数学において、ベータ関数(ベータかんすう、英: beta function)とは、ルシャンドルの定義に従って第一種オイラー積分とも呼ばれる特殊関数である。
定義[編集]
を満たす複素数 x, y に対して、
と定義される関数をベータ関数と呼ぶ。
性質[編集]
- 対称性
ベータ関数は次のような対称性を持つ。
- 関数等式
ベータ関数は次の関係式を満たす。



- 積分表示
変数変換を行うことで、以下の形にも表示できる。いずれも定義域は
である。



- ポッホハマーの表示
のリーマン面上の積分路として、実軸上の (0,1) 内の点から出発し、1を正の向きに、0を正の向きに、1を負の向きに、0を負の向きの順で回って、元の点に戻るポッホハマーの積分路(英語版)を取れば、次のポッホハマーの表示が成り立つ。
- ガンマ関数との関係
ベータ関数は、次のようにガンマ関数と結び付く。
- 級数表示
但し、
は下降階乗冪
である。
- 特殊値
x = y = 1/2 のとき、以下が成り立つ。
正の整数 l, m に対して、以下が成り立つ。
参考文献[編集]
- E. T. Whittaker and G. N. Watson, A Course of Modern Analysis. Cambridge University Press 1927.
関連項目[編集]
外部リンク[編集]