ベッド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
西洋の王室のベッド 天蓋付き(Canopy bed)で、必要に応じてカーテンを巡らせる事も出来る

ベッドまたはベット英語: bedドイツ語: Bett)とは(寝床・苗床・川床・鉱床・道床など)を表す言葉である。日本語では主に寝床ねどこの意味で用いる。寝台しんだいと意訳される場合もある。

日本での位置づけ[編集]

奈良時代以前に中国より伝わった。正倉院には聖武天皇のベッドが保存されており、かなり早い段階から皇族や貴族、高級官僚などの間で使用されていた。しかし平安時代にの出現と共に居住空間の様式が変化し廃れる。一般には当初から広まらなかった。

戦国時代、戦国大名である大友義鎮大坂城に招かれた際の記録『謁見記』には天正11年(1586年)4月5日のこととして、豊臣秀吉のベッドについての記述が見られる。秀吉のベッドに関してはルイス・フロイスの『日本史』にも記述がみられる。

江戸時代は、出島における外国人の商館においてベッドが用いられていた(『発掘された日本列島2005』 朝日新聞社出版 p.75)ため、交流のあった一部の日本人には西洋文化としての認識はあった。

明治以降欧米式の生活様式が広まると共に再度伝わるが、畳の上で寝る形式が普通であった日本に於いては余り広がらず、病院軍隊等、特殊な生活環境を要求される際に使用する物(あるいは金持ちのステータス)の意味合いが強かった。 日本に外来語としてこの語が入ってきた当時は「ベット」とも呼ばれていた。ドイツ語ではBettであり、ドイツ医学由来の呼び名を使っていた医療現場を中心にベッドが納入されていたために、その影響もあったのではないかとも言われる。

昭和30年台、双葉製作所(後のフランスベッド)が徹底的な営業戦略(月賦販売)を展開し[1]、折からの団地・洋風住宅ブームも相まって、庶民へ普及していった。この時期、販売ルートは呉服店が担っていたという[2]

構造[編集]

  • ベッドパット
  • マットレス
  • ボトム - マットレスを置くベッドの本体部分。前後左右の板をボルトで固定し、左右の板を針金で結び、マットレスを支えるサナを置く。このほかダブルクッションのものや板張りのボードで下部に引き出しを備えるものなどもある。
  • 脚(無いベッドもある)
  • ヘッドボード - 横になったときに頭の上方に取り付けられているフレーム部分
  • フットボード - 横になったときに足の下方に取り付けられているフレーム部分(無いベッドもある)
  • 宮 - ヘッドボードの部分に取り付けられた照明や小物入れなどのある棚の部分。

分類[編集]

大きさ[編集]

括弧内の数字は、建築設計者が標準的に用いる参考寸法。宮は長さ+200mm程度。

  • ジュニア
  • シングル(幅1,000mm、長さ2,000mm)
  • セミダブル(幅1,200mm、長さ2,000mm)
  • ダブル(幅1,400mm、長さ2,000mm)
  • クィーン
  • キング
  • カリフォルニアキング
  • ロング

実際のベッドの大きさやその呼び方は、国や企業などによって異なる。

形態[編集]

ヨーロピアンスタイル(ヨーロッパスタイル)
ヘッドボードとフットボードがあるベッド。ヘッドボード部分に小棚(宮)の付いているベッドもある。
ハリウッドスタイル
ヘッドボードはあるものの足元の部分にフットボードがないベッド。ヨーロピアンスタイルの場合と同様にヘッドボード部分に宮の付いているベッドもある。
二段ベッド (Bunk bed)
上下にベッドを積んだ形状の物。上段を利用するために、はしごが付く。三段ベッドもある。
ロフトベッド
二段ベッドの上段のみ、といった形状。専有面積の広いベッドを上に押し上げ、二段ベッドの下段に相当する部分に、机や箪笥などを置いて、特に狭い環境において空間を有効に使用することができる。
折りたたみ
マットレスに金属パイプとキャスターが付いているもの。布団を敷いたまま、マットレスを立てて長さを半分にした形に一人でできる。重量はあるが、キャスターで一人で簡単に移動することができる。
ソファベッド
ソファとベッドが兼用で使用できる構造のもの。ソファの状態から折りたたまれた座面の部分を伸ばすことができ、簡易なベッドになる。
作りつけベッド
室内に造作工事にて製作される後付け家具、什器としての寝台のこと。
ベビーベッド
乳児の転落を防ぐために周囲をサークル(柵)で囲い、また世話のために適当な高さとなっているベッド。柵には動かして遊べるようなものも取り付けられている。
介護
リモコンひとつで操作でき、背上げ、脚上げと左右にねがえりの機能があり、飲食や読書などを補助する為のベッドテーブルが付属するものある。 日本初めてのベッドとしては木村寝台(後のパラマウントベッド)がある。
医療用
木で作ったシングルベッドがある。
簡易ベッド
更に簡素な構造の物として「コット」(折り畳み式簡易ベッド)がある。分割ジョイント式にされている左右のパイプの間にキャンバスシートがあるのみ。付属している折り畳み式X字脚の上に載せて使う。主として野戦病院や屋外救護所、軍のキャンプで使用するもの。
畳ベッド
ベッドのマットレスの代わりに畳を使用したもの。近年日本の家屋で洋間が一般的となり、「洋間だが畳の上で寝たい」というニーズが増加したことに対応して生まれた。

マットレス[編集]

ベッド用のマットレスは、敷布団の下に使用するウレタンのものと異なり、中にスプリングが入っている。スプリングは鋼鉄製で、スプリング形状にそれぞれ工夫がなされている。形状によって、S式、Z式、ポケットコイル式等がある。体重やサイズによりバネスプリングの硬度が異なる為、用途により選択される。

木製部分と底面の間に毛布などを敷くことによって、摩擦による表面のほころびを防ぐことができる。3ヶ月毎に表裏上下を変え、1年で元に戻すなどバランスよく使うことにより、寿命が延びる。

脚注[編集]

  1. ^ NHKの現代の映像で『独立先行隊』と呼ばれる組織が取材されている
  2. ^ [1] ベッドの歴史

関連項目[編集]