ペスター

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ペスターとは、特撮テレビ番組『ウルトラマン』および『ウルトラマンパワード』に登場する架空の怪獣の名前である。別名は油獣ゆじゅう[1][2][3][4][5][6][7][8][注釈 1]。英字表記はPESTER[1][10]PESTAR[4][11]など[注釈 2]

『ウルトラマン』に登場するペスター[編集]

ウルトラマン』第13話「オイルSOS」に登場。

ヒトデが横に連結したような形態の怪獣で、身体の中心にコウモリに似た顔を有する。オイルを主食としており、口から火炎熱線を吐く。

中近東油田タンカーを襲うが、科学特捜隊中近東支部に警戒されて日本まで逃げ延び、東京湾から出現する。その後も次々と油田やタンカーを襲い、タンクローリーを襲撃した際に酔っ払いに目撃され、通報を受けた科特隊にオイルでおびき出されて海上で攻撃されるが、生き延びて日本への上陸を果たす。コンビナートを火炎で破壊した後、腹部にビートルのロケット弾を受けて炎の中に倒れる。ウルトラマンが消火のために現れると倒れたまま息を吹き返し、ウルトラマンの背後から火炎を浴びせて多少のダメージを与えるものの、すぐさまスペシウム光線で止めを刺される。コンビナートの大火災は、ウルトラマンのウルトラ水流によって消火される。

  • スーツアクター:荒垣輝雄清野幸弘[2][6]
  • 準備稿・決定稿の両方で、ペスターはビートルのロケット弾攻撃で木端微塵になっており、ウルトラマンは製油所の消火作業に終止している[13]
  • 名前の由来は「Petroleum(ペトロリウム、石油)Starfish(スターフィッシュ、ヒトデ)」の略[14]
  • 着ぐるみは第12話に登場したドドンゴに続く、2人で着込んで操演するタイプである[5][15]。口の開閉はマペット方式によって表現されている[16]
  • 『ウルトラ怪獣列伝』ではヒトデが海洋汚染物質や石油などを浴びたことにより怪獣化したものと推測している[5]
  • デザインは成田亨[15]。コウモリの顔[15]の左右にヒトデを1つずつ並べた姿[6]なのは、コウモリの羽を似た形のヒトデに置き替えてデザインされたためである[17]。フジ隊員がムラマツキャップらに見せる想像図は、デザイン画の流用。
  • 一峰大二による漫画版では、口から火を吐いてウルトラマンを火達磨にし、タンカーをも真っ二つにする強力な絞め技でウルトラマンのカラータイマーが赤になるまで締め上げるが、組み合っている途中でウルトラマンが無理矢理ガソリンタンクに飛び込んだために絞め技がはずれ、油まみれになったところにスペシウム光線を浴びせられ、跡形もなく消し飛ぶ。
  • ウルトラファイト』では、ウルトラマンが駆け付けた時は油を飲みすぎた状態で炎に包まれてすでに虫の息で、ナレーションによると自壊作用を起こしたと説明されている。

『ウルトラマンパワード』に登場するペスター[編集]

ウルトラマンパワード』第10話「二人の英雄」(米国版サブタイトル:DEADLY STARFISH)に登場。玩具などではパワードペスターと称される。

『ウルトラマン』に登場するペスターと同じく石油を主食としており、それが体内に充満している点も同じであるが、体表は無数の吸盤で覆われており、顔も甲殻類の顎が変化したような形状になっており、外殻で覆っている。通常は中心で体を二つ折りにしてヒトデが直立したような形態で海中に潜んでおり、オイルを摂取する際には油脈を使って地中を移動しながら、アントニオ湾石油会社の関連施設を次々と襲う。体温がかなり高く、液体窒素弾の炸裂によるダメージを受けず、弾力がある体のため、パンチやキック攻撃が効かない。また、体内の石油を引火させることによって口から紅蓮の高熱火炎を吐き出す[19]

ウルトラマンパワードとの戦いでは、体内のオイルに引火すれば大爆発することへの懸念から安易に光線技を使えないパワードを苦戦させるが、誘爆しないように身体の先端部を狙ったストライクビートルの攻撃で怯んだ隙に上空高く投げ飛ばされ、メガスペシウム光線で花火のように爆破された。

  • W.I.N.R.のデータベースに記録があるため、劇中でもペスターと呼ばれる。
  • デザインは前田真宏[20]。顔はエビやカニなどの甲殻類をモチーフとしている[20]。デザインイメージは触手の集合体[21]
  • 企画段階では「ペスターβ(ベータ)」という名称候補があった[22]

アクアペスター[編集]

データカードダス『大怪獣ラッシュ ウルトラフロンティア』に登場。

プラズマソウルを取り込んだプラズマ怪獣であるが、通常のプラズマ怪獣と異なり体色が青に変化している。プラズマソウルは鋭利な刃のように尖っており、危険性が高い。3弾のボス怪獣として登場した。

オリハルコンペスター
3弾の期間限定ミッションに登場。プラズマソウルの中でも随一のレア度を誇るオリハルコンプラズマソウルに覆われたアクアペスター。

その他の作品に登場するペスター[編集]

その他の補足[編集]

  • ウルトラマン』の前作『ウルトラQ』の未製作エピソードに、上原正三脚本による「OIL S・O・S」がある。しかし、『ウルトラマン』の放送作品と同音異字のサブタイトルながらストーリーは全く異なる[13]。当時、上原はタブーとされていた沖縄戦を描くことができないのなら水俣病をテーマにしようと考え、ヘドロを出自として石油を糧に巨大化する怪獣の設定を考え、円谷一の了承を得たうえでロケ撮影を予定していた石油会社を訪ねて一旦の了承を得たが、のちにロケについて石油会社から断られる。しかし同話に登場する怪獣クラプトンの操演用ミニチュアが完成していたため、『ウルトラQ』第21話「宇宙指令M774」を急遽執筆し、結果的にこれがプロデビュー作になったという[30]。『ウルトラマン』第13話の脚本を担当した金城哲夫が同音のサブタイトルを用いた理由は不明だが[13]、「OIL S・O・S」での江戸川由利子のセリフの一部は『ウルトラマン』第13話の準備稿でアキコ隊員のセリフに流用されている。
  • 1966年の特撮テレビ番組『マグマ大使』第42話には、ペスターの絵が映るカットがある。
  • てれびくん』でのグラビアと漫画で展開された『ウルトラ超伝説』では、ペスターをモデルにした怪獣戦艦ペストリアが登場する(漫画版には未登場)。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 資料によってはオイル怪獣と記述している[9]
  2. ^ 『ウルトラマン ベストブック』ではPETROL-SEASTARと記述している[2]
  3. ^ 資料によっては、海底→京浜地帯[1][9]、中近東[2][3]、中近東→京浜[4]と記述している。
  4. ^ 『円谷プロ全怪獣図鑑』では「50メートル」と記述している[18]

出典[編集]

  1. ^ a b c d e 白書 1982, p. 50, 「ウルトラマン 怪獣リスト」
  2. ^ a b c d e f ベストブック 1993, p. 92
  3. ^ a b c d e f g 大辞典 2001, p. 288
  4. ^ a b c d e 画報 上巻 2002, p. 39
  5. ^ a b c d e 怪獣列伝 2008, pp. 60-61, 「巨大ヒトデは動くオイルタンク 油獣ペスター」
  6. ^ a b c d e 全調査報告 2012, pp. 58-59, 「CASE FILE13 オイルSOS」
  7. ^ 円谷プロ全怪獣図鑑 2013, pp. 15、219.
  8. ^ a b c d 研究読本 2014, p. 221, 「ウルトラマン 怪獣・宇宙人大図鑑」
  9. ^ a b c d ウルトラ怪獣大全集 1984, p. 15
  10. ^ a b ウルトラゾーン完全ガイド 2012, p. 109, 「怪獣English」
  11. ^ a b c d 画報 下巻 2003, p. 69
  12. ^ a b c 円谷プロ全怪獣図鑑 2013, p. 15
  13. ^ a b c 研究読本 2014, pp. 76-77, 「エピソードガイド第13話」
  14. ^ ケイブンシャ『ウルトラマン特撮の秘密百科』114頁
  15. ^ a b c 成田亨 2014, p. 84
  16. ^ 大ウルトラマン図鑑 1996, p. 123.
  17. ^ よゐこの企画案』第4回放送分[信頼性要検証]
  18. ^ a b c 円谷プロ全怪獣図鑑 2013, p. 219
  19. ^ 新大全集 1994, pp. 40-41.
  20. ^ a b 「ウルトラマンパワード20周年記念特集 パワード怪獣完全図鑑」『語れ!ウルトラ怪獣【永久保存版】』 KKベストセラーズ〈ベストムックシリーズ44〉、2014年4月23日、91-101頁。ISBN 978-4-584-20544-0。
  21. ^ 新大全集 1994, p. 118.
  22. ^ 新大全集 1994, p. 53.
  23. ^ ウルトラ銀河伝説超全集 2009, p. 79, 「百体怪獣ベリュドラ完全攻略」.
  24. ^ ウルトラゾーン完全ガイド 2012, p. 9, 「ウルトラゾーンアイキャッチコレクション1」.
  25. ^ 『ウルトラゾーン公式ガイドブック』(ミリオン出版、2012年、ISBN 978-4-81-302189-6)[要ページ番号]
  26. ^ ヒーロー&怪獣 ウルトラマンX(エックス)公式サイト”. 2017年3月9日閲覧。
  27. ^ X超全集 2016, p. 38, 「ウルトラマンX怪獣大図鑑」.
  28. ^ 「INTERVIEW メイン監督 田口清隆」、『HYPER HOBBY PRESENTS キャラクターランド』vol.2、徳間書店、2015年8月1日、 pp.80-81、 ISBN 978-4-19-730135-5。
  29. ^ a b オーブ完全超全集 2017, pp. 103-110, 「スペシャル企画 ウルトラマンオーブクロニクル<年代記>」
  30. ^ ウルトラマン屈指の異色作 沖縄出身脚本家・上原正三さんが挑んだタブー | 沖縄タイムス+プラス

参考文献[編集]

  • 『不滅のヒーローウルトラマン白書』 朝日ソノラマファンタスティック・コレクション・スペシャル〉、1982年12月31日、初版。雑誌コード:67897-80。
  • てれびくんデラックス愛蔵版(小学館
    • 『ウルトラ怪獣大全集』 小学館〈てれびくんデラックス愛蔵版〉、1984年9月10日。ISBN 4-09-101411-9。
    • 大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE超全集』 小学館〈てれびくんデラックス愛蔵版〉、2009年12月23日。ISBN 978-4-09-105129-5。
    • ウルトラマンX超全集』 構成・間宮尚彦 執筆・大石真司、小学館〈てれびくんデラックス 愛蔵版〉、2016年3月16日。ISBN 978-4-09-105153-0。
    • ウルトラマンオーブ完全超全集』 構成・間宮尚彦 執筆・大石真司、小学館〈てれびくんデラックス 愛蔵版〉、2017年6月6日。ISBN 978-4-09-105158-5。
  • 『ウルトラマン ベストブック』 竹書房、1993年9月5日。ISBN 4-88475-211-2。
  • 『テレビマガジン特別編集 新・ウルトラマン大全集』 監修:円谷プロダクション、講談社、1994年10月1日。ISBN 4-06-178418-8。
  • ヤマダ・マサミ 『大ウルトラマン図鑑』 ホビージャパン、1996年。ISBN 978-4894251090。
  • 『ウルトラマン大辞典』 監修 円谷プロダクション、中経出版、2001年12月21日。ISBN 4-8061-1556-8。
  • 画報シリーズ(竹書房)
    • 『ウルトラマン画報 光の戦士三十五年の歩み』上巻、竹書房/ブレインナビ編、竹書房、2002年10月4日。ISBN 978-4-8124-0888-9。
    • 『ウルトラマン画報 光の戦士三十五年の歩み』下巻、竹書房/ブレインナビ編、竹書房、2003年5月9日。ISBN 4-8124-0999-3。
  • 『ウルトラ怪獣列伝 ウルトラマン・ウルトラセブン編』 ブレインナビ編著、PHP研究所PHP文庫〉、2008年8月18日。ISBN 978-4-569-67071-3。
  • ウルトラゾーンオフィシャル完全ガイド』 監修 円谷プロダクション扶桑社、2012年8月11日。ISBN 978-4-594-06640-6。
  • 『ウルトラマン 全調査報告』 講談社 編、講談社〈キャラクター大全〉、2012年12月20日。ISBN 978-4-06-218128-0。
  • 大石真司、江口水基・島崎淳・間宮尚彦 『円谷プロ全怪獣図鑑』 小学館、2013年3月11日。ISBN 9784096820742。
  • 『別冊映画秘宝ウルトラマン研究読本』 洋泉社〈洋泉社MOOK〉、2014年1月2日。ISBN 978-4-8003-0262-5。
  • 成田亨 『成田亨作品集』 羽鳥書店、2014年7月19日。ISBN 978-4-904702-46-8。

関連項目[編集]