プリーズ・ミスター・ポストマン

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プリーズ・ミスター・ポストマン
マーヴェレッツシングル
初出アルバム『プリーズ・ミスター・ポストマン』
B面 ソー・ロング・ベイビー
リリース
規格 7インチ・シングル
録音 1961年4月
ジャンル ソウル
ドゥーワップ
R&B
時間
レーベル モータウン T 54046
作詞・作曲 ジョージア・ドビンズ
ウィリアム・ギャレット
フレディ・ゴーマン
ブライアン・ホーランド
ロバート・ベイトマン
プロデュース ブライアンバート[注釈 1]
チャート最高順位
マーヴェレッツ シングル 年表
Please Mr. Postman
(1961年)
Twistin' Postman
(1961年)
テンプレートを表示

プリーズ・ミスター・ポストマン」(Please Mr. Postman) は、アメリカモータウン所属のグループ・マーヴェレッツ(The Marvelettes)のデビュー・シングルである[3]1961年8月21日モータウンから発売された。

解説[編集]

作詞作曲は、ジョージア・ドビンズ、ウィリアム・ギャレット、フレディ・ゴーマン、ブライアン・ホーランド、ロバート・ベイトマンの5名で、クレジットは「Dobbin-Garrett-Garman-Brianbert[注釈 1]」となっている[注釈 2][注釈 3]

シングルは、ビルボード誌が発表したBillboard Hot 100で23週間チャート・インし、1961年12月11日付で1位を獲得し[2]、R&Bチャートで第1位を獲得[5]し、ビルボード誌1961年年間ランキングでは第19位を獲得した。ダイアナ・ロス率いるシュープリームスや、ジャクソン5テンプテーションズスティーヴィー・ワンダーなどのビッグ・スターを有することになるモータウン・レコードで、最初のビルボード誌シングル・チャート全米ナンバーワン曲となった。

原案を作ったのは、デビュー前にマーヴェレッツを脱退することになるジョージア・ドビンス。この曲は、マーヴェレッツのリードシンガーであるグラディス・ホートン英語版が、戦地に赴いた恋人からの手紙を待つ気持ちを歌い上げている。

ビルボードが2017年に発表した「100 Greatest Girl Group Songs of All Time」では、22位に入っている[6]

パーソネル[編集]

カバー[編集]

「プリーズ・ミスター・ポストマン」は、多数のアーティストによってカバーされている。

ビートルズによるカバー[編集]

プリーズ・ミスター・ポストマン
ビートルズシングル
初出アルバム『ウィズ・ザ・ビートルズ
A面 ロール・オーバー・ベートーヴェン(カナダ)
B面 マネー(日本)
リリース
規格 7インチシングル
録音 1963年10月30日
ジャンル ドゥーワップ
ソウル
ロックンロール
時間
レーベル パーロフォン
作詞・作曲 ジョージア・ドビンズ
ウィリアム・ギャレット
フレディ・ゴーマン
ブライアン・ホーランド
ロバート・ベイトマン
プロデュース ジョージ・マーティン
チャート最高順位
  • 7位(日本、ミュージック・マンスリー洋楽チャート、1964年当時[7]
ビートルズシングル盤 日本 年表
オール・マイ・ラヴィング
b/w
ラヴ・ミー・ドゥ
(1964年)
プリーズ・ミスター・ポストマン
b/w
マネー
(1964年)
ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!
b/w
今日の誓い
(1964年)
ウィズ・ザ・ビートルズ 収録曲
A面
  1. イット・ウォント・ビー・ロング
  2. オール・アイヴ・ゴット・トゥ・ドゥ
  3. オール・マイ・ラヴィング
  4. ドント・バザー・ミー
  5. リトル・チャイルド
  6. ティル・ゼア・ウォズ・ユー
  7. プリーズ・ミスター・ポストマン
B面
  1. ロール・オーヴァー・ベートーヴェン
  2. ホールド・ミー・タイト
  3. ユー・リアリー・ゴッタ・ホールド・オン・ミー
  4. 彼氏になりたい
  5. デヴィル・イン・ハー・ハート
  6. ナット・ア・セカンド・タイム
  7. マネー
テンプレートを表示

本作は1963年11月22日に発売された2作目のイギリス盤公式オリジナル・アルバムウィズ・ザ・ビートルズ』のA面7曲目に収録された。この収録はビートルズが当時EMIがモータウンの英国内販売権を獲得したことへのプロモーションを兼ねたものである。

この曲を歌う際、マーヴェレッツが女性コーラスグループであり、歌詞の内容が男の子への恋心を歌ったものであったので、女の子に向けて歌う歌詞に変更して歌っている[3]リード・ヴォーカルジョン・レノンが担当し、ポール・マッカートニージョージ・ハリスンを交えた3人でコーラスを行っている。ビートルズのヴァージョンは、英米ではシングルカットされなかったため、チャートに登場することはなかった。日本ではB面に「マネー」を収録してシングル・カットされ、最高7位を記録した[7]

ビートルズは、この曲を1962年にキャヴァーン・クラブで行っていたライブで演奏しており、BBCでも3回演奏されている。

なお、この曲にはジョン・レノンがデビュー前のドイツ巡業時代、リヴァプールで彼の帰りを待つ恋人(当時、後の妻)のシンシア・パウエル宛のラヴ・レターの表に「郵便屋さん早くシンの元に届けてよ」と、この曲の歌詞をもじって書いていたというエピソードがある[8]

パーソネル[編集]

クレジットはイアン・マクドナルド英語版によるもの[9]

収録盤[編集]

カーペンターズによるカバー[編集]

プリーズ・ミスター・ポストマン
カーペンターズシングル
初出アルバム『緑の地平線〜ホライゾン
B面 マスカレード
リリース
規格 7インチシングル
録音 1974年9月
ジャンル ポップ
時間
レーベル A&Mレコード
作詞・作曲 ジョージア・ドビンズ
ウィリアム・ギャレット
フレディ・ゴーマン
ブライアン・ホーランド
ロバート・ベイトマン
プロデュース リチャード・カーペンターカレン・カーペンター
チャート最高順位
カーペンターズ シングル 年表
愛は夢の中に
(1974年)
プリーズ・ミスター・ポストマン
(1974年)
オンリー・イエスタデイ
(1975年)
テンプレートを表示

ビートルズ・ヴァージョンを聴いて育ったカーペンターズ(Carpenters)が1974年にこの曲をカバーした。カーペンターズのアルバム『緑の地平線〜ホライゾン』(1975年)からの先行シングルとしてリリースされ、ビルボード誌では、1975年1月25日付のBillboard Hot 100及びイージーリスニングチャートにて1位を獲得し[11]、カーペンターズにとって3作目の全米1位獲得シングルとなった。ビルボード誌1975年・年間ランキングは第32位[12]

ミュージック・ビデオも制作されており、ディズニーランドにて撮影が行われた。この映像は、1985年にVHSやレーザーディスクで発売された『Yesterday Once More』や2002年にDVDで発売された『Gold: Greatest Hits』に収録されている。

演奏[編集]

その他のカヴァー[編集]

この他にポルトガル・ザ・マンは、2017年に発売したシングル「Feel It Still」にて、この曲のメロディーをサンプリングしている[14]

メディアでの使用[編集]

2015年にCMオリジナルのアレンジが施された音源が、本田技研工業ステップワゴン」のCMに起用された。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ a b ブライアン・ホーランドとロバート・ベイトマンの共同名義
  2. ^ 1992年に発売されたボックス・セット『Hitsville USA: The Motown Singles Collection』では、「Dobbins, Garrett, Holland, Bateman, and Gorman」と表記されている。
  3. ^ ただし、ソングライターの殿堂では「Holland, Bateman, and Gorman」とクレジットされた[4]
  4. ^ タイトルは「郵便屋の兄ちゃん」と訳された。

出典[編集]

  1. ^ 45cat - The Marvelettes - Please Mr. Postman / So Long Baby - Tamla - USA - T-54046
  2. ^ a b The Marvelettes Please Mr. Postman Chart History”. Billboard. 2019年2月26日閲覧。
  3. ^ a b Gilliland, John (1969). "Show 25 - The Soul Reformation: Phase two, the Motown story. [Part 4]" (audio). Pop Chronicles. University of North Texas Libraries.
  4. ^ Brian Holland”. Songwriters Hall of Fame. 2013年1月8日閲覧。
  5. ^ Whitburn, Joel (2004). Top R&B/Hip-Hop Singles: 1942-2004. Record Research. p. 379. 
  6. ^ 100 Greatest Girl Group Songs of All Time: Critics' Picks”. Billboard (2017年7月10日). 2019年2月26日閲覧。
  7. ^ a b 『日経BPムック 大人のロック!特別編集 ザ・ビートルズ 世界制覇50年』日経BP社、2015年、97頁。ISBN 978-4-8222-7834-2
  8. ^ 亀田誠治 (2013年1月8日). “81.3 FM J-WAVE : BEHIND THE MELODY〜FM KAMEDA”. J-WAVE. 2019年2月27日閲覧。
  9. ^ MacDonald, Ian (2005). Revolution in the Head: The Beatles' Records and the Sixties (Second Revised ed.). London: Pimlico (Rand). p. 91. ISBN 1-84413-828-3. 
  10. ^ a b 『文藝別冊[総特集]カーペンターズ』(河出書房新社、2003年、ISBN 4-309-97652-2)p.111
  11. ^ Whitburn, Joel (2002). Top Adult Contemporary: 1961-2001. Record Research. p. 47. 
  12. ^ Top 100 Hits of 1975/Top 100 Songs of 1975”. www.musicoutfitters.com. 2019年2月27日閲覧。
  13. ^ Billboard, May 5, 1962 - Page 18 Billboard Music Week Hits of the World, New Zealand
  14. ^ Ryan, Patrick (2017年10月6日). “5 things you didn't know about 'Feel It Still' crossovers Portugal. The Man”. USA Today. https://eu.usatoday.com/story/life/music/2017/10/03/5-things-you-didnt-know-feel-still-crossovers-portugal-man/718270001/ 2019年2月26日閲覧。 
先代:
ジミー・ディーン
「ビッグ・バッド・ジョン」
Billboard Hot 100 1位獲得作品
(マーヴェレッツ・バージョン)

1961年12月11日(1週)
次代:
トーケンズ
ライオンは寝ている
先代:
バリー・マニロウ
哀しみのマンディ
Billboard Hot 100 1位獲得作品
(カーペンターズ・バージョン)

1975年1月25日(1週)
次代:
ニール・セダカ
雨に微笑を