ヘヴィサイドの定理

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ヘヴィサイドの定理(ヘヴィサイドのていり)とは、部分分数に分解するとき、分子の値を決定するための定理ヘヴィサイドの展開定理とも。オリヴァー・ヘヴィサイドに帰せられる。

有理式 f(x) が相異なる  p_1,\ldots,p_n を用いて

 f(x) = \frac{P(x)}{(x - p_1)^{m_1} \cdots (x - p_n)^{m_n}}

という形に書けている(ただし P(x) の次数は m_1+\cdots+m_n より真に小さい)とき、 f(x) の部分分数分解

 f(x)=\sum_{i=1}^n \sum_{j=1}^{m_i} \frac{k_{ij}}{(x - p_i)^j}

の分子の値 kij

 k_{ij} = \frac{1}{(m_i - j)!}\lim_{x\to{p_i}}\frac{d^{m_i-j}}{dx^{m_i-j}}(x - p_i)^{m_i}f(x)

である。特に分母が相異なる 1 次式の積

 f(x) = \frac{P(x)}{(x - p_1) \cdots (x - p_n)}

に書けるとき、その部分分数分解

 f(x)=\sum_{i=1}^n \frac{k_i}{x - p_i}

の分子の値 ki

 k_i = \lim_{x\to{p_i}}(x - p_i)f(x)

ここで x複素数でも成立し、複素平面上の極 pi での留数 ki1 を求めるための定理とも説明される。ヘヴィサイドの定理の導出は留数の計算を参照。

たとえば、

 f(x) = \frac{x}{x^2 - 1}

を部分分数に展開する。

 f(x) = \frac{k_0}{x+1} + \frac{k_1}{x-1}

ここで、ヘヴィサイドの定理を利用して

 k_0 = \lim_{x\to-1}(x + 1)\frac{x}{(x+1)(x-1)} = \lim_{x\to-1}\frac{x}{x-1} = \frac{1}{2}
 k_1 = \lim_{x\to1}(x - 1) \frac{x}{(x+1)(x-1)} = \lim_{x\to1}\frac{x}{x+1} = \frac{1}{2}

したがって

 f(x) = \frac{ \frac{1}{2} }{x+1} + \frac{ \frac{1}{2} }{x-1} = \frac{1}{2}\left(\frac{1}{x+1}+\frac{1}{x-1}\right)

となる。

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