少年漫画
ファンタジー漫画
サスペンスデスゲーム
漫画
原作・原案など 大場つぐみ
作画 小畑健
出版社 集英社
掲載誌 ジャンプスクエア
レーベル ジャンプ・コミックス
(JUMP COMICS SQ.)
発表号 2015年12月号 - 連載中
巻数 既刊11巻(2019年8月現在)
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プラチナエンド』 (Platinum End) は、大場つぐみ(原作)、小畑健(漫画)による漫画作品。大場と小畑のタッグでは3作目にあたる[1]

概要[編集]

ジャンプスクエア』(集英社)2015年12月号より[2]連載中。『ジャンプスクエア』副編集長の吉田幸司が担当編集を務める[1]

大場と小畑タッグの前作である『バクマン。』には劇中マンガ作品が数多く登場している。『バクマン。』の終盤に登場する劇中マンガ作品に「天使」「翼」といった本作と同様のキーワードを持つ作品がある。吉田はこの頃から大場の中に本作のアイデアがあったのではないかと推測している[1]

本作では人と天使の話であり、天使の輪も登場するがゴシック風の細かい装飾の入った輪ではなく、シンプルな幾何学的なモチーフが取り入れられている[1]

大場と小畑のタッグの1作めである『DEATH NOTE』は「悪」や「死」をテーマとしていたのに対し、吉田は本作のテーマは「幸せ」になると予測している[1]。また、『DEATH NOTE』、『バクマン。』が週刊誌連載であったのに対し、本作は月刊誌連載であり1号での掲載ページ数の増加と刊行ペースの関係から、1話の読み応え、次号への「引き」への工夫を施している[1]

あらすじ[編集]

家族を事故によって亡くした架橋明日は叔母一家に引き取られたが、一家全員からの凄惨な児童虐待によって生きる気力を失くし、中学卒業の日にマンションの屋上から飛び降り自殺を図る。しかし、地面に激突する寸前に天使のナッセによって命を救われたと同時に家族の事故が叔母夫婦に仕組まれた物だということを聞かされ、天使の翼と矢を授けられた。天使の力を得た後、親戚による呪縛から解放され生きる気力を取り戻した明日に、ナッセは「同様の力を与えられた人間は他に12人居り、その中から神となる候補を999日の期限以内に選ぶ」と告げられる。

そんな中、一人の神候補がヒーロー「メトロポリマン」に扮し大衆の前に現れる。人助けをして己の存在を誇示するメトロポリマンは、「12人の敵を倒す」=自分以外の神候補を皆殺しにして自分が神になることを宣言し、天使の力を使って神候補の殺害や犯罪者の粛清をしていく。危険な思想を持つ彼に警戒心を抱きながらも日常生活を送ろうとする明日だったが、同じく神候補になっていた同級生・花籠咲に赤の矢を刺されてしまう。幸いにも彼女に好意を抱いていたために対立には至らず、翼を持たない彼女を守るべく協力関係を結ぶ明日だったが、後日メトロポリマンにおびき出された3人の神候補が殺害される場面に出くわす。さらに警戒心を強める2人だったが、同じ思想を持つ神候補・六階堂七斗とも協力関係を結び、メトロポリマンに立ち向かうことを決める。

他の神候補をさらに減らそうとするメトロポリマンこと生流奏は、犯罪者を利用した囮作戦やテロまがいの破壊工作を敢行するようになり、六階堂の協力で装備を整えた明日は本格的に彼と相対することになる。この遭遇により手傷を負った奏は明日たちを本気で排除することを決断、自分に心酔する神候補の一人・底谷一を使って六階堂の家族を拉致し明日たちをおびき出す。奏が翼を分け与えた部下たち、新たに翼を得た咲と赤の矢で寝返った一を交えた戦いの末、一は明日を守って散り、奏は六階堂に射殺され、その六階堂も病に冒された身体が限界を迎え、3人の神候補が脱落する。

登場人物[編集]

主要人物[編集]

架橋 明日(かけはし みらい)
本作の主人公。ささやかな「普通の幸せ」を望む少年。両親と弟の死後、叔母一家に引き取られるも、一家全員に凄惨な児童虐待を受け続け、学校でもいじめを受けるなど、劣悪な生活を送り続けていた。そんな人生に嫌気がさし、中学卒業直後に飛び降り自殺を図るが、ナッセによって「神候補」に選ばれたことで生きる希望を取り戻し、望む形ではなかったものの親戚との決別を果たす。
高校に進学してからは、学業の傍らで神候補としての立場に悩む日々を送る。
両親の教えから他人を傷つけることを嫌っており、相手が敵であっても「白の矢」の使用を忌避している。
ナッセ
明日の幸せを望む「純粋無垢」の特級天使。人間の常識とはややズレたところがあり、明日のためになるなら他人の命を奪うことも厭わない言動をする。
花籠 咲(はなかご さき)
本作のヒロイン。明日が想いを寄せる少女で神候補の一人。持つ力は赤の矢。
明日とは小学生の頃から家族ぐるみの付き合いがあったが、彼が学校でいじめを受けるようになってからは周囲に迎合する形で彼のいじめに加わってしまい、その後ろめたさから長年良心の呵責に苦しんでいた。中学の卒業式の後に謝罪を決意するものの、彼の飛び降り自殺の場面を目撃してしまい、失意のうちに入水自殺を図ったことでルベルに神候補として選ばれた。
その後、明日が生存し叔母一家から解放されたことに安堵するも、彼への罪悪感は未だ残り、神候補として協力するようになり非力な自分を必死で守ろうとする明日の姿に胸を痛めていた。メトロポリマンとの戦いを経て彼が傷つくことに耐えられなくなり自分の罪を告白し死を願うが、明日の荒療治により「生きたい」という本心を吐露し、真の意味で生きる希望を取り戻した。
ルベル
咲に憑いている2級天使。明日を利用して咲を神にし、成り上がろうと目論む自称「悪知恵の天使」。
咲に翼を与えるためバレの称号であった「知識の天使」となるべく学習を始めるが上手くいかず、メトロポリマンとの決戦開始直前に己の不甲斐なさに苦悩するが、それにより天使では初めて涙を流したことで「人間の気持ちを理解できるようになった」と神に評価され「感情の天使」として1級天使に昇格を果たす。

神候補[編集]

ロドリゲス頓馬(ロドリゲス とんま)
ルタより赤い矢を与えられた中年のお笑いタレント。赤の矢を利用して女性タレントを次々と意のままに操りハーレムを作るが、テレビ番組に出演してそれをアピールしたことが裏目に出てしまい、神候補であることを察知したメトロポリマンの白の矢によって死亡。神候補の中で最初の脱落者となる。
田淵 三郎(たぶち さぶろう)、畠山 省吾(はたけやま しょうご)
浪人生の2人組。大学受験に失敗し自殺を試みたところを神候補に選ばれた。難関大学を目指していただけあって豊富な知識を持ち、翼と矢の性能についてもある程度習熟している。
メトロポリマンを危険視し、彼の呼びかけに応じたフリをして赤の矢を刺し無力化しようと目論むも、彼の罠に嵌められ2人とも白の矢により死亡する。
中矢間 知代(なかやま ちよ)
小学生。学校でいじめに遭っていたことから人生に絶望しており、神候補となって翼を得た。
メトロポリマンの呼びかけにより球場へ赴き、彼に反抗する田渕と畠山に恭順の意を示すも、隙を突いたメトロポリマンに赤の矢を刺されてしまう。最終的に用済みとされ、白の矢で死亡。
六階堂 七斗(むかいどう ななと)
アパレル関係の仕事をしているサラリーマン。一人称は「自分」。既婚者で妊娠中の妻と子供がいる。末期癌に侵され、生きる望みを断たれたことから神候補に選ばれた。しかし神の決定まで延命が困難であることから早々に挫折し、自分以外の神候補を探し、その中から神に相応しい者を見定めるべく行動していた。ちなみに、自分がいなくなった後の妻子の生活は資産家に赤の矢を利用したことで不正に得た大金で補っており、そのことから「自分には神になる資格はない」と半ば権利を放棄している。
メトロポリマンを危険視し、同じく彼に反する思想を持つ明日と咲を見つけ出し接触、協力関係を結ぶ。自分の伝手で明日と咲に正体偽装用のスーツを提供しており、自身は自衛隊から拝借したプロテクターと銃火器を扱う。
生流 奏(うりゅう かなで)
明日と同年代の少年。上層学園と呼ばれるエリート校に通っており、同校理事長の孫。
かつて自分の過ちで妹を見殺しにしてしまい、それを悔いて自殺しようとしたところを「神になれば妹を天使として蘇らせることができる」とメイザに吹き込まれ神候補になった。
元々自分と妹以外の命を軽んじていたため殺人に対する忌避感は皆無で、神候補であろうと無関係な人間だろうと命が奪われることに良心の呵責はなく、邪魔になるならば殺人も平気で行う。
神候補になった当初は昔の特撮ヒーロー「メトロポリマン」に扮して悪人を倒す覆面ヒーローとして活動し、世間に自分の存在をアピールすると同時に他の神候補を牽制、彼らをおびき寄せ4人もの候補を排除する。
底谷 一(そこたに はじめ)
神候補の一人である青年。
非常に貧乏な家に醜い容姿で生まれ、高架下に建てられたプレハブ小屋に母親と暮らしていたが、高校時代に母親が首を吊ってしまい、自分も絶望し後を追おうとしたところをバルタに選ばれ神候補になった。当初は与えられた力に困惑していたが、世間でヒーローとして活躍するメトロポリマン(奏)が自分と同じ神候補であることを知り、彼を英雄視するようになる。それからは彼のようになりたいと考え、赤の矢で医師たちを魅了して美容整形を繰り返し、それと並行して体を鍛え美男子へと変貌を遂げた。
地道な調査で奏の素性を調べ接触、自ら下僕になることを志願し、忠誠の証として六階堂の家を襲撃し妻子を拉致する。

天使[編集]

メイザ
奏に憑いている特級天使。彼曰く「セクシー」らしい。
「欲望の天使」と呼ばれ、手段は不明だが無級から特級に昇格した天使。
バレ
六階堂に憑いている1級天使。モノクルを付けている。「知識の天使」の異名を持ち、天使や神、その歴史から天界のあらゆる知識まで身につけている。元は特級天使だったが、知識をひけらかし特級から1級に降格している。
ルベルに昇格するための方法を教える。
エグラ
田淵に憑いていた1級天使。
エマカ
畠山に憑いていた1級天使。畠山の死後、翼と赤の矢を回収しようとするも、メトロポリマンの要求に仕方なく従い、翼と矢を渡した。
ルタ
ロドリゲス頓馬に憑いていた2級天使。神選びには興味が無く、早々に役目から開放されたがっていた。
ジャミ
知代に憑いていた2級天使。知代とは信頼関係があったらしく、彼女がメトロポリマンに殺されそうになった際には止めに入っていた。知代の死亡後、翼をメトロポリマンに渡した。
バルタ
一に憑いている1級天使。あらゆる予感が的中する「勘の天使」。善悪への興味はなく、「そうしたほうが面白そうだから」という勘を頼りに行動する。

奏の関係者[編集]

南河(みなみかわ)
奏のクラスメイト。メトロポリマンが関与した爆破事件の後で奏が負傷していたことから、彼がメトロポリマンではないかと疑うが、真相を知ることへの恐怖から口をつぐむことにした。
生流 怜愛(うりゅう れあ)
奏の妹で故人。兄同様の美しい容姿を持つ。「世界は汚れたもの」という考えを持つ奏の意向で彼が考える「汚いもの」から遠ざけられた生活を送っていたが、あるとき異性からの告白を受け、それを受け入れようとしたことで奏と口論になり、誤って階段に頭を打ちつけてしまう。すぐに治療すれば助かったが、「このまま死ねば美しい状態の怜愛のままだ」と魔が差した奏により見殺しにされ、遺体は腐敗防止措置を施され保存されることになった。
山田 美々々(やまだ みみみ)
通称「ミスリン」。読者モデルとして活動していた美少女だったが、美少女を殺すことに快感を覚える殺人嗜好者であり、2年前、当時14歳のときに3人の女子中学生を殺害したことで少年院に入れられていた。
神候補を炙り出すための駒として奏に「赤の矢」を刺された上で「赤の矢」と翼を貸与され脱走、彼の命令で「可愛くない女子中学生」を殺害しては目立つ場所に遺棄し、犯行にメトロポリマンが関与していることを誇示している。最後はメトロポリマンの罠に利用され、爆死した。
幕松 竜二(ばくまつ りゅうじ)
メトロポリマンの部下の1人。
元自衛隊員で大量の銃器を盗んで脱走した。
小日向 冬子(こひなた ふゆこ)
メトロポリマンの部下の1人。
製薬会社の研究員。研究成果のためなら他者の犠牲も厭わない。

用語解説[編集]

天使
特級、1級、2級と階級が存在しており、昇格や降格もある。通常の人間には見えないが、「天使憑き」の人間には他の天使が見える。
選ばれた13人の天使は999日を期限とし新たなる神候補を選ぶことが仕事だが、新たなる神の側近となるよう野望を持つ者もいれば、ルタのように端からやる気のない天使もいる。
特級天使は翼と赤の矢、白の矢を3つとも人間に与えることができる。1級は翼と赤の矢の両方を、2級は翼か赤の矢かどちらか一方を与えることができる。
特級は何かに卓越した天使に与えられる。ナッセの場合は「純真無垢(ピュア)」。
神候補
天使に選ばれて翼か矢、またはその両方を与えられた人間。生きる希望をなくした者のみが選ばれる。13人おり、全員日本国内にいる。
神候補が死んだ場合、与えられていた翼と矢は天使に回収されるが、生前に受け渡しを約束する、回収した天使に要求する、所持者を殺害するなどの手段を経れば他の神候補に所有権が移る。
翼と矢を余分に持っている場合、他者への譲渡が可能。神候補でない者でも、赤の矢を刺しておけば有効期間の33日間だけ自由に使うことができる。
高速での飛行、移動が行える。発射されることを認識していれば、数メートル以内から発射された銃弾をかわすことも可能な速度を出せる。
天使の矢
射る対象を認識していれば基本的に外れることは無い。例外として矢の飛行速度よりも翼での飛行速度のほうが速いため、翼を持った者が逃げれば当たることはない。
翼同様に通常の人間には見えず、使用者が翼で高速移動を行っている時は使えない。
射程距離は31.6m、連続して射つ場合1射目と2射目との間隔に2秒必要。ただし、赤と白を同時に出しておき、別々に射つ場合は0.3秒ほどの間隔で済む。
赤の矢
射た人間を33日間魅了させることができる。一人につき一度しか効果はなく、射た人間が死亡した場合は効果も消える。他の神候補の矢が刺さっている場合、先に刺さっているほうが優先され弾かれる。
相手が強い悔悟の念を抱くような行動をしていた場合(射られる前には悔悟する気持ちが微塵もなくとも)、自害させることも可能。
同時に使用可能な矢の本数は14本まで。ただし、矢を刺されている人間が死亡すると矢は使用者のもとに戻り、再使用できるようになる。
白の矢
特級天使に憑かれた候補のみが与えられる道具。射られた生物を苦しませずに即死させることができる。本来は寿命が近い人間を安楽死させるために用いられるもの。

書誌情報[編集]

  • 大場つぐみ(原作)・小畑健(漫画) 『プラチナエンド』 集英社ジャンプ・コミックス〉、既刊11巻(2019年8月4日現在)
    1. 2016年2月9日発行(2月4日発売[集 1][3])、ISBN 978-4-08-880637-2
    2. 2016年5月7日発行(5月2日発売[集 2])、ISBN 978-4-08-880709-6
    3. 2016年8月9日発行(8月4日発売[集 3])、ISBN 978-4-08-880760-7
    4. 2016年11月9日発行(11月4日発売[集 4])、ISBN 978-4-08-880814-7
    5. 2017年2月8日発行(2月3日発売[集 5])、ISBN 978-4-08-881009-6
    6. 2017年6月7日発行(6月2日発売[集 6])、ISBN 978-4-08-881080-5
    7. 2017年11月7日発行(11月2日発売[集 7])、ISBN 978-4-08-881161-1
    8. 2018年4月9日発行(4月4日発売[集 8])、ISBN 978-4-08-881370-7
    9. 2018年9月9日発行(9月4日発売[集 9])、ISBN 978-4-08-881426-1
    10. 2019年2月9日発行(2月4日発売[集 10])、ISBN 978-4-08-881729-3
    11. 2019年7月9日発行(7月4日発売[集 11])、ISBN 978-4-08-881887-0

脚注・出典[編集]

以下の出典は『集英社BOOK NAVI』(集英社)内のページ。書誌情報の発売日の出典としている。